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世界中を虜にするゲノム編集技術「クリスパー」とは。モンサントやデュポンも参戦する新たな農業革命

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世界中を虜にするゲノム編集技術「クリスパー」。モンサントやデュポンも参戦する、新たな農業革命


2012年、人類はこれまで神の手にゆだねていた運命を、
自らの手で操る技術を手に入れました。

それは、クリスパー・キャス・ナイン(CRISPR-Cas9、以下クリスパー)。

遺伝子を的確に操作できる、このゲノム編集技術は、
発表後、瞬く間に世界中に広がり、
「神の力」を手にした研究者たちは、意気揚々と
様々な実験・開発合戦を繰り広げるようになりました。

現在も、世界各国の様々な分野において、
クリスパーは頻繁に活用され、その技術に特化した
スタートアップも次々と登場しています。

IN YOUではこれまでも、遺伝子組み換え作物(GMO)がもたらす、
私たちの生活への影響について色々な観点からご紹介してきました。

GMOが世界中で悪者となり、各国が規制強化と締め出しを行う中、
農業のみならず、すべての食材に対し、
クリスパーの波は押し寄せ浸透していっている
のです。

今回は、最も容易かつ効率的にクリスパーを有効活用できるとされている、
農業の世界からその威力を見つめていきます。

「神のはさみ」と呼ばれるゲノム編集技術、クリスパーがもたらすのは、人類の繁栄か、滅亡か…?


クリスパーの発明が、神の領域を侵すことになると
考えられるのは、なぜなのでしょうか?

それは、遺伝子を人間の手で「デザイン」できてしまうからなのです。

人間は自分たちの繁栄と存続のために、
これまでも様々な技術を生み出してきました。
今回、神から与えられたのは、おもちゃなのでしょうか?
それとも、人類を試すための、パンドラの箱なのでしょうか?

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クリスパーは不要な情報を取り除いてくれる、ゲノム編集用カッター


まずは、遺伝子デザインを実現可能とした、
クリスパーのメカニズムを見ていきましょう。

(ここでは、クリスパー・キャス・ナインの「クリスパー」と「キャス・ナイン」に分けて、説明していきます。)

クリスパーというのは、細菌のDNA内に繰り返して現れる配列のことを指します。
そして、クリスパー・キャス・ナインの「キャス・ナイン」とは、その名の通り、Cas9という酵素たんぱく質です。

このCas9が、クリスパーにくっつくことで、
クリスパーとつながっていた特定のDNA配列部分と
合わせて3つがセットなります。

そして、「クリスパー+Cas9+特定のDNA配列」のチームは、
メンバーの「特定のDNA配列」と一致する別のDNA配列部分を見つけると、
一致する部分を切り取りにいってくれるのです。

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この働きは、もともと獲得免疫システムと言われるもので、
簡単に言えば、インフルエンザなどのワクチン接種のメカニズムです。

獲得免疫とは、体内にウイルスなどの異物が
入ってきた際に獲得される免疫です。
この免疫が異物を記憶することで、
再び同じ異物が入ってきた際も、
異物であると判断し、除去してくれています。

クリスパー・キャス・ナインは、この免疫システムを利用して、
不要な(除去したい)ものの記憶を持った「はさみ」を、改変したい生物のDNA配列に入れることで、
不要な部分を正確に見つけ出し、カットしてくれるという技術なのです。

不要な配列を切り取り、好みの配列に置き換える。

そうすることで、遺伝子をお好み通りにデザインしていくことが、可能となったのです。

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お好みにゲノムをデザインできるクリスパーにつきまとう倫理的問題


このように、不要な情報を取り除き、好みの要素だけを持った生命体を生み出すことを可能にしたクリスパー。

その技術は様々な分野で、日夜研究開発が進められています。
実験の成功例としては…

・人間の編集(ヒト胚の編集)
・HIVウイルスの完全除去(マウスにて実験成功)
・がん細胞の増殖を遅らせる
・蚊の繁殖を制限

現在成功している実験例を見るだけでも、クリスパーがもたらした効果は相当なものですよね。

このままいくと、人間が病に倒れる心配もなくなり、
一生健康体で過ごせることだけにとどまらず、
ベニクラゲなどの不老不死遺伝子を取り込んで、
死なない人間を誕生させることも可能だという説も根強くあります。

しかし、このように自分たちの都合の良いように生命体をいじくりまわすことは、
まさに神の領域を侵すことになるのですが、
世間の反対の声が好奇心旺盛な研修者たちを抑えることができるかは、
まだまだ難しい問題として残ります。

最強のゲノム編集ツール、クリスパーが生み出す新しい「食」の世界


医療分野において、
病気の治療薬研究などに活用されているクリスパーですが、
クリスパーの生みの親である、
カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ氏は、
農業分野での活用の広がりに期待感を示しています。

最短時間で最大の効果を見出す可能性があるのは、やはり農業分野だと思います。/ジェニファー・ダウドナ氏


引用:WIRED

大手アグリバイオ企業が目を付けた、クリスパーによるゲノム編集作物の可能性


すっかり悪役となってしまった遺伝子組み換え作物(GMO)ですが、
クリスパーはこれまでの遺伝子操作に要していた
時間もコストも手間も大幅に削減でき、
その上、的確に改変できる
ことから、
猛スピードで新商品の開発に企業は乗り出しています。

クリスパーの登場によって、自由自在な品種改良が可能となる食材は…

すべてです。

野菜も、肉も卵も牛乳も、魚も…
すべての動植物が、人間の手によって
カスタマイズできるようになったのです。

そんな無限の可能性に目を付けた、
モンサントやデュポンといった大手アグリバイオ企業は、
次々と新しい農作物に多額の資金を投入し、
研究開発に勤しんでいます。

そう、私たちの食卓の大変革も、もう目の前に来ているのです。

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出典:農林水産省『最先端バイオテクノロジーで切り拓く新たな農林水産業の創造に向けて』

食材のゲノムデザインも自由自在。クリスパー野菜が世界の農家を救う?


今後も地球の人口は増加を続け、
今世紀末には110億人を超えると言われています。

予想される食糧危機に備え、多くの企業や研究機関において、
「気候変動に左右されない」「同じ農地でも
高い収穫量を維持できる」
といった特性をもつ農作物の開発が急ピッチで進められています。

国内外において、すでに様々な「新しい農作物」が生み出されようとしています。

・干ばつに耐えられるトウモロコシ
・これまでよりも高い収穫量を得られる小麦
・枝から落下しないトマト(果実落下によるロスがなくなり、収穫量が大幅アップ)
・アレルギー物質を取り除いたじゃがいも

などなど。

これらの作物はすべて人間本位に品種改良が進められています。
人間本位、つまりは農家ファーストになります。

限られた広さの農地の中で、
どれだけ多くの収穫を安定的かつ効率的に得られるか。


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こうしてみると、農家にとっては、
気候変動に左右されず、安定した収穫が約束され、
また、劣化や奇形といったロス作物もなくなり、
優良な作物だけがたくさん実るようになれば、収入も増える…
と、かなりおいしい話ではないかと思ってしまいますよね。

農家が効率的に収益を上げるビジネスとなれば、
農業人口も増えるでしょう。
今よりも多くの人が農業に参入して、
農業も活性化してハッピー…で、終わるのでしょうか?

クリスパー作物の種は魔法の種。農家がゲノム編集作物依存に陥る可能性


クリスパーによるゲノム編集により、
農家にとってはウハウハな優秀な作物が
でき上がる日はもう間近に迫っています。

けれど、この事態は手放しでは喜べないことが隠れているのです。

それは、です。

先に挙げたような一見優秀なクリスパー作物を栽培するためには、
もちろん種を買わなければいけませんよね。

そんな種を開発するため、クリスパーの使用権をとある大手アグリバイオ企業が手に入れたのです。
それは、モンサント

GMOやラウンドアップのおかげで、
世界中から常に注目を集める企業ですよね。

モンサントがクリスパーの使用権を手にしたことで、
これまでの遺伝子操作の経験やノウハウも総動員して、
様々な特性を持つ種を開発しています。

ただし、この使用権を得るためには、
特許保有者からの厳しいルールを守ることが大前提にあります。

その中には、

①.クリスパーの遺伝子への組み込み禁止
クリスパーによって改変した情報が次世代に引き継がれてはいけない。

②.不稔種子開発の禁止
生育可能な種子をつけない作物の種は作ってはいけない。

というものがあります。

①は人為的に品種改良した情報が無防備に広がらないようにするためで、
ゲノム編集を悪用したものが拡大しないための防護柵です。

②は、特許保有者側がかなり、モンサントを意識したのではと言われている点です。

モンサントは、遺伝子利用制限技術(GURT)という特許をもっており、
この技術により、「種をつけない作物の種」を作ることが可能となるのです。

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モンサントを描いたドキュメンタリーや書籍では、
農家は毎年種を購入しなければならず、
収穫した種を翌年使用しようとすると、
監査員のようなスタッフがやってきて訴えられる…
といった場面がよく出てきますよね。

もし、モンサントが自社のGURTに含まれる、
不稔種子技術とクリスパーによる「新しい種」を開発・販売し始めたなら、
農家は毎年種を購入しなければ、作物を育てられない状況に陥ります。

モンサント広報によれば、
そのような「ターミネーター」種子の開発・販売は行わないと発表していますが、
その反面、GURTの利点もかなり力強く押し出しています。

これまでも「自社製品を購入・使用し続けなければいけない状況を作り出す」マーケティングを行ってきた企業だけに、
今後の動向を注意深く見守る必要がありますね。

出典:小林雅一「ゲノム編集とは何か「DNAのメス」クリスパーの衝撃」(講談社現代新書)

出典:日本モンサント『モンサント・カンパニーは「ターミネーター」種子を開発・販売しようとしているのか?』



クリスパーが起こした波はどこまで届くか分からない! 進化し続けるゲノム編集への正しい知識と理解を持つことが、安心・安全な食卓を守る第一歩


クリスパーを活用した、カスタマイズ食材が及ぼす食の市場への影響力は
今後さらに拡大していくことが予想されています。

クリスパーは、現在アメリカでは規制対象外とされています。
その理由としては、
ゲノム編集は、外来遺伝子の組み込みではなく、
ひとつの作物の中に存在する遺伝子の削除や配置換えによるもので、
これは品種改良の一種であり、
自然界でもこれまで突然変異として起こってきたことと同様だからというもの。

確かに、これまで農家が何度も試行錯誤を重ねて、
より甘いトマトや、果皮の薄いぶどうなどを作ってきた過程を、
高速で行えるようになっただけなのかもしれない。

けれど、やっぱり、腑に落ちないのはなぜでしょう?

それが自分の中にある倫理的な嫌悪感から来るものなのか、私にはまだわかりません。

ただ、ゲノム編集の全貌がわかっていない現段階では、
「よくわからないものは食べたくない」という気持ちにつきます。

まだまだ研究が進み、これからどんどんと課題もクリアになっていくであろう、ゲノム編集の世界。

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すでに人はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれませんが、
それでもきちんとその行く末を見つめ、知り、考えたことを
これからもみなさんと共有していきたいと思います。

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