甘味料ゼロ。調味料は醤油と塩だけ。お菓子みたいな甘さの肉じゃがを卒業しよう！野菜の甘み最大限に活かしたシュガーフリー・ヴィーガン肉じゃが風の作り方。

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相変わらず野菜の高騰は続いているようですね。
しかし、全てが高いわけではなく、にんじん、じゃがいも、玉ねぎといった定番野菜は比較的価格が安定しているようです。

にんじん、じゃがいも、玉ねぎ。

馴染み深いこれらの野菜が自宅にあるとき、みなさんが真っ先に思いつくメニューは何ですか？


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一般的には、カレーライスか肉じゃがですよね！

ベジタリアン食でも、時々肉じゃがが恋しくなりませんか？

普通の肉じゃがを食べてびっくり！あまりにも甘いことに驚きます。

産まれてから(お腹の中にいる頃から)ずっとベジタリアンであれば事情は異なると思いますが、
途中でベジタリアン食へ移行された方は、たまに肉じゃがを思い出すことも少なくないと思います。

しかし、何かの機会があって久しぶりに普通の肉じゃがを食べてみると、びっくりすることがあります。

そう、甘すぎるのです。

一般的なレシピの肉じゃがは、お砂糖たっぷりで、まるでお菓子のよう？！

今更ですが「肉じゃがってどうやって作るんだったっけ？」とレシピを検索してみると、
だいたい2人分作るのに、砂糖を大さじ2程度は使用しています。

1人につき、肉じゃがだけで砂糖大さじ1の摂取です。
仮に2人分の肉じゃがで入れるだし汁(あるいは水)200ccに大さじ2の砂糖を混ぜてみると、どれだけ甘くなるかは想像がつきます。

レシピによってはここへめんつゆを入れたり、みりん(風の調味料)を足したりしています。
めんつゆにも砂糖やぶどう糖果糖液糖が含まれていることはよく知られていますね。

また、肉の旨み＋甘さだけではごはんが進みませんので、その分しょうゆを多く使わなければおかずとしての味のバランスが取れません。

こういったレシピが、多くの人達が作ったというのでさらに大人気レシピとして取り上げられていますので、
どれほど多くの人たちが甘く味の濃い肉じゃがを好んでいるかがよくわかります。

肉についても、市販のものはホルモン剤や残留農薬が不安な飼料を与えられたものがほとんどであり質を考えないのであれば常食はかなりの危険性が伴います。

これまでIN YOUでも、肉食のデメリットや肉の安全性については数多くお伝えしてきました。
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たっぷりの砂糖にしょうゆ、めんつゆ、顆粒だし、そしてお肉。
これらがないと、おいしいものは作れないのでしょうか？

野菜の甘味や旨みを存分に活かさなければ、もったいない！

そもそも、野菜にもショ糖を始め、果糖、ブドウ糖といった成分が含まれています。
生で食べると苦味や辛味なども一緒に感じるので甘さはそれほど感じないケースもありますが、
加熱するとこの成分が壊れたり空気中に放出されたりして失われます。そうなると、甘さが全面に出てきます。

しかも、今は一年で最も寒い時期。
野菜たちは、そのままでは気温が0度以下になってしまうと自分の中にある水分によって凍ったり、あるいは枯れたりしてしまいます。

それを防ぐために葉っぱや根っこにアミノ酸や糖分をたくわえますが、これによって甘さや栄養価がアップするのです。
野菜の甘味を存分に味わうなら、今はとってもいい時期なんですね！

なので、

野菜が持っている甘さ、おいしさがどういうものなのかをわからないままに、
砂糖やめんつゆ、顆粒だしをたっぷり入れて料理してしまうのは、
いのちをいただいている相手に対して非常に失礼ではないか

と思うのです。

野菜は蒸せば甘くなる。水分たっぷりで煮ると、おいしさが逃げ出します。

野菜は、どのようにすると甘さが十分に引き出せるのでしょうか。

茹でるよりも蒸した方が甘くおいしく食べられることを示した実験があります。
野菜を蒸して柔らかく甘くしたところへ最低限の調味料を染み込ませれば、十分においしくなる、ということです。

参照　ニンジンの蒸し加熱による甘味強化（学術誌「日本調理科学会誌」より）
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/42/3/42_194/_pdf

調味料は醤油と塩だけ、野菜の甘味を存分に味わえる車麩の肉じゃが風レシピ。

さて、それではシュガーフリーな上にヴィーガン向けの、肉じゃが風煮物をご紹介します。
どうせなら一度にどっさり作ってしまいましょう。

今回はお肉の代わりに「両面をカリッと油で焼いた車麸」を使用します。

【材料】3人で2食分
・にんじん…2本（2cmの乱切り）
・じゃがいも…6個（3～4cmの乱切り）
・玉ねぎ…大2個（半分に切り、薄く回し切りしておく）
・しめじ…1パック（手でほぐしておく）
・干し椎茸…1つかみ（100ccの水で戻して薄くスライスしておく）
・車麩…6枚
・有機しょうゆ…大さじ4～（必ず納得のいくおいしさのものを使いましょう！）
・農薬不使用の菜種油…適量
・塩…ふたつまみ

※きのこ類を使用しているのは旨みアップのためであり、また蒸した時に出る水分が鍋の焦げ付きを抑えてくれるからです。
※にんじんは火が通りにくく、じゃがいもは煮崩れを防ぎたいので、切る大きさをあえて変えています。
※車麸を油で焼いているのは、お肉のコクに似た感じを出すためです。

【作り方】

１、にんじんは、じゃがいも、玉ねぎ、干し椎茸を切り、しめじをほぐします。

２、保温可能な鍋（土鍋など）の底にパラパラと敷き塩を振り、きのこ類を散らします。


きのこ類の上に、乱切りしたじゃがいもを入れます。



その上に、玉ねぎを乗せます。


さらににんじんを乗せて、てっぺんにパラパラと塩をふって蓋をし、弱火で蒸し煮します。（焦げ付きが心配な場合は、一回り水を入れてください）



３、野菜を蒸し煮している間に、車麸を準備します。フライパンに炒め物よりも少し多めに油をひいて両面がきつね色になるまで焼きます。


すぐに色が変わるので注意しましょう！


粗熱が取れたら、包丁で４等分にしてください。力を入れてテコの原理で一息に切ると割れずに済みます。



４、鍋からいい香りがして、鍋の穴から蒸気があがってくれば蓋をあけて火の通りを確認しましょう。
蒸しあがりは野菜が透明になり、カサが減っています。


鍋底をチェックしてください。
野菜から出た旨みたっぷりの水分がこのように溜まっています。


この水分に先程の干し椎茸の戻し汁としょうゆを合わせたものを入れ、全体をざっくり混ぜましょう。その後、フツフツとなってくるまで弱火で少し煮ます。


煮汁が温まったところで焼いた車麸を投入して、ざっくり混ぜます。
車麸を煮汁に浸すようにして、そのまま蓋をして最低１時間程度放置し、味をなじませます。


車麸はそのままだと固いので、すぐには食べられません。
蓋をした鍋の中に入れることで、煮汁と蒸気によって水分が染み込んで柔らかくなってきます。

ヴィーガン肉じゃが風の、肝心なお味は？

とにかくにんじんと玉ねぎと干し椎茸が甘くなります。

砂糖を使ったおかずとは一線を画す自然で体が喜ぶ甘さで、上手にできれば「このにんじんってとても甘いけど、砂糖で煮たの？」と聞かれるほどです。
以前の私の記事で、甘酒としょうゆを使った甘辛味のおかずをご紹介しましたが、野菜が甘くなると「甘酒」すら必要なくなります。

油で焼いた車麸のコクも、甘い野菜とマッチしています。
夫もこの肉じゃが風を出すようになってからは「たまには肉じゃが食べたいな～」という事がなくなりました。

時間は多少かかりますが、車麸は焼くとあっという間に色が変わりすぐに準備できますし、野菜は切って蒸すだけなので、実質的な手間はさほどかかりません。

時間がたつにつれて、さらに野菜の旨みと甘みが深くなりますので、たくさん作っておけば翌日も楽しめます。
たとえば日曜日にたくさん作っておけば、月曜日のごはんは楽になりますね。

ヴィーガン、マクロビ、自然派の食生活だからといって、食生活を変える前によく食べていたおかずを諦める必要はありません！

動物性食品や砂糖、添加物などを使わなくても、工夫次第で定番おかずは作れます。
やみくもに避けるのではなくて、「あれを食べたい」という欲求を日々の料理作りにぶつけてみましょう！

あの時食べていたあのおかずが、体に優しい食材だけでおいしくパワーアップして作れるのであればこんな幸せなことはありません。
そういう料理をどんどん追求していける余地があるのですから、ベジタリアン生活は本来自由で充実していて楽しいはずです。

このレシピから何らかのインスピレーションを受けた方が、もっとおいしいヴィーガンメニューを生み出してくれることを心より願っています！

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