くらし

TPPと野菜の「種」の関係性。TPPによって、私たちが毎日行くスーパーの野菜や、生活面に起こる影響とは?

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みなさんは、野菜はどちらで購入していますか?

次の世代にいのちをつなげないF1種。
それが広く流通してしまっているという現実。

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秋に突入し、食材の買い物に行くと、秋野菜を見かける毎日になりましたね。

紅葉のような景色の移ろいだけでなく、お店で見かける色とりどりの野菜の変化も、
生活の中の楽しみの一つであると私は感じています。

スーパー、産直、取り寄せ、など様々な場所で購入できる野菜。

私はスーパーでの購入の方が頻度が多いのが現状ですが様々な食にまつわる事実を知ることで一般的なスーパーでの買い物をすることが少々怖くなってきてしまいました。

読者のみなさまにも、同様の不安をお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか。


一般的なスーパーの店頭に並ぶ野菜の実態

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一般的なスーパーの店頭に並ぶ野菜のほとんどが、
販売する側の「規格」に沿った品質であることはすでに多くの方もご存知のことでしょう。

それら野菜のはじまりの姿は、成長した時の大きさ・見た目・味などが一定の基準を満たすものになるよう改良された「種」

それら種たちは一般に「F1」と呼ばれる雑種品種であるケースが多いです。
このF1種は、異なる性質の種を人工的に掛け合わせて作った雑種の1代目で種を採取して栽培しようとしても同じ野菜は育ちません。

そのため、スーパーで購入した野菜の種を採取し
それを自分の庭で栽培するということはできないのです。


TPPと野菜の「種」の関係性

さらに、私たちが危機感を覚えるべき事実があります。
それは、TPP(環太平洋パートナーシップ)の協定内容です。

TPPによって関税が撤廃され外国産の食品が国産品よりも低価格で取引されてしまうことなどが、懸念される問題としてニュースでも見かけます。

しかし今回私がみなさんと一緒に考えたいのは、食品の価格への影響ではなく、
野菜の始まりである「種」が影響を受ける可能性、という点です。

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「種」とTPPに重要な関係性があるとは一瞬では想像がつきませんが
種のあり方にどのような影響が及ぶかを考えることは実は私たちの食のあり方を予測する上でとても重要なポイントとなるのです。


TPPの「知的財産」に関わる合意内容について知っていますか?

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TPP加盟国は、日本も含めその他にオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、
ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国及びベトナムの合計12か国となっていました。

2017年10月時点では、アメリカの離脱表明を受けて、11か国での協定発足に向けて動き始めています。
TPPによって貿易がより活発になると聞くと加盟国間での「モノの行き来」のことを強く想像されるのではないでしょうか。

一方、モノの行き来以外にも気にかけるべき点があることを、忘れてはいけません。


TPP協定では知的財産についても合意がなされています。

「知的財産」には、著作権はもちろん特許、商標も含まれており
権利者の保護が強化される見込みとのこと。ここに含まれる「特許」TPPと「種」の関係性を私たちに教えてくれます。

(参考1:外務省 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉
(参考2:NHK NEWS WEB 今さら聞けないTPP 基本がわかる19のカード



たまたま、遺伝子組換え植物が自分の畑に育ってしまった場合も
「特許侵害」として訴えられてしまう可能性が。


例えば、TPP協定を介して貿易関係を持っている各国からやってくる野菜の種が遺伝子組換え特許を保持したものである場合、「特許侵害」という問題が私たちの意図していないところで起こってしまうことがあり得ます。

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一例としてあげられるのがカナダで起こった、モンサント社とある農家の方の訴訟。

遺伝子組換え種子の汚染(起訴をされたパーシーさんが栽培したのではなく

隣接した農場から飛ばされてきた遺伝子組み換え種子!)

がきっかけとなり、
特許権の侵害ということでモンサント社がパーシーさんを起訴をしたのです。

(参考文献: デモクラシーナウ!ジャパン『カナダの農民 巨大企業に挑む』


こちらのケースの場合、起訴されたパーシーさんが最終的に勝利しましたが
そうではないケースも多々存在します。

意図して遺伝子組換え作物を栽培していたわけではない場合でも、
「うち(会社)から種子を購入せずに勝手に自社の作物を栽培している」という主張をされ裁判沙汰になってしまうのです。

遺伝子組換え技術の発展が私たちにもたらすもの。
さらなる「特許侵害」の可能性も・・・


TPP離脱を表明したアメリカの最大の種子会社であるモンサント社。
このモンサント社が、「ターミネーター・テクノロジー」という技術を保持しています。

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これは、「遺伝子操作により、タネの次世代以降の発芽を抑える技術」です。

開発はデルタ&パイン・ランド(アメリカ ミズーリ州の綿花の種子会社)が行い
その後、モンサント社が同社を買収し特許もモンサント社の手に渡りました。
(参考文献:野口勲「タネが危ない」)


現在は封印されている「ターミネーター・テクノロジー」特許ですがこのターミネーター種子は花粉を持っています。

この種子が解禁された時は飛散した花粉と交雑可能なさまざまな栽培植物の種が芽を出せずに死んでしまうという、次世代を作り出せない植物が世界に広がってしまう危険性をはらんでいます。

また、花粉を通して交雑した植物は前述のカナダでのケース同様「特許侵害」として
特許を保有する種子会社が裁判を起こすきっかけになる可能性を秘めているとも言えるでしょう。

遺伝子組換えに関わる特許を持つ企業はモンサント社に限りません。
近年は遺伝子が組み換えられた種子を販売する企業が増えて、
かつ、彼らはそれらの種子の特許を取得しています。

これは、言い換えると種子会社から購入した種を農家が自分の農園で採取し増やすようなことをした場合もまた「特許侵害」になってしまうということなのです。

新たに野菜を栽培するために、農家の方々は、種を特定の会社から購入しなければならない
という構図が出来上がりつつあるのが現在の農業社会。


スーパーなどに広く流通している野菜の多くがF1種であることに加えて
今後さらに遺伝子組換え作物の普及が広がると野菜の作り手がいつも種をどこかから購入しなければならないという自然の循環から外れた食のあり方が一般化してしまいます。

本来は、種はいのちを次の世代につなげていく存在であるはずが、一代限りまたは自らそのいのちをつなげることをストップしてしまうような種が開発されては世界中に広がりつつあります。

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アメリカがTPP離脱を表明した今、モンサント社による特許侵害起訴のような問題は
もしかしたら実現してしまうことを免れることができるのかもしれません。

しかし、依然として私たちが口にする野菜の根源である「種」の未来を危惧すべきであるという現実は残ります。


なぜならアメリカの種子会社に限らずTPPに加盟する各国との盛んな貿易をきっかけに
ルーツがはっきりとわからなかったり次世代を作れない種子の野菜が日本にやって来る可能性
は今後十分にあると予想できるからです。


種に生かされて来た私たちと私たちのご先祖たち

農耕生活を送ってきた背景をもつ私たち人類は種によって生かされてきたと言っても過言ではありません。
なぜなら、F1種が流通する以前は「固定種」から種を採取しそれらを販売したり、次の年に蒔いてまた野菜を栽培することをしていました。

*固定種:地域で何世代にも渡って育てられ、自家採種を繰り返すことによってその土地の環境に適応するよう遺伝的に安定していった野菜。
(参考文献:野口勲「タネが危ない」)


「自家採種」と呼ぶように、一つの種から実りを収穫しまたその実りから新たな種を採取する。
そして、次の年もその種から次の野菜を栽培をするという循環に私たちは生かされてきました。

この一つの小さな種から次々に種が増えて行くサイクルになぞらえて
かつて繁栄していた種苗屋さんの販売文句は「一粒万倍」だったのだそう。

種を増やすことができたのは、F1ではない種が主流だったから。
そして、遺伝子組換え技術ももちろんまだ現代のように発展していない時代。

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F1種が広く流通した現代では種を増やしてゆくことができる「固定種」を販売する種屋さんも激減してしまいました。

これはつまり、固定種を栽培している農家さんの数も減ってしまっているという現実につながります。
農家の方々は、野菜を販売してくれるお店の規格に合ったものを提供しなければならない。

すると、固定種の野菜よりもF1種の野菜の方が栽培や出荷の際も扱いやすいという流れができました

現代では、本来の私たちと種との関係性が逆転してしまっているようにも思います。

いまだ、私たちがに生かされていることに変わりはありません。
しかし、その「種のいのち」を操作した交配や遺伝子組換えなどによって人類がコントロールしようとしているのが現代の農業の姿です。

さらに、TPP発効によって特許侵害が当たり前に起こる社会となった場合、
私たちが野菜の種をつないでゆくことがさらに困難になる未来も起こりうることが考えられます。

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私たちにできること


では私たちは一体どうしたらいいのでしょうか?

1、買うものを選ぶ


今回取り上げたトピックは、国際社会にも関わるとても壮大なものです。
さらに、人によってライフスタイルも異なりますので現在の食生活を完全に変えるという方法は現実的ではないでしょう。

私自身も「本当はもっと食を見直したい」と思いながらも
どこからはじめていいのかわからずになかなか行動を起こせずにいました。

しかし最近は、小さな一歩を踏み出してみたのです。
それが買うものを選ぶという方法です。

具体的には、2週間に一回農園直送の野菜宅配を取り入れ始めました。
インターネットで検索をすると固定種の野菜を届けてくださる農家さんも見つかります。

まずは、少量で、そして隔週注文からトライし自分なりのバランスを探求してゆくのも手ではないでしょうか。

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2、固定種を自家農園に取り入れよう

ご自宅のお庭で野菜を育てれば、より安心して野菜を食べることができますね。
さらに、その野菜の種子を固定種のものにすればなおよいでしょう。

固定種を販売している「野口種苗研究所」の代表 野口勲さんは季刊『道』186号のインタビュー記事でこのように警鐘を鳴らしていらっしゃいます。

固定種を売ってはいけない時代が来るかもしれないから、
「今のうちにこのタネをあなたの子供に残してください」と言っているんです。

どんな時代がきても、今のEUがそうであるように、あなたが持っているタネで、
あなたと家族が食べたい野菜を栽培して食べる自由はなくなりません。
もしかして、あなたの家に受け継がれたタネが、未来の人類を滅亡から救うことになるかもしれませんからねと。

(参考文献:どう出版「季刊 道 No.186 秋号」)


オススメのオーガニック種



世界を変えようと、おおきな一歩を踏み出すのは勇気も多大なエネルギーも必要です。


とくに、食べ物は私たちが毎日接する問題ですからあまりにドラスティックな変化を取り入れることは逆に過剰なプレッシャーになってしまうこともあるでしょう。

第一歩として、このような問題があることを知る。
その次に、自分にとって大きすぎず無理のない一歩は何かを見つける。



小さな一歩も、それを何年も続けたり周りの人に広がると大きなムーブメントとして社会の価値観をも変えてゆくことにつながります。生活に取り入れられる方法を着実に一つずつ実践してゆきましょう。


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akemi
オーガニックライフの実践はまだまだ初心者。初心者でもできること、「もっと知りたい!」と思えるトピックたちを、読者のみなさんと見つけていきたいです。「食べること」「生活すること」を大切に。 お肉好きな夫を、野菜好きに変身させることが人生の目標の一つです。
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