大胆にまるごと炊きあげるマクロビオティックな 新玉葱ごはんの作り方
春の風物詩、新玉葱。
今年は、いくつ召しあがりましたか。
まさに、いまが旬の新玉葱も、店頭にならぶのは、あと数週間。
初夏の気配とともに、別品種、または、乾燥貯蔵された茶色い、身のしまった玉葱となってゆきます。
今回は、みずみずしい新玉葱があるうちに、いちどは試したい、とてもかんたんな炊きこみごはんをご紹介いたします。
仕込み時間は、3分ほど。
お米を研いで、新玉葱の薄皮をとりのぞくのみです。
炊飯器でまるごと炊いた新玉葱は、まんなかまで、とろんとジューシー。
そして、新玉葱のあまみが、ごはん全体にゆきわたります。
あまい、みずみずしい、ほくほく。
そして、この炊きこみごはんには、うれしい効能もありますよ。
新玉葱の魅力を最大限に生かした、かんたんおいしいごはんです。
玉葱はえらい
料理本かたてに自炊をはじめたころ、ありとあらゆる料理のなかに、玉葱がひそんでいることに驚きました。玉葱の形状がはっきりとしたシチューや肉じゃがはもちろん、炒飯、ハンバーグ、そして、さまざまなソースやドレッシング…。
人参スープや南瓜のポタージュにまで、玉葱がはいっていたのです。
そして、料理をつくるときは、なにか食材を買いわすれても、だいじょうぶ。
たいがい、玉葱さえあれば、なんとかなるから、不思議でした。
玉葱どくとくのあまみ、からみ、うまみ成分は、メインとなる食材のおいしさをひきたててくれます。
玉葱には古代から西欧料理のベースとして重宝されてきた自信、気概があるのでしょう。
まさに、玉葱はお料理界の名わき役。たくさんの賞をあげたいお野菜のひとつです。
玉葱の相乗効果
食材のおいしさをひきたててくれる玉葱は、栄養面でもすばらしい相乗効果を発揮してくれます。
玉葱は、ビタミンB1の栄養吸収率をあげてくれるのです。
ビタミンB1とは、糖質をエネルギーにかえてくれる栄養素です。日本人はお米(糖質)が主食ですから、ビタミンB1の消費量が多くなります。
ましてや、インスタント食品や加工食品、スナック菓子、白砂糖たっぷりのお菓子の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎは、多量のビタミンB1が必要となります。
ビタミンB1が不足すると、日々の食事を活力に変換できなくなりますから、全身の倦怠感、イライラ、集中力の低下など、いわゆるスタミナ不足におちいります。
さらに、深刻な欠乏症になると、動悸、めまい、筋力低下をともなう脚気やウェルニッケ脳症といったおそろしい病気の一因になります。
こうなると日々の食生活でぜひ摂取したいビタミンB1ですが、ビタミンB1は、熱によわく、調理の段階で、半分はうしなわれるといいます。また、水溶性のため、体内の蓄積率がきわめて低く、毎日摂取する必要があるのだとか。
そこで、玉葱です。
玉葱やにんにくに含まれるにおい、からみ成分であるアリシンは、ビタミンB1の吸収率をぐんとあげてくれます。
調理中にビタミンB1とアリシンが結合することで、水や熱につよいアリチアミンとなり、すみやかに腸から吸収されます。
さらに、アリアチミンは脂溶性のため、体外に排出されにくく、血液中に貯蔵されるため、ビタミンB1の効果が長時間持続するのです。
ビタミンB1は、豚肉、うなぎ、玄米(穀類の胚芽、ぬかの部分)、たらこ、豆類、胡麻、ナッツ類におおくふくまれています。
これらビタミンB1をふくむ食品は、玉葱、にんにくといっしょに調理することがおすすめです。
毎日のごはんに玄米をとりいれる
ビタミンB1を毎日とるために、主食のお米を活用しましょう。精製された白米にくらべ、玄米はなんとその7倍のビタミンB1をふくんでいます。
玄米がにがてなかたは、白米に少量まぜることから、はじめてみませんか。
マクロビオティックでは、旬の野菜をまるごと食べる「一物全体」という考えかたを提唱しています。
「一物全体」とは、森羅万象、まとまったひとつのものは、全体でバランスがとれているという思想です。
そして、全体は、部分を組み合わせた以上の特別な働きがあるといいます。
とくに、穀物などの種子類は、ひと粒でさらなる “全体” を生みだすわけですから、生命力に満ち満ちた食べものです。
マクロビオティックで、玄米や全粒粉の穀物がすすめられるのは、このような理由からです。
胚芽やぬかにふくまれるビタミンB1は、一物全体食のひとつの恵みといえるでしょう。
今回、ご紹介する炊きこみごはんは、玄米、雑穀、小豆、黒胡麻、そして、新玉葱、にんにくのちからをかりて、ビタミンB1をたっぷりいただけるレシピです。
日々のごはんから、気力、体力、免疫力をしっかり授かりましょう。
大胆にまるごと炊きあげる
マクロビオティックな新玉葱ごはん
材料
お米4合分
新玉葱(中) 2個
にんにく 4~8片
玄米 麦 小豆など お好みの雑穀 4合
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1
黒胡麻 適宜
自然塩 適宜
つくりかた
1 お米を研いで、炊飯に適量なお水をくわえ、炊飯器にセットする。雑穀は、30分~数時間、玄米を発芽させたい場合はひと晩ほど浸水させる。
2 お米を炊く1時間ほどまえに、新玉葱の天地を切り、薄皮をとりのぞく。にんにくも同じように薄皮をとりのぞいて、空気にさらしておく。
3 炊飯器から大さじ2杯の水をのぞき、オリーブオイル大さじ1杯をくわえる。新玉葱とにんにくを炊飯器のお米のうえにならべて、炊飯する。
4 炊きあがったら、新玉葱とにんにくをくずすように、しゃもじでざっくりとまぜ、炒り黒胡麻、自然塩で味をととのえてできあがり。
今回はあずき、胡麻、無精製の玄米雑穀ごはんでおつくりしました。(玄米、雑穀は、無農薬のお米を選びましょう。)
お米2合につき新玉葱中~大1個ほど、にんにく3片ほどが適量です。
炊飯器、土鍋、圧力鍋、ホーロー鍋など、いつもの炊飯方法でおためしいただけます。(土鍋、圧力鍋では ” おこげ ” のおたのしみつきです。)
新玉葱のからみ成分アリシンは、油と調理することで、熱につよくなります。
今回はオリーブオイルを使いましたが、胡麻油、良質なバターでも、とてもおいしいです。
また、新玉葱、にんにくを1時間ほど空気にさらすのは、そのことで、アリシンが熱につよい成分に変化するからです。
玉葱を加熱調理する場合は、まずさいしょに玉葱を切って、ほかの準備をする習慣をつけると効率よく栄養が吸収できます。
新玉葱はみずみずしく炊きあがり、にんにくはねっとりとごはんにからみます。
お醤油や黒胡椒、バルサミコ酢をかけて、お好みのアレンジも楽しめます。
さめても美味しいので、おべんとうにしても、よろこばれますよ。
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