どうしてあなたは子どもの偏食や好き嫌いをなくしたいのですか? 子どもの好き嫌いを無理やり克服するのではない「発想の転換」とは
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「食べたくない!」「いらない!」「きらい!」にどう応えよう?
育ち盛りの子どもたち。週単位、月単位でどんどん成長していく年齢なのに、
毎日のごはんをなかなか食べてくれない・・・
心配ですよね。
好き嫌いにかぎらず、食がすすまない、同じようなものばかり食べている・・・などなど。
悩みはつきません。
調理法を工夫したり、味付けを変えてみたり。
お母さんもお父さんも台所で奮闘しますね。
そんな好き嫌いとどう接していくか。
今回は、さまざまな食材の情報や育児法を取りまぜて出来上がった、
我が家の食育スタイルを提案したいと思います。
少しでも気持ちの負担を軽くしてもらえたらうれしいです。
そもそも好き嫌いって・・・
”彼を知り己を知れば百戦殆うからず”まずは好き嫌いについて考えてみましょう。
好き嫌いは自然なこと
そもそも、みなさん自身も幼い頃に好き嫌いに悩まされた経験をお持ちではないですか?大人になった今でも、苦手な食べ物はみんなあるものです。
キライ!食べない!とまではいかないけれど、できれば避けたいもの、
食べると、その後具合が悪くなるような食べ物だってありますよね。
10人いたら食べるものの好み、合う合わないはみんな違うんです。
だったら、子どもたちが特定の食べ物を嫌がるのは自然なことだと思いませんか?
好き嫌いは、育児の「大問題!」ではないのです。
大人の役割 食わず嫌いは前向きになるチャンス!
この世に生まれて間もない子どもたちは、未知に囲まれた小さい人たち。初めて接する、なんだか分からないものに「怖れ」を抱いたり、
消極的になったりすることは、ごく当たり前のことです。
大切なのは、その未知な世界に対して、大人がどう誘導してあげるかなのです。
これは食べ物に限らず、子育てにおいて、とても重要な親の役割です。
周囲の大人が新しいものや変化、普段と違うものに消極的だと、
子どもも当然、消極的になりがちです。
コンフォートゾーンの問題ですね。
ある食品メーカーが行なったアンケートでは、母親に幼い頃から好き嫌いがある場合、
その子どもに好き嫌いができる割合が73.1%。
ずいぶんと影響があることが伺えます。
周囲に「試してみよう」という積極的な姿勢がなければ、
その中で育つ子どもたちに、前向きな姿勢を求めるのは困難です。
参考:「子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告書 カゴメ株式会社」
https://www.kagome.co.jp/library/company/news/2011/img/110829.pdf
可能性を広げてあげよう
同アンケートで、好き嫌いを直したい理由は、・81%が栄養バランス
・37.8%が食べられないものがあるとかわいそう
の二つが上位を占めています。
栄養バランスはもちろんのこと、
大きくなって立ち向かう社会の中で、好き嫌いがハードルになってはかわいそうだということです。
ハードルとまではいかなくとも、旅行先で郷土料理を楽しんだり、
大切な友達や恋人と一緒に食べることを楽しめるというのは、
その一人一人の価値につながることです。
前向きに試してみようという姿勢は食べ物だけでなく、
人生のあらゆる場面でチャンスを逃さないための必須条件。
逃したくはないですよね。
前向きな姿勢で、「試してみる小さな勇気」を応援してあげましょう。
好奇心をそそってみたり、
そして、周りの大人や兄弟が美味しそうに食べているのも大切です。
みんなが夢中で遊んでいるおもちゃにひかれる心理と同じです。
でもダメ、どうしてもダメ!という時は?
あわてない、あわてないいざ試してみて、
それでもやっぱり食べたくない。
そうなったら潔く諦めて、次のチャンスを待ちましょう。
前にも述べたように、苦手は誰にでもあるもの。
栄養バランスが心配でも、必ずそれを補える他の食べ物があるから大丈夫!
無理強いは決してしないでください。
無理強いすれば、さらに「嫌い」が増大するだけ。
体質が受け付けない食べ物である場合もあります。
(食物アレルギーの可能性がうかがえる場合は、早急にアレルギーチェックを行ってください。)
味覚は変わります。
知識を深めていくうちに、食べたくなるものもあるでしょう。
それは自分のペースで、食文化や社会を理解していくプロセスなのです。
だからあわてない、あわてない。今じゃなくてもいいんだから。
実際に、私の義理の弟は幼い頃から「野菜が怖い」というくらいの野菜嫌いでしたが
野菜好きの私たちとしばらく一緒に暮らしたり、
自炊を始めたり、外食で友人といろんなものを食べてみた結果、
自分で野菜を買って料理するまでになりました。
23歳の時の話です。
心に栄養を 頭に知識を
お腹を満たすよりも、心を満たす 子供の食事時間
食事は楽しいもの。嫌いなものとにらめっこしたのが食事の思い出、なんて悲しい経験は避けましょう。
食事は一緒にテーブルを囲んで、心にも栄養をたっぷり与える時間です。
ネガティブな話はやめて会話を楽しみましょう。
食べるときの気分は、調味料みたいなものです。
その日のごはんを食べなかったとしても、
今日、学校であった出来事はしっかり聞いてあげたり、
小さな悩みにサラリと応えてあげられる最高のシチュエーションです。
案外、なにかを打ち明けて、安心したら、
あっさりいつもは食べないマッシュルームを食べていたりして・・・。
お腹が満たされれば言うことなしですが、
小さい子どもは、心が満たされるほうをいつも望んでいるものです。
実例!子どものための食材紹介法
そんな食事中の会話の中で、好きだろうが嫌いだろうが、
我が家ではその日、食べている食材をキチンと紹介してあげることを心がけています。
ただ、「大きくなれないよ」とか「体にいいから」と言っても、
子どもたちは食べるものと自分の体とのつながりをまだちゃんと理解していません。
そのため、まずは自分たちの体のことをしっかり説明しています。
・骨があって、筋肉、内臓、組織があって動いている。
・食べ物がそれらを作る原料だということ。
・食べ物は内臓を通過して栄養を私たちに供給している。
子ども向けに言い換えれば、
「〇〇のおて手、なんで動くか知ってる?」
「この硬いの、骨だよ。ホネホネロックだよ。どうやってできてるんだろうね。」
「今日のごはん、お豆さんは筋肉になりまーす。ワカメさんは骨と髪の毛になりまーす。」
「さっき飲んだお水、今どのへん??胸のあたり?おへそのあたり?」
など、人体構造(おおげさ!)を想像してもらいます。
よく噛まずにガツガツ食べる息子には、
「食べたものはお腹の袋に入るんだよ。袋がびっくりして破れないようにゆっくり食べよう。」
「まずはお味噌汁飲んで、お腹に今からごはん入りまーすって言ってあげて。」
など、体をいたわる食べ方も伝えます。
そして食材が実際にもつ特徴、効用も含めて紹介します。
例えば、
大根は消化を助け、毒消し作用もある、家庭療法や手当に欠かせない野菜です。
その大活躍を子どもたちにしっかり伝えます。
「大根はお腹のスーパーヒーロだもん。お腹のお掃除してもらおうよ。」
腹痛のあとなんかはこれがよく効きます。
にんじんは、貧血予防やビタミンCの吸収に最適。油と摂取するとカロテンの吸収がさらによくなります。
「にんじんは油と仲良しなんだって。
一緒に食べるともっと元気出るんだって。にんじんの天ぷらは元気の素だね!」
海藻類は、ミネラルが豊富なのに加えて、デトックスに欠かせない食品です。
陰陽のバランスも取れていて免疫力を高めます。
「ひじき食べると髪の毛になるよ〜、あ、伸びた伸びた。」
「あらあら、海のパワーもらったから風邪菌なんてやっつけちゃうね。」
このように、栄養学や食養学を100回くらい、かみ砕いたような説明をその都度伝えます。
決して今、好き嫌いを克服して欲しくて言っているのではありません。
一生、知識として子どもたちの中に残すために言っています。
食べられない、食べたくないのなら食べなくたっていい。
でもその価値や意味はちゃんと伝えていきたい。
それが親としての責任だと思うからです。
まとめ 食べるってそもそもどんなこと?
私たちは、ただお腹を満たすために食べているのではありません。
食べているものは私たちを作る材料です。
体に悪いもの、質の悪いものを食べていれば、それはそのまま体や思考を作ります。
しかし、質の良いものを丁寧に調理して食べれば、そういう体と思考を持って育ちます。
理解して食べれば、ずっと体と付き合いやすくなります。
そのための知識を持っていることは、
暗闇を手探りで歩くか、懐中電灯を持って歩くか、の違いと同じです。
目先の利益だけにとらわれて、安さや便利さを優先させ、農薬を浴びた野菜や、
添加物だらけの食品、栄養素が欠片も無い食事は、IN YOUではお勧めしていません。
前述のアンケートで、
「子供の好き嫌いを直すための工夫は手間だと思うか?」と言う質問に、
73.1%が「手間だ」と答えています。
メニューをアレンジしたり、食べてもらえなかったり、時間がかかったりと、
たくさんの人が大変な思いをしていることが伺えます。
でも大変だ、大変だ、と食事を大仕事にしてしまっては元も子もありません。
大切なのは、子どもたちが健やかに育ってくれること。
好き嫌いや食べないことに注目するより、
できる範囲内で、バランスよく食べるため、効率よく食べるための知識を身につけていくほうが、
ずっと近道だと思いませんか?
そして、
食べても食べてなくても、
「いただきます」「ごちそうさまでした」
感謝の気持ちを忘れないこともぜひ伝えていきましょう。
私の暮らすスペインで、「いただきます」に相当する言葉は
「Buen apetito」(美味しく召し上がれ・美味しく食べましょう)
日本語のように作ってくれた人や食ベものへの感謝の意味合いは含まれません。
このような日本語独特の、食べものを「いただく」意識を失わないよう心がけていきたいですね。
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