食を変えたいと思うならまずは調味料から。 私がお勧めしたい「糀」を使った調味料の基本知識と糀鉄板レシピvol.2(簡単コンソメ風糀スープ)
こんにちは。日本糀協会 えいらくさゆりです。
私が一番語れるのはやっぱり「糀(こうじ)」!ということで、
前回に引き続き、お勧めしたい「糀」調味料の基本知識と鉄板レシピ (今回は「洋食」) をお届けしたいと思います。
前回の記事はこちらです↓↓↓
食を変えたいと思うならまずは調味料から。 私がお勧めしたい「糀」を使った調味料の基本知識と糀鉄板レシピvol.1
糀(こうじ)のパワーは酵素力!
糀は蒸したお米にコウジ菌の胞子を振りかけて繁殖させたものです。では、何故コウジ菌が発酵に利用されるのか。
それは、コウジ菌がたくさんの種類の酵素を出す菌だからです。
発酵の基本・酵素
コウジ菌が作り出す酵素は30種類以上にも及ぶと言われています。
酵素の宝庫である糀。
しかし、この「酵素」。
いったいどんな働きをするもので、人間にどんな恵みをもたらしてくれるものなのでしょうか?
糀に含まれている酵素は、糀自体のもとになっているお米や、
塩糀に和えたり漬けたりする私たちの食材に作用し、甘みや旨味を増したり、食材を柔らかくしたり、消化を助けたりしてくれます。
これらは全て、糀に含まれる酵素の働きです。
酵素とは何か?
酵素はタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸が立体的につながったもので、
その構造により、いろいろなタンパク質の性質が決まります。
酵素は、
・特定のものにだけ働きかける
・自分自身は変化せず、特定の物質と物質の化学反応を促進させる
という性質をもっており、このような性質のものは「触媒(しょくばい)」と言われます。
酵素がその触媒の役割を果たすための形を維持した状態が、いわゆる
「活きた酵素」といわれるものですが、
タンパク質ですので、生き物ではありません。
酵素は、他のタンパク質と同じく、熱や酸などで変性し、
一度変性してしまったタンパク質はもとには戻らないので、酵素はその力をなくしてしまいます。
これが酵素の「失活」と言われる状態です。
酵素にもいろいろ種類がありますが、糀に含まれる酵素はデンプンやタンパク質、油などを水と反応させて分解してしまう酵素です。
◉デンプンは分解されて糖に。 →これによって甘みがでます。
◉タンパク質はアミノ酸に。 →これによって旨味が増します。
◉油は脂肪酸とモノグリセリドに。 →これによって香りが増したり、乳化作用が出たりします。
※糀の乳化作用についての記事はこちらもご覧ください。
喘息・アレルギー疾患・腸疾患を引き起こすアイスやチョコに含まれる危険な添加物「乳化剤」の危険性。喘息の原因の一つは腸内細菌ではなく「カンジダ」だった?
「分解する」というのは、うま味・甘み・香りを出して食材を美味しくしてくれるだけでなく、消化を助ける事でもあります。
人間の体は大きな物質は腸から吸収する事ができません。食材を、小さく小さく分解して、栄養として体に取り込んでいます。
(日本糀協会 糀基礎講座テキストより)
しっかり栄養を吸収するために、人間の体も自分で酵素を作り出し、胃腸で分泌し、
食べたものを分解できるようになっています。
糀の酵素は人間が本来胃腸で行う消化作業を、食べる前に少し肩代わりしてくれます。
食べていても、吸収しないという事は、食べていないのと同じ。
それどころか、かえって胃腸に負担をかけるだけになってしまう事もあります。
糀の酵素は消化の手助けをしてくれるので、
美味しくなるだけでなく、胃腸に優しい調味料です。また、タンパク質を消化しやすくして、しっかり吸収できたアミノ酸は、
体内で新しい消化酵素や代謝酵素を作り出す原材料となってくれます!
糀の調味料を使う時のポイント
糀の調味料を大きく分けると
◉ 調理のときに酵素を働かせてお料理を美味しく、消化しやすくするもの。
◉ 調味料を作る段階で糀の酵素を使ったもの。
この2つに分ける事ができます。
塩糀や醤油糀、生甘酒等が前者。
市販の味噌や醤油、みりん等が後者に当てはまります。
スーパーで売られている塩糀や甘酒は、残念ながら酵素力が弱いものが多いですが、
酵素の活きた生味噌等は、前者にも後者にも当てはまります。
前者の調味料を上手に活用するには、
調理に使う段階で活きた酵素がたくさん含まれている事が大切です。
そして
・漬込む
・和えておいておく
このように、少し酵素が食材に働く時間を作ること!
この時間をとることで、ぐっと美味しく、胃腸に優しいお料理が出来上がります。
基本的に、スーパー等で売られている後者の調味料には活きた酵素が含まれているものはあまりないと言えます。
しかし、糀の酵素の特製を上手に引き出して作られたものほど美味しく、同じ分量で使ったとしても、味に格段の違いが出ます。
それぞれの調味料の特製を知って、生かして、味付けにつかうことで、
より美味しく、より体に優しいお料理を作りましょう!
糀と健康
糀だけに関わらず、発酵食品が体に良いと言われる理由は、
微生物の働きによって、消化吸収しやすくなっていたり、微生物が作り出すものが人間の栄養となったり、胃腸の働きを助けたりするためです。
「腸内細菌のバランスを保つ、善玉菌を助ける」
ということも大きな理由で、腸内環境を整えることは、体全体の健康や美容に大変重要な事です。
発酵させる事により、微生物が作り出すものがプラスされるため、発酵させずに食べるよりも栄養価も上がると言えます。しかし、反対に注意しないといけない事もあります。
それは、糀が「糖質」である事。
こうじ甘酒は飲む点滴!などと言われるため、たくさん飲めばより健康や美容に効果があると思われる方もいるでしょうが、
甘酒の甘みは糖の中でも一番血糖値を上げやすい「ブドウ糖」です。健康や美容のために、適量を継続してとる事はオススメですが、取り入れ方を間違えば、肥満や高血糖の危険があるものでもあります。
※詳しくはこちらの記事をご覧下さい
甘酒の隠れた危険とデメリット知ってる?一つ間違えると危険な飲み物になってしまう甘酒。知って安心・甘酒の正しい健康活用法
また、「活きて腸まで届く」がうたい文句の発酵食品もありますが、
菌が活きている事だけが重要なわけでもありません。
糀についていえば、糀が出来上がった段階でコウジ菌が活きている必要はあまりなく、
糀が出来上がったところからは、コウジ菌が出した酵素をどう使っていくかが大切になります。
糀を美容や健康のために取り入れたいのであれば、
正しい知識をもって取り入れることで、より健康的に、美味しくつかうことができます。
(vol.3に続きます)
こんなに簡単?醤油糀の鉄板レシピ!コンソメいらずの絶品スープ。
まずは醤油糀の作り方
【材料】 ・生糀
・有機醤油
この2つを同じ分量でまんべんなく混ぜるだけ!
※1日1回、空気を送り込むようにまんべんなく混ぜて、約1週間常温で発酵させれば出来上がり!
基本のコンソメ風醤油糀スープ
【材料(4人分)】 ・玉ねぎみじん切り 1玉
・醤油糀 50g〜80g
・水 600g
・塩こしょう 適量
【作り方】
① 玉ねぎみじん切りと醤油糀を和えて、20〜30分ほど常温で置いておきます。
(前日から作っておくときなどは、和えてから冷蔵庫に入れて保存しておく。)
② 鍋に①と水を入れて、中火で火にかけ、沸騰したら弱火にして、5分ほど煮込み、
フタをして余熱で玉ねぎに火を通す。
③ 味見をして、塩こしょうで味を整える。
これだけで、基本スープの出来上がり!
美味しく食べよう!どうやって食べる?
火を通したお好きなお野菜などと一緒に器に盛れば、具沢山スープの出来上がり!ポトフやロールキャベツのスープとしてもオススメです!
アイデアで使い方色々!使い回し例
◉もっと野菜のうま味をプラス!
余熱で火が通るように野菜をみじん切りにして、玉ねぎと一緒に醤油糀と和えておけば、
スープにもっと野菜のうま味がプラスされて、うま味がアップします。
◉暖かくなってくるこれからの季節に、ちょっとおしゃれな一品も!
野菜のみじん切りが入ったスープをそのままゼラチンや寒天などで冷やし固めれば、
コンソメ風ジュレの出来上がり!
◉ 面倒だと思っていたポタージュスープも簡単!
使う水を1/3くらいにして、じゃが芋や、かぼちゃ等を蒸したり、湯がいたりしたもの、お好みで、湯がいた青物
そして豆乳をプラスしてミキサーにかければ、おいしい豆乳ポタージュも簡単にできます。
お好きな野菜を湯がいてプラスすれば、いろんな味のカラフルなポタージュが楽しめます。
ポタージュを冷やして、上にジュレをちらした冷製スープもおしゃれ!
添加物なし!簡単で美味しい!
本当に簡単に美味しくできるので、
煮込み料理のスープにも是非活用してください!
次回は糀中華の鉄板レシピをお届けしたいと思います。
麹スープにオススメの食材アイテム2種。
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