春に養いたい肝の力|春は「青」の食材を意識しよう。
暖かい日と寒い日が、交互に繰り返される今日この頃。
まだまだ肌寒い日も多いですが、日中の日差しが、もうすぐ春だなぁと感じさせてくれますよね。
薬膳では、季節ごとに食養生があります。
毎日を健やかに過ごすために、薬膳の知恵を取り入れてみませんか?
私が生活の中に薬膳を取り入れている、というと
スーパーでは売っていないような生薬が入っていたり、中華料理のイメージが強かったり、
凝っている料理なのでしょう?と言われることが多々ありました。
でもまったくそんなことはなく、普段の食事でも選び方で立派な薬膳になるのです。
今回は、もっとも簡単に取り入れられる「色」で季節の薬膳を取り入れる方法をお伝えします。
五行学説とは
色で薬膳を考えるときに元となるのが、「五行学説」です。
五行学説とは、自然界に存在するすべてのものを、木・火・土・金・水の5つの成分に分類したもので、
東洋医学の元になる考え方です。
同じ行に属しているものは、互いに影響を受けやすくなります。
臓腑や味、季節なども五行に分類されていて、
季節の薬膳では「五季」「五臓」「五色」「五味」のバランスを考慮して献立を組み立てます。
五行五性表
では、春にかかわる表の五季、五臓、五色、五味を見てみましょう。
春・肝・青・酸、ですね。
これらが互いに影響を及ぼすのですが、
・春は「肝」に影響が起こりやすい
・肝は「青い食材」を好む
・「酸味」は肝の働きを促す
このような関係があります。
春は五臓の「肝」に属する季節。
肝がよく働くときなので、肝の動きがスムーズにいくように生活をすると、快適に過ごせます。
逆に、肝の働きを妨げるような生活をすると不調になってしまいます。
肝は、気の流れを調節したり、血を貯蔵している臓器で、感情のバランスを調節する役割も担っています。
そのためここが上手く働かないと、怒りっぽくイライラが募る、体がだるくてやる気が起きない、
気分が落ち着かないなどの不調が出てきます。
春に影響を受けやすいそんな「肝」が好む食材の色が、青色。
そのため、青色の食材を選んでいただきたいのです。
春にぴったりの青い食材
さて、青い食材は具体的になにかというと、
緑の濃い葉野菜や、山菜、青背の魚などが当てはまります。
具体的には、
菜の花・春菊・小松菜・ほうれん草
アスパラガス・タラの芽・ふきのとう
セリ・シソ・ミント・アジ・サバ・イワシ
などがあります。
これらは春にオススメの青い食材です。
一部効能をご紹介します。
春菊
五性:平帰経:肝・肺
五味;甘・辛
独特な香りが気のめぐりをよくして、精神を安定させ、ストレスを緩和させたり
胃腸の働きを整え、胃もたれを改善する作用があるといわれています。
また、血液をさらさらにして生活習慣病を予防したり、咳を鎮めたり、美肌効果も期待できます。
菜の花
五性:温性帰経:肝、肺、脾
五味:辛味
血液の循環を助ける効果があるとされています。
また、気や血の流れを良くして、おできや吹き出物の肌トラブルの解消にも働きます。
独特のほろ苦い風味は、冬の間に溜まった老廃物をデトックスする解毒作用があります。
こまつな
五性:平帰経:脾・肝・大腸
五味:甘辛
陰を補い、腸を潤す作用がある小松菜。体の余分な熱をとり、気持ちを鎮める作用があります。
食物繊維も豊富で便通を促す働きもあります。
また、成分に含まれるベータカロテンが抗酸化作用を発揮し、
風邪予防のほか、美容やアンチエイジングにも効果があるといわれています。
いわし
五性:温帰経:脾・肝・腎・心
五味:甘鹹
カルシウムが豊富なうえ、カルシウムの吸収を促すビタミンDの量も多いので、
骨粗しょう病予防に適しています。
つみれや煮物など、骨ごと食べる料理にするとさらに効果が高まります。
皮膚や粘膜を守るビタミンB2も豊富なため、口内炎ができているときや、風邪の引き始めにも効果的です。
また、血液をさらさらにしたり、気持ちの高まりを鎮める働きがあります。
参考:薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖 / 現代の食卓に生かす「食物性味表」
その他にも、まだまだ青い食材はたくさんありますよね。
ありすぎて何を選んでよいか迷ってしまう、そんな方のために、
特におすすめの青い食材と、春の調理方法をご紹介します。
苦味がある緑の食材を選ぶ
春の養生では、ほどよく苦味を取り入れることが良いとされています。
自然界の春は、草木がどんどん上へ上へと芽吹く季節ですが、
実は体の中でも同じようなことが起こります。
活動的になると同時に、冬の間にたまっていた不要なものたちも活動を始めるのです。
苦味には、体内の不要物を外に出す働きがあります。
春の前半は、冬の間にため込んでいた不要物を、解毒作用のある苦味のある食材で外に出してあげましょう。
春の苦味の代表といえば、山菜。ふきのとう、タラの芽、ふき、ふきのとうなどがあります。
同じく解毒作用のある、菜の花もぜひ取り入れてみてください。
酸味の効いた調理法にする
五行五性表の春の行の五味は「酸」でした。
これは、肝は酸味を好む、ということです。
そのため、春の薬膳の調理法は、酸味が効いたものがおすすめです。
お寿司やマリネ、酢の物、酸味の効いたスープなどはいかがでしょうか。
その他にも、甘酢漬けや、焼き魚にレモンをしぼったり、梅干しで和えたり・・
バリエーションは沢山ありますね。
オススメの食べ方
さて、いままでのことを踏まえて食べ方を組み立ててみました。
・春菊の酢味噌和え
・春菊の白和え
・ごまあえ
→小松菜・ほうれん草・セリなども。お浸しもよいですね。
・山菜そば
・山菜の天ぷら
・アスパラガスのマリネ
・アジのマリネ
・しめさば(甘酢漬け)
・イワシの梅煮
・サバの南蛮漬け
など。どれもスーパーで手に入る食材ばかりで、出来るものばかりです。
食材と調理法の組み合わせて、もっと色々な食べ方があると思いますので、
お好みでいろいろ試してみてくださいね。
まとめ
さて、色から見る春の薬膳はいかがでしたでしょうか。
・青い食材を選ぶ
・春の前半は苦味のある山菜などをとる
・酸味のある調理法にする
まずファーストステップとして、色で考えると分かりやすいですよね。
春は緑の濃い葉野菜や、青背の魚。
これだけ覚えていれば、選ぶ食材が変わってくるはずです。
そこから、調理法や、味などを選んで献立を組み立てれば立派な春の薬膳となります。
ぜひ取り入れてみてくださいね。
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