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食品衛生法が15年ぶりに改正予定。農薬や添加物に関する政策は未だ「逆行中」。日本の食はこれからどうなるの?

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日本の食の安全を支える法案が見直されようとしています。

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日本の食の安全を支える法案とも言える、食品衛生法。
その法案が15年ぶりに見直されようとしています。

食品衛生法によって守られているのは食にまつわる危害を防止し、健康を守るための法律です。

食品そのものだけではなく、小さな子供が口に入れる恐れがあるとして食品を入れる容器も規制の対象です。
今回なぜ改正され、それによって私たちの食生活に何か影響はあるのでしょうか?

前回の改正はあの事件がきっかけ

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食品衛生法が制定されたのは1948年です。
前回の改正は2003年、雪印事件やBSE問題など食品の不祥事が相次ぐ中で、国民の不満が高まったことを受けてのことでした。

雪印事件は2000年6月27日に最初の被害届が出されたことから発覚しました。
雪印乳業大阪工場で製造された「雪印低脂肪乳」を飲んだ子供が嘔吐、下痢の症状を訴え、

それ以降の7月までに報告された食中毒患者数は14,780名に達した未曾有の集団食中毒事件です。その原因は脱脂粉乳が黄色ブドウ球菌から発生した毒素に汚染されていたからです。

その後雪印は2001年から2002年にかけてグループ会社の雪印食品が牛肉偽装事件を起こしBSE問題が表面化。
社会的信用を失った雪印はグループの解体、再編に追い込まれ、現在はメグミルクとして会社の名前を変えています。

BSEは狂牛病としても知られ、牛の脳がスポンジ状になり死に至る恐怖の病気です。
人間にも食品として食べることで感染し、感染例としてクロイツフェルトヤコブ病が挙げられます。

クロイツフェルトヤコブ病は、うつなどの症状から認知症や運動障害に進行、発症から1〜2年で死亡する治療法がまだない難病です。

そのような恐ろしい牛肉を会社の利益を優先のために輸入、表示を偽装が行われたのです。

食肉を扱う他の企業にもBSE問題は波及、国民の不安が高まり食品衛生法が改正されました。

主な改正ポイントは「食中毒防止」

今回の改正のポイントは

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厚生労働省はが平成30年1月19日〜2月7日まで食品衛生法等改正の骨子案を作成、意見を募集しました。
食品衛生法を改正するにあたり、一般からも意見を公募したのです。

改正の趣旨としては

1.広域的な食中毒事案への対策強化
2.HACCPに沿った衛生管理の強化
3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
4.国際整合的な食品容器具・容器包装の衛生規制の整備
5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
6.食品リコール情報の報告制度の創設
7.その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)

となっています。

厚生労働省の資料で見ても、重点を置かれているのは食中毒対策です。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000186648.pdf

これはHACCPによる衛生強化とも関連します。
記憶に新しいところでは、2017年に埼玉県と群馬県の総菜店でポテトサラダを食べた人が腸管出血性大腸菌O-157に感染、
集団食中毒事件となりそのうち3歳の女の子が亡くなるという事件がありました。

その後総菜店だけでなく、横浜の焼肉チェーン店や埼玉のパスタ・ピザチェーン店でなど外食店でもO-157による感染が相次ぎました。
この時、それぞれの地域の保健所の連携が不十分だったため、原因究明が遅れたという事実があります。
さらに、現在HACCPは飲食店を含む全ての食品企業が導入しているわけではなく義務化されていません。

独自の方法で衛生管理をしている飲食店や企業が多いため、食中毒の実態を把握するまで時間がかかり、被害がさらに増えるという現実があります。

食中毒抑止と東京オリンピックの関連は?

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国際的衛生管理手法、HACCPの義務化で世界基準の衛生レベルに飲食店や食品会社の食中毒防止につなげようという意図はわかります。
しかしなぜ、東京オリンピックまでと急ぐのでしょうか?

食中毒と訪日外国人観光客

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厚生労働省の食中毒統計調査によると食中毒事件・患者数は、
平成28年の事件数は11,139件、患者数は2万252人。


年間の食中毒数は事件で1,000件、患者数は2万人付近で推移しています。
食中毒の原因としては、細菌とウイルスがその原因の90%を占めています。

そのうち、ノロウイルスやカンピロバクターでの食中毒が高い数値を占めており、飲食店での発生が半数となっていますす。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197196.html

ここに東京オリンピックまでに食品衛生法を改正する政府の思惑があると私は見ています。

現在、日本は海外からの観光客が年々増えています。

日本政府観光局によると、
2018年3月の訪日外客数は、前年比同月の18.2%増の60万8千人。
2017年3月の220万6千人を40万人以上上回り、過去最高を記録しました。

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/180418_monthly.pdf

これから先も観光客の増加は予測され、東京オリンピックではその数は計り知れないものでしょう。
飲食店や旅館、ホテルなどにも大勢の海外からの観光客が殺到することが予想されます。
現状食中毒の発生は飲食店などに多く発生しているため、このままだと大規模な食中毒が発生してオリンピックを通じて諸外国からくる外国客からも批判されるなどの国際問題にもなりかねません。

政府が食品衛生法の改正を急ぐのには、こうした背景があるのです。

食中毒対策だけでいいの?私たちの食の安全は本当にこの改定で、守られるのか。

畑

日本政府が食中毒をはじめとした国際的批判を恐れていることはこの改正からわかります。


東京オリンピックまでに食品衛生法改正を急ぐ構図は見えました。

しかし、法改正を急ぐせいで私たちの本当の食の安全が確保されるかということに関しては疑問です。


国際批判での経済的な損失を恐るあまり、国民の健康を損なう深刻な事態にならないでしょうか?
かつての雪印事件と同じことを国家レベルで引き起こすことにはならないでしょうか・・・。


オーガニックの拡大を目指すと言いつつ、忘れられたオーガニック政策

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農林水産省は、平成28年にオーガニック・エコ農業の拡大に向けて大規模な案を出しています。

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/convention/h27/pdf/siryo1.pdf

これによると、2012年のロンドンオリンピックの食料調達の方針を受け、日本でのオーガニック・エコ農産物の安定的な供給の構築など策を打ち出しています。

競技者のために美味しく、健康的で、環境にやさしい大会を目指そう、というものです。

しかし現状は大きく何かが変わった実感はありません。


むしろ年々、下記のように危険な農薬が世界レベルでは禁止・規制されているにもかかわらず、国内では緩和されているのです。


このような良からぬニュースが立て続いている中、果たして日本ではオーガニックを推進する気はあるのでしょうか。

アメリカで厳しく使用制限されている危険な農薬「スルホキサフロル」が国内で使用許可されることが決まりました。もはや、全員知らなきゃマズイ「農薬」の話。

ご存知ですか?収穫前除草剤グリホサートの残留基準値が水面下で大幅緩和されたことを。アレルギー・自己免疫疾患・発達障害などの慢性疾患増加の要因となる輸入小麦の問題と、輸入小麦の害から身を守る方法


更に、今回の東京オリンピックに向けての食品衛生改正にはどこにもオーガニックに関しての文言はありません。

メダルをかけて戦う世界のアスリートや、観光客たちに、添加物・残留農薬だらけの、オーガニック後進国日本の実態を晒すことは国として恥ずかしいことではないのでしょうか?


消費者が一番気になる添加物や輸入食材問題についてはあまりにも素っ気ない記載のみ

「その他」とされた輸入食品・添加物問題

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食中毒の防止に重点を置いた今回の食品衛生法改正。
法改正に伴って一般から意見を公募した結果としての意見と回答について厚生労働省が今年の3月13日に公開をしています。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000171441

国民の健康に関わるはずの輸入食品・添加物については7つの改正項目のうちその他の項目に追いやられています。

しかも、その回答もあまりにそっけないものです。


・食料輸入に大半を頼る上、有害な遺伝子組み換えなどを含む輸入食品に対しての規制はどうなるの?

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日本の食料の大半を輸入に頼る中、さらに悪影響が出ないように実態を十分把握した上で制度化をした方がいいという意見に対し、
厚生労働省の回答は主要な輸出国と十分し調整すると答えただけで具体的な策は回答していません。

食料自給率38%で先進国最低水準の日本があと2年で食料の輸入を急激に減らし、食料自給率を急にあげられるとは思えません。

また、食品衛生法で保護されるべき国民の健康が、

貿易相手の利益を優先させて国民の健康を害するのでは?という意見についての回答・・・・


貿易相手の国の利益をを優先させて証明書の発行をすることで国民の健康を害して不公平な状態に晒されているのではないかという意見に対しては、衛生証明書の発行は安全性を前提としており、外国から発行を求められる場合でも衛生当局がしっかり対応する必要がある、という、ピンとこない、あやふやな回答です。

東京オリンピックに向けて、国際的な疑いのある添加物についても見直すべきではという意見については、
平成14年より指定を進めており、国際整合性に努めている、との回答にとどめています。

現在危険な農薬を防カビ剤として添加物の名目で輸入しているのに、アメリカからさらに追加で危険な添加物の輸入も迫られている中、
これでは何の回答にもなっていません。


健康を守るために本当に大切なこととは

大麦 家族

世界最大の食料輸入国である日本。

先日下記の記事が話題になりましたがさらに国内で流通する食材の質はこのまま、何も誰も動かないと、危うくなっていく可能性が高いです。

日本の食卓がますます危なくなる?!4月1日に種子法が廃止されたの知っていますか。これからどうなっちゃうの?私たちが身を守るためにできること。

食料自給率は先進国の最低水準で非常に偏った食料事情と言わざるをえません。
更に消費者の安価な食料品を求める志向に合わせて安い原材料で添加物をたくさん使用して食品を作る食品業界。

衛生面も大事ですが、体に有害な農薬・添加物や遺伝子組み換えなどの食品について、規制が見直されない限りは真の健康が守られるとは言えません。

農薬や添加物に頼らない有機農業の面積割合に関しても先進国最低水準の0.2%しかありません。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/index-17.pdf

オーガニックに向けての取り組みも先進国に遅れをとるオーガニック後進国の日本では、
東京オリンピックが開催されようとも本来の意味での安心・安全は見えてきません。

仮に表向きに食中毒防止を目的にした法律が改正されても、このような本質を見直さなければ本来の意味での安心安全が実現されないですし、
農薬・添加物だらけの日本の現状は変化はないでしょう。

私たちが日本の建前での「安心・安全」から身を守るには、自分たちの目と耳で本当に信頼できる、オーガニックな食材を選び取っていくしかないのです。

今回の食品衛生法改正で変わるのは日本の外面の部分であり東京オリンピックのためである。


ニュースを見るときにも、常に自分の視点だけではなく客観的な視点、裏の視点など、表面的なことだけではなく、
色々な観点から読み取る力をつけなくてはなりません。

そして、今まで国民の健康に危害が及ぶたび世論を受けて法改正が繰り返されてきたことも忘れてはいけません。

私たちは諦めずに、安心できる世界のためNOと思ったことには立ち上がるべきなのです。



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Kawasaki Mariko
栄養士の免許を保有しており、現在食品系企業で働いています。 IN YOUではこれまでの知識や私だからこそ発信できる内容を皆様にお伝えできたらと思います。
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