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【連載#05:牛乳神話を疑え】虐待を受けている乳牛がいる、というひとつの事実

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【連載#04:牛乳神話を疑え】学校給食に牛乳が出され続ける謎の理由を解明する 

【連載#03:牛乳神話を疑え】牛乳も原因と考えられる3つのがんと1つの理由 

【連載#02:牛乳神話を疑え】牛乳アレルギーの数々、これでもまだ牛乳は「聖水」ですか?

【連載#01:牛乳神話を疑え】わたしたちは「子牛の飲み物」を小さい頃から飲まされ続けている! 

さて過去4回連載してきた「牛乳神話を疑え」では牛乳による健康被害や数々のアレルギー、がん、そして学校給食における牛乳ビジネスの実態をお伝えしてきました。これまで散々、牛乳を批判してきましたが、今回はアニマルライツの視点でひとつみなさんにお伝えしようと思っています。アニマルライツとは「動物には人間から搾取されたり残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利があるとする考え方」のことです。

牛乳は「乳牛」と呼ばれる家畜化された牛のうち、特に乳の出る量が多くなるように品種改良された牛のことです。この乳牛から乳を搾る過程の中で信じられない虐待が行われている事実をご存知でしょうか?


虐待され、絞り取られている「牛乳」をあなたはおいしく飲めますか?

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乳牛は巨大なミルクマネーを生むマシーンと化しています。巨大産業を守るためにたくさんの「牛」が犠牲になっています。生きた動物がマシーンのように扱われる、つまり虐待を受けているのです。これもひとつの事実として知っておかなければいけません。

米国のLand O’Lakes社は、バターやチーズなどの乳製品を製造するアメリカ有数の食品会社で、2009年の売上は120億ドル(12千億円)の巨大企業です。アメリカでは国民1人の食料費7ドルのうち1ドルが、牛乳および乳製品に費やされており、国民は、1人当たり平均年間375ポンド(約170kg)の乳製品を消費しています。牛乳および乳製品は、肉、魚、卵、鶏肉を合わせた金額に次いで第2位の、家計における消費支出を占めています。まさに乳製品大国アメリカ。巨大産業ゆえに、既得権益で守られています。

PETAPeople for the Ethical Treatment of Animals)という団体があります。「動物の倫理的扱いを求める人々の会」です。1980年に創立され大手企業を相手に、メディアを使った数多くのキャンペーンを行い、世界的な知名度がある団体です。アジア太平洋地域、イギリス、インド、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランスに支部を持っています。

People for the Ethical Treatment of Animals  PETA   The animal rights organization

20099月、このPETAが乳製品大手のLand O’Lakes社に原料の牛乳を納める傘下の農場で潜入捜査を行いました。そこで晒された実態はかなりショッキングなものです。


かわいそうな牛たち

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Land O’Lakes社傘下の農場(ペンシルべニア州)では、乳牛に対して必要な世話をしないばかりか日常的に虐待をくり返しています。例えば、排泄物でいっぱいの畜舎で飼育されている実態や、乳牛たちが病気になり衰弱して立てなくなっているのに助け出そうともしません。 

指摘を受けたLand O’Lakes社はその農場を2009年の6月に検査しました。清掃しなくてはいけない場所があることを記録しています。にもかかわらず結局、その農場を適格な施設と認めているのです。この牧場のオーナーとその息子のひとりは、乳牛たちに電気ショックで立っていられないほどの苦痛を与えているところをビデオに撮られています。息子は、一頭の乳牛を蹴ったりポケットナイフの刃で突き刺したりしています。搾乳をしやすくするためにここまでするのです。(この父子はふたりとも、動物虐待の罪で告発されています。)Land O’Lakes社の製品を作るために、乳牛たちは毎日ミルクを搾り取られています。にも関わらずここまで虐待を受けるなんてただただ信じられません。

衝撃的な映像がこちらです。(動物の虐待映像なので苦手な方は見ないで下さい。)

PETA’s Undercover Land O’ Lakes Supplier Investigation

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=nhqZm9E6SA8[/youtube]

米国の酪農業に垣間みるひとつの事実

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また酪農業においては、動物を虐待するようなやりかたが一般的と言われているようです。搾乳しやすくするために、乳牛たちの尾をゴムのバンドできつく締め付け、皮膚や組織が次第に壊死して尾が抜け落ちるようにするのです。そのため乳牛たちはハエを追い払うことも出来なくなり、ストレスがたまり、病気になってしまうのです。この断尾は不必要であるばかりか残酷な仕打ちであり、米国獣医学協会は断尾を非難しています。 

酪農業者は、人間と同じく9ヶ月の妊娠期間を持つ乳牛たちに、子牛と過ごす大切な時間を与えることなどするわけがありません。子牛たちは生まれてまもなく母親から取上げられてしまいます。

PETAの調査は、床が排泄物で埋もれている畜舎で飼われている雌牛と子牛達に、足や蹄の障害や病気が広がっていることを暴き出しました。牧場から助け出された子牛達は、肺炎や、肥料火傷、眼病、寄生虫にかかっており、あるものは呼吸器の病気のため膿んだ鼻汁が顔から流れ落ちていました。膿瘍はこの農場の牛には普通に見られ、搾乳の間でさえ膿瘍が破れて膿が流れ出していました。 

食肉製品と乳製品の産業の専門家であり、コロラド州立大学准教授で動物学者のテンプル・グランディン博士はこのようにコメントしています。


「この農場の状態は、実におぞましい。ほとんど清掃をしていないこと、多くの病気の動物たちが何の治療も受けていないことは明らかだ。農場の責任者は、動物たちの世話を何もしていない。たくさんの動物たちが本当に苦しんでいる。」

もちろん全ての酪農業者がこのようなことをしているとは言えないでしょう。しかし、氷山の一角であろうことは推測に値します。


理屈ではない、牛乳への拒絶感

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乳製品(二次加工品)なら直接手を加えてないので大丈夫と思うかも知れませんが、厳しい環境下での飼育期間が長く、使い物にならなくなったらすぐに殺され、食用肉にされてしまうので結局は同じようなものですね。ミルクを出すために人工授精で妊娠させられ、子供を産まされ、子供は肉になるためもしくは同じように苦しむため、すぐに母牛から引き離されてしまいます。 やはり苦しむ時間が長く、苦しんだ挙句に残虐に殺されています。

ヴィーガンやベジタリアン、マクロビオティックを実践している人の中にはカラダのためを思ってということに加えて、アニマルライツの視点から実践されている方も多いのではないでしょうか。このような生々しい実態と事実を目にするたびにため息が出てしまいます。

とはいえ、現実ではじゃあ私たちは何をのみ、何を食べたらいいの?「彼らの命をおいしくいただくことによって幸せをもらっている。」と言われれば返す言葉はありません。不毛な議論が繰り返さるだけなのもわかります。私たちは牛、豚、鳥などの動物性食品をとることで生きている。彼らに命をいただいていることで「生かされている」といえるのかも知れません。(もっともこのサイトの読者の方は動物性食品を’一切’とらない方もきっと多いでしょう。)

牛乳はカラダによいものではない、と言う人がいます。

そんなことをいちいち考えることもなく、ビジネスにする人がいます。

いずれにせよ、私と牛乳の距離は遠のいていくばかりです。

次回の連載が最終章です。


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戸田 耕一郎
東京と島根の二拠点生活中。仕事はイベント企画・制作やウェブ・広告・映像制作を行うフリーのコンテンツディレクター。2015年夏、スローフードな週末ベジカフェ「kuraniwa」と、毎日営業のベーカリー「tsumugi」による『蔵庭』をオープン。第12回Vege&Fork Market(神奈川)は2016年5月に開催予定。好きなことはサーフィン、ヨガ、ラン、アウトドア、ギター。 戸田耕一郎ブログ http://todakoichiro.com/ Vege&Fork Market ウェブサイト http://vegeforkmarket.com/ 蔵庭|KURANIWA http://kuraniwa.jp/
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