【おせちレシピ】砂糖不使用のオーガニック鉄板おせちの作り方。紅白かぶの甘酢漬け、さつまいもきんとん、ごぼうナッツの田作り。子供も喜び、大人もお酒が進む体が喜ぶ料理を食べて新年を迎えよう!
おせち料理はおいしくない? 作らず買うもの?
お正月になると家族で囲む、日本のおせち料理。
最近は、核家族化や食の変化に加え、年末年始も休みのない人が増えたことで、おせちを食べないという人が増えています。
おせちを「作る」人となると、さらに減少します。
日経ビジネスでも「おせち作らない私って、嫁失格ですか?」という記事が出ていました。
そもそもおせち料理はおいしくない・味が濃すぎる・子供向けのものが少ない・毎年代わり映えしないなどの声があがって、おせち離れが進んでいるようです。
おせち料理の伝統は残していきたい!
「忙しい主婦が、お正月の3日間は楽できるように」と、日持ちのする料理を詰めるのがおせち料理、
とも言われていますが、日本のおせち料理の始まりは、弥生時代とも奈良時代とも言われており、農耕と深く関わりのあるものだったようです。
自然の恵みや収穫に感謝して採れた物をお供えし、季節ごとに神様に感謝の祈りを捧げていました。
中国から暦が伝わってからは、季節の変わり目である「節」に合わせて宮中では「節会(せちえ)」と呼ばれる行事が行われ、
その時に料理もお供えするようになりました。これが「御節供(おせちく)料理」と呼ばれ、今のおせち料理の始まりだとされています。
江戸時代になると、おせち料理とは別の「食積(くいつみ)」という酒肴を重箱に詰めた料理が食べられるようになり、
これと御節供料理が合わさって、重箱に酒肴や焼き物、煮物などが詰められた現在のおせちの形になったのは戦後のことです。
デパートが見栄えのする重箱入りおせち料理を販売し始めたのがきっかけのようです。
・数の子…子孫繁栄。
・黒豆…黒は魔除けの色。黒く日焼けするまでまめに働けるように。
・きんとん…栗やさつまいもの色から、お金に恵まれるように。
・かまぼこ…紅白はおめでたい色。赤は慶び、白は清浄。
・海老…腰が曲がるまで長生きできるように。
このように、中に詰めるものもすべて言われのあるものです。
近代の半ばまでは、衛生状態や栄養状態がよくなく、人々の平均寿命は室町時代で30代、江戸時代で40代という短さでした。
これは人々が長生きできなかったというよりも、子供の死亡率が高かったことが原因です。
日本には、
「七つまでは神のうち」
という言葉がありますが、特に乳幼児の死亡率は非常に高く、子供の霊魂は不安定だという認識がありました。そういう時代が長かったわけですから、
新年を無事に迎えられて本当によかった。
今年も元気に暮らしたい。
家族皆がずっと健康で長生きしてほしい。
という心からの願いがおせち料理に込められていたんだろうと思うと、感慨深いものがあります。
「自然の恵みや収穫に感謝する」という古代からの心ともつながってきます。
飽食の時代にあっても、そういう心はおせち作りを通して子々孫々まで残していきたいですね。
最近では、多くの人が「おせち料理はおいしいくない」と感じているようですが、おいしくないならおいしく作れるようになって、喜んでもらいたいものです!
おせち料理は、体が喜ぶ甘さに変えてみよう!
今回ご紹介するのは、甘酒を使った「紅白かぶの甘酢漬け」と「ごぼうとナッツの田作り」、そして干し柿を使った「甘栗入りさつまいものきんとん」です。ポイントは、干し柿と甘酒を使った「甘味」のコントロールです。
栗きんとんや田作りなど、市販のおせちにはブドウ糖果糖液糖やソルビット、スクラロースなどが甘味料として使用され、
これらの害は広く知られるようになりましたが、おいしさの点から見ても不自然に甘すぎる物で溢れかえっています。これらは、本当に体が喜ぶ味なのでしょうか。
本当においしい干し柿って食べたことありますか?
干し柿には、カロチンや食物繊維が豊富に含まれ、内臓を温めるとも言われています。
高血圧や脳卒中の予防、整腸作用、風邪予防や病気回復、目や粘膜の健康を保つ、などの効能が期待できるとも。
市販の干し柿で見た目がオレンジ色のきれいな物がありますが、干すときに硫黄燻蒸しているためです。
購入する時は、見た目が少々茶色くても、硫黄燻蒸されていないものを選ぶようにしましょう。
現在は干し柿を作る家が減ってしまったと言われていますが、機会があればぜひ挑戦してほしいです。
冬は気温が下がって乾燥し、晴天の日が多いので、干し柿づくりにはうってつけです。
おいしい干し柿を作るには、ひと手間必要です。
干した柿の表面が乾燥してきたら、1つ1つ手で揉んで中の水分を移動させてまんべんなく乾燥するようにします。
ただ干してほったらかしにしていると外側から乾燥していくので、中まで乾燥した時には食べる時にカチカチに固くなってしまいます!
夜は寒風にさらされ、昼はたっぷりお日様の光を浴びて、ゆっくりじっくり時間をかけながら水分と渋が抜け、甘みが凝縮してくるんですね。
中は柔らかく砂糖を越える甘さ。
しかし嫌味はなく和菓子のような上品な味!
自然の力には脱帽します。
お気に入りの甘酒を見つけよう!
甘酒のすばらしさについても、このサイトでたくさんお伝えしていますね。
一口に甘酒と言ってもさまざまな品質のものがありますが、コストを下げるために味わいも薄くさっぱりサラサラというものもありますので、良い品質のものを選びたいですね。
とろりと濃厚で旨みやコクがあり、麹がじっくり引き出した自然の甘さを感じるもの。
添加物など余計なものは入れず、後味は嫌味がなくさっぱりとしているもの。
酒蔵・味噌蔵・醤油蔵・麹屋など…製造元によっても味わいが違ってきますので、飲み比べてお気に入りの甘酒を見つけてみませんか?
IN YOUでも何度か甘酒については取り上げてきました。
砂糖入りのなんちゃって甘酒にご注意!本物の甘酒で作る、使いまわし自由自在「ノンシュガー甘酒カスタード」の作り方
体が喜ぶおせちを求めて!紅白かぶの甘酢漬け、甘栗入りさつまいもきんとん、ごぼうとごろごろナッツの田作りの作り方。
紅白かぶの甘酢漬け
赤かぶは、生の時は外側が赤いだけですが、漬け物にすると時間が経つにつれ内側も綺麗に色づきます。
ヴィーガンのおせちでは紅白かまぼこは使いませんので、
入れないと彩りがさびしくなるという方はぜひ紅白かぶの甘酢漬けを作ってみてください。お重箱が華やかになります!
◆材料◆
※赤かぶも白かぶも作り方は同じです。できるだけ大きさが同じものを選ぶようにしましょう。また、色が違いますので別々に作ってください。
・かぶ…約250g
・塩…13g(かぶの重量の5%程度)
・有機酢…大さじ3(白かぶには柚子のしぼり汁を半量使いました)
・無農薬甘酒…お好みですが、大さじ3~4
・昆布…5センチ角を細く切る
・鷹の爪…数本
◆作り方◆
1.かぶはきれいに水洗いし、茎の付け根としっぽを切る。
2.かぶを縦半分に切って、3~4ミリ厚さに切る。
3.ボウルに入れて塩をまぶし、手で軽くもむ。そのまま一晩置く。
4.3で出た水を捨て、酢・甘酒・昆布・鷹の爪を混ぜ合わせて漬け汁を作り、かぶを漬ける。時々上下を返しながら漬け、3日くらい置くときれいなピンク色になってくる。鮮やかな色になった時が食べごろ。
市販の甘酢漬けというと、その多くが人工甘味料が使用されており食べられたものではありません。
甘酢漬けに甘酒を使うと、「甘くなる」というよりも酢の酸味の角が取れて、まろやかな味に変わります。甘味はほんのりとする感じです。また、生食してみた時に柿のように柔らかく甘みを感じるような品質の良いかぶを選ぶことも大切です。
また、酢と塩と砂糖で漬けると赤かぶの色がかなりきつい赤に染まるのですが、甘酒を使うことでピンク色に変わります。(だから見た目に紅白かまぼこの代わりになるんですね!)
甘すぎず、かといって酸っぱいだけでもないので飽きることなくついつい箸が進みます。
甘栗入り芋きんとん
さつまいもだけでも十分甘くおいしいものが作れますが、干し柿を加えることでより上品な甘さになります。
干し柿は砂糖よりも甘いものがありますが、自然で嫌味のない甘さです。きんとんの中に甘栗を入れても栗の味が埋没せず楽しめますよ!
◆材料◆
・無農薬さつまいも…500g程度
・塩…小さじ1弱
・無農薬干し柿…ヘタ付きで約300g(全部使うわけではなく、芋の甘さにより調節)
・塩…少々
・甘栗…茶巾の大きさによりますが、20粒くらい
◆作り方◆
1.さつまいもは乱切りにして塩をまぶして土鍋に入れ、しばらく置いて芋が汗をかいてきたら蓋をして弱火で蒸し煮する。
いい香りがして、蓋を開けてみて芋が柔らかくなっていたら火を止める。焦げ付き防止のために少量水を入れてから蒸してもOK!
2.1のさつまいもの皮をむいて、つぶす。(今回はスプーンだけで簡単につぶしましたが、場合によってはフードプロセッサーなどを使用してください。)
3.干し柿ペーストを作る。干し柿は細かいみじん切りにし、鍋に入れてひたひたまで水を加え、干し柿がドロドロに溶けるまで煮る。(完全にペースト状にしたい場合はミキサーを使用してください。)
4.つぶした芋と干し柿ペーストをよく混ぜ、塩少々入れて味を調整する。(→微妙なところですが、気持ち多めに入れるといいです。細かく味見をすることで、芋と干し柿の甘さを最大限に引き出すポイントを見つけてください)
5.4をスプーンで適量すくって料理用手ぬぐいの上に乗せ、甘栗を入れて茶巾絞りにする。
今年はお隣に住むおばあちゃんのおうちの柿の収穫をお手伝いして、たくさんいただいた柿を干し柿にしました。
あまりにおいしかったので、このきんとんを作っておばあちゃんに持って行きました。
後日、「あんた、あのきんとんは芋が入っているって言ってたけど、食べてみたら芋のような芋でないような、和菓子みたいな上品な味がして、あれは一体何が入ってるの?」と聞かれたので、「いただいたお庭の柿で作った干し柿ですよ。」と答えると、「ほんとに!?干し柿入れるとあんな味になるの?!」とびっくりされてました。
子供たちも大好きで、おせちでは重箱からすぐに消えてしまうものの1つです。
きんとんにほんのちょっとブランデーやラム酒を加えれば、贅沢な大人の極上スイーツになります。
老若男女に愛されるものが作れると、嬉しいですね!
ごぼうとごろごろナッツの田作り
ごまめの代わりに素揚げごぼうを使い、くるみやアーモンドなどナッツをふんだんに入れた田作りです。この贅沢さは手作りだからこそできます。お店では売ってません!
ごぼうは腸内環境や血圧を改善して体を温める効果があり、ナッツにはオメガ3脂肪酸やビタミンB・E、マグネシウムなどが豊富に含まれ、おせち料理でなくとも普段の食卓にも登場させたい一品です。
◆材料◆
・無農薬ごぼう…大1本
・お好みのナッツ(今回はくるみとアーモンド)…好みの量。ここでは3つかみくらい使用しています。
・無農薬甘酒…大さじ3
・有機しょうゆ…大さじ2~3
・有機なたね油…適量
◆作り方◆
1.くるみとアーモンドは食べやすい大きさに刻み、フライパンで軽く炒っておく。
2.ごぼうはささがきにする。
3.2のごぼうをカリカリになるまで素揚げする。泡が出なくなったら引き上げるサイン。(揚げる前の半分以下にまでかさが減るのでちょっとがっかりしますが…笑) ごぼうはバットにあげて粗熱が取れるまで冷ます。
4.フライパンに甘酒としょうゆを入れて火にかける。グツグツと少し煮詰めたら3のごぼうと1のナッツを入れて軽く混ぜて完成。
甘酒+しょうゆの組み合わせでしっかり味がついて、贅沢に入ったナッツの食感が楽しいこの田作りは、
我が家では長女と次女の大のお気に入りであり、夫も年末年始の酒の肴として毎年楽しんでくれています。
これを肴に、おいしい発芽玄米酒や日本酒を飲みながら年末年始を過ごすのは至福の時間です☆
毎年食べたい!毎日でも食べたい!と言ってもらえるおせち料理を目指そう。
「甘ったるい」「味付けが濃くて飽きる」などと酷評されることが増えている現代のおせち料理。
ならば、口だけが喜ぶんじゃなくて、体が本当に喜ぶおせち料理を目指しましょう!
おせちが苦手な人も喜んでくれるものが作れたら、作り手としてはこんなに幸せなことはありません。
今回ご紹介した3種は、普段のおかずやおやつとしてもぜひご活用ください。
IN YOUMarketで、お正月レシピに使えるアイテムを買ってみよう!
有機栽培のあきたこまちを使った有機玄米黒酢。
広島県の料理に最良とされている軟水、PH7前後の天然地下水と食べても美味しい有機JAS認定のお米を使っています。
大変な手間のかかる工程で作られているから、生産量に限りがあり、販売先もごく少数に限定されている貴重な黒酢です。
伝統製法の静置発酵法にこだわり、創業1927年以来90年守り続けた秘伝の酢酸菌で自然発酵させた米100%の完全米酢だから、香りも味わいも他とは違います。
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