薬膳で作る、子どもの身体に優しい料理|季節の素材たっぷり簡単・栄養満点 薬膳レシピ2選


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「薬膳」と聞くと、
苦い生薬を使用して手間がかかるものと思われがちですが
いつもの食材で簡単に作ることができます。
昔から食材には薬と同じような効能があると考えられてきました。
薬膳の知恵を使って、
季節やこどもの体質、体調に合った食材を組み合わせれば、
簡単に栄養満点な食事を作ることができます。
そもそも薬膳って何?
薬膳は、中医学を用いた治療法の一つです。中医学的にみると食材は、
身体を温める性質をもつもの(温性)
身体を冷やす性質をもつもの(涼性)
そのどちらでもないもの(平性)の
3つに大きく分類されます。
これらを上手に組み合わせて常に身体を(平性)に保つことが大切です。
こどものからだの特徴

育ち盛りのこどもは未成熟なため、臓腑の働きがまだ未完全です。
中でも肺・脾・腎の三臓の働きが不足していると考えられています。
肺は風邪などの感染症から身を守る働きがあります。
子供は肺の機能が未発達なために、
風邪などの感染症にかかりやすいとされています。
◆発熱や肺炎のときに熱を下げる食材
豆腐、苦瓜、きゅうり、ナシ、セリ、茄子など
脾とは消化器系統の働き全般をさします。
消化器系の働きも未熟な子供は、
気分で消化機能が落ちて食欲がなくなったり
大人に比べておう吐、腹痛、下痢などお腹を壊しやすいです。
◆お腹の働きを高める食材
玄米やもち米などの米類、
山芋、じゃがいもなどのいも類、
枝豆、大豆などの豆類、
かぼちゃ、オクラ、なす、小松菜、人参、りんごなど
そして子供の成長に最も関わりが深いのが腎です。
腎を養うことは生命力を高め、
丈夫な体作りに役立ち、
頭の発達や成長に有利に働きます。
◆腎を養い生命力を高める食材
胡桃、黒ごま、山芋、キャベツ、ブルーベリー、青魚など
薬膳から見た、子供に合った食事とは?

1歳~5歳代は、食の土台をつくる時期です。
子供に合った食事で、
体の発達と食の基礎作りを促すことが大切です。
味覚の発達のためだけでなく、
食に対する興味を育てていく為にも
子供に合った食事でいろいろな食材の味や食感を体験させてあげましょう。
とはいえ、
子供のための食事を作るのは手間がかかる上になかなか食べてくれません。
自我が強くなるに従って、
食べ物の好き嫌いがでてきたり、
ただただ気分が乗らず食べてくれない、
そんなことが起こる毎日。
できるだけ簡単なレシピで子供が食べやすく、
栄養満点なメニューをご紹介します。
鮭の黒ごまフライの作り方
- 大人2人+子供1人分
材料
・生鮭の切り身…3切れA
・国産無農薬小麦粉
・水 各大さじ2
B
・有機パン粉…3/4カップ
・無農薬ごま…大さじ1
下準備
鮭は骨と皮を取り除いて一口大に切り、塩をふって小麦粉を薄くまぶす。作り方
1、ボウルにAをいれてまぜ、小麦粉をまぶした鮭をからめていく。
2、パン粉をバットに広げ、ごまを加えてザックリ混ぜる。
3、2のバットに1をおいていき、両面にまんべんなく粉をつける。

4、フライパンに少なめの油をあたため、揚げ焼きにしていく。
両面キツネ色になれば完成。
ごまの香りとザクザク感が美味しいおかずです。
大人は仕上げにレモンをぎゅっと絞るとさっぱり食べられます。
無添加ちくわ入りコールスローの作り方
- 大人2人+子供1人分
材料
・無農薬キャベツ…200g(大きな葉5~6枚程度)・無農薬にんじん…50g(約1/2本)
・無添加ちくわ…1本
・自然塩…少々
・こしょう…少々A
・無添加マヨネーズ…大さじ3
・有機酢…小さじ2
・非加熱はちみつ…小さじ2
下準備
キャベツは葉と芯をわけて、千切りに。人参も千切りにしておく。竹輪は好みの厚さに輪切りにしておく。作り方
1、千切りにした野菜を塩水にさらして、10分ほどおく。
2、ボウルにAを合わせて、水気をきった1と、輪切りにした竹輪を加えて和える。

はちみつのほのかな甘みで子供も食べやすいサラダです。手軽に魚のタンパク質がとれるちくわをプラスして。
無農薬コーンを加えて食感と甘みをアップさせるのもおすすめです。
温性・平性の食材を食べよう

腎の発育が不十分で消化機能も未発達なこどもには、
温かい性質の食材を選び、温かい料理を作ることが大事です。
◆温性でこどもが食べやすい食材
もち米・米
にら・かぼちゃ
鶏肉・豚肉・牛肉
たちうお・いわし・さけ・えび
もも・みかん・くるみなど
また、常用される食材で最も多いのが平性の食材です。
中立的な性質で、
温性・熱性・涼性・寒性、どの食材にも組み合わせやすい食材です。
一年中、どんな体質にもどんな病気のときにも利用でき、
いろいろなレシピに活用できます。
特にこどもは、
「肝常有余」という肝機能が興奮しやすい生理特徴があるので、
肝を穏やかに発育させるために平性の食材を用います。
夏は涼性の食材をうまく利用しよう

暑い夏には、からだを冷やす涼性の食材も組み合わせていきます。
こどもの精神不安定、発熱の症状のときにも用います。
涼性の食材には、体にこもった熱を取り除く働きや、
のぼせを鎮めたり、解毒などの働きももっています。
◆涼性の食材
小麦・大麦・はと麦・そば
セロリ・ほうれん草・青梗菜・きゅうり
トマト・冬瓜・なす・大根
鴨肉・おから
りんご・梨・びわ・マンゴー・オレンジなど
こどもには温性、平性の食材をベースに
体調に応じて、涼性、熱性のものを組み合わせていきます。
鹹味の食材は元気のもと

鹹味(かんみ)とは、塩からい味で腎の働きを促進します。
鹹味を持っている食材には、
塩、醤油、昆布、のり、魚介類などがあります。
これらの鹹味を持つ食材は腎に入りやすく、
脳の発達を促進し、身長を伸ばし、
性機能の発達を促進する働きがあります。
「肝」を養い心の働きを安定させる

子供は感情のアップダウンが大きく、
すぐに泣いたり怒ったりします。
子供は各臓器が未熟であるので、
気の流れをつかさどる肝も未発達で許容範囲が狭く
気が高ぶったり、落ち込んだり、
気分の変化が激しいとされています。
気の流れをよくすることや、
気をつかさどる「肝」を養うことは心の成長に繋がります。
◆気の流れをよくする食材
玉ねぎ、ピーマン、セロリ
みかん、ゆず、きんかん
カジキマグロ、鮭
カレー粉など
◆肝を養い、心の働きを安定させる食材
いちご、小麦、干しシイタケ、ひじき
ししゃも、レバー、ケチャップ
基本の食事「お米とお味噌汁」

毎日子供が喜び
栄養満点なおかずをたくさん作れたらそれは理想的ですが、
毎日毎食続けることはとても大変です。
毎日の基本的な食事、
これだけ食べていれば大丈夫!というものがあれば
気持ちがとても楽になります。
ベースにするのは、
白いご飯とお味噌汁。
これだけです。
お味噌汁にはこどもに必要な栄養素がたくさんつまっています。
たとえお味噌汁の中の具材を食べなくても、
だしの中に野菜の栄養分が溶け出しているので
お汁を飲むだけでも必要な栄養素を摂取できます。
お味噌汁の役割
◆食欲を増進する食事の最初に飲むと、だしの味と香りで食欲が増すといわれています。
◆味覚が発達する
うま味は味覚が敏感でないと感じとることができません。
煮干しや昆布、削り節や野菜など、
だしの素でしか味わうことのできない自然のうまみを味わえます。
◆野菜が食べやすい
煮込むので和え物やサラダよりも柔らかく、
だしの味がしみて食べやすくなります。
旬の野菜やいろいろな具材をいれることで、
立派なおかずになります。
味噌汁に含まれているものとその働き
<タンパク質> 筋肉や血液、骨を作ります。また免疫力を維持します。<塩分> 神経や筋肉の働きを正常に保ちます。
<乳酸菌> 腸の調子を整えます。
献立に悩むとき、作る気力が湧かないときは、
ごはんを炊いて、お味噌汁を作るだけでも
栄養満点のごはんになります。
夏の時期であれば、茄子のお味噌汁や長芋のお味噌汁がおすすめです。
ごま油で先に少し炒めた茄子をお味噌汁にすれば、
コクと香りもプラスされてとてもおいしいです。
長芋も加熱すると、ホックリとした食感になりお味噌汁にぴったりです。
「子供のための食事」気楽に作って、
楽しみながら一緒に食べる時間を大切にしましょう!
参考:幼児食 新百科 山元倫明 ベネッセコーポレーション
参考:薬膳アドバイザー養成講座 テキスト 東京カルチャーセンター
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market薬膳の基本、お米と味噌もIN YOU Marketでそろえよう!
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