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はりまや佳子が教える「これさえ読めばあなたもオーガニック通」 Vol.1

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「体にいいものを食べたい」、「心地よく暮らしたい」とオーガニック食品やオーガニック商品を選んで購入される方が、ここ最近急激に増えてきていています。マクロビオティックやベジタリアン、玄米菜食を実践しているIN YOU読者の方々なら、オーガニックなものを選ぶのは、特別なことではなくご自分のライフスタイルとして当然のことと思いますが、それではオーガニックっていったい何のこと?と聞かれると、ふと答えに困ってしまうのではないでしょうか?

そこで今日は「オーガニック」とは何かについて、基本的なことをまとめてみました。

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小さいオーガニックと大きいオーガニック

まずは手始めにオーガニックという言葉を辞書でひいてみると、

1. 有機体の。「―コンパウンド(有機化合物)」
2. 化学肥料や農薬を使用しない野菜や、添加物を入れていない食料品などをさす言葉。「―パスタ」
3. インターネット上の各種サービスで、有料広告を介さないこと。検索結果で検索連動型広告を含まない部分や、ソーシャルメディアで広告を介さず配信される記事などを指す。「オーガニック検索」「オーガニックリンク」(デジタル大辞泉より引用)

と定義がかなり広範囲にわたっているのがわかります。

狭い意味での一般に使われるオーガニックというのは、〈有機の〉という意味で、農薬や化学肥料を使わず有機肥料によって生産された農産物のことを指します。「有機農法」「有機栽培」「有機野菜」「有機農産物」という言葉で表現されるものたちが、厳密な意味でのオーガニックといえそうです。そして拡大解釈として、化学肥料や農薬を使用しない野菜や、添加物を入れていない食料品などを指し、「オーガニックビーフ」「オーガニックポーク」「オーガニックチキン」などの畜産物や、オーガニックな素材を使った「オーガニック食品」、そして「オーガニックコスメ」などもオーガニックという言葉で表現されています。そしてさらに大きな解釈での表現には、インターネット上の各種サービスで、有料広告を介さないで、有機的につながるという意味から「オーガニック検索」「オーガニックリンク」という風にも使われています。

はじめてのオーガニック

それでは、この「オーガニック」という言葉を、あなたはいつ初めて聞きましたか?

私がオーガニックという言葉を初めて聞いたのは、今から12年前。家族が重い肝臓病にかかったことから、マクロビオティックと出会った時に、農薬や化学肥料を使わないオーガニック、いわゆる有機農法の存在を知りました。当時の私は出版社で単行本の編集者として働いていて、仕事はハードで不規則な上に、ヘビースモーカー&大酒飲みで超がつくほど夜型といった健康とは程遠い生活をしていたので、30代にして未病のオンパレード!!慢性的な頭痛、肩こり、視力の低下、重度の花粉症、激痛をともなう生理不順、そして慢性的な冷え性で、週に1日は朝から晩まで死んだように寝て、1週間が6日しかないという悲惨な生活をしていました。その頃の私の食に対する考え方は、「お腹がいっぱいになればいい」 「高いお金を払ってもいいから、すぐに食べられるものがいい」 と食べる物をまるで「燃料」のようにとらえていました。そしてカロリーのことばかり考えていたので、「ノンカロリーでダイエットに最適の食材」と聞くと、山のように買い込んで美味しくないものを、お腹がいっぱいになるまで、せっせと食べ続ける毎日。

そんな私がマクロビオティックを本で学びはじめ、その季節に収穫される旬の農作物を、皮もむかずアクもとらず丸のままでいただくと、心も体も元気になれるという考え方を知ったことは、食に関してそれまで全く興味がなかった私の人生を180度変えてしまうほど斬新な出来事でした。

健康的な食生活をしたい!

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そう心から思った私がまず始めたことは、食材をオーガニックに変えること。
冷蔵庫の中にあった調味料や保存食品を全部処分し、自然食品店で大人買いしたオーガニック食材で、料理を初めてみたのですが、美味しくない。。。
自己流でレシピ本を片手に、見様見真似で作った「なんちゃってマクロ料理」は、旬の食材や季節にあった食感や味付け、調理法を無視したものでしたので、食材は最上級にもかかわらず、その良さを引き出すことが全くできていないという、悲惨な結果に。

家族からは大ブーイング!

エンゲル係数は高いのに、美味しく倖せ、しかもヘルシーという、満足度が反比例しては、家族に理解してもらえるわけがありません。
そこで一念発起して料理教室に通おう!!と思ってみたのですが、不規則な仕事をしている私が、定期的な習い事をするのは不可能。ならば編集者という職業を活かして、初心者向けのマクロビオティックの本をつくれば、マクロビオティックのことを勉強できて、本も作れるので一石二鳥!とばかりに、マクロビオティックの初心者向けの単行本の企画を会社に提出するために取材先を探していたところで、知人に紹介されたのが、吉祥寺に開校したばかりのマクロビオティック料理教室「オーガニック・ベース」さん。

このお教室の名前を聞いた瞬間が私とオーガニックの初めての出会いでした。 そして、その半年後に出来上がった単行本が、 「ORGANIC BASE マクロビオティックと暮らす」(奥津典子著/ビジネス社刊)です。2004年の出版以来11年間もの間、マクロビオティックを実践したいという方々に読み続けられている、ロングセラーになりました。

この本の取材をきっかけに、すっかりオーガニックの魅力にはまり、本の刊行の翌年には長年勤めた出版社を41歳で退職し、マクロビオティック・インストラクター資格を取得するために、単身アメリカのクシ・インスティュートに留学。翌年には東京大田区の自宅でお料理教室を妹と一緒にはじめ、2012年には銀座にキレイ料理レストラン「G-veggie」をオープン。そして今年2月には一般社団法人日本オーガニックライフ協会を設立し、「オーガニック料理ソムリエ」の育成をはじめるという、末広がりで好きなことを仕事にして、ウキウキ&ワクワク楽しい毎日を送れる人生を歩めるようになったのは、オーガニックという自然を味方につけたライフスタイルを実践してきたからだと思うのです。

さて、そもそもこのオーガニックという言葉はいつ生まれたのでしょうか?

オーガニックが生まれたのはいつ?

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この世に農薬や化学肥料が生まれる前は、世界中がオーガニック。アメリカも日本も中国も、地球の裏側にあるアフリカも…。ですから昔はオーガニックという言葉は必要がなかったのです。

人間が農業をはじめたのはおよそ1万年間。この時から人間と病害虫との厳しい戦いがはじまりました。大昔から病害虫防除に植物などから採取した薬剤は用いられてきましたが、残念ながら効果がないか非常に効果が弱く、そのうえ大量生産することもできなかったので、一般に販売されることもありませんでしたが、1700年ごろに欧州で除虫菊の粉で作物を害虫から守ることができることがわかり、商品として流通し始めたそうです。除虫菊は渦巻き型の蚊取り線香の原料として、みなさんもなじみがあるものですね。

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その後、1851年にフランスで石灰と硫黄を混ぜた物(石灰硫黄合剤)に効果があることを発見され、1880年頃にはボルドー液が発見されました。これは硫酸銅というものに石灰を混ぜた物で、毒々しい色をしていることからブドウの盗難防止のためにまいたところ、病気が発生しなかったことが偶然わかったのがそのきっかけと言われています。そして、1800年アメリカでも青酸や亜ヒ酸や硫酸ニコチン(タバコの成分)が使われ始めています。
(参考資料:農薬ネット

その後、20世紀に入り農薬や化学肥料の大量生産がはじまり、それらを使う慣行農法が世界的に広がりをみせはじめます。日本でも1961年に農業基本法が制定され、化学肥料や化学合成農薬の使用、作業の機械化が大きく推進されてきました。これらは農地の単位面積あたりの収穫量の増大に効果があるので、小面積の農地しか持たない多くの農家にとって朗報であり、積極的に導入が進められました。

この農薬や化学肥料をつかった農法に対して、オーガニック(有機)農法という言葉が生まれたわけですから、オーガニックという言葉が生まれたのは、農薬や化学肥料がこの世に生まれた以降ということになります。それでは、どんな方がいつごろからオーガニック農業を提唱しはじめたのでしょうか?

世界のオーガニックと日本のオーガニック

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世界のオーガニック農業の創始者はイギリスの植物学者のアルバート・ハワード氏。ハワード氏は1905~1931年の25年間インドにおいて、農業研究者として勤め、中央インドおよびラージプターナの州への農業指導者として、後にインドールにおいて植物産業研究所の所長として働き、そこで東洋の伝統的な堆肥作りを近代科学の基盤で再構築した堆肥づくりの手法、インドール方式を築き上げました。ハワード氏の『農業聖典』という著作は世界中のオーガニック農家のバイブルとなっています。

一方、日本では1930年代に日本のオーガニック農法の創始者である福岡正信氏や宗教家の岡田茂吉氏が、農作業の大部分を自然に任せる自然農法をはじめています。また、マクロビオティックの創始者である桜沢如一先生が、農薬や化学肥料を使った農法に問題提起しています。

先人たちがオーガニックの必要性を訴えてはじめてから80年もの月日が流れたのに、自然農法がいまだに特別なことと扱われているという現実を、私たちは真摯に受け止める必要があります。現代の日本では100%オーガニックな食べ物で生活するということは、人里離れた山の中で自給自足の生活でもしない限り無理なことですが、もしオーガニックな暮らしをしたら私たちはどんな風に変わるのでしょうか?

オーガニックと暮らす

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今からちょうど10年前の私がまだ出版社で単行本の編集者として働いていた時のことですが、高谷朝子(たかや・あさこ)様という、現代日本において特殊な環境で生きてこられた方にお目にかかりました。高谷様は1943年(昭和18年)6月1日に宮内省内掌典を拝命し、皇居内にある「宮中三殿」に仕える専門の女官「内掌典」の最後の一人としてお勤めになり、皇室の神事、賢所や候所の伝統を護りながら、終戦から昭和天皇崩御までを57年間もの長い時間を皇居内で過ごされた方です。

私がインタビューをしたのは高谷様が御年80歳の時。はじめてお会いした瞬間に私は高谷様の肌の美しさに目が釘づけになりました。とにかくシミやしわというものがひとつも見当たらず、肌にはハリがあり、キメもこまやかで、その肌はまるで赤ちゃんのようにふんわりとしていたのです。人は年を重ねるごとに顔にシワやシミが現れ、美しい肌が損なわれていくものだと信じていた私にとって、なぜ高谷様が輝くほどの美肌をキープしているのか、どうしても聞きたくなったので、一通りの取材が終了したあとで、「皇居の中ではどんな食生活をしていましたか?」と伺がってみたところ、

「宮中賢所は皇祖天照大御神がまつられている場所で、わかりやすくいうと天皇陛下のための神社です。私はそこで巫女をつとめておりましたので、四足のもの(動物の肉)は不浄のものということで、宮中では一切口にしたことがありませんでした。たまの外出のときにお友達と一緒にビフテキを食べたことが数回ありますが、これまでの人生であまりお肉は食べてきませんでした。普段の食べ物はお米と野菜・豆や海藻で、魚も天皇陛下への献上品が何らかの理由で陛下がお召し上がりにならなかった時に限り、お下がりでいただいくらいで、頻繁に食べることはありませんでした。」

という話を伺い、高谷様の皇居内でのお食事はマクロビオティックそのものだと思いました。しかも食材は天皇家の食料品を生産している栃木県にある御料(ごりょう)牧場で採れたものばかりです。ここでは一貫して有機農業が行われていますので、食材はすべてオーガニック!!ということは、高谷様は、在来種の生態系を守るために農薬を撒かない皇居の中というオーガニックな環境で暮らし、宮内庁ご用達のオーガニック農産物を召し上がってきた、生粋のオーガニックな方と言えると思います。(参考:宮内庁HP 御料牧場

「人は食べた物のようになる」とよく言いますが、豊かな自然に囲まれた環境で暮らし、最高品質のオーガニックな食事をしていれば、人は年を重ねても肌質が衰えることはなく、その上、人の心を一瞬にして和ませることのできる、穏やかなエネルギーを発する上質な人になれるものなのだということを実感しました。インタビューは2時間ほどで終了しましたが、もっと高谷様のおそばにいて、お話をうかがっていたいと名残惜しい気持ちお別れしたことを今でもよく覚えています。高谷様が醸し出していた雰囲気は、皇族の方々と同質の高貴なエネルギーといっても過言ではなく、私たちもオーガニックな暮らしをできる限り実現すれば、品格の良い人間性を手に入れることができそうですね。高谷様にお話を伺い日本の皇族の方々が皇居の中でオーガニックな暮らしをされていることがわかったところで、今度は世界に目を向けてみましょう。

ロイヤルファミリーはオーガニックがお好き

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1989年1月7日、ウェールズ公チャールズは、自分の領地では有機農業を行うと宣言し、また自ら所有する家庭菜園でも有機農法を実践しはじめました。そして、1992年、ウェールズ公チャールズは有機農産物のブランドを創設しました。そのブランドの名前は「ダッチー・オリジナルズ」。

所有する農場を10年かけてオーガニックに生まれ変わらせ、そこでとれた材料で様々な商品を作っています。値段は通常の商品比べ少し高めですが、英国王室のお墨付きなのでイギリス国民から絶大に支持を受けています。特に人気があるのがビスケット。一枚一枚、英国のチャールズ皇太子の紋章が刻印されていますので、イギリス人が海外旅行に出かけるときの手土産としても人気が高いそうです。

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その話を先日開催した「オーガニック料理ソムリエ認定講座」でお話ししたところ、タイ在住の受講生の方が、「タイのロイヤルファミリーもオーガニックブランドをもっていますよ」と教えてくださいました。ネットを使ってさっそく調べてみたところ、タイ王室が食品や日用品をプロデュースする「タイ・ロイヤルプロジェクト」が、国民の心をつかんでいるそうです。タイは世界で最も国王様や王室が国民から愛されている国。ロイヤルファミリー主導でオーガニックが推奨されているとは、なんとも素敵な国ですね。

それからオーガニック先進国のアメリカでは、2009年にファーストレディのミッシェル・オバマ夫人がホワイトハウス内にオーガニックガーデンを作り、話題を呼びました。実はミッシェル夫人は日本の皇室からヒントを得て、オーガニックガーデン作りに着手したと言われています。
世界のロイヤルファミリーやファーストファミリーが愛するオーガニックな暮らしは、これからどんどん広がっていきそうな予感ですね。

次回はオーガニック料理とは何かについて、ご紹介いたしますので、どうぞお楽しみに。

 


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はりまや佳子/Yoshiko Harimaya
1963年東京生まれ。英会話学校、船井総研などを経て、出版社に勤務。 単行本編集者ののち2005年に退職後、米国クシ・インスティテュートのキャリアトレーニングプログラム・レベルⅢを修了。2006年よりはじめた「G-veggie」はこれまでに1,000人以上の卒業生を輩出。2012年10月30日、銀座三丁目に「キレイ料理レストランG&V」をオープン。メディア出演多数。著書「美人になるグリーン・ベジ・クッキング」(主婦と生活社刊)
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