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コロナ禍の水面下で好ましくない改定!?新しくなった食品表示のメリット・デメリットを、お伝えします。

コロナ禍の水面下で好ましくない改定!?新しくなった食品表示のメリット・デメリットを、お伝えします。


新しい食品表示を定めた法律-『食品表示法』による食品表示が2020年から、始まっていたことをご存知でしょうか。
「なんとなくは知っていただけれど、いつから行われているのかは知らなかった・・」という方も多いはずです。

原材料表示の裏をよく見ている方は、「あれ、最近何か変わった…?」とお気づきになった方もいらっしゃるはず。

2015年に施行されたこの食品表示法ですが、今までの表示方法での食品表示の表記が許されるのは2020年春まででした。

つまり、変更・対応を行う移行のための猶予期間は終了し2020年4月からはすでに、食品表示法に基づく新しい方法に完全に切り替わったのです。

コロナ禍、自然災害、そして巷の有名人のゴシップ等で騒がれている今日、こうしたニュースについてはあまりメディアで大々的に取り上げられないのは不思議なところです。

この「食品表示法」、実はこれまで食品表示3法とも言われ、3つの法律(※)に跨って分散していた食品の表示に関する法律のうち、“食品表示基準”に関するものを一つにまとめたもの。

今まで食品の表示に関する法律は、異なった法律にバラバラになっていて分かりにくい部分がありましたが、今回の新法律が出来たことにより分かりやすくなりました。

(※「JAS法(農水省)」・「食品衛生法(厚労省)」・「健康増進法(厚労省)」)

今回の記事では、この新しい「食品表示法」について特に消費者の私たちにとってこれまでと大きく変わった点をご紹介しながら、それぞれメリットやデメリット、課題などについても探ります。

食品表示法が新しくなったことにより以前の食品表示に比べ、メリットもあれど、まだまだ課題も?


何と新しく施工されたばかりのこの新食品表示でしたが、コロナウイルス禍の影響を受けて”改悪?”とも言える様な表示の緩和策(拡大解釈)が可能になってしまった…?!といった、私たち消費者にとっては首を傾げてしまう内容も、合わせてご紹介します。


新食品表示、何が変わったの?



新しく食品表示のあり方が変わったとは言え、一体全体何がどういうところが変わったのか?

今更聞けないよね・・と思っている方もこの記事で色々なことを把握できることでしょう。

今一つピンと来ていない方、多いのではないでしょうか。

恥ずかしながら、実のところ筆者自身も、このトピックを調査しなければ分からなかった…という変更点が殆どでした。

それほどニュースでは明らかになっていない部分が多すぎるのです。

日々「食べる」という行為は、私たちにとって生きていく上で欠かせません。

にも関わらず、『食品表示の在り方の変更』という大事なトピックがあまり積極的に報道されていないという現状は、何か妙な違和感を感じてしまいます。

新しい食品表示法と旧来の食品表示における変更点は多数あるため(その中には細かい専門的な数値や取り決めなども含みます)、

その中でも日々食品を購入している私たち一消費者として特に知っておきたい、と思われる変更点をピックアップしています。


添加物が一目瞭然に!食品表示(原材料)の“スラッシュ”の変化に気付きましたか?


食品を手に取って原材料表示を確認する時に、健康意識の高い方であればあるほど特に気になってしまう項目の一つが『添加物』では無いでしょうか?

このIN YOU journalでも他度々紹介してきました。

その添加物ですが、今回の表記の変更でかなり嬉しい変更がありました。

パッと原材料表示を見たときに、添加物とそれ以外の原材料の違いが一目で分かるように(=添加物と原材料を分けて表記することが義務付けられることに)なったのです。

これまで、原材料表示はその食品に対して使った原材料の重量の多い順→添加物の重量の多い順(※たとえば蕎麦なら蕎麦粉、小麦粉、小麦たんぱく、食塩、ph調整剤…といった具合です)に並んでいました。


※実際の従来の食品表示の例。原材料に使った材料と添加物がそのまま重量比順に並んでいる。

曲がりなりにも原材料を表示してから添加物を表示はしていたものの、実際のところ原材料と添加物が区分されずに同じ欄に並んでいるため何が添加物で何が材料そのものなのか?どこからが添加物なのか?という点が分かりにくい部分がありました。

新しくスタートした食品表示法では、これまで特に分けられていなかった原材料と添加物を区別して記載することが義務付けられることになりました。

これは、出来るだけ添加物を避けたい消費者にとっては有難いことではないでしょうか?

ただし、その方法には何故か数通りあり、必ずしもとても分かり易い!とは言う方法で無い書き方が多数派になってしまっているのが現状なようです。

新食品表示法のルールを元に、消費者庁から示された添加物の新しい表示方法は以下の通り。

(※画像は筆者が作成した新しい食品表示のイメージ画像。現実には無い架空の商品(内容は醤油味の揚げおかき)のイメージです。)

○●①原材料と添加物を記号で区分して表示する(※スラッシュを入れる、など)●○

※現行の多くの食品で見られる表記。多くの食品メーカーがこの表示方法を選択しているようです。

○●②原材料と添加物を改行して表示する(※改行する)●○

○●③原材料と添加物を別欄に表示する(※線を入れて別欄にする)●○       

◇🔶ちなみに、旧来の表示方法だとこんな感じになります🔶◇

表記方法に差はありますが、旧来の表示方法に比べて新しい食品表示の方が添加物が明確に分かり易くなったことがご理解頂けるかと思います。

そして、①、②、③の3通りの書き方をそれぞれ比較したとき、②、③の方法だと違いが明確に分かり易いですが、①の方法“記号(スラッシュ/)を入れて区別する”だと違いが分かりにくい?と思われた方も多いのではないでしょうか。

表示方法がいくつかあることにより、「わかりにくい表示」で対応している会社がほとんど。


しかし、残念ながら現状多くの商品の原材料表示においては、“記号(/)を入れて区別”が大半となってしまっている様です。
(※近場のスーパーやコンビニなどでの筆者調べによるもの。逆にこれ以外の方法の表記に今のところ出会えていないのが現状です…。)

提示された方法の中で、一番“分かりにくく”、添加物と原材料の“違いが見えにくい”という側面が多いであろう方法が多く選択されていることは、どうにも腑に落ちない感じもします。

実は多くの企業がこの①(記号、スラッシュ/)の方法を選択している理由の一つとして、単純に原材料の表示部分にスラッシュ“/”を入れるだけで済むので、商品のパッケージのレイアウト上大きな変更をしなくて済む、という実利的な側面もあります。

しかしながら、もう一つの大きな理由として「添加物の使用」を極力目立たない様にしたい…という企業・事業者側の都合もあるのでは、とも言われています…。


私たち消費者は添加物をなるべく避けたいと思っているが、事業者の多くはなるべく「バレず」に添加物を使いたいという意図がある


一般的な消費者心理としては、なるべく添加物を避けたい…という気持ちが働くこともを想像出来ますので、企業としてはなるべく“イメージダウンに繋がるような表記=添加物を積極的に使用している様に見えるような表示”は避けたい、という思惑も働いている様です。

余談になりますが、一見添加物と思いがちな原材料でも原材料と表記されていたり、
その逆もあったり…とその区別が私たち消費者にとっては分かりにくい、と思えるケースも存在しています。

たとえば、何となく添加物っぽくも感じられる酵母エキスは原材料であったり、
でん粉は原材料に属するのに加工でんぷん(増粘剤)と、『加工』が付くと添加物、と(もちろん専門的には違いはある訳ですが)どうにもその区分けの基準が一消費者としては釈然としない様なケースも存在しています。

ここで添加物の良しあしについて議論することは避けますが、
わたしたち消費者にとって法改正で表記が変わった=分かり易くなった部分はあるものの、
必ずしも劇的に分かり易くなったといえない部分も残っているのではないでしょうか…?

しかしながら、今回の表示の変化によって少しでも添加物に興味を持つ人が増え、
添加物の悪影響や健康に留意する人が増えることを願いたいところです。

スラッシュ“/”が入った後に表示されている名称は全て添加物-という認識が広まるだけでも、
今までとは違った購買行動が生まれていく可能性も十分考えられますね。

自分・周りに食物アレルギーをお持ちの方には朗報?!以前より分かり易くなったアレルギー表示


今回の新食品表示の変化で、注目すべき大きい変更の二つ目は“アレルギー”の表示方法の変更です。

日本でも、近年アレルギーを持つ方は年々増加しています。厚生労働省の調べによると、国民の二人に一人が何らかのアレルギー疾患を持っているとのこと。

厚生労働省HP 厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課 アレルギー疾患の現状等


自分自身や身近な家族など…食物アレルギーをお持ちの方に取っても朗報の変更と言えるかもしれません。

ちなみに、今回の変更点は「特定加工食品及び拡大表記の廃止」。

言葉だけだと分かりにくいですが、原材料のアレルゲンの表示が今までよりもより分かりやすくなりました。

詳しく言うと…これまで原材料名としてアレルゲンを含むと一般的に解釈できると考えられた特定の食品(例えばマヨネーズ=卵を含む、うどん=小麦を含む、バター=乳製品を含む)やその特定食品の名称を含んだ食品(例:マヨネーズなら明太子マヨネーズ、辛子マヨネーズなど…)は、アレルギーとして記載すべき特定原材料のアレルゲンを含んでいても、拡大解釈出来るとして「○○○を含む」といったアレルギー表記は免除されてきました。

ところが今回の改定でその様な拡大解釈は廃止に。

前述したような、見る限り「○○を使っているな…」と思える様な原材料であったとしても原則としてその原材料ごとに個別に「○○を含む」といったアレルギー表示をすることが義務付けられるようになりました。

また、たとえ添加物であっても特定のアレルゲンを含む場合は個別表示する場合は○○由来と書くことも決定しています。
(例えば…たんぱく化水分化物(豚由来)、たんぱく加水分解物(大豆由来)といった具合です。)

また、原則個別に表示が必要なものの、例外として一括表記することも認められていて、その場合は全ての原材料・添加物の表記の最後に「一部に○○を含む」と書くことが義務づけられました。(一括表示の場合でも、これまでは上述したような特定加工食品(例:マヨネーズ(卵)など)を使用していた場合、改めて表示することは任意であり義務付けられていませんでした。)

アレルギー、中でも重度のアレルギーをお持ちの方にとっては食品の選択のミスが命に関わる、といっても過言ではありません。


筆者の私自身も重度では無いですが、アレルギーを持っているためアレルゲンとなり得る食品などは極力避けた食生活を送っています。

しかしながら、家族・親しい友人など身近な存在であっても、原材料の裏を確認して買ったつもりが見落としがあり、アレルゲンが入っている商品を私に買ってきてしまう…というケースをこれまで少なからず何度か経験しています。

今回の制度変更は、より重度な食物アレルギーを持っている方でもより安全に食品の選択が行いやすくよう制度変更が行われた、ということ。

確かに、個別表示にしても一括表示にしても原材料名のどこかにアレルゲンが含まれる場合、必ず「○○○を含む」という表記がされるようになったので、加工食品名でアレルゲンが隠されてしまう(※想像しないと一目でアレルゲンが分かりにくい場合がある)…という様なことは無くなりました。

今回の変更によって、アレルギーをお持ちの方・またその周囲の方にとって以前より“分かり易く”食品選択が出来る一歩が進んだ、と言えるのではないでしょうか?


加工食品・添加物の栄養成分の表示が義務化に!

消費者にとっては嬉しい制度変化に


そして、今回の制度の大きな変化に一般の消費者向けに作られた全加工食品及び添加物における“栄養成分表示”の義務化もあげられます。

ちなみに、定められた記載事項は…
「エネルギー(カロリー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」になります。
(※ナトリウム量を食塩相当量に換算して表示することに。)

これまで、栄養成分の表示は義務付けられておらず、加工食品でもモノによって書いていたり書いていなかったり…という状況でした。しかし、今年の4月からは一部の例外を除き、全ての加工食品と添加物に栄養成分の表示が必要になりました。

これは、私たち消費者にとっては嬉しい変化ですよね。

全ての加工食品にカロリーや糖分・塩分などが表示されることで、商品の選択時に参考に出来る幅が広がります。

日頃から健康に気を付けている方はもちろんのこと、持病を持っていて何らかの成分の摂取量を制限したい…という方にとっても朗報と言えるのでは無いでしょうか?

また、栄養成分表示における変更はこれだけではありません。

大きな変更の一つとして、これまでより成分の良さを強調するための強化表示・低減表示・無添加表示(※食物繊維たっぷり、塩分控えめ、砂糖不使用…など)の基準が厳しくなりました。
具体的には食品の国際規格であるコーデックスの考え方を取り入れ、より安易に強調表示が難しくなりました。

例えば、新商品が「これまでの製品より塩分控えめになりました!」ということを表示に記載したい場合、これまではそれまでの製品の塩分の値(基準値)より低ければOKだったのですが、これからはその表示を記載するには「25%以上の絶対差」即ち今までより25%=4分の1の塩分量でないと表示できない…!という訳なのです。

この変更によって、今まで○○控えめや○○たっぷり…○○不使用、と書かれていた商品が新しい食品表示では表示が不可能になる、というケースが起こり得ることも考えられます。

特記して企業が任意で詳細を表示しない限り、今までなら「塩分控えめって書いてあるけどどれくらい控えめなんだろう?」と捉えることも出来た表記ですが、これからはその%が定められることになり、私たち消費者にとっては安心感が高まりそうです。

全ての企業や販売主がその様なことを行っている訳では無いですが、誇大広告の様な表示のされ方(※例えば、少しの量の変化にも関わらず減塩や塩分控えめ、という表示を行うといった様な…)が行われるリスクが減ったと言えるのではないでしょうか…?

さらに、今後”無添加などの表示を禁止する”という方向性での話し合いも進んでいるようです、(2021年現在)

ただし、これには消費者団体や、事業者から「本当にいい商品を作っていてもアピールのポイントが少なくなり、知識のない消費者が見分けにくくなるのでは。」あるいは「添加物に近いものが入っているのに無添加と書いてある会社を淘汰できるからいい改定だ」などと、賛否の意見で分かれているようです。

小さな事業者には制度改定が負担になる場合も?“全て”に表示義務という制度の弊害とは?


消費者にとっては有難い「栄養成分表示の義務化」ですが、この義務化によってマイナスの影響を受けてしまう食品製造元も存在しています。

マイナスの影響を受けるのはどんな製造元なのでしょうか…?

例えば、道の駅や野菜の直売所などで売られている、地域の手作りお惣菜や加工品をご存じですか?

手作りジャムや、地場産の大豆を使ったお味噌、山菜の佃煮など……地域で採れる農産物を生かした商品が魅力であることが多いです。

また、IN YOU MARKETで販売しているプロダクト始め、オーガニック事業者は、超小規模で事業を営んでいるところがほとんどです。

家族経営や3ー5名未満などの人数で商品作りを行っているメーカーや作り手が本当に多いのです。


そうした「小規模だがとてもいい成分で作っている商品を、買ったことがある」という方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

実はと言うと、今回の栄養成分表示の制度改定でマイナスの影響を受ける恐れがあるのは、大企業ではなくこういった個人の作り手や事業主、小売店といった様な小規模に食品事業に携わっている人たちなのです。

零細企業や小さな作り手にはラベルの変更1つだったとしても全面的に切り替えなければならないというのは、大きな負担になり、体制が整っておらず、働く人の数が少ない組織であればあるほど、度重なって行われる法改正に適用するだけでも商売がおざなりになり、経済的にもリソース的にも負担になるのが事実です。

すべての加工食品(輸入品を除く)の原材料の産地(※一番多い原材料のみ)も表示されるように!


そして、もう一つ情報としてお伝えしたいのが『加工食品の原材料産地の表示義務化』です。

今まで漬物など限られた生鮮食品にのみ義務付けられていたものが、国内で作られたすべての加工食品に対して、原料原産地表示を行うことが義務付けられました。

これまで加工食品を買う際に「国産」と書かれているものの、その中身がはっきりせずモヤモヤしていた人は多いのではないでしょうか。

オーガニック志向の方は特に、産地も気にしている、という人は多いのではないかと思います。

そんな方々にとって、こちらの”原料の産地記載”は、嬉しいアップデートかと思います。

ちなみのこちらの改正は、ちなみに2022年の3月までに対応していればOKという決まりがありますので、それまでのロットについては問題ないと言われています。

食品表示がコロナ禍で緩和?!原材料・原産地・栄養成分…表記通りで無くなっているケースも!?


今までご説明してきた新しい食品表示でしたが、何とこのコロナ禍の影響で消費者にとっては決してメリットとは言えない様な規制緩和が許されるようになってしまいました。

始まりは、コロナウイルスが最初に大流行した中国の影響による中国産の原材料不足。

皆様もご存じかもしれませんが、日本は中国から多くの食料品を輸入しています。
農林水産物の輸入相手国としても、中国は第2位(※平成30年度・農林水産省のデータによる)の大きな取引先です。

このコロナ禍の影響を真っ先に受けた中国の影響を受け中国産原材料の供給不足が起こっていることを鑑みて、農林水産省と消費者庁が規制緩和に踏み切ることに。

始まりは中国産原材料の供給不足から起こった、表示の規制緩和


そして、その内容とは平たく言うと…

『原産地が中国産と表示されていながら、(供給不足により)中国産の商品を使っていない場合でも店舗内や社内・ウェブサイト上などで適正な情報が伝達されていれば、商品自体の表示は変更しなくてもOK』

というものでした。

もちろん、注釈として私たち消費者を騙したりする様な悪質なものは許されず取り締まる…とのことで、その点は一安心なのですが、確かに原産地の供給上致し方ない部分があるとは言えど、私たち消費者としてはちょっとどうなの…?!と思ってしまう緩和ではないでしょうか。

食品表示の緩和は更に拡大。現在は中国産食材に関わらず『原材料・原産地・栄養成分』までもが対象に


そして、海外及び国内でのコロナウイルスによる影響が増す中、前述の規制緩和から1か月程度で更なる規制緩和が行われることに…。

その内容としては、原材料の表示だけに留まらず“食品の安全性に関わる項目”-『賞味期限』『アレルギー表示』『加熱の有無の必要性』などを除き、即ちほとんどの項目で(原材料や資材変更などの調達・対応が難しく必要性に応じた場合に限るものの)実際の原材料や原産国、また栄養成分表示に至るまで実際の表示と違っていてもOK(※店頭、社内、HPなどで何らかの告知は必要)という、驚くべき様な内容になっていました。

https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/200410.html

つまり、コロナ禍の影響で何かしらの材料の調達が難しく、実際の商品パッケージの記載と中身-原材料・原産国・栄養成分などの表示に違いがあっても、何かしらの情報伝達を出していれば売ってもOK(取り締まらないよ)、ということなのです…。

(こちらも、前述と同じく悪質な場合は取り締まり対象とのことです。)

もちろん、コロナウイルスによって世界中が現代史においては前代未聞の状況になっていること、
食品を製造する事業者としても未曾有の事態となっており、国として事業者を守る、という姿勢は理解出来ます。

しかしながら極端な話、この様な変更がOKということになると、例えばアメリカ産と書いてあるのが中国産だったり…という事例が起こり得るかもしれない、ということで、消費者からすると気が気ではありません。


一応悪質な場合は許されない、必要に迫られた範囲内でということに通達では示されているとは言え、
表示の記載と違う材料が使われても罪に問われない…というのは一消費者としては好ましくない…出来ることなら止めてほしいと言わざるを得ないのではないでしょうか?

はたして実際に商品を手に取るとき、袋やパッケージに記載されていることを確認しても、そもそも店頭の掲示(それもどこに表示されているかわからない)やウェブサイトまで確認する人が一体どれくらい存在しているのか…?といった点も疑問です。

(少なくとも、私が普段の生活範囲内で訪れる食品売り場において、この様な原料や原産地の変更を示す掲示には出会えていません…)

そもそも日本の食糧輸入量は何と世界一位。

何と、世界で一番食品を輸入に依存している国でもあるのです。

このコロナ禍を機に、日本の食糧生産・消費のあり方に疑問を持ってくれる人が増えると良いのですが…。

日々自分の命を繋げてくれている、大事な食品の出所をもう少し一人一人が真剣に考え、他国任せにするやり方を脱却する必要性に、国民ひとりひとりが気付くべき時が本当に来ているのではないでしょうか。

安全な食をこれからも手に入れるためには?まだまだ遅れている日本の実態|韓国の事例


これまで、新食品表示の実態や気を付けたいポイントなどをご紹介して来ました。

新しい食品表示法が施行されたことで私たちにメリットが増えた反面、どうにも釈然としない部分もあったのでは無いでしょうか?

ところで、何かと良識ある媒体で取り上げられることの多い日本とEUの食品基準の差。

ここで敢えて身近なお隣の国、韓国の食品表示について日本と気になる差を少しご紹介します。

日本においては化学調味料は、加工食品に使用されている場合「調味料(アミノ酸)」「調味料(アミノ酸等)」「調味料(核酸)」といった様な何だかぼやっとした包括的な物言いでの記載がOKになっています。

しかし、イメージ誤認を誘発する様な日本の表示とは違って、韓国でははっきりとうまみ成分を添加物の名称で表示しているのです。

アミノ酸、と付くと体に良いイメージすらありますが、表記方法によってうまみ成分の種類に多少の差はあるものの、化学調味料はれっきとした添加物。化学的な調査ではっきりした結論は出ていませんが、中には健康上の不安や害、アレルギーなどを訴える声も調べれば見受けられます。

しかも、なんとその製造方法の過程で遺伝子組み換え技術を使っていたり、遺伝子組み換え由来の食品を使っている場合もある…という話もあるのです。

本来なら、アミノ酸等、調味料といった書き方ではなく、はっきり「グルタミン酸ナトリウム」などといった如何にも“添加物”らしい書き方が消費者にとっても実直で望ましいと思うのですが、何故かその様な書き方は日本では見受けられません。

そして、実はこの様にうまみ成分を日本のように“アミノ酸等”という漠然とした名称ではなく、
はっきりと添加物の名前を書いてある国は韓国だけではなく、勿論多数あるのが実情なのです…

中国圏などでも韓国と同じようにはっきりした表記で記載があったりしますし、英語圏でも化学調味料はいろいろな表記の仕方があるものの、「グルタミン酸ナトリウム=Monosodium Glutamate(通称:MSG)」「グアニル酸ジナトリウム=Disodium guanylate」といった記載例などが見受けられます。

また、化学調味料にアレルギーなどを持つ方や、健康上の不安を持つ方に配慮して英語圏では「MSG FREE=化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)不使用」といった表記が日本よりもさかんという状況も。

うまみ調味料を開発した日本ならではの、何か見えない力でも働いているのではと勘ぐってしまいますね。(笑)

その他にも、EUに比べると基準は緩いですが、韓国では遺伝子組み換え食品の意図せぬ混入割合も日本より低い○%、グルテンフリーの表示基準もはっきりと定められていたり、日本では近年大幅に規制緩和されたネオニコチノイド系の農薬もEUに倣って禁止していたり…とお隣の国と比べても「日本、大丈夫?!」と思ってしまう様な要素が見受けられます。

食品表示と話題は逸れますが、日本では海外で使用が忌避され始めている農薬の残留農薬基準も何故か引き上げるどころか引き下げたり(余った農薬の在庫処分場?!)、とおかしな状況は多々溢れているのが実情。

気が付かない間に、まるで日本は弱体化させられてしまっているかの様です。

民衆が声を上げれば社会の流れを変えられる

自分から始めるオーガニック革命


昨今、政府の出した法案に世論が大きく反発したことによってその法案の通過が無くなった、という話は皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか?

これは、民衆が声を上げれば社会の流れを変えられる、という一例に過ぎません。

食品を日々選択して購入しているのは私たちなのですから、私たちが意思表示をしたり消費行動を変えることは社会を変える大きな力になります。(SNSで意見を発したり、企業に意見を送る…といった行動でも、それが集まり周りに少しずつ伝播していく…大河の一滴になるかもしれません。)

新しく変わった新食品表示ですが、これらに満足することなく私たち消費者が目を光らせ-更に安全・安心な食べものを手に入れるために。

あなたからできる「オーガニック革命」を起こしていきましょう。







参考文献
参考HP
株式会社丸信 紙箱・化粧箱.net HP 食品表示プロジェクト 新食品表示の主な変更点

消費者庁HP 食品表示企画 食品表示について(パンフレット)『全ての加工食品の原材料の産地が表示されます!』
農林水産省HP 会見・報道・広報 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/200410.html
農林水産省HP 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく
食品表示基準の運用について(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/000620877.pdf

農林水産省HP 知ってる?日本の食料事情
~日本の食料自給率・食料自給力と食料安全保障~
https://www.maff.go.jp/kanto/kihon/kikaku/kihonkeikaku/pdf/zen27.pdf


農林水産省HP 消費者の部屋「日本はおもにどこの国から農林水産物を輸入(ゆにゅう)しているのですか。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0610/01.html
新食品表示の主な変更点
https://www.order-box.net/wp-content/themes/keshobako_wp/PDF/sinhyojihenkoten.pdf
消費者庁HP 新しい食品表示制度について(消費者庁食品表示企画課)(PDF)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/risk_commu_2015_003/pdf/150721shiryou_1.pdf
全商連HP 全国商工新聞 食品表示法改正2020年「小規模事業者には免除措置も」
ポイントQ&A
https://www.zenshoren.or.jp/food-label

農林水産省HP 会見・報道・広報-報道発表資料
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う中国産輸入原材料の供給不足を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/200303.html

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