家で再現する「ミシュラン」の味?!スターシェフ石井誠が教える究極のマクロビオティックレシピ公開!「野菜・フルーツ・魚介、3つのコンビネーション」 連載NO.01
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
北海道にある、
人気フレンチレストラン「ル・ミュゼ」。
ル・ミュゼとは、日本語で「美術館」を意味します。
ミシュランの星を獲得した石井シェフは「食とアート」の融合という
日本では初めての、そして世界でも類を見ない最先端のコンセプトを掲げ、新たなる挑戦に挑んでいます。
美術館という名のとおり、店内には選りすぐりのコンテンポラリーアートが飾られ
日本とは思えないくらい、モダンでイノベーティブな雰囲気です。
食材へのこだわり。
料理とアートについて
石井シェフはキノコ類を日ごろから自分で山まで取りに行ったり、
畑まで野菜を見に行ったり、自社の農園で完全オーガニックの野菜をそだてたり、
史上最高の厳選された魚介類やオイルを世界各地から取り寄せるなど、食材への考え方、食材へのこだわりには想像をはるかに超えます。
さらにその果てしない探究心は、選りすぐられた食材だけでなく店内のアート作品や料理そのものへの思想・哲学にまで及びます。
シェフ自身が絵画を学び、習って自分でも油絵を描いたり、
お皿や陶器までも自分で作るなど、どこまでもこだわります。
毎回見たことのない調理方法・盛り付けには、食べるものに驚きを与えるばかりか、
鮮明に記憶の中にその味、香り、色、食感を深く刻み込んでゆきます。
アーティスティックで息をのむ斬新なプレートの美しさは想像を超える世界。
石井さんの作るフレンチ料理は、
従来のフレンチのイメージ・・ 例えば、乳製品やクリームなどを大量に使った、
食べた後の感覚にくどさを感じるものとは一線を画しています。
シンプルなのに複雑さすら感じ、
料理、いや作品ともいえるような究極の食の形。
食べた者にしか読み取れない意味。
目を閉じると、ある時には森の中、
そしてまた別の時には海岸や人々でにぎわうテラスなど様々な光景が鮮明に浮かんできます。
食べるだけで旬を知る。
最高に厳選された、大自然でとれた格別のオーガニックや旬の食材を使って作る料理は、
まさにマクロビオティックそのものだともいえるのではないでしょうか?
季節感だけでなく、お皿の中にあるストーリーをシンプルな食材だけで見事に表現した作品。
そして、食べる者に驚きと感動をあたえる、創造性。
そんな天才石井シェフから、なんとIN YOUの読者さんのためだけに作った
世界初 究極のマクロビオティックレシピを独占で教えていただけることになりました!
「野菜・フルーツ・魚介、3つのコンビネーションが生み出す味のメソッド」について聞いてみましょう。
以下は石井シェフによる文章です。
本質的に無害である本当の美食の提案 by【レストラン ル・ミュゼ シェフ 石井誠】
NO.01 テーマ【野菜・フルーツ・魚介、3つのコンビネーションが生み出す味のメソッド】
ル・ミュゼの料理には、メソッドが存在しています。
公開はしていませんが、スタッフ用に制作された【料理メソッド】があり、
そこには、【何故、そうするのか?】ということが、
様々な観点から理論的に説明されてます。
その中で、今回紹介するのは、
【野菜・フルーツ・魚介】のコンビネーションについてです。
この3つの食材は、それぞれに異なった特徴があります。
それぞれ1つずつだけでも、十分に美味しい料理にすることも可能です。
野菜を炭火や無水調理でゆっくりと加熱しただけでも驚くような美味しさを表現できますし、
フルーツは、切ってそのままでも美味しい食材です。
魚介もその後の【手当て】をきちんと施せば、切り身ひとつで奇跡的な美味しさを表現できます。
しかし、我々はレストランとして、新しいコンビネーションで、
未知の美味しさも同時に提供しなくてはいけません。
僕の考えるこの3つのコンビネーションは、
それぞれの足りない要素を相互に補うことで生み出される
新しい味覚の世界です。
野菜に対して思うこと・・・
もう少し糖分が欲しい。
もう少しフルーティーなアロマが欲しい。
考えると、もし一本の人参があったとして、
自然な甘みが強く、南国フルーツのようなアロマがあったなら、
蒸しただけでも、とても美味しく感じると思いませんか?
それは、魚介でも同様です。
皆さんは、ホタテやウニを食べて、
ミネラル感やヨードを感じると同時に、
口解けや甘さに対して、【美味しい!】と感じます。
この3つのコンビネーションには、
それぞれの長所を重ねることで美味しさを増大し、
短所をそれぞれが補うことで、
単体で食べるよりも際立った美味しさを生み出すことが可能になるのです。
・・
今回、ご紹介する料理は、
【人参・オレンジ・ホタテ貝】
この3つのコンビネーションです。
テーマになるのは、人参とホタテの甘味です。
足りない要素は?
ここで欲しいのは、レモンのような鋭い酸味ではなく、
柔らかな自然な酸味です。
なんでもレモンを絞るのは、日本人の悪い癖。
例えば、生ガキにレモンではなく、キイチゴの酸味を合わせると、
全く別世界の美味しさが表現できます。
ここでは、人参と相性の良いオレンジを使ってます。
オレンジの持つ柔らかな酸味と適度な甘みは、
人参と組み合わせることで、互いを引き立て合います。
ホタテは、生と炭焼きにしたものを盛り付けますが、
人参とオレンジがあることで、
平坦になりがちなホタテの味わいを多面的にしてくれます。
この皿でそれぞれの食材が表現しているものは、
・ホタテ:塩味、ミネラル、ヨード、旨味、甘味、食感(ねっとりとした歯ごたえと香ばしさ)
・人参:甘味、滋味、食感(滑らかさと柔らかさ)
・オレンジ:酸味、甘味、微かな苦み、フルーティーで爽やかな香り
といった具合です。
一見すると、複雑なようですが、
自然本来の味わいは、
上手に重ねると、濁ることがありません。
これは、まるで絵具のようです。
センスのよい画家が純色をパレットで混ぜ合わせ、
キャンバスの上にキレイに配置すると
濁った絵にならないのと似てます。
逆になんの根拠もなく、いい加減に作業を進めると、
ただの汚い絵になってしまします。
料理も同じで、それぞれの素材が持つ本来の味わいを
理解して、法則に従って組み合わせることで、
複雑だけどクリアでピュアな味わいを表現することができます。
それは、同時に【体に良い】料理でもあります。
この料理には、砂糖は一切使われておりませんし、
乳脂肪分もゼロ。
グルテンも無し。
動物性食材もない。
・・
無農薬の人参が1本、
天然の殻付きホタテが1個、
国産無農薬のオレンジが1個
あとは、自然塩と良質なオリーヴオイルがあれば
それだけで十分です。
ミュゼでは、この3つのコンビネーションに、
更に【ハーブ】を加え、4つのコンビネーションにすることが多いです。
基本は3つ。
そこに個性を際立たせたり、
逆に寄り添わせたり、
様々な理由で何かしらのハーブを添えます。
ただ、ハーブやスパイスは、
その分野だけでも、
膨大な知識量が必要な為、
ここでは敢て省略いたしますが、
料理に奥行と楽しさを与え、
また、薬にも成りえる素晴らしい効能もあります。
マクロビオティックをより高度な美食にする上で、
重要なキーワードでもあるハーブとスパイスは、
上手に取り込んで頂きたいと思います。
【人参・オレンジ・ホタテ貝】3つのコンビネーション
【作り方】
①人参は、皮を剥いて半分はスライスにしてピュレにする。半分は、蒸し器で柔らかくなるまで加熱。
*人参の皮は、捨てずに乾燥させてミルでパウダーにして、
円柱状にした人参の周りに付けます。
②ホタテは、貝柱をスライスし、ローリエでマリネ。
*香りを移すのと脱水。昆布締めのような効果。
もう一つは、炭火かグリル盤で焼く。
③オレンジは、果汁と果肉、皮はミクロブレンダーで
仕上げのアクセントで使用。
皿にスライスにしたホタテを盛り、塩、オレンジの皮、
オレンジの果肉、その上に覆い隠すように、
蒸した人参のスライスを乗せる。
人参のピュレ、蒸した人参の円柱、グリエしたホタテ、
それぞれバランスよく配置する。
ディルを飾り、オリーヴオイルをかけて完成。
人参のピュレは、スライスしたものを
オイルでじっくりソテーして、軽く塩、
少量の水(ミネラルウォーター)を加え、
パラフィン紙を落し蓋にして、
超低温でじっくりと加熱。
甘く、柔らかくなったらミキサーにかける。
この時、カロチン色素が完全に出るまで、
しっかりと回すこと。
超滑らかでお菓子のような甘い人参ムースができます。
仕上げに少量のオレンジ果汁を加える。
最後に
どんな味になるのでしょうか・・?限られたものだけでできる、
旬の食材を使ったシンプルなレシピですが、どんな味なのか食べてみたいです。
そして、超本格的なマクロビ・フレンチを家でも再現できるなんて・・
すぐにでもやってみたくなりますね!
余談ですが私の地元は札幌で以前、誕生日の時にマクロビスペシャルメニューをいただきました。
その時の写真です。
ここにはご紹介しきれませんが、
生まれて初めて食べるような料理ばかりで驚かされました。
さて、今回の企画はなんと3回にわたる豪華企画!
次回は一体どのようなレシピが飛び出してくるのでしょうか・・?
お楽しみに!
ル・ミュゼ
Makoto Ishii
石井 誠 1973年9月14日生
ル・ミュゼ オーナーシェフ
札幌プリンスホテルに入社。
単身渡欧し、フランス、イタリア、スペインに訪れる。
1998年、レストラン エノテカ札幌のシェフに就任。
2002年札幌中央区にル・フェスタン・デュ・ノールをオープン(エノテカ)
31歳、2005年に独立し、ル・ミュゼをオープン。
(株)ミュゼを設立し、代表として経営者としても多岐に渡り活動をする。
37歳 2011年、ル・ミュゼは全面改装をし、それまでの3倍規模に拡張。
また、2階にはキッチンを装備した個室で、新たなブランド【イデア】も立ち上げる。
38歳 2012年、ミシュラン北海道2012年で一ッ星を獲得。
石井 誠 1973年9月14日生
ル・ミュゼ オーナーシェフ
札幌プリンスホテルに入社。
単身渡欧し、フランス、イタリア、スペインに訪れる。
1998年、レストラン エノテカ札幌のシェフに就任。
2002年札幌中央区にル・フェスタン・デュ・ノールをオープン(エノテカ)
31歳、2005年に独立し、ル・ミュゼをオープン。
(株)ミュゼを設立し、代表として経営者としても多岐に渡り活動をする。
37歳 2011年、ル・ミュゼは全面改装をし、それまでの3倍規模に拡張。
また、2階にはキッチンを装備した個室で、新たなブランド【イデア】も立ち上げる。
38歳 2012年、ミシュラン北海道2012年で一ッ星を獲得。
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