いまが食べごろ!マクロビオティック「こんがり新玉葱まるごとスープ」の作り方。
やわらかい、あまい、みずみずしい。
まさに今が旬の新玉葱が店先にならぶのも、あと数週間となりました。
今回は、いまのうちにぜひ食べたい、季節限定のこんがり新玉葱まるごとスープをご紹介いたします。
新玉葱のやわらかさ、あまみ、みずみずしさに、じゅうと香ばしくこがしつけたうまみが、滋味ふかいスープです。
みためもかわいらしい、お料理していて、こころはずむスープです。
旬の野菜は安い
早春から店先にならぶ新玉葱は、いまがまさに旬で、ここのところ、ひとつ40円以下と、さらにお手頃になってきました。「おいしい旬の野菜は、価格が安いんですよ。」
八百屋さんから、そう、うかがったとき、わたしのなかで革命がおこりました。
これまでは、どこかで高価な野菜が、よいもの、よろこばれるもの、おいしいものと感じていたからです。
これは、健康効果をうたっている自然食品に関してもいえることでした。
どこか秘境のめずらしく手にはいりにくい、稀有なものこそ、よく効きそうな印象を受けました。
「いちばんおいしくて、栄養価も高いうえ、価格が安いのが旬の野菜。ありがたいね。」
ほんとうに、ありがたいものです。
このお話をうかがって、マクロビオティックにおける「身土不二」という食養思想をおもいだしました。
身土不二とは、人間と、暮らしている土地、季節などの環境は、切りはなせないという考えかたです。
わたしたちのこころとからだは、食べものだけでなく、空気、温度、湿度、太陽光、音 … すべての環境によって育まれています。
あらゆる自然環境、住む土地の風土に適応すべく、しなやかでつよい精神と肉体をつくるためには、その土地で、その季節にとれたものをいただくことが、いちばんの栄養だということ。
つまり、お手頃価格で手にはいる旬のお野菜こそが、わたしたちのおたすけ役なのです。
このようなマクロビオティックの考えかたにふれると、「じぶんも宇宙のなかの地球のなかの日本という島に暮らすちいさな動物なのだ。」という、あたりまえのことをおもいだします。
ヒトの腸は、ご先祖さまが代々食べてきたものが、消化吸収しやすいように、できているそうです。
こうなると、時空をこえて、どこまでがじぶんなのか、よくわからなくなってしまいます。
新玉葱の効能
さて、新玉葱です。新玉葱とは、早採りの玉葱を乾燥貯蔵せず、そのまま出荷したものです。新玉葱の品種もあるようですが、新玉葱と玉葱の栄養成分は、ほぼかわりません。
なまの玉葱には、ツンと目にしみる辛み成分、硫黄化合物がふくまれています。
こちらがとっても、からだによいのです。
まずは、よく知られる血液サラサラ効果。
きれいな血液をつくり、毛細血管を丈夫にして、血行をよくしてくれるので冷え症、動脈硬化、高脂血症を予防してくれます。
また、脳梗塞や狭心症、脳卒中などの原因となる血栓を分解する効果があります。
そのほか、血糖値、血圧の調整、腎臓や肝臓を元気にして、わたしたちの疲れを癒してくれます。
また、殺菌力、解毒作用があり、老廃物を体外に排出するデトックス効果も期待できます。
ただ、これらの効果は、熱によわく水溶性なので、新玉葱は生のまま、水にさらさず食べることが必要です。
スライスした新玉葱に、バルサミコ酢など、お好みのお酢や、檸檬、ライムなどの柑橘果汁をかけると、お口のにおいも気にならず、シャキシャキおいしくいただけます。
加熱によって凝縮する効能
なまの新玉葱の優秀な成分、硫黄化合物は、加熱するとトリスルフィド → セパエンという物質へと変化します。
こちらは、前述した血液サラサラ効果のほか、肥満や生活習慣病の原因にもなるコレステロールや中性脂肪値を低下させる作用があり、しかも、長時間の調理によって壊れません。
玉葱をじっくり炒めたり、ことこと煮込んだりすることで、かえって成分が凝縮されるので、栄養を効率的にとることができます。
今回のレシピでは、焼きつけること、さらに、煮込むことによって凝縮した新玉葱の効能をたっぷりといただきましょう。
こんがり新玉葱まるごとスープ
材料 5個分新玉葱 5個
月桂樹 1枚
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1
野菜ブイヨン 中さじ1
自然塩 適宜
つくりかた
1 新玉葱の天地をカットして、薄皮をとりのぞく。
2 オリーブオイル(お好みの植物油)をお鍋(高さのあるフライパン)にひいて、新玉葱をならべる。
3 中火から弱火で、新玉葱をじっくりと焼きつける。
4 しっかりと焼き色がついたら、天地をさかさまにして、新玉葱の顔がちょっとだけみえる、ひたひたの水をそそぎ、月桂樹、コンソメなど、お好みのだしをくわえる。
5 お湯が沸騰したら、弱火で15分ほど煮こみ、新玉葱のよこから串をさして、すうっととおったら、できあがりです。塩で味をととのえます。
新玉葱のおいしさを味わうためにも、味つけはシンプルに。
今回は、オリーブオイルと野菜のブイヨンをつかいましたが、和風だしや、中華だし、仕上げに葛でとろみをつけても、おいしくいただけます。
こちらのスープのこつは、新玉葱をじっくり焼きつけること。
弱火で焼きつけることで、あまみ、ふかみがまして、びっくりするほどおいしくなります。
お鍋の底についた焼き色も、新玉葱の果汁が凝縮したとってもおいしいおだしです。
スープは、一度さますことで、このおだしが新玉葱によく沁みこみ、香ばしくも、まんなかがとろりとしたスープができあがります。
たとえば、季節の野菜をふんだんにつかったサンドイッチのおともに。
このスープとくゆうのとろんとした食感は、ハード系、全粒粉のパンにとてもよくあいます。
今回は、マクロビオティックでいう「中庸」の新玉葱に、焼きつけて、煮込む「陽」のちからをとりいれました。
これからは、花冷えの季節です。どうぞ、あたたかく、ご自身やご家族の体調管理に、ご活用ください。
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