ゼラチンと寒天の違いって何?似ているようで似ていないゼラチンと寒天の利点と欠点。 寒天パウダーを活用した簡単レシピもご紹介。
ゼラチンと寒天の違い
日々私たちが口にするものの多くには見た目以上に多くの材料が使われいていたりすることがほとんどですよね。
今日は、「ゼラチン」と「寒天」の違いを探っていきます。
ゼラチンも寒天も、液体を固めてくれる材料として料理はもちろんその他の用途に幅広く使われています。
ゼラチンと寒天は何からできているのでしょうか?
ゼラチン
ゼラチンの原材料は「動物性のタンパク質」です。
私たちが普段の食生活にゼラチンを取り入れる場合だいたいが
「ゼラチンパウダー」などのパウダータイプのものが一般的ですね。
ゼラチンは、豚や牛の骨や皮、あるいは魚の皮などに含まれるコラーゲンを
酸またはアルカリで処理して、加熱抽出して得られるもので、それから水分を除いて粉末状にしたものがゼラチンパウダーです。
私たちが普段口にするものでいうと、コーヒーゼリーやお菓子のグミ、
そしてコンビニで見かける、温めると液状に変わるスープなどにも使われていたりします。
ゼラチンパウダーは低めの温度で溶けるという特徴があるので
あたたかいドリンクやお味噌汁などに気軽に入れることで食生活に取り入れられます。
ただゼラチンは動物由来なので、その質が問われます。
具体的にどのような食材が使われているのか不安という方もいるのではないでしょうか。
動物性の食材を控えているベジタリアンなどの方は植物性でプリンやゼリーを使いたいですよね。
寒天
一方、寒天の原材料は何かというと、「テングサ」や「オゴノリ」という海藻なんですね。
寒天になる前の姿は、黒蜜をかけて食べたりする、あの、「ところてん」。
ところてんが寒い地域でお日様の下にさらされることによってできるのが棒寒天なのですね。
その名の文字通り、寒天が作られる工程では「寒さ」と「日の光にさらされる」という2点がとても重要です。
寒天が含まれている食べ物は、羊羹などの和菓子はもちろん
ヨーグルトやジャムなど、ゼラチン同様にさまざま。
実は、寒天はとても万能で、その用途は単純な「食用」だけでなはないんですよ!
化粧品や医薬品また、新しい分野でいうと、バイオテクノロジー研究に必要な寒天アガロースの生産など最先端の分野においても活躍しています。
さらに、食べること・飲み込む機能が低下した方でも食事ができるようにと
「介護食」にも、寒天が使われているんです。
さて、ゼラチンと寒天は広く私たちの身の回りで使われていることはわかりましたが
それぞれどういったいいところがあるのでしょう?
寒天は、いいことづくしの食品!
寒天・・・便秘解消の期待
寒天には250倍もの水を抱える吸水力があり、
水分を吸うと「かさ」が増えるため少量でも満足感が得られます。
また、食べ物の吸収を緩やかにするので満足感が長持ちするというメリットもあります。
さらに寒天は大腸内で水分を吸うと膨張して便のかさを増し、柔らかくします。
この過程を通して、寒天は腸壁を刺激することによって、お通じを改善してくれるのです!
少々蛇足になりますが、寒天の歴史をさかのぼってみると寒天が便通解消によいということはなんと
江戸時代にすでに認識されていた模様です。
そもそも寒天は、江戸時代の徳川4代将軍家綱の時代に京都で生み出され、それ以後の約400年にわたって伝統的に食べられている食べ物です。寒天が伝統的に長年食べ続けられているのは便通改善の「妙薬」として効果が伝承され続けたからでもあるのかもしれません。
そして、1920年に改定された日本薬局方において、寒天は「粘滑薬又は、包摂薬として、慢性便秘に水に溶かすか粉末として服用するか、あるいは配合剤として用いる…」として、収載されました。
つまり寒天は、医薬品としても認められている大変珍しい食物繊維素材と言えます。
ゼラチンも寒天も、わたしたちの体にプラスに働いてくれるとっても優秀な食品であることがわかりますね。
しかし、ゼラチンと寒天をつかう前に、気をつけたいことがあります。
それは本当の意味での「原料は何なのか?」を知ることです。
例えば寒天でも植物性だから一概に安心か?と言えばそうではありません。
実は、安価な寒天のなかには薬品を使って製造されるものも多く、あります。
しかし寒天の原材料の中に、添加物として表記されていないのでどれが薬品を使っていないかについては見極めるのが難しいのが難点ですが、昔ながらのこだわった製法のものを探せるよう、メーカーに生産工程を聞いてみるとよいでしょう。
では、ゼラチンの場合どうでしょうか?
ゼラチン選びで気をつけたい事
「体にいい」という情報だけに惑わされないために必要な視点
ゼラチンには、先ほども少し触れましたが、動物性の原材料からできており、場合によっては単一の原料が使われてるとは限りません。
きちんと、何の動物由来のゼラチンなのかを確認しないと口に運ぶものとして安心感を抱けないですよね。
例えば特定の動物性アレルギーがある方にとっては、ゼラチン自体の由来が何かによって、
ゼラチンもアレルギー反応を起こしてしまう食品になり得ますので注意が必要です。
また動物由来だった場合その動物がどのように育てられているのか(餌など)まで確認していただいたほうがより安心です。
私たちがゼラチンを口にする経路の一つが、加工食品。
コンビニスイーツの原材料欄を見てみたところ「ゼラチン」の文字を発見しました。
スイーツだけでなく、温めると液状に変わるスープにも記載がありました。
読者のみなさんにも試してみていただきたいのですがコンビニの商品棚に並ぶ食べ物の欄を見てみると、「ゼラチン」の文字が次々に見つかります。
もうお気づきですよね。
わたしたちが手に取る食べ物の材料欄に、「ゼラチン」との記載はあっても、
何由来のものかまでは載っていないことも多々あるのです。
調べてみたところ、お菓子屋さんなどで使われる品質の高いゼラチンは「牛由来」のものが多いなど、
目的に合わせて、使われるゼラチンは異なる場合もあります。
ゼラチンは私たちの食に取り入れやすく、かつ高い頻度使われている食品である一方で、
「何由来のゼラチンなのか表記されずその安全性や、またその正体がわかりづらい」という不透明な一面を持っていることも十分に気に留めておく必要があります。
それでは最後に、「簡単さ」「気軽さ」を考えた寒天レシピをご紹介します。
寒天を使った簡単おやつ
体調不良で食欲がないときなどにもオススメ。
先日、私と夫の2人して風邪に苦しむ週末を過ごしました。
関節はギシギシするし、体温が高いせいでボーとする…
食欲もわかないなけれど、薬を飲むため何か食べなければと重い腰を持ち上げ台所に向かいました。
そこで救世主になってくれたのが寒天パウダー
(文字通り、パウダー状の寒天でスーパーで購入できます)だったのです…!
とても簡単なレシピなので寒天パウダーがすでにご自宅にあれば
いますぐ実践できますので試してみてくださいね。
とにもかくにも、風邪で食欲がなかったため寒天パウダーを使って、ルイボスティー寒天ゼリーを作りました。
レシピはこちら。
ルイボスティー寒天のメープルシロップがけの作り方
・ルイボスティー ティーバック1つ・お水 300ml
・寒天パウダー ティースプーン1杯
・メープルシロップ 適量
①お水を沸騰させたら、ルイボスティーティーバックを入れ、濃いめのルイボスティーを作る
②ルイボスティーがお好みの濃さになったらティーバックを取り除き、寒天パウダーを加える。
パウダーがしっかりと溶けるまで数分煮詰めましょう。
③煮詰めたルイボスティーを、製氷トレーに流し込み、冷やす。
④ルイボスティーが固まったら、製氷トレーから取り出し、お皿やカップなどに盛る。
※つま楊枝で、四角に沿って剥がすようにすると簡単かつ綺麗に製氷トレーから取り出せますよ。
⑤最後に、メープルシロップをかけて、出来上がり。
メープルシロップのやさしい甘さとルイボスティーかおる寒天が
風邪ひき夫婦に食欲を呼び戻してくれ、その後おかゆを食べたりして体調回復することができました。
りんごゼリーの作り方
無農薬のりんご半分
水 300cc
粉寒天スプーンに1杯
① りんごを小さく刻んで、水とともに煮る。
② 粉寒天を入れて混ぜ、溶けたら再度加熱。
③ 容器に入れて完成。
つるんと美味しい黒胡麻プリンの作り方
黒すり胡麻またはごまペースト 適量 スプーンに1−2杯
無調整豆乳300cc
粉寒天 3g
水 150cc
マヌカハニー:適量
1 水と寒天を入れ寒天が溶けるまで加熱。
2 鍋に温めた無調整豆乳と黒ごまやマヌカハニーを注ぐ。
注意点としては、寒天にはカロリーがないため、エネルギー摂取という目的には向きません。
そのため、寒天ゼリーだけを食べて1日を過ごすというのは得策ではないので
補助的な食べ物として取り入れられることをおすすめいたします。
ゼラチンも寒天も、私たちにメリットの大きい食品ということがお分かりいただけましたでしょうか。
さらに、ゼラチンや寒天については私たちが口にする食べ物にかなりの頻度で使われている一方で、
「何由来のゼラチンなのか」「どのような工程で作られているのか」ということが盲点になりやすい点に気をつけましょう。
目に見える添加物を避けることは勿論、原材料に書かれていないことにも留意することが重要です。
味付けをほんの少し変えるだけで、バリエーションも増やすことができる寒天レシピ。
ご自身のお気に入りレシピを探求するのも、楽しみの一つですね。
ぜひ試してみてください。
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(参考文献1:「健康に長生きしたけりゃゼラチンを食べなさい」渡辺雄二)
(参考文献2:「月刊 食生活 第107巻 第10号」カザン)
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