食を変えたいと思うならまずは調味料から。 私がお勧めしたい「糀」を使った調味料の基本知識と糀鉄板レシピvol.1
こんにちは。日本糀協会 えいらくさゆりです。
去年、今年は甘酒をはじめとして様々な発酵食品がフォーカスされてきました。
このブームを受けて、色々な発酵食品を手作りで作られた人も多いのではないかと思います。
私が一番語れるのはやっぱり「糀(こうじ)」!ということで、
お勧めしたい「糀」調味料の基本知識を書かせていただこうと思います。
糀は私たちの食卓を豊かにしてくれる。
和食の基本調味料には全てコウジ菌が使われている
糀を使った調味料は、味噌・酒・みりん・酢・そして醤油(醤油は糀でなく麹が使われています)など、
和食には欠かせない調味料であり、良い調味料を使えば、料理の腕は変らなくとも、出来上がった料理の味はワンランクもツーランクもアップします。
※ こうじの調味料についての記事はインユーの過去記事にもありますのでご覧下さい
日本が長寿国になれたのは、麹のおかげだった。これを見れば麹がわかる!知っておきたい基本の調味料の選び方。https://macrobiotic-daisuki.jp/kouji-kenkou-30333.html
これらの調味料は、糀と酵母や乳酸菌等の発酵菌力をフル活用して長時間発酵させたものなので、
調味料そのものの味で料理の味も決まります。
しかし、その前段階でさらに「糀で食材のうま味を引き出す」ために使われるのが
塩糀・醤油糀・甘糀(糀甘酒)なのです。
なぜ今、「糀」?
日本人のソウルフード「米」と「糀」の関係
今日本でも再注目をされている麹。
「糀」は蒸したお米にコウジ菌の胞子を振りかけて菌を繁殖させたものです。
そして、「麹」との違い。
それは、
お米であるということ!
「麹」は、麦や豆など、穀物にコウジ菌を繁殖させたもの全般を指す、漢字。
「糀」は、蒸したお米にコウジ菌を繁殖させたものをさす、和製漢字。
そう「糀」は日本人か米にコウジ菌が繁殖した姿をみて、
「まるでお米に花が咲いたよう」と作った漢字(おそらく江戸時代)なのです。
このことからも、日本人にとって「お米」は貴重で特別な存在だったのだろうと推測できます。
(私は子どものころからお米が大好きなので、そう思いたいという思いもあります)
糀は日本人の知恵と技術の結晶
(写真出典: https://cookingschool.jp/do/s/school/index?schoolId=13899)
糀は蒸した米にコウジ菌の胞子(コウジ菌の種)を振りかけて繁殖させて作ると書きましたが、
この「コウジ菌の胞子」は今は
「種麹屋さん」
「もやしやさん」
と呼ばれる業者が、様々な菌株を分類したり、研究したりして菌を増やし、胞子のみを集めて販売しています。
室町時代、麹に木灰を混ぜて培養すると麹菌のみが上手に取り出せることに気がついた日本人は、その胞子を集めて販売するようになります。
コッホがコルクの観察で細胞を発見したのが1665年。
レーウェンフックが微生物を発見したのは1674年。
パスツールが微生物の自然発生説を否定したのが1861年。
室町時代は1500年代で終わっていますから、
微生物という概念がない中で、コウジ菌を繁殖させ、その胞子を集めて販売する業者がいたことに驚きです。
菌の存在を知らなくとも、コウジ菌が人間に益をもたらす物であるということが分かっていたからでしょう。
近代になってからは、酒造業界はおいしいお酒を作るためにコウジ菌の研究に膨大な時間とお金を費やします。
それによって、様々な特性をもつコウジ菌たちが選り分けられ、用途にあった胞子(種麹)が手に入るようになりました。
発酵食品は世界中に様々なものがあります。
たとえば
・中国の麹は、元々お米についているクモノスカビが自然に繁殖して出来上がります。
・ワインはぶどうの皮についている酵母が、ブドウをつぶして置いておくことで自然に
繁殖して発酵を進めます。
・チーズを凝固させる前の牛乳は、一晩置くことで自然に乳酸発酵します。
(作り方は様々なので一概に言えないかもしれません)
このように、世界中で「微生物を使った発酵」は、自然に任せてあるものが多く見られます。
日本の糀のように、微生物が人工的に管理され、生産され、発酵食品に使われていることは珍しく、
これはひとえに日本酒業界の「良い酒を造る」という高い志の結果であると思います。
そして、良い酒を造るためには「科学的な知識と技術」が必須であることを日本人は理解し、研究がかさねられて来ました。
現在の質の良い「糀」は、自然と科学技術の結晶であり、
日本人の汗と涙の結晶 なのです。
和食だけでなく、洋食・中華にも
・お肉を塩糀に漬け込んでおく
・野菜を塩糀で和えておく
酵素が活きた塩糀や醤油糀、甘糀に食材をつける、和えておくだけで、 食材そのもののうま味がぐっとアップします。
また、食感も柔らかくなり、いつものお肉がまるで高級レストランのお肉のように変化するのです。
これらは和食だけでなく、洋食・中華料理にも使えます。
糀調味料を上手に使えば、
・コンソメスープの素
・中華用うま味粉末
・鶏ガラスープのもと
これらの添加物の心配があるものを使うことなく、美味しく仕上げることができます。
しかも
漬けておくだけ。和えておくだけ。
手間入らずで、美味しく。
私たちが頑張らなくても、代わりに糀が頑張ってくれるのです。
(vol.2に続きます)
使い回し多様!塩糀の鉄板レシピ
塩糀漬け鶏胸肉の酒蒸し
【材料】(作りやすい分量)
・オーガニック鶏胸肉 3枚(ベジタリアンの方や、お肉が苦手な方は国産無添加の大豆ミート)
・塩糀(塩分10%塩糀の作り方はこちら) 鶏胸肉の重さの1/10g
・有機白ネギ(使わない部分でもOK)
・有機生姜 3かけくらい
・有機酒 適量
【作り方】
① 鶏胸肉(嫌いな方は皮を取り除く)に全体的にフォークでブスブス穴をあけて、
塩糀を表面にまんべんなく塗ります。
② 冷蔵庫で一晩寝かした①を、クッキングペーパーをしいたフライパンの上にのせ、
・表面を軽くこすって洗った生姜を薄切りにしたもの
・白ネギのみじん切り(青い部分だけを使うときは、洗ってそのまま)
この2つを鶏肉の上にのせ、日本酒をまわしかける。
③ 弱火にかけてフタをする。
蒸気がでて来たら、1分程度加熱し、火を止めて余熱で中まで火を通す。
(目安は10分程度)
※ レンジを使う場合は、深めの耐熱容器に入れてふわっとラップをかけ、500wで10分程度。
後は余熱で火を通し、火の通りが悪い場合は、1分ずつ追加加熱する。
④ フライパンから鶏肉を取り出して、切ってみて、中まで火が通っていたら出来上がり!
⑤ 深めの保存容器に入れ、フライパンの中の汁につけて保存する。
(冷蔵庫で3日くらいはもちます!)
美味しく食べよう!どうやって食べる?
まずはそのまま!!出来上がったばかりのものをスライスして、
汁のネギにを上にのせて。
お好みでごま油をまわしかけたり、ゴマだれ、ポン酢などでも美味しくいただけます!
アイデアで使い方色々!使い回し例
◉冷蔵庫から出してそのまま手でさくだけ!チキンサラダ!
◉ お弁当にも便利!一口大に切って米粉をつけて、表面に色がつくまであげるだけ!時短からあげ!
◉フライパンであたためて、照り焼きソースに絡めるだけ!時短照り焼きチキン!
こうじ照り焼きソース分量
有機甜菜糖(濃縮甘酒):醤油糀:醤油:酒=3(6):1:1:1
に、一緒に保存していた汁を:1〜2混ぜてとろっとするまで煮ます。◉コショウをして、皮に焼き色をけるだけ!簡単チキンステーキ
◉一緒に保存していたスープはとても美味しいチキンスープに!
お湯を足して、塩こしょうで味付けを整えたら、あっさり汁そばのスープにしてもとってもおいしい!
お子様の成長に必要な栄養もしっかりとれる鶏胸肉。
胸肉なら、オーガニックで、安心なお肉を選んでもコストをおさえられてウレシイ。
添加物なし!時短で美味しい!いいことづくしの塩糀漬け鶏胸肉の酒蒸し。
毎日のお弁当やお料理に活用してみてくださいね。
次回は洋食鉄板レシピをお届けしたいと思います。
おすすめの記事
これからママになる新米ママへ。これだけは知っておきたい! 子供の自然治癒力を引き出し、カラダの働きを邪魔しないように気をつけるべきポイント【保存版チャパティのレシピ】インドの主食はナンじゃない?!本場インドのアーユルヴェーダ治療院直伝レシピを公開します。材料4つ、10分で出来ちゃう基本のチャパティの作り方。
人が発光しているのは本当だった!?科学的な裏付けが進む生体発光現象「バイオフォトン」とは何か?細胞同士が「光のエネルギー」でやり取りを行っていた驚きの事実。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう