人気の「甘酒」の隠れた危険性と、健康のための正しい飲み方
こんにちは。
日本糀協会のえいらくさゆりです。
「健康にいい!」、「美容にいい!」との甘酒ブームも少し落ち着いて、
だいぶ定着して来たように思いますが、
皆さんは甘酒を飲んでいらっしゃいますか?
スーパーでも様々な甘酒が置かれるようになり、
私としては仕事柄とても嬉しい反面、心配になって来た事も。
体に不調がある場合、甘酒がその不調を悪化させることがあるのですが、そのことを多くの方はあまりご存知ではありません。
そこで今回は、甘酒が抱えている健康上のリスクと、そんな甘酒を安心・安全に楽しむための方法をご紹介します。
甘酒に甘みがある理由
甘酒は、米こうじに水分を足して、さらに発酵させたもの。おかゆや炊いたお米を足して作る方もいると思いますが、その原材料は「米」と「こうじ(麹)」です。
ではなぜ甘いのか。
それは、こうじの酵素がお米のデンプンを分解してブドウ糖にするからです。
甘酒の甘みの元「ブドウ糖」とは?
ブドウ糖は「グルコース」とも呼ばれるもので、吸収されるとそのまますぐに体のエネルギーとなってくれる優れもの。
甘酒には、お米にはない糖の代謝に必要なビタミンB群も含まれているため、
すぐにエネルギーが必要な人にはオススメできる飲み物です。
しかし、ブドウ糖が腸で吸収されると、当然ですが、血糖値は上がります。
ブドウ糖は分解したり、作り替えたりする必要のない糖ですから、飲んですぐに血糖値が上がってしまいます。
血糖値を上げる甘酒は体に悪いのか?
いいえ!決してそう言うわけではありません。
甘酒は消化に必要なエネルギーを抑え、腸内の善玉菌の働きも助けてくれる発酵飲料。
愛飲されている方には「お通じが良くなった!」と感じる方も。
発酵によって、お米そのもの栄養だけでなく、お肌を健康に保つためのビタミンやアミノ酸もプラスされているので、健康のために定期的に飲むことをおすすめしたい飲み物です。
でも、ひとつ間違えると、とても危険な飲み物になるのです。
甘酒に潜むデメリットと危険性とは?
甘酒には高血糖を悪化させる恐れがある
私は、神戸でこうじを使ったメニューを出すカフェを営んでいますが、
「糖尿なんだけど、甘酒は体にいいから飲んでも大丈夫よね?」
といって注文されるお客様がたまにいます。
「いや、ちょっと待ってください!それ危ないです。。。。。」
糖尿病とお聞きしてしまったら、甘酒をお出しするわけにはいきません。
健康な方ならば、むしろ体にいいことも多い甘酒。
しかし、糖尿病の方にだけはおすすめできないのです。
なぜなら、血糖値がすぐに上がってしまって、さらに血液がドロドロの状態になってしまうから。
糖尿病の治療については、今でも「カロリー重視」が治療方針の病院もあるようですが、
「糖質制限」はかなり浸透して来ているように思います。
お肉や油は、カロリーが高くても血糖値を上げることはありません。
糖質さえとらなければ、血糖値は上がることがないのです。
ましてや、糖質の中でも甘酒に含まれる「ブドウ糖」をそのまま摂ることは、血糖値を急激に上げることになってしまいます。
それでも「甘酒を飲みたいのに絶対我慢しないといけないの?」という糖尿病の方は、
どのくらい、どういったタイミングでなら飲んでも大丈夫なのか、
ご自分の体調と合わせて主治医とよく相談してくださいね。
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甘酒にはアレルギー症状を悪化させる恐れがある
「アレルギーを改善するために甘酒を飲むといいと聞いたのですが…」
はい。腸内環境の改善でアレルギーが改善する方はいらっしゃいます。
私自身もこうじを使うようになって、何年か過ぎた頃に、「あれ?なんか花粉症がラクになってる?」って思ったことがありました!「もしかしたら、こうじのおかげかも…?」
しかし、アレルギーの症状によっては甘酒などの発酵食品がかえって症状を悪化させてしまう可能性があるのです。
では、どんなアレルギーをお持ちの方が特に注意した方が良いのでしょうか。
◆アスペルギルス属のカビにアレルギーのある方は甘酒に要注意!◆
アレルギー診断でアスペルギルスに反応のある方は、甘酒や味噌などの発酵食品はさけていただいた方が無難です。特に、甘酒や味噌等を食べることよりも、それらを手作りする行為は避けましょう。
こうじそのものを自分で取り扱う際に、こうじ菌の胞子を吸い込んでしまう可能性が高まるからです。
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◆カンジダ症のある方は甘酒に要注意!◆
「カンジダ」は多くの人の体に住み着いている菌で、コウジカビと同じ真菌の仲間です。しかし、増えすぎると悪さをし、カンジダ症という病気を引き起こすことがあります。
この症状を良くするために、免疫力アップを期待して甘酒などの発酵食品をとったりする方がいるようですが、それがかえって症状を悪化させることもあります。
カンジダは甘いものが大好物ですから、甘酒を飲むことがカンジダにエサを与えることに繋がり、カンジダを元気にさせてしまう場合があるからです。
また、カンジダ症のひどい方は、腸壁が弱っていることが多いためにアレルギー症状が出やすく、症状改善のために食べたカンジダと同じ仲間の真菌である「こうじ」や「きのこ」を食べることで症状が悪化してしまう場合があるのです。
こういう方は、しっかり症状がおさまってから専門家や主治医に相談することをおすすめします。
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甘酒を安全に楽しむ方法とは?
上手に生活に取り入れるれば体調を良くしてくれるはずの甘酒。
メリットだけでなく、しっかりデメリットも知った上で上手にとり入れていくことが大切です。
では、どのように活用していけば良いのでしょうか?
甘酒は一度に大量に飲まずに適量を心がける
甘酒そのもの飲むのは週に2、3回程度が良いでしょう。そのほか、お料理等で少しずつ使っていくことには問題ないはずです。どんなに健康に良いと言われているものでも、過剰摂取はおすすめできません。過ぎたるは及ばざるがごとし。
どんな食べ物、飲み物でも、食べこと事によるメリット、デメリットは存在するのです。
体に良いと言われているものを食べ過ぎたことでアレルギーを発症する場合もあります。
「良いものを積極的に取り入れる」のは良いことですが、
「悪いものをなるべく取り入れないようにする」というのも一つの健康法です。
「どこにあるか分からない危険を分散する」という考え方は、
リスク管理をの上で大変重要な事です。
適量は人によって違うため、「私は何年間も毎日甘酒を飲んで、体調がすごくいいです!」
という方は、毎日飲んでも差し支えない体の状態なのだと思います。
自分の体の声をよくきいて、適量を見極めていってくださいね。
血糖値が上がりにくい方法で甘酒を飲む
白米のこうじで作られた甘酒は血糖値を上げやすいのですが、実は玄米こうじで作られた甘酒は、白米こうじの甘酒よりも血糖値の上がり方が緩やかであることが分かっています。
ご自分で甘酒を作る場合は玄米だとうまくで行かないことも多いようですが、ぬかをたしてみたり、
分づき米で作ってみるのも良いでしょう。特にぬかや分づき米を使う時は無農薬のものを使用してください。
さらに、お酢やスパイスは血糖値を上げにくくする食材だと言われ、甘酒と一緒に食べるのがおすすめ。
お酢を使ったお料理を食べた後に甘酒を飲んだり、生姜やニンニク、シナモンを使ったドリンクやお料理に甘酒を使うと血糖値が上がりにくくなることでしょう。
低血糖対策には甘酒がおすすめ
健康な方が「忙し過ぎて食事を忘れていた」という時や、小さなお子さんが熱がなく、思い当たる原因もないのになぜがぐったりと元気がないという時は「低血糖」状態に陥っている恐れがあります。「エネルギーが足りない!!」そんな時に糖質は強い味方です。
特に、ブドウ糖をスムーズに補給してくれる甘酒は今すぐエネルギーチャージしたい方におすすめです。
また、小さなお子様は体の作りが未熟なため、糖質なしだと摂取した栄養をエネルギーに変換できないことがあります。食べていると思っていたのに、糖質が完全に不足していたという場合には、低血糖という大変危険な状態の場合もありますので、糖質を適度に補給してあげて下さい。
また、筋肉を使った仕事や運動の後に、甘酒で速やかにブドウ糖を補給してあげるのも体力維持のためによいでしょう。
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甘酒で子供の味覚を育む
精製された砂糖の甘さに慣れてしまう前に、自然な甘みの甘みで満足する味覚を育ててあげると、精製糖への依存を避けられるかもしれません。甘酒を使ったおやつをつくってあげるのもオススメです。甘酒を使った、おすすめ簡単レシピ
有機スパイスの甘酒チャイ
【材料(カップ1杯分)】・こうじ甘酒(ドリンクタイプ) ※酵素の活きた生甘酒がオススメ! ・・・160g
・無調整豆乳 ・・・20g
・有機スパイスチャイミックス ・・・ティースプーンすり切り1杯
【作り方】
①材料を全てミルクパンに入れ、よくかき混ぜる。
※生甘酒の酵素が豆乳のタンパク質を分解してくれるよう、火にかける前によく混ぜてください!
②弱火にかけて、あつく熱くなりすぎないように温めて、カップに入れる。
味の濃さは、お湯を足したり、スパイスを加減してお好で調節してください。
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まとめ
エネルギーの効率的な補給と、発酵食品ならではの様々な健康上のメリットが豊富な「甘酒」。しかし、どれほど素晴らしい食品でも、体の状態によってはリスクとなる恐れがあり、人によって適量も異なっているのです。甘酒の特徴を知り、そのメリットとデメリットをきちんと理解した上で、日々の食生活で上手に活用できるようにしたいものですね。オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
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