1分で仕込みOK。おいしくてとまらないマクロビオティックな春キャベツのレシピ10選
春は、野菜が植物であることを、あらためて思いださせてくれる季節です。
ラップやパックなしで、店先にならぶまるごとの野菜や山菜は、どれも色彩ゆたか。
あたらしい生命の息吹を感じさせてくれます。
季節感が希薄だといわれる東京の食卓も、春はとくべつではないでしょうか。
そして、なにより、これら生命の息吹たちが、とてもおいしいのですから、春は最高なのであります。
今回は、そんな、美しくもおいしい植物のひとつ、春キャベツをまるごといただけるレシピをご紹介いたします。
旬の野菜には、旬の効能がある
春キャベツは、冬のものより外葉もみずみずしく、なかはさらに、水をふくんで、やわらかい。巻きがゆるやか、太陽にむかって生えている、葉脈がこまかい。甘い。そして、すこしの苦みがあります。
マクロビオティックでは、地表に生息する球体の野菜(冬のキャベツ、玉葱、かぼちゃ)は、陰陽のバランスのとれた中庸ですが、春キャベツは、すこし高さがますので、やや陰性となります。
やや陰性の野菜は、わたしたちのこころやからだ、細胞を、ふわっとゆるめて、不要なものをときはなつ手助けをしてくれます。
マクロビオティックは、繊細な四季のある日本で育まれた食養生です。
「旬」の食材には、その時期にとてもありがたい「旬」の効能があります。
春の薬、春の美容液
こどものころ、「キャベジン」という市販の胃薬が、キャベツからできているときいて、驚いたことをおぼえています。キャベツにふくまれる、ビタミンUは、傷ついた胃の粘膜を修復する働きがあり、おなじくキャベツにふくまれるビタミンKとともに、胃痛、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防、治療効果があるのだそう。
そして、キャベツの抗酸化力は、野菜類のなかでも、ダントツです。
ビタミンCだけでなく、辛み成分イソチオシアネートは、わたしたちの細胞の酸化を防ぎ、動脈硬化や、がん予防に効果的です。
そして、キャベツの葉2枚で、1日分とれるというビタミンCは、 美白、美肌効果があり、紫外線が気になりはじめるこの季節には、とてもよろこばしい効能。
さらに、新陳代謝を高め、冬にためこんだ老廃物を体外に排泄する効果、肝臓の解毒作用も期待できます。
キャベツの成分は熱によわい
キャベツには、これだけうれしい効能がありますが、その成分は水溶性で熱によわいので、なまのまま食べるのが、おすすめです。なまで食べることで、これら栄養成分だけでなく、消化、吸収、代謝をたすけてくれる生きた酵素も、たっぷりとることができます。
そして、なにより、春キャベツのあわい翠(みどり)、やわらかな感触は、火をとおしたり、金属の調理器具や刃物をつかうのを、ひかえたいきもちにさせてくれます。
今回のレシピは、やさしく手でちぎって、すばやく手で和えるのみ。
手でちぎることで、みずみずしい食感がながもちするうえに、味がからみやすくなります。
また、食材にじかにふれることで、食材の水分量や温度変化がこちらに伝わり「食べどき」がわかります。こころがこもります。
そんな、ひと手間がおいしい、とてもかんたんなレシピです。
1分で仕込みOK。
おいしくてとまらない春キャベツのレシピ10選
春キャベツ クミン
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
自然塩 ひとつまみ
クミン ホール ふたつまみ
エクストラバージンオリーブオイル 中さじ1
つくりかた
1 ちぎった春キャベツに、オイル、クミン、塩を入れて、手でやわらかくさっと和える。
オイルのあとに塩をふると、水分がぬけにくく、春キャベツそのもののみずみずしさがたちます。
(かための冬キャベツなど、水分をだしきりたいときは、さきに塩をして、水分をしぼってから調味しましょう。)
春キャベツ 海苔和え
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
海苔 大1枚
醤油 小さじ1
胡麻油 小さじ1
白胡麻 小さじ1
1 ちぎった春キャベツを、胡麻油、醤油、白胡麻とともに手で和えて、海苔をそえて、できあがり。
お好みで海苔もいっしょに、しんなり和えてもおいしいです。
海苔のかわりに塩昆布でも最高です。
春キャベツ 檸檬ココナッツ和え
春キャベツ 1/4個
塩檸檬 ひとつまみ
パクチー 適宜
ココナッツオイル 中さじ1
1 ココナッツオイルがとけるように、うつわを湯をそそぎ、うつわをあたためる。湯をすてて、水分をふきとり、ココナッツオイルをおとす。
2 ココナッツオイルが、とけはじめたら、ちぎったキャベツ、好みのおおきさに切った塩檸檬、パクチーをいれて、手で和える。
ココナッツオイルの甘い香りと塩檸檬は、じつに好相性。いろいろなお料理でためしたいドレッシングです。
ココナッツオイルは火をとおすと風味がとんでしまうので、あたためるくらい、指の温度で食材になじませるくらいがおいしいです。
春キャベツ 柑橘マスタード
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
夏みかん(おこのみの柑橘)4房
粒マスタード 中さじ1
玄米甘酒 適宜
つくりかた
1 ちぎったキャベツに、皮をとりのぞいた夏みかんの果実、粒マスタードを和えて、塩、黒胡椒で味をととのえる。
柑橘の種類に応じて、蜂蜜や玄米甘酒など、お好みの甘みをたしてください。
春キャベツにあう薬味味噌
材料 つくりやすい分量
麦味噌(お好みの味噌) 200g
長ねぎ 1/2本
生姜 おやゆび大
にんにくなど 香味野菜 適宜
つくりかた
1 麦味噌に、長ねぎ、生姜、にんにくなどの香味野菜をみじん切りにして、まぜあわせる。
季節をとわず、なまのキャベツといえば、お味噌をつけていただきたいものです。
今回のお味噌は、香味野菜があまるたびに、つくりたしてきたものです。
みょうが、生姜の皮、ニンニクや長ねぎのはじっこを、みじん切りにして、麦味噌に入れて、かき混ぜて冷蔵庫に保存します。
すると、ひと晩で薬味からおいしい水分がでてきて、全体をまるくしてくれます。
即席でつくるときは、すこしのお酒、玄米甘酒や蜂蜜など、お好みの甘みをいれると食べやすくなります。
春キャベツのコールスロー
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
にんじん 半分
クレソン 2本
ひよこ豆 大さじ1
豆乳マヨ 中さじ1
自然塩 ひとつまみ
黒胡椒 適宜
つくりかた
1 春キャベツとにんじんは千切り、(春キャベツが無農薬の場合は外葉もつか います)クレソンはざく切りにして水分をしっかり拭きとる。
2 ひよこ豆をくわえて、全体を豆乳マヨネーズで和えて、塩、黒胡椒で味をととのえる。
カロテン、アミノ酸、カルシウムをおおくふくむ外葉や葉脈のふとい部分をなまで食べたいときにおすすめです。ポイントは、しっかり水分を拭きとること。
春キャベツの梅和え
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
梅干し 1個
胡麻油 小さじ1
つくりかた
1 千切りにした春キャベツに、梅肉をちぎりながら手でもむように和えて、胡麻油をたらす。
今回は外葉をつかったので、千切りにしましたが、ちぎりキャベツでもおいしいです。胡麻油はなくてもじゅうぶんなくらいです。
春キャベツ おとうふ和え
材料 2人分
春キャベツ 1/4個
絹豆腐 大さじ1
塩 ひとつまみ
胡麻油 小さじ1
つくりかた
1 春キャベツを千切りにして、水分をよくふきとる。2 絹豆腐をつぶしながら、キャベツとすばやく手で和えて、塩、胡麻油で味をととのえる。
今回は外葉をつかったので、千切りにしましたが、ちぎりキャベツでもおいしいです。
オイルなしでも、また、くるみなど、炒ったナッツ類をあしらって、そのほかの植物性オイルで和えてもおいしいです。
春キャベツの香味オイル
材料 2~ 3人分
春キャベツ 半分
自然塩 ふたつまみ
A
胡麻油 大さじ4
にんにくスライス ひと片分
長ねぎ 薄くななめ切り 10cm
唐辛子 1本
花椒 適宜
つくりかた
1 ちぎったキャベツをうつわにもり、塩をして、さっともみこむ。
2 小鍋にAをいれて、弱火でにんにく、長ねぎにこんがり色をつけ、油にかおりをつける。
3 うつわのキャベツに、2をかける。
塩のかわりに甜麺醤、豆板醤などをくわえても、おいしいです。
春キャベツのピクルス
材料 つくりやすい分量
春キャベツ 1個分のふとい葉脈や芯などかたいところ
パプリカ 1個
きゅうり 1本
にんじん 1本
オクラ 3本
にんにく ひと片
ローズマリー 5cmほど
A 酢 300ml
水 100ml
甜菜糖(きび砂糖、メープルシロップ、蜂蜜などの甘み)大さじ3~6
自然塩 中さじ1
ローリエ 1枚
黒胡椒ホール 小さじ1
唐辛子(お好みで) ひとつ
つくりかた
1 春キャベツの千切りでそぎおとした葉脈の太いところ、手でちぎったときにあまった芯のまわりは、大きさをそろえて、おこのみの野菜とともに、保存容器につめる。(かたい芯は、うすいスライスにします。)
2 Aをすべて小鍋にいれて、いちど沸騰させてさまし、野菜のはいった保存容器にそそぎいれる。
春キャベツの葉脈のふとい部分や芯のまわりは、栄養の宝庫です。捨てずに、ピクルスにすると、冷蔵庫のなかで勝手に美味しくなってくれます。野菜から水分がでるので、かきまぜながら保存、2日後くらいから食べごろです。
今回のレシピは、アレンジが無限大です。
おおざっぱにわけまして
○ 油(オリーブオイル、胡麻油、ココナッツオイルなどの植物油)
○ 塩分(味噌、お漬けもの、佃煮、チーズ、マヨネーズなど)
○ 香り(スパイスやハーブ、ナッツ、ビネガーなど)
こちらの組み合わせで、無限にレシピが生まれます。
さらに、お塩ひとつ、お味噌ひとつ、オイルひとつとっても、生産地や原料の品種によって、風味が一変しますね。
「旅先で、岩塩を仕入れた」
「手作りのお味噌をいただいた」
「めずらしいチーズをみつけた」などなど。
ご家族や友人たちと魅力的な食材を吟味したいときも、春キャベツがあると万能です。
いっしょにおいしいお肉やお酒をいただいても、翌朝の体調がよいですよ。
春キャベツが、店頭にならぶのは、3月から5月ごろまでです。
四季をめぐる ” 旬 ” の食材こそが、わたしたちが求めるスーパーフードなのかもしれません。
IN YOUオンラインサロン メンバー募集中です▼
この記事が気に入ったら
いいね!しよう