減塩信仰が招いたおもわぬ落とし穴。貧血、便秘、冷え性、不妊‥現代人の不調は「塩分」の不足が一大原因？

生活習慣に気を遣っていても、毎日絶好調！とはなかなかいきませんよね。

だからこそ、色々と試行錯誤しながら健康的な生活を目指すのだと思います。
特に女性は、月の周期によっても体調が左右されますしね。

貧血、便秘、冷え性、低体温、低血糖症、低血圧、不妊・・・
多くの方が、このいずれかの症状を感じることがあるのではないでしょうか？

マクロビオティックの考え方でこれらを見ると、いずれも陰性の症状であることが共通しています。

不定愁訴の一大原因は「塩分」不足も要因。

巷では、醤油や味噌など調味料に加工品、あらゆる製品に「減塩」のものがシリーズ製品として販売されています。
昨今の「糖質」同様に、塩分は毒のごとき悪者で、健康に「減塩」は必須、というような風潮がありますよね。

塩は発熱を助け基礎体温を上げてくれる

初めに挙げたような陰性の自覚症状がある場合、塩を控えるとかえって具合が悪くなってしまうのです。
塩は、人間が生きる上でなくてはならないもの。とても重要な役割を持っています。

老若男女誰しもが、食養を減塩で叶えることはできず、「適塩」が必須です。

本来の日本人の食生活では、減塩の必要はなかった

野菜には、排出を助けるカリウムが多く含まれます。
野菜と米雑穀など穀物中心な、元々の日本人の食生活では、塩の摂り過ぎを心配する必要はありませんでした。

では、なぜ日本人が、塩を目の敵とするようになってしまったのか

日本で減塩が叫ばれ始めたのは、肉食が広まってからのことです。


肉も塩も、どちらもナトリウムを多く含みます。
ナトリウムは血中濃度を上げる作用がとても強いので、肉食の上に塩分も多く摂ってしまうと、体がトラブルを起こし病につながってしまいます。

そこで出てきたのが、肉食を控えるという考え方ではなく、「減塩」という塩分を控える方だったのです。

これは果たして、私たちの身体にとって正しいことでしょうか？

「減塩」が健康食のトレンドとなったからと言って飛びつくのではなく、身体の声に耳を澄まして、自分の身体にとって何が必要・不必要なのかを、一人一人がしっかりと考えなくてはなりません。

「陰陽」振り子のような極端な食生活では、病気の問屋まっしぐら

引用元：「こうして作れば医者はいらない」若杉友子著

食養の根幹となる、食べ物の「陰陽」について、少し触れいきますね。
古代中国で生まれた哲学理論である陰陽論では、なるべく中庸に近い状態であることが、
身体への負担がかからず体調も良い状態でいられるとされています。

では、肉のような極端に陽性の食べ物を食べたら、極端に陰性のものを食べれば良いのでしょうか？

例えば、特に女性に多い傾向ですが、ハンバーガーや焼き肉などを食べた後、何だか甘いものを食べたくなることはありませんか。
がっつり食べてお腹はいっぱい、栄養も満たされているはずなのに、なぜか無性に・・・。

まさにこれは、極端に陽性のものを摂ったことによる、バランスを取ろうとした身体の本能なのです。
欲望趣くままに極陰性の甘いスイーツを食べたら、体調バランスは整うどころか、悪影響となることは言うまでもありません。


陰・陽、極端から極端に移動する振り子のような食生活では、バランスが取れるどころか様々な病気を引き起こしてしまいます。

「塩」の活用で、不調改善、病気知らずの身体に

陰陽の考え方でいくと、食べるものは中庸に近いものが良いとされます。
だけどそれだと、玄米ご飯を中心に、「食べて良い」食材がすっごく限られてしまって、食事の楽しさが半減してしまいかねません、

美味しくて楽しい健康的な食生活でなければ、続きません。
多少陰陽に偏りある食材も、量には気をつけながら、罪悪感なく楽しみたいものです。

そこで活用したいのが、塩。

陰性を中庸に調和する働きを持つ「塩」

陰性である野菜を食べる時など、適切な塩分と共に意識すると、バランスを取ることができます。
例えば野菜炒めや煮物を作る時。フライパンや鍋に、野菜を投入する度にひとつまみの塩を入れると、陰陽のバランスが整います。結果、料理の味も、野菜の美味しさが引き出されてとっても良くなるのです。

自然の摂理って、実によくできています。


また、陰性症状のひとつである便秘。
朝一番に塩水などの塩気を取ってみてください。
腸が活動し始める朝に塩気が入ると、腸が活発に動いて排便を促してくれます。
個人的には、水分を摂った後に、梅干しを一粒よ〜く噛んで食べることもおススメです。

塩は必ず、天然塩を

塩といっても、何でも良いわけではありません。
大きく分けると塩には、「天然塩」と「精製塩」があります。

精製塩は、科学的な製法で結晶化させたもの。
化学物質とも言える精製塩は、天然塩には含まれるカリウム・カルシウム・マグネシウムのようなミネラルがごっそりと取り除かれてしまっています。


安いものには理由があります。
身体をつくる食の為に、多少コストはかかっても、必ず天然塩を求めるようにしましょう。

もちろん、何でも摂りすぎは良くありません。
味覚を研ぎ澄まして、自分の身体が必要としている塩分を摂る「適塩」を心がけてくださいね。

発酵調味料から摂取する自然の塩は最高！

醤油や味噌など、長い年月をかけて出来上がる発酵調味料は、塩が枯れるので、塩の害を気にせずに調味料として使うことができます。

原料となる塩や小麦も元は陰性の食品ですが、塩を加えて時間をかけて発酵・熟成することにより徐々に陽性に変化していきます。
長い月日がかけられている程、薬効成分も多く含まれ「食薬」となります。
きちんと「食薬」となるような、良質な原材料・作られ方をしたもの買い求めるようにしましょう。


消費者が安い価格を求めるあまり、私たちの健康な体を助けてくれるような調味料は、見つけるのが大変な程少なくなってしまいました。

IN YOU Marketでは、北海道産丸大豆と小麦、長崎の天然塩のみで、天然醸造で丁寧に熟成発酵されて出来た醤油を扱っています。

私も使ってみたのですが、本当に美味しいです。
塩の出所まで明記されている製品は、なかなかありません。

こちらは、長崎の海水を使って平釜で煮詰めた塩が使用されています。

厳選材料が自然の力で仕上げられた醤油は、毎回同じ味ではないのも魅力の１つです。
温度も酵母の量も一定に保ち仕上げに食塩水で薄められたのではない、「本物の」醤油をぜひ一度味わって頂きたいです。

身体が喜ぶ声も、聞こえてくるでしょう。

自分自身の身体の声が聞けるのは、自分だけ

陰陽って形を覚えるような形で実践しようとすると、小難しいしあまり面白くありません。

そもそも、昔の人は身体の感覚で、自然とできていたことです。
これが分からなくなってしまっているということは、それだけ現代人は、人工の物・化学物質が体内外に入り交じり、本能的な判断力が鈍ってしまっているということでしょう。

人間は所詮、自然の摂理の中で生かしてもらっている、ということを忘れてはなりません。


自然な、「本物」の食べ物を口にするよう心がければ、トレンドに振り回されることなく、自分の身体が欲しているものを口にすることが自ずとできるようになるはずです。

陰陽のバランスが取れていると、頭寒足熱の身体で病気知らず。
その為の、適塩。

楽しみながらの試行錯誤、気軽にできることから始めてみてくださいね。

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