【食養レシピ】基本に戻ろう!甘みを最大限に引き出す『かぼちゃの塩煮』の作り方。
旬のものは一年の中で一番おいしい!
旬の野菜は栄養素が通常の2倍以上に高まっています。
人間は「美味しいものには栄養がある」という事を知っています。
そう、その時一番栄養があるものは、「旬」のものです
地球の気候が毎日違うように、人間の体も毎日の体調や温度によって食べたいものを知っています。
日本には四季があり、昔からその季節ごとにとれる作物を摂り、体を整え、免疫力を維持してきました。
秋は、栄養価の高い穀物や芋類で滋養を高め、季節の変わり目の自律神経を整え、冬に備えます。
まさに「収穫の秋はしっかり食べよ」ということです。
今回は秋の美味しい味覚、「かぼちゃ」。
かぼちゃは抗酸化力の高いのビタミンEが豊富で、アンチエイジングの王様として知られていますが、その含有量はアボカド並み!
そして薬膳では腎臓の薬として知られているかぼちゃ。
体内に溜まった毒素や老廃物を流し、むくみを取り除いてくれます。
さらに、穀物やかぼちゃにはストレスを除去して自律神経を整える効果のあるGABAが豊富だって知っていました?
イライラしていたり、気持ちが高まっている時にかぼちゃや豆類や穀物(米や雑穀)を食べると、気持ちを落ち着かせてくれる効果があるのです。
子供にもうれしいかぼちゃ。
うーん確かに、過剰な糖質制限で長期間お米や芋類を食べずにいると、精神的にしんどくなったりする方多いみたいですよね。(←私はお米をしっかり食べます。)
今回は、かぼちゃのいっちばんシンプルな食べ方。
マクロビオティックの煮物の基本、「かぼちゃの塩煮」をご紹介します。
かぼちゃの煮物って、簡単なようで難しいと思った事ありませんか?
ついつい調味料を足して水っぽくなってしまったり、
火加減が強すぎて(または弱すぎて)煮崩れてしまったり。
では、基本中の基本に戻ってみましょう!
かぼちゃの煮物にはだし汁も、酒も、入れません。
水を入れるとしてもほんの少量です。
無水煮に近い感じですね。
塩だけでかぼちゃの甘味を最大限に引き出す「塩煮」なのです。
「・・塩だけ???」
そう、塩煮。
かぼちゃ自身の水分で煮るので、砂糖やみりんを入れなくてもかぼちゃが驚くほど甘く、味が濃く、そしてほっくりと炊きあがりますよ!
加熱15分。難しい手順は一切なし。
味つけのポイントは、海のミネラル豊富なおいしい天日塩を使うこと。
冷え性の方は特に。
極陽性の自然塩は活力を生み、体を芯から温めてくれます。
そして「減塩にはしないこと」。
ちょうどよい「適塩」に味つけます。
人間にはおいしいと感じる塩加減があります。
その濃度がちょうど人の体液と同じ0.9%なのです。
塩分が薄すぎても濃すぎても良くない。
「ちょうど良い塩加減」は、体の水分と血液の濃度を調整し、体内の浸透圧とpHバランスを正常に保ってくれます。
減塩しすぎると血液は薄まり、気力がなくなり、体は冷えますし、
逆に塩辛すぎると、血圧は上がり、心臓に負担をかけます。
ちょうどよい塩加減。
おいしいと感じる塩加減。
素材の甘み・うまみをじゅうぶんに引き出せる塩加減。
自分の舌で直感してみてください。
この煮物の良いいところは、塩だけで味つけしてあるので、
余ったらお菓子作りやポタージュスープやコロッケなど、いろいろな用途に使いまわせることです。
塩味に飽きたら、すりごまと醤油少々を混ぜて胡麻和え風に味を変えたり。余ったかぼちゃの塩煮を炒め玉ねぎと豆乳と一緒にミキサーにかければ、
あっという間に栄養満点のポタージュスープに。
もしくはなめらかにマッシュして、豆腐マヨネーズやピーナッツバターなどを混ぜてかぼちゃサラダにアレンジ。
サンドイッチにぴったり。
つぶしたかぼちゃに小麦粉(もしくは米粉)を適量まぜて耳たぶぐらいのやわらかさにしたら、そら豆のようにまるめて押して、ゆでるだけで、
もっちもち!「かぼちゃのニョッキ」の出来上がり。
豆乳クリームやトマベースなど、好みのソースでいただきます。
また、ほどよい塩気はお菓子作りにも活用大。
他にもかぼちゃのお焼きやパンプキンマフィンなどなど、アレンジバリエーションは無限大です。
今回は、「かぼちゃ煮は甘めの田舎煮が好きで」という方のために。
ほんの少しの水分だけでかぼちゃの甘味を最大限に引き出す田舎煮バージョンもお教えします。
ほっくり、ねっとり。
かぼちゃの煮物が得意料理になりますよ。20分あればできる幸せの味、ぜひ試してみてください。
かぼちゃと塩だけ。甘くて味が濃い【かぼちゃの塩煮】
準備時間10分・調理時間15分
季節の変わり目の自律神経を整えて、心を安定させてくれるGABA食材「かぼちゃ」。
いちばんシンプルで、なつかしい食べ方で楽しみませんか。
材料
- 【塩煮バージョン】
- かぼちゃ 中1/4個
- 自然塩 ふたつまみ〜3つまみ
- 水 大さじ1〜2(かぼちゃの大きさ・水分によっては水大さじ2。無水鍋の場合は水は入れなくてOK。)
- 【田舎煮バージョン】
- かぼちゃ 中1/4個
- 自然塩 ふたつまみ〜3つまみ
- 水 大さじ1〜2(かぼちゃの大きさ・水分によっては水大さじ2。無水鍋の場合は水は必要なし。)
- みりん 大さじ1
- 醤油 小さじ2
作り方
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【かぼちゃの塩煮】
かぼちゃを適当な大きさに切り、かぼちゃの量に対して「ちょうど良い」大きさの厚手鍋に入れる。(←これがけっこう大事です。スカスカで隙間があいてしまったり、逆にかぼちゃが多くて重なりすぎてしまうと、火の通りが均一になりません。かぼちゃはなるべく鍋にちょうどよく入るぐらいの量にします。)
- かぼちゃに塩少々をふり、ふたをし、10〜15分ほどそのまましばらくおいておく。
すると、かぼちゃが汗をかき水分が出てきます。
(この水分でかぼちゃを煮ます)。
- 厚手の鍋や無水鍋でない場合は水分が飛びやすいので、かぼちゃに水を大さじ1〜2ふりかけてから、ふたをし、鍋を火にかける。
- 煮たってきたら弱火にし、そのまま13〜15分かぼちゃが柔らかくなるまで煮る。
かぼちゃの水分がなくなり、ホクホクになったら火を止め、5分ほど蒸らして出来上がり。
5分蒸らし時間をつくると、かぼちゃがしっとりと仕上がります。
ほくほくの食感が好きな方は、蒸らし無しでOKです。
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【甘めの田舎煮バージョン】
作り方は塩煮と同じです。
カボチャがちょうど良くおさまるぐらいの厚手鍋に適当に切ったかぼちゃを入れ、みりん・水・塩をふりかけ、カボチャから汗が出てきたら火にかける。 - 煮立ってきたら弱火にし、醤油をまわしかけ、そのまま13〜15分かぼちゃが柔らかくなるまで煮る。
- かぼちゃの水分がなくなり、ホクホクになったら火を止め、5分ほど蒸らして出来上がり。
5分蒸らし時間をつくると、かぼちゃがしっとりと仕上がります。
ほくほくの食感が好きな方は、蒸らし無しでOK。
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かぼちゃと並んで栄養価が豊富なノニのお勧めドリンクをご紹介
【トラブル対処法①】
もし煮ている途中で鍋底がこげついてきてしまっても慌てずに。
火を止めてふたをしたまま冷めるまで待つと、かぼちゃから出た蒸気が鍋の中に戻り、再びしっとりとします。 -
【トラブル対処法②】
鍋底が茶色くなるくらいこげついてきた時は、水を大さじ1ふりかけて、再びふたをします。
これでまた蒸気が鍋の中をまわり、しっとりとしてきます。
鍋底のカラメルも蒸気となじんでちょうど良い甘みになるので心配ありませんよ。
- 難易度: 簡単
かぼちゃの煮物や、いもの煮っころがし、筑前煮、肉じゃがなど、基本的に煮物は出来たてよりも、いったん冷めるまで置いてから食べるのがとても美味しい状態になります。
この「しばらく冷ます時間」に味が全体的に行き渡り、余熱とともにうま味がなじんできます。
これを「煮含める」といいます。
作りたてよりも、次の日の煮物、お弁当のすき間の煮物、おいしいですよね。
少しの手間で、味も、愛情も、いきわたります。
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