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日本のスーパーが失いつつある「本物の製法で作られた豆腐」。なぜ豆腐の裏側には見慣れない文字が並んでいるのか?

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以前梅干しについて書かせていただいたところ、大変反響がありました。

日本のスーパーから姿を消した「本物の製法で作られた梅干し」。梅干しはどこへ行ったのか?「偽物」が並ぶスーパーの梅干しについて。

それほど、日本のスーパーには、本物の製法で作られたものが少ないと、
消費者が常々感じられているのではないかということがうかがえます。

今回は新たに、お豆腐についてお話したいと思います。


お豆腐は、日本人のたんぱく質源として筆頭に挙げられる食材です。

昨今、海外で和食が注目されるようになって以降、
豆腐は外国でもメジャーな国の大きなスーパーなどで比較的入手しやすい食材の一つになりました。
海外の豆腐は日本から輸入されるだけでなく、アメリカなどでは現地工場で製造できるようにもなっています。

日本を離れて住む日本人の他、豆腐を好んで購入される外国の方はベジタリアンがとても多く、
豆腐は彼らにとっても身近で限られた貴重なたんぱく質源となっています。

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海外の工場で、と書きましたが、
もちろん日本の豆腐もスーパーなどで販売されているものがほとんど工場で製造されていることは、
皆さんよくご存知のことでしょう。


現代日本人のほとんどが思い浮かべる豆腐とは、
プラスティック容器に入りメーカー名などが印刷されたフィルムで密封され、スーパーの台に並べられている商品のことではないでしょうか。


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昔のお豆腐は、町のお豆腐やさんがお店で毎日手作りしていました

皆さんはお豆腐やさんでお豆腐を買ったことはありますか?

昔ながらの販売をしているお豆腐も店先で水を張った大きな容器に浮かべられていて、
お客さんが購入するごとに一丁ごと水からすくい上げられ、手作業で容器とビニール袋に入れていたのです。

それらのお豆腐は、お豆腐やさんが前の日から水につけていた大豆を朝早くから煮て、手作業で圧搾し、できた豆乳にニガリを混ぜて作られます。大きな四角い型からのままの豆腐の塊は冷水の中に取り出され、水の中で包丁で切られます。

ニガリは性質上、あっという間にたんぱく質を固めてしまうため、
豆乳に一瞬で均等に行き渡らせるのには相当の熟練さが必要とされました。

そして壊れやすい大きな豆腐の塊を包丁で切り分けるなど、これらはもう、職人技としか言いようがありません。

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こんな風にお豆腐を作っているお豆腐やさんが、
今日の日本には何軒あるのでしょうか。

昔はこれが当たり前だったのだと思うと、当時のゆったりとした風情、
そしてこんな労力を毎日いとわずに費やすることの出来た、当時の人たちの勤勉さと几帳面さ、素朴さには、頭が下がらずにいられません。

そして今現在、一般的に最もよく出回っている豆腐ですが、一般のスーパーにならんでいる安価なラインナップを見れば、
これらが職人さんによって手間をかけて手作りされたものでないことは、容易に想像ができます。


残念ではあっても、この大変な作業と日本のお豆腐やさんの実数を思えば、
多くの日本人が日常的に食べられるだけの数量の豆腐を確保し、それらが一般的に入手できるほどの安価さであるためには、
近代の豆腐がオートメーション化された工場で製造されるようになったのは、至極当然なのかもしれません。

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現代のスーパーの豆腐について

もちろん昔ながらのお豆腐やさんのクオリティそのものを、現代のスーパーに求める難しいのかもしれません。

ただ、ここで問題なのが、
その生産工程が、どれだけ昔ながらの製法に近いかと言うことです。


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これには当然、原材料の問題も絡んできます。
先にも書きましたが本来の豆腐を作るには、かなりの熟練技が必要です。

これを工場の機械技術でカバーできればいいのですが、

人の手による繊細な作業と長年の経験から培われる感覚を、機械の大量生産において補うことは難しく、
そしてそれらを埋め合わせるのが、お気付きのとおり、現代の便利な魔法、合成添加物ということになります。


スーパーでよく見かける豆腐の原材料


こちらが一般的な工場生産品の豆腐で使われている、
合成添加物の一覧です:


《凝固剤》

  • 硫酸カルシウム、
  • グルコノデルタラクトン、
  • 塩化カルシウム、

    《消泡剤》

  • 油脂系消泡剤
  • グリセリン脂肪酸エステル
  • シリコーン樹脂

  • 本来は豆腐の凝固にニガリ(苦汁)を用いますが、
    ニガリは海水から塩(塩化ナトリウム)を採った残りのもので産出され、主成分は塩化マグネシウムです。

    ですので、豆腐の成分にこれのみが書かれている場合は、
    自然の豆腐だということになります。


    また本来のニガリは大豆の甘みを引き出す作用もあるそうです。

    そして逆に言うと、上記に挙げたその他の凝固剤が使われている場合、それらは昔の製法では使われなかったもので、
    また化学的に製造されたものです。


    性質に応じて使い分けられたり、また単品でなく混合されて使用されることもあるようです。

    例えば以下の原材料についてはどうでしょうか。

    ■ 硫酸カルシウム

    いわゆる石膏です。天然ものとしても存在しますが、工場生産で使われるのは、ほとんど化学的に合成されたものです。
    硫酸カルシウムは、本物のニガリとは正反対に豆乳の凝固反応が遅いので使いやすく、また保水力が高いので舌ざわりのよい滑らかで弾力のある豆腐に仕上がるのだそうです。

    ■ グルコノデルタラクトン

    でん粉を発酵して作られた凝固剤です。
    水に溶けやすく豆乳に均一に混ざり、凝固の速度が遅いため機械による製造に向いています。
    また保水性があるので豆絹ごし豆腐に適します。他の凝固剤が塩で反応して凝固であるのに対し、酸で反応し酸凝固するという、他とは違う性質があります。

    ■ 塩化カルシウム

    水に溶けやすい、凝固力が強い、凝固の速度が速いことから、主に油揚げや凍り豆腐用の豆腐に使用されるそうです。

    なお、塩化マグネシウム含有物と表示されているものは、
    海水から塩化ナトリウムと塩化カリウムを分離した粗製のもの(粗製海水塩化マグネシウム)で、ニガリとして付記表示が認められています。

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    巷でよく見かける豆腐の原材料に使用される、消泡剤について

    さらに、昔の豆腐にはなかった消泡剤というのも、近年の豆腐製造でよく使用されるようになりました。

    消泡剤とは、その名の通り泡を消すためだけに添加されるものです。


    すり潰した大豆を煮ると大量の泡が発生するため、
    製造過程の利便化と見栄えの悪いものが出来ることによる製造ロスを抑えるために使用されています。
    また舌触りや弾力性もよくなるそうです。

    油脂系消泡剤とは、石灰と油を混ぜたもの、グリセリン脂肪酸エステルは油とグリセリンの反応物で、いわゆる乳化材です。

    消粟剤として製造販売されている他、防腐剤としての効果もあるため、豆腐以外にも使用されています。
    シリコーン樹脂はその名の通りです。

    これら消泡剤は、加工中に消滅または最終食品に残っていても微量な場合、
    食品衛生法で個別名称でなく加工助剤として扱われるそうです。

    以上が、昔の製法ではなかった現代の豆腐に含まれている主なものです。


    これらは微量で、大きな健康被害があると指摘されているものではないですが、
    厳密にいえば身体に必要なものでないことは確かですし、できれば入っていないにこしたことはありません。

    そして、そのような本来自然のものでない物質を消化したり排出するだけでも、
    人間の身体には負担が掛かることは想像に難くありません。

    厚揚げや油揚げなどの懸念点

    遺伝子組み換え油


    余禄ですが、豆腐をオイルで揚げて作る厚揚げや油揚げなどは、その元となる豆腐に関して以外に、以下の点も注意すべきです。

    揚げ油のオイルの種類や原料が不明なことが多く、安価な遺伝子組換え食用油であったり、また酸化の程度も心配です。


    そしてその酸化を防ぐための添加物として、酸化防止剤のBHAなどが使われていることもあります。
    そもそもオイルの製造時点で保存料などの食品添加物が含まれていることもあり、そしてこれらは厚揚げや油揚げの原材料には表示されません。

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    味付き豆腐はさらに添加物の割合が高い。

    またゴマ豆腐、たまご豆腐など、まるで自然素材を元にして作ったように思える名称の食品も、その色付けや香り、食感のほとんどを添加物で作り上げている製品であることは珍しくありません。

    添加物はもちろん、糖類も使用されているケースが多いでしょう。


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    そして添加物以外にも、懸念される要因があります。


    原材料の大豆について

    日本では大豆の自給率が低く、大豆製品の原材料大豆のほとんどを輸入に頼っており、そしてそれらは日本国内では禁止されている遺伝子組み換え栽培の大豆であることがほとんどです。


    遺伝子組み換えの表記については以下を見てください。

    「遺伝子組み換えでない」表示に隠された危険な罠。知らないうちに遺伝子組み換え食品を大量摂取する日本人。

    世界で一番 遺伝子組み換え食品を食べているのは日本人!市場に出回る危険な遺伝子組み換え作物の実態

    また日本国内産であったとしても、オーガニック、有機栽培と銘打っていなければ、農薬が使われている大量生産型の大豆である、と考えるのが妥当です。

    国内産・海外産問わず、無農薬、あるいは有機栽培である原材料の大豆を使用しているかどうかの表示にも、気を付けたいものです。

    容器ごと作る、なんちゃって製法の充填豆腐

    ところで、通常のパック詰めの豆腐には少量の水か入っていますが、それが入っていないのが充填豆腐です。

    これは、製造方法が元から違い、パックにまず豆乳を詰めてから凝固材を入れ、パッキングしてしまいます。

    そのため空気も余分な水も入らず、通常のものより長持ちしますが、
    パックの中で凝固材とよく混ぜるために、容器ごと熱を加えるのだそうです。

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    やむを得ず安価な豆腐を使う場合

    出来る限り本物の製法で作られた豆腐を使いましょう。

    どうしても自然なお豆腐が入手しにくく一般的なスーパーの豆腐を使う場合、
    使う前にしばらく水につけておいて、できるだけ含有されている添加物を水に溶け出させることです。

    これで人工的な添加物臭も減ります。心配なことは水と空気にさらすことによる雑菌の繁殖ですので、長時間つけておく場合は、それごと冷蔵庫に入れて下さい。またこのことによって、農薬が使われている場合でも、完全とまではいかなくとも、多少は溶出させることができるかもしれません。

    サラダに使う場合は、多少手間が掛かりますが一旦茹でて水に取ると、豆腐自体も固めの食感になりますので、水切りだけよりもお勧めです。

    特に注意したい食品添加物。最悪、無添加商品が手に入らなかった時の応急処理方法を作成しました。 

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    ですが、これらではカバーできない難点。

    添加物を使ってたやすく作られた場合、栄養成分も減少している。


    というのは、これらの添加物を使用するとたやすく豆乳を凝固できるため、
    本来使用する原材料の2/3~1/2で豆腐が製造できることです。

    つまり、たんぱく質などの栄養成分も、それだけ減少します。
    もちろん風味や味も薄くなります。

    豆腐は本来甘くて旨みのあるものです。

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    ですが、一般的には無味という認識が大きいのではないでしょうか。
    そのために、他の味付けを増やしてしまうのは、とても残念なことのように感じます。

    最後に

    美味しいお豆腐は、何も付けずに、そのままでも頂けるほどです。
    なるべく機会を見つけて、自然な製法で作られたお豆腐を味わいたいですね。


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    yuko matsuoka
    神戸生まれ、関西弁の翻訳業兼ライター。 アメリカ滞在中に現地の肉類過多・工場生産加工食品中心の食生活から、十代に治ったはずのアトピーが再発症。 その後、食生活について深く考えるようになりオーガニック食材に切り替えるも、日本に戻ってそれが困難であることを痛感。努力の甲斐あってアトピーが完治した経験を踏まえ今後は本来あるべき食生活について追求・情報発信していきたい。
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