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貝原益軒の養生訓から考える一番かんたんで一番難しい心と体の「ほどほど養生」。漢方薬膳の「心身一如」と内邪、外邪、七情とは?

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生命を正しく養う「養生」

漢方を学んでいると「養生」という言葉をよく目にします。

なんか年寄りっぽい、地味、面倒そう。


「養生」という言葉はそういった古いイメージが持たれがちで、
私もよく知る前は「縁が遠い話だろうな~」なんて思っていました。

しかし漢方を学ぶようになり、ガマンしすぎ、節制しすぎは養生とはいえない
命と体と心うまくバランスをとって心地よさを追うことが、生命を正しく養う養生に繋がる、ということを知りました。

健康志向が強かったり頑張りやさんな人ほど、制限を設けてアンバランスな状態に陥りがちなんです。
今日は体と心に心地よいほどほど養生についてお伝えします。

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江戸のベストセラー「養生訓」の著者 貝原益軒


日本で養生を説いた代表的人物といえば、貝原 益軒(かいばら えきけん 1630~1714年)。
江戸時代の儒学者で、健康・長寿や生活スタイルを書いた著書「養生訓」は
ベストセラーとなり庶民に愛され、今でも読み続けられています。

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益軒は幼少期より頭脳明晰でしたが、病弱で、小さなころに母親と継母を続けて亡くしています。
また上司に恵まれず、21歳のときには藩主にクビにされ、浪人生活を送っています。

苦労の人生ですが、22歳年下の奥さんを見つけ、江戸時代には珍しく83歳の長寿を全うしました。
仕事の引退を申し出ても「もう少し続けてくれ」と頼まれ従事しほとんど生涯現役。
若いときの苦労が生きた晩年充実の人生でした。

以下よりこの益軒の著書であり、養生の代表的書物「養生訓」をもとに、養生法についてご紹介します。

内なる欲と外邪(外的ストレス)が病気の原因に

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益軒はこのように述べています。
養生の術は、内欲、外邪をしりぞけて、心身を損なわないようにすること

内欲、外邪とは何でしょうか?


【内欲】
飲食、好欲(性欲のままに精気を放出させること)、睡眠、言語をほしいままにする欲(喋りすぎること)

【外邪】
風、寒、暑、湿(湿度の高いところで長くすごすと体の奥深くに湿が入り込んで実はとても厄介とされています)


これらの中に度が過ぎるほど身を置くことが、心身の喪失を招くとされています。

喋りすぎというのがトラブルのもととなる、というのは面白いですよね。


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とはいえおしゃべりは楽しいし、飲み食いも楽しみたい!
夏は暑いものだし湿気もあるし、冬は寒いし風にもあたります。

大切なのは「ほどほど」ということ。
度が過ぎるとそれが病のタネとなるので、自分で気をつけて整えていこう、というのが養生なのです。

食生活や運動方法よりまずは心身一如を知り七情を整える

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心と体は繋がっていて、どちらかが不調をきたせばもう一方も影響を受ける・・。
その考えを、「心身一如」といいます。

そして益軒は養生訓で「七情を整えること」と書いています。

【七情】
喜 怒 憂 思 悲 恐 驚


この7つの情のうち、特に怒・悲・憂・思を減らすように努め、
怒と欲は徳を傷つけて生を損なうため律すること
としています。

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体は心と繋がっている 七情を整えて体も安定させる

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現代、テレビでは多くの健康番組が特集され、その合間には健康食品や健康器具、
サプリ、美容品のCMが次々と流れています。

いくらサプリを飲んで安定と健康を望んでも、怒りにとらわれた・・
例えばやられたら絶対にやり返さないと気がすまないような日常だと常に戦闘態勢で興奮状態にあり、
血圧や自立神経、ホルモンバランスなどへの影響が考えられ健康とは縁遠いでしょう。

思い悩みすぎれば、食欲が落ち、痩せてしまったり胃腸への影響も考えられます。
コントロールが難しいこの七情を、うまく整えながら生活することが大切なのです。
もしかしたら、サプリを飲むよりも簡単なようで、実は難しいことかもしれません。

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ほっと一息サプリ時間


漢方では、調整が取れた状態というのが健康と考えられます。
健康食品やサプリを、イライラ状態の体と心をねじこむように摂るのはバランスがとれているとはいえません。
どうせなら、その時間をリラックスタイムと兼ねてみてはどうでしょうか。

深呼吸して、ゆっくりと体に良いものを摂取する。
心身が落ち着いた状態で体に良いものを取り込めば、きっと心も体も喜ぶはずです。

健康食品やサプリに頼りすぎるのではなく自分で七情の状態をケアして、内邪、外邪に気をつけることが、健康への基盤だと養生訓は説いています。

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心地いいことは律しすぎない

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内欲、外邪をうまく付き合い、怒、悲、恐などの「七情」を減らす。
このような養生を実践した益軒は、大の温泉好きでした。

全国を旅して歩くのも好きだったようで若女房と、全国の温泉をめぐり、紀行録も執筆しています。
養生の代表的人物なら、さぞ独自の入浴法もあるんだろう!と思えば、特にそんなことは無かったよう。

健康のためにじーっとお湯に使ってデトックス!なんてこともなく、
さっぱりと浸かって汗をかくくらいの、あっさりとした温泉の楽しみ方だったようです。

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自分の心と体に合う、苦行ではない養生


健康のために苦行に耐えたり辛いガマンを強いることを、益軒の養生訓では説いてはいません。
健康番組で時折見る、ニコニコしながらお肉を「おいしいから」とばくばく食べるご長寿を思い浮かべますよね。

人によって心地よさは違うので、お肉や長風呂が体と心に合うか合わないかは人それぞれ。

メディアで見た「○○が体にいいらしい」に乗っかって健康を目指すことは簡単ですが、
本当に自分の体と心に良いことを探すのは、生涯かけての長い旅といえるかもしれません。

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「ほどほど」が一番難しいけど一番の養生


ストレスが溜まれば過食や飲酒に走る。
少しバテれば惰眠を貪る。

仕事でミスをしてリカバリーしたい、早く成績を上げたいからと頑張る・・・。

働き世代の男女なら特に珍しくもないことです。
しかし、介護や子育て、仕事に追われる世代の心身は常に養生が必要だと考えたほうがよさそうです。

警察庁「平成22年中における自殺の概要資料 2011年」によれば
1996~2000年と、2006~2010年、この2つの時期を比べると、50代は2006~2010年のほうが自殺者が減っていますが、
30代は逆に増え、4年間で自殺者が2万人を超えています。

30代は、心身ともにムリがきかなくなってくる年代であり、さらに高年齢化した結婚出産や現代の不安定な景気情勢、そして親の介護問題などが絡み、
あらゆるストレスにさらされているのです。

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あなた自身のほどほど養生を

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がんばることは悪いことではなく、そうでもしないと乗り切れない問題が人生には山積みです。

しかし、自分の意思や頑張りではどうにもできない外邪やコントロールの難しい内邪が存在します。
そして無理して頑張れば頑張るほど七情のバランスはいびつになっていくものです。

ちょっと立ち止まって、一息ついて、自分自身に目を向けてみましょう。

今の自分の七情はどんな状態?外邪にさらされすぎていない?内邪にとらわれていない?
がつがつ油ものを流し込むような食生活だったら、すこし頑張って時間をとって、胃腸にいいものをゆっくり摂る。

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サプリひとつで健康に近づこうとせず、どうせならサプリタイムをゆっくりと一息つく時間にしてみる。
ガマンの健康法でなく、心身がリラックス&リフレッシュする自分なりのほどほどの健康法を探る・・・。

かんたんなようで難しいことです。

しかし命、体、心を整えるこんな養生はきっと心地いい毎日を導いてくれるでしょう。
ぜひ自分なりのほどほど養生法を見つけてくださいね!


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野上 きよ
生きかた、治しかたのひとつとして「漢方」という選択肢もあります。 闘病、依存、介護、看取り、不妊、流産、事故、老い…人生のなかのさまざまな忍耐と悲しみに、東洋医学は寄り添い、理不尽な思いが腑に落ちるまで消化させることもできます。自身や家族の経験から「漢方」というひとつの方法もあるということを伝えたく執筆させていただきます。医薬品登録販売者。漢方薬局勤務経験あり・漢方塾受講。趣味はコンテンポラリーダンスとほどほどのお酒と
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