2027年開業を目指し工事が進む中央リニア新幹線。小児白血病リスク上昇、水源枯渇、健康被害、原発再稼働をもたらす超高速鉄道は、本当に「夢の交通網」なのか。
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すっかり夏の陽気になってしまいましたね。
都市部に住む方たちにとって、既に暑い日が続いていることと思います。
先日、畑の片隅に植えたミントの葉を摘みました。乾燥させて、茶摘みの日に生まれた友人にプレゼントするつもりです。
環境や食の安全など、日々色々なニュースが飛び込んでくる毎日。
畑で穏やかに過ごす時間があることは、何よりもありがたいことです。
ふと山を見上げると、頂上付近にはまだ少し雪が。
山小屋の管理人を務めている友人がSNSに投稿した写真を見ると、標高の高い場所はまだ一面雪に覆われていました。
山を見上げながら、子どもの頃によく家族で登山に行っていたことを思い出しました。
信州では、中学校のカリュキュラムとして1泊2日の登山も行われています。
森林に加えて山もまた私たちの生活に欠かせない存在。信州で夏場に多く発生する台風被害が少ないのは、標高の高い山々に囲まれているお蔭。特に南アルプスの赤石山脈は、地下水脈を貴重な水源でもあります。
その赤石山脈のふもとにある大鹿村は、標高が高い場所にも関わらず、天然の「塩」が採れるとても珍しい地域です。
話題のリニア新幹線トンネルの工事により土砂崩落発生!?
その大鹿村では、今、大変な事態が起こっています。
今年の初め、中央リニア新幹線受注に関して談合が行われていたことをニュースなどで耳にしている方も多いと思います。
その中央リニア新幹線のトンネル開通工事が行われているのが、大鹿村です。
昨年12月には、工事現場近隣の中川村で行われていた工事車両が通行する為の道路拡張工事現場で、大規模な土砂崩落が起き、一時道路が通行止めとなる事態が発生しました。
この通行止めにより、地元ではガソリンや灯油を輸送する車が中川村に入れなくなり、燃料代が高騰したのです。
寒さが厳しく、暖房が欠かせない信州の冬・・・。村民にとって、灯油代の値上がりは家計を直撃する深刻な問題な問題となりました。
今年3月、JR東海は土砂崩落について「四徳渡トンネルの発破による振動が原因」と報告し、復旧計画を発表しました。
この中央リニア新幹線は、東海道新幹線の劣化により、大規模災害時の備えとして東京、名古屋、大阪を約1時間で結ぶ高速鉄道として期待され、昨年11月より工事が始まりました。
リニアは、超電動磁力で車体を地上10cmまで浮上させ、時速500kmで走行します。
膨大な予算で進められているこの計画、JRが自己資金での建設を表明したものの、工事が着工した2016年に国は3兆円の融資を30年間据え置き無担保で行うと決定。JRもこの融資を受け入れました。
大鹿村では、10月にトンネル掘削工事が始まり、品川や神奈川でも駅やトンネル工事が進められています。
一見便利そうなこの計画。
しかしその計画の裏側では私たち国民が見逃せないネガティブな影響があるのです。
このリニア中央新幹線建設計画、沿線地域住民の生活は勿論、
乗客にも重篤な健康被害をもたらす可能性が指摘されているのをご存知ですか?
今日は、JRが主体となり進めている「夢の高速鉄道」の裏側と実態を、みなさんにお伝えします。
山梨県の実験線付近では水源が枯れ、農業に深刻な影響が。
山梨県の約43キロのリニア実験線。
約8割の実験線があるこの地域では、既に農業への深刻な影響が発生しています。各地で水枯れが発生したのです。
・大月市 朝日小沢地区
簡易水道の水源だった沢の水枯れが発生。
JR東海が井戸を掘り、揚水ポンプの稼働にかかる電気代20年分として補償金1000万円を一括で地元集落に支払ったが、
井戸と貯水タンクの距離と高低差により、電気代は月6万円かかった上に、5年で不調に。
住民が、補償金が底をつく前に、標高の高い場所に新たな井戸と省電力のタンクを設置。
・笛吹市 天川(てかわ)
農業用水として使用されていた川が枯れ、桃や葡萄をさいばいしていた農家に不安が広がる。JRは補償として、30年の期限付きでトンネルからの湧水をポンプで汲み上げて、川に放流。
こうした環境や農業への影響が懸念されるリニア。実は安全性の面からも心配な点が多い乗り物です。
リニア実験線で車両が暴走、炎上!?
1991年10月宮崎県にあるリニア実験線で車両が暴走、炎上するという事故が発生しました。また、2006年ドイツ北西部では実験線走行中の車両が、停車していた作業車両に衝突。乗車していた31人のうち、23人が死亡しました。
リニアのトンネルが通過する赤石山脈は東海地震が発生した際、山崩れが発生した危険な山です。
甲府盆地でも複数の活断層を横切る形でルートが計画されています。
東大などの教授がメンバーとなった国の有識者会議は、リニア計画沿線付近で、2030年以降大規模な地震が起こることを想定しています。
中央リニア新幹線は、運転士なしで中央指令所からの遠隔操作により運行される乗り物。
無人で運行されるリニアについて、住民説明会でJR東海は、真冬の山間地にあるトンネルでリニアが緊急停止した場合の対処について「道具を用意しておくが、お客様同士で助け合って頂く」と回答しています。
勿論、乗務員はいますが、地下1,400mのトンネル内での事故防止対策や災害時の避難誘導計画については不透明な点が多いのです。
電磁波による小児白血病の恐れも。
送電線から300m以内に住む子供の小児白血病発症率はなんと2.7倍
そして、最も深刻となるのが電磁波の影響です。
乗車することにより生じる影響は、特に子どもに重大な健康被害を及ぼすことが明らかとなっています。
2013年、JRは実験走行中の電磁波実測データを以下のとおり公表しました。
・通路の床上30cm:9,000ミリガウス
・客室床上30cm:4,300ミリガウス
またリニアに電力を供給する高圧送電線は、200m離れた地点で4mガウスを示しています。
1992年ウェーデン国立カロリンスカ研究所の報告では、60年~85年までの疾病データによる送電線から300m以内に住む子供の小児白血病発症率:2ミリガウス以上で2.7倍となっています。
リニア計画に引き起こされる事態をまとめます。
・地下水や河川などの水枯れ
・安全性が確立していないことによる重大事故発生の恐れ
・災害発生時避難の遅れによる犠牲者の拡大
・乗客の電磁波による健康被害
さらに見逃せない深刻なポイントがあります。
それは、
これらのリスクに加え、莫大な電力を必要とすることから、原発再稼働の動きを加速するという、懸念です。
意外と知られていない真実を知ると、安易に便利さだけを喜ぶことはできないことがお分かりいただけると思います。
今のうちに、リニア沿線地域に出かけてみよう!
これからの季節、夏から秋にかけて行楽シーズンを迎えますね。
実は、リニアが計画されている沿線地域には魅力的な場所が沢山あることをご存知ですか?
高速鉄道にはないローカル線の魅力や、リニア計画により失われる自然の大切さを改めて見直してみませんか?
静岡県・大井川鉄道
大井川鉄道ホームページ
現在、計画予定地となっているものの水源の水枯れを懸念する地元住民の声により未着工となっている静岡県大井川。
こちらには、珍しいトロッコ列車や、日本で唯一のSLを運行する大井川鉄道が走っています。車窓からは、茶畑や吊り橋、大井川など自然に囲まれた景色を堪能することができます。また今年の6月~10月までは、機関車トーマス号も運行される予定で、小さなお子さんのいるご家族も楽しく過ごすことが出来ます。
リニアは地下トンネルを走るため、こうした雄大な自然や田舎の風景を車窓から楽しむことはできません。
長野県・大鹿村
大鹿村ホームページ
リニアのトンネル工事が行われている大鹿村は人口1000人、標高約700mの山の中にある小さな村です。東京からは、中央自動車道経由で約3時間40分の場所にあります。2011年には、故原田芳雄さんが主演を務めた映画「大鹿村騒動記」の舞台となりました。大鹿村には、婦人病などに効果がある塩分を含んだ泉質の鹿塩(かしお)温泉があります。また10月の第3日曜日には、300年以上前から続く伝統の大鹿歌舞伎が村の神社で上演されます。
JR説明会に参加しよう。
ここまでは、地方での中央リニア新幹線の影響を中心にお伝えしてきましたが、
既に神奈川県川崎市でも工事が着工されています。
またJR東海は、3月に国土交通大臣に「品川・名古屋間の地下使用」を申請。
国は、これを認可しました。
この工事で、JRは事前の家屋調査を行わない意向で、周辺に問題が生じた場合は、地権者自身がリニア工事との関連性を証明しなければなりません。
まずは住民説明会に参加し、直接疑問点を確認することが、生活環境を守ることにつながります。
住民説明会は、東京、神奈川、愛知で開催される予定です。
JR東海による住民説明会の日程(東京)
・5月14日(月)18時半 鶴川市民センターホール・5月16日(水)18時半 忠生市民センターホール
・5月17日(木)18時 世田谷区立奥沢小学校体育館
※問合せ先:JR東海 中央新幹線東京工事事務所TEL03-6847-3701
神奈川・愛知の日程は以下でご確認ください。
JR東海 中央新幹線品川・名古屋間の大深度地下使用の認可申請に関する説明会の開催について
高速鉄道よりも地元高校生たちの交通手段の充実を
長年、棚上げになっていた中央リニア新幹線の計画が再び持ち上がった2007年。
長野県では各自治体による誘致合戦が繰り広げられました。他県の鉄道マニアの方たちから「計画が進まない。もう長野県を迂回して通してほしい」などの批判も相次いでいました。
私の住む地域からは高速バスを利用して東京、名古屋まで約3時間、
大阪までは5時間で行くことが出来ます。価格は片道3,000円から5,000円。
東京名古屋には1時間に1本運航しています。
新幹線のような高速鉄道こそありませんが、手ごろな価格で都市部へ行くことができます。
リニアの開業予定は2027年。
そのころには、更に少子化が進み日本の人口は減少しています。
移動時間が短縮されるとはいえ、実際には高額な運賃を払ってまでリニアで都市部に移動したい人はそう多くはありません。
それよりも、私は地元の交通網を充実させて欲しいと思います。
現在、地元高校生が通学の足にしている地元の電車は30分~長い時は1時間に1本。
郊外に自宅や学校がある生徒は、駅から更にバスを乗り継いで通学しています。
便利過ぎるの世の中より、もっと大事なことは何でしょうか?
一人一人が健やかに安心して暮らせる社会を望みたいところです。
採算性が合わず健康的なリスクのある高速鉄道より、
地域住民の移動手段を大切にしていくことが、公共交通機関を担う企業の仕事ではないでしょうか。
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参照:
JEIC 電磁界情報センター「電磁波問題の経緯」
リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会 リニアニュース63号
危ないリニア新幹線 リニア市民ネット/編著
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」 橋山 禮次郎著
リニア新幹線が不可能な7つの理由 樫田 秀樹著
南信州新聞 中川村土砂崩落で対策検討会議
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