海外の健康志向な人々の間で流行する発酵飲料「コンブチャ」が日本でなかなかブームにならないわけ。コンブチャの正体と効能に迫る。
コンブチャ(Kombucha)=昆布茶ではありません!
日本人の私たちはどうしてもこのように連想してしまいがちなコンブチャという発酵飲料。
このコンブチャは1970年代に「紅茶キノコ」と呼ばれブームの時期がありました。
この名前を聞いて思い出す方もいるのではないでしょうか?
その後、海外では効果効能が広く認められ
アメリカ始め多くの国やヘルスコンシャスに愛されています。
皆さんの中にはコンブチャを愛飲、培養している方もいらっしゃることでしょう。
それでも知名度や効果のほどはあまり広まっていません。
メディアでも話題に取り上げられていますが、70年代に見られたほどの盛り上がりに欠けますね。
もちろん、流行れば良いというわけではありません。私たちモンゴロイド系と欧米コーカソイド系では体質が違います。
欧米で主流の栄養学の理論や食材がそのまま私たちに当てはまるわけではありません。
ただ発酵食大国の日本でなぜコンブチャが大きな話題にならないのが疑問です。
その考察の前に、ちょっとだけコンブチャについておさらいしてみましょう。
お茶ではなく発酵飲料のコンブチャ。その正体は菌の塊。
(スコビーと呼ばれる菌の塊)
産膜性酢酸菌で形成された繊維の塊(セルロース)を母体として
カテキンと糖を餌にして発酵させ培養します。
一部の研究報告では酢酸菌と酵母で主に形成されているとのことですが、
培養する条件、環境により酵母の種類には差がでる様子です。
と突然の専門用語で「?」ですが、
酢酸菌は好気性細菌と言われている簡単に言えば“良い仕事をするバクテリア”と捉えていただければと思います!
食酢の醸造にも使われている菌です。
コンブチャの歴史は紀元前から。
現在のモンゴル〜シベリア地域が原産と言われているコンブチャ。
名前の由来も日本語のように聞こえますが、ロシア系の言語が由来という説が有力です。
様々な通説が飛び交っていますが、ユーラシア大陸の多くの人々に健康のために飲まれていたことは間違いがありません。
紀元前210年頃の中国秦時代にも「不滅の飲料」という意味で呼ばれていました。
日本には中国や韓国を経由して伝わったと考えられています。
成分と効能のほどは?
コンブチャに含まれる成分は以下の通りです。
酵素
酢酸菌
乳酸菌
アミノ酸
ビタミン
ポリフェノール
などが主に含まれています。
加えて注目したいのが、グルカル酸の存在。
これは肝臓の解毒作用を助ける働きが見られる酸です。
そのため、肝臓の働きを助けデトックス効果が期待できます。
ダイエットに良いと言われる所以はこのことも関連しているでしょう。
効果効能は?
豊富な菌類の働きにより期待できる効果効能は以下の通りです。
デトックス効果
消化吸収機能の改善
便秘解消
プロバイオティクを効果的に摂取
慢性疲労緩和
眼精疲労の改善
免疫力アップ
肌の保湿効果
アトピー性皮膚炎の緩和
髪質の改善
ホルモンバランスの調整
コレステロールを下げる
血圧を下げる
頭痛や偏頭痛の予防
不眠症の改善
抗酸化作用(アンチエイジング)
ガン予防
など…
「Kombucha Recipes Book 」日本紅茶キノコ協会会長WOONIN著作 参照
他にも、こんな効果の報告があります。
喘息
喘息患者の服用する気管支拡張剤に含まれるテオフィリン。
コンブチャの菌を正しく元気に培養/発酵できた場合には
グラス一杯で約1.44mg含まれていたケースがあるとのことです。
貧血
コンブチャに含まれるビタミンCが鉄の吸収を高めてくれます。研究者の中には鉄欠乏症の予防になる為、
高齢者やベジタリアンに特にコンブチャの摂取を
勧めたいと言う方もいるほどです。
「え?こんなに万能なの?」
なんて思えてしまう万能な発酵飲料。そうなんです。何よりこのコンブチャは体内のPHバランスを整えてくれるため
あらゆる体の不調を整えることの助けになるのです。
「お酢を飲むと健康に良い」なんて聞いたことはありませんか?
黒酢を飲んだり、リンゴ酢を飲んだり…した方もいるのではないでしょうか。
コンブチャも酸がいっぱいのお酢のようなものと思っていだければと思います。
そんなに体に良いのに、あまり流通してないのはなぜ?
40年ほど前に「紅茶キノコ」いう愛称で一大ブームとなったコンブチャでしたが
今は当時ほど育てている人は多くありません。
日本でも幾つか販売はされていますが、
著者はなかなか「私も育てている!」という人に会いません。
「海外に行った時に飲んだけど」
「気になっているのだけど」
「作っていたけど失敗しちゃった」
そんな声を数名から聞きました。
最近の海外ではボトリングされたコンブチャが販売されています。
いろいろなフルーツやハーブを使ったフレーバーも豊富です。
ビーガンカフェのドリンクメニューにもよくみられます。
昔、紅茶キノコとして流行ったコンブチャがなぜ日本で今そこまで話題にならないのか
著者なりに考察してみました。
発酵しすぎるとアルコールが発生する。
お酢のような少し酸っぱい味がしたらコンブチャが綺麗に発酵した時の味です。
ですが、そのまま放置した場合には発酵が進みアルコールが発生してしまいます。
日本の法律ではアルコールの製造には免許が必要であることなど
なかなか製造や販売は簡単なものではありません。
(諸外国でもアルコール製造にそれぞれに法律があります)
また生きた菌のため、味や状態を安定するのに難しいことがあります。
そのため、販売は普通の飲料より簡単ではないようです。
日本の気候での発酵は難しい?
発酵は「腐敗」と紙一重です。
どんなに体に良いと言われている発酵食品でも腐敗=腐ってしまったら….何の意味もありません。
昭和の「紅茶キノコ」ブームの衰退の理由は一説によると
「上手く発酵できない」ケースが多かったなんてコンブチャ愛飲している方から伺いました。
菌は30度くらいの温かい気温で活発になります。
そのため、温暖な地域では発酵も早くどんどんコンブチャが作れます。
ところが日本の冬は寒いですし、何より季節の変わり目の急激な温度や湿度の差が
引き金となり発酵が上手く進まない様子です。
実際にタイと日本で培養をしてみました。
タイでは1週間もしないで発酵して美味しいコンブチャがすぐに仕上がりましたが、日本では初めて発酵に失敗した様子でカビてしまったことがあります。
また発酵に時間がかかり2週間ほどしてやっと飲める味になっていたこともあります。
しかし、一度上手く発酵してしまえば問題ありません。
今は酵素ジュースやヨーグルトなどを手作りしている方も多いので
知識とコツを持っているケースが多いでしょう。
また近年の発酵ブームにより多くの本やネットで勉強、研究ができます。
(いい時代になりましたね!)
愛飲者に腹痛が続出した過去?
昭和のブーム時に愛飲者で腹痛を感じた人がいたとも話題になった様子です。
しかし私自身、ボトリングされた市販のもの、手作りのもの数種類を
日常的に飲んでいましたが、全くそんなことはありませんでした。私の周囲でも聞いたことがありません。
もしや、酸が強いのでは?
酸性が高まった場合には胃が痛むように感じることがあります。
昭和の頃のコンブチャはさすがに手に入らないので
ネットで調べてみたところ….
やはり、一説には「発酵が進みすぎて酸性が強いものを飲用した」可能性が
書かれていました。
発酵でなく腐敗していない?
コンブチャに限らず発酵物を自宅で培養するときには
注意が必要です。
玄米のとぎ汁で発酵液を作り飲んだ方が
「デトックスしている」と思っていましたが
腐敗した液体を飲んでただ「お腹を下している」だけだったケースもあります。
医療従事者の友人が笑い話にしていましたが、笑えない出来事です。
雑菌が繁殖しないよう培養する容器や道具はしっかりと煮沸消毒するなど注意と工夫をしましょう。
なるべくいつも匂いや見た目をチェックして少しでも
「あれ?」と感じたらもったいないなど思わず捨ててしまいましょう。
カビが生えた場合は水面に白の小さな斑点が出てくるのでわかりやすいです。
もし発酵し過ぎて、酸っぱく飲めない場合には
お掃除や洗濯に使っている友人もいますので参考までに。
発酵飲料は正しい知識を美味しく取り入れる!
健康になりたい!
綺麗になりたい!
本当に心からそう思うのであれば、ただメディアの情報や話題だけではいけません。
正しい情報や本物をしっかり見極めて、美味しく体に取り入れましょう。
特に発酵物は難しいため、見極める必要があります。
過去のブームでコンブチャの「悪い点」が少々注目されてしまいましたが、
正しい発酵と保存していれば問題なく美味しく飲めます。
今回のことを踏まえて、もしコンブチャが手に入る機会があれば飲んでみましょう!
日本でも通販や…もしかしたら身近で培養している方もいるかもしれません。
著者も現在、培養中です。
すっかり寒くなったので発酵まで時間がかかっていますが毎日の成長を楽しく見守っています。
嘘か本当か愛情をかけると発酵が進むとも言われていますね。今回の仕上がりも楽しみです。
生きた栄養を体に摂り入れると、心にも染み渡るように感じます。
IN YOUMarketで日本人にも合う「和の紅茶」でコンブチャを作ってみよう!
農薬や化学肥料を使わずに自然栽培された紅茶。
紅茶といえば、海外で作られたものが知られていますが、この紅茶は日本で育てた茶の葉を使い、日本で加工した純国内産の紅茶です。
国内で作られた自然栽培の紅茶はほとんど流通していなくて、大変希少なもの。
渋みが少なく、甘い香りの「和紅茶」は日本の水と相性が良く、日本人に馴染みのある味になります。
紅茶といえば渋くて苦いものというイメージがあるかもしれませんが、この和紅茶は、そのイメージを覆すほどの甘みがあります。
自然栽培のまろやかな味わいが楽しめる和の紅茶で、癒しのティータイムを過ごしませんか?
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