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70歳を超えた今も母親の支配から逃れられない男性の話| “アモーレ”の国、イタリアで「毒親」問題が深刻化する理由と、問題解決に必要なこと

70歳を超えた今も母親の支配から逃れられない男性の話
“アモーレ”の国、イタリアで「毒親」問題が
深刻化する理由と、問題解決に必要なこと

私が現在暮らしているイタリアは、“アモーレ”の国。

「アモーレ(愛する人)」という呼びかけは、
カップル間だけではなく、子どもに対しても頻繁に使われます。

親が子を「アモーレ」と呼ぶのはもちろん、
学校の先生が生徒に「アモーレ」、
ご近所さんがお隣の子どもに「アモーレ」、
はたまた見知らぬ人がスーパーで見かけた子どもに「アモーレ」…

しかし、これほどアモーレがあふれる国、イタリアにも
自分のニーズや希望を満たすためだけに子どもを支配し、
子どもの健やかな成長を拒む親、いわゆる「毒親」が存在します。

イタリアでも目に付くようになってきた、
「機能不全家族」


映画などで目にする印象から、イタリアの家族といえば、
「時には喧嘩し、仲たがいするも、
太陽のような存在のマンマ(母親)を中心に
家族が確固たる愛情で結ばれている」
というイメージがあるのではないでしょうか。

もちろん、こうしたハッピーな家族も多く存在しますが、
機能不全家族と呼ばれる家庭の話も、最近はよく耳にするようになりました。

機能不全家族とは、日常的なストレスが家庭内に存在している家族状態のこと。
親が子どもを虐待する、否定する、無視するなど、家族の中でも弱い存在に
身体的・精神的ダメージを与えることが常態化しており、
子育てや日々の暮らしといった家庭の機能が上手くいっていない状態です。

日本社会でも知られるようになった「毒親」という存在


そして機能不全家族としばしばセットで語られる存在が、いわゆる「毒親」です

アメリカの心理療法士スーザン・フォワード氏が、
子どもの人生を支配しようとする親について記した著書が
1989年にアメリカで発売されベストセラーになり、
日本でも『毒になる親 一生苦しむ子供』というタイトルで2001年に出版され、

これ以降、フォワード氏が作った「毒親」という表現は、
日本社会でも幅広く認知されるようになりました。

それだけ毒親に苦しめられてきた、苦しめられている人が多いということでしょう。

しかし、この毒親の存在が、イタリアではまだ声を大にして語られることは
あまり多くはありません。

それはなぜでしょうか。

毒親か否かの区別が難しい、イタリア社会

イタリアでは毒親について声をあげにくい理由にのひとつに、
ある強固な親子関係が、親の支配によるものなのか、
それとも、本物の愛情でつながった関係なのかを区別しにくいということがあるでしょう。

大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』で有名な漫画家のヤマザキマリさんも
あるエッセイの中でイタリアの母子関係について、

「彼ら(ヤマザキさんの夫と義妹)の母親は『彼らに自分無しの人生など有り得ない』、
という方向性の育て方をしてきた


「端からしてみればある種の依存にも見える」と述べています。

毒親を助長しやすい、イタリアの文化的背景

こうした「マンマ(母親)こそが全て」といった価値観がイタリアには根強くあることから、
特に、母親が子どもの成長に有害な影響を与える「毒親(毒母)」である場合、
子どもは非常に厳しい状況に追い込まれます。

イタリアにおいて「マンマ(母親)」こそは非常に特別な存在であり、
最大級のリスペクトが払われるため、
子どもが辛さを訴えても周囲の共感が得られにくい
という背景があるのです。

引用:『マンマこそ全て』な感性はどうやって作られるのか|ヤマザキマリさんのイタリアエッセー

70歳を超えた今も毒親の支配を抜け出せない男性の実話

自分自身のニーズを最優先する母親に育てられた子どもの実例をご紹介します。

【70歳を過ぎても母親の許可なしで決断を下せない男性・Aさん】

Aさんはかつて金融機関の要職に就いていた年金暮らしの70代男性。
フレンドリーで冗談好きの、いわばよくいるイタリアのおじさんです。

しかしAさんは、幼い頃から何よりも母親を優先するべきだ、と言われて育ち、
交際相手や結婚・離婚、住む場所、お金の使い方など全てにおいて、
母親の意向に従って生きてきました。


Aさんの母親は、自分が最優先されるべき立場であると強く思っており、
ほんの少しでも自分の感情や意見がないがしろにされたと感じると、
ヒステリックに騒ぎ立て、自殺をほのめかすという行為で家族を縛り付けてきました。

こうした環境で育ったAさんは
母親に「ノー」ということも、嘘をつくこともできず、
70歳になる今でも、たとえ旅行中であろうとも
母親から帰るよう電話で催促されると日程を切り上げて帰宅するほど。


日本ではこうした男性を「マザコン」と否定的に捉えるでしょう。
もしかしたら、世間でこのように評価されていれば、
Aさんにとって行動を変えるきっかけになっていたかもしれません。

しかし、ここイタリアでは「母親思いの息子」と世間はとらえます。

Aさん自身は自分のこうした行動が
母親への愛情から生まれているものではないと自覚しています。

しかし、年老いた母親を突き放すことができない上に、
Aさん自身も母親の許可なしで何かを決断することに
不安を覚えてしまうのです。

毒親からの離れにくさを産む、イタリアの社会構造

とにかく家族内の関係が、日本よりも密なイタリアは、
家族がなかなかバラバラになれない国とおえるかもしれません。

その背景には「家族こそが大事という価値観」が根強く存在し、
たとえどんな理由があろうとも、家族から離れようとする人間の方が非難される傾向が強く、
また家族を大事にできない自分を責める傾向も強いということももちろんありますが、

実は、経済的な理由も大きいのです。

親からの経済的自立が難しいイタリアの若者たち

日本の失業率が2%台であるのに対して、イタリアは10%前後。
25歳以下の若者に限れば30%弱と欧州一高く(日本は8%台)、
学生が申し込めるようなアルバイトはコネでもなければまず探せません。


そもそも、イタリアはヨーロッパにおいて中小企業の割合が最も高く、
従業員10名未満の企業が全体の約95%。その多くが家族経営でしょう。

また、住居に関しても、子どもが世帯を持つようになると、
祖父母など家族の誰かが持っている家を受け継ぐこともよくあります。

家族のつながりなしに、若いうちから経済的に自立し、
毒親や機能不全家族から物理的に距離を取ることは至難の業です。

また、毒親の元で育った子どもは、自己肯定感が低くなりがち。
自分に対する評価が低いということは、
親元を離れても生きていけると自分を信じることも難しいものです。

参照:
労働力調査(基本集計)2020年8月分結果(統計局)
若者の就職・離職状況等と労働条件(内閣府)
イタリア産地の変容(日本貿易振興機構)
OCCUPATI E DISOCCUPATI(Istituto nazionale di statistica)

毒親の支配を逃れるために必要なステップとは?


機能不全家族で育った人の中には、
大人になって自分の親が毒親だったことに気付いて愕然とする、
という方もいます。

実は、イタリアでは、家族・親戚との交流が頻繁で、
友人らを招く際は夫婦や家族単位で招待することが多いため、
他の家族を見ることで「自分の家族は普通ではない」と認識しやすい面があります。

自分の親が毒親だと気付いた場合び最良の解決策のひとつは、
一人暮らしを始めるなど、物理的な距離を取ることなのですが、

未成年であったり、先に挙げたような親元から離れることが
かなり難しいという現状
により、それが叶わない場合がイタリアでは少なくありません。

このようなケースでは、せめて精神的に距離を取ることが、まずはすべきことでしょう。

では、具体的にはどのようなことをすれば良いのか、幾つかご紹介しようと思います。
日本でも有効な方法なので、ぜひ参考にしてみてください。

知識を得ることで、家族にまつわる違和感を客観的にとらえる

毒親と物理的に距離を取ることが難しい場合でも、
心の中にできるだけ踏み込ませないようにすることはできます。

そのためには、まず機能不全家族とは何かについてしっかりと知ること。
自分を苦しめている相手の実像(機能不全家族とは何か)を知らなければ、
対処方法を見つけ出すのも困難だからです。

本や信頼できるインターネットのサイトを通じて、機能不全家族に関する知識を得ることで、
自身の家族について客観的にとらえることができるようになります。

怒ってもいい!日記をつけることで自分の真の感情と向き合う

機能不全家族の中で生まれ育ち、
相手(親)の気持ちばかりを気にかけていると、
自分が本当はどのように感じているのか、その気持ちを理解することが
難しくなってしまう人は少なくありません。

そこで、日々の自分の気持ちを日記に記録することで
日々自分がどう感じているかを認識し、その気持ちと向き合う手助けとするのです。

親に対するやりきれない感情が次々湧き上がってくることもあるでしょう。
でも、これまで親にされてきたこと、言われてきた言葉に対して
怒りを感じることを自分に許しましょう

そして、親に対する本当の感情を理解してこそ初めて、次に自分が取るべき行動への
ヒントを得ることが出来るでしょう。

「変化はあなたが起こすもの」:行動を起こすための具体的なプロセス

アメリカのアイビーリーグの1校であるブラウン大学のカウンセリングサービス部門は
「変化はあなたが起こすもの」として、下記の行動例を挙げています。

①子どもの頃に経験した苦しみや痛みを特定する
②変えたいと思っている自身の行動や考え方をリストにする
③リストの各項目の横に、自分がこうしたいと望む行動や考えを書き留める
④リストの中から1つを選び、実際に行動に移す。最初は一番簡単なものを選択
⑤自分が望む行動や考えを頻繁にできるようになったら、別の項目も行動に移す

この際、自身が様々な感情の波、特に罪悪感にさいなまされるであろうこと、
また子どもの変化を嫌う毒親側からの辛辣な反応があることを考えると、
専門家や同様の経験を持つ人からなる自助グループの手を借りることは
大きな手助けになります。

イタリアでは、日本の文部科学省にあたる教育・大学・研究省が
各学校にカウンセラーを常駐させるよう定めており、
経済的に余裕のない若い学生であっても専門家に相談しやすい環境があります。
※カウンセラーを置くかどうかは校長先生に任されているゆえ、カウンセラーのいない学校もあります。

日本での毒親対処では、心理面でのサポートの向上が課題


一方、日本の場合、親元を離れようと決断ができれば、
アルバイトを含めて収入を得る手段があり、
アパートやシェアハウスなど家賃が手ごろな住居も多くあることから、
イタリアと比べて行動に移しやすい環境があります。

しかし、精神面でのサポートに関しては、諸外国と比べて発展途上な日本。

そもそもカウンセリングに通うことに抵抗がある人が多いゆえ、
一人で抱え込んでしまったり、専門家ではない友人知人に打ち明けて、
返された言葉で余計傷ついてしまうこともあります。


また、これまでカウンセラーの資格は、最も有名な臨床心理士であっても民間資格でした。
カウンセラーを名乗ればだれでもカウンセラーになれることもあり、
質にばらつきがでてカウンセリングへの信頼が厚いとはいいがたい状況だったのdす。

それが、日本でも2018年にようやく心理の国家資格「公認心理師」が新しくでき、
質の高い心のケアが充実することへの期待は高まります。

さらに、日本にはユニークな試みが多く、それを面白いと受け入れる度量のある人たちが多くいます。

例えば、普段はカウンセラーとして活動している女性がお母さん役を担う
「レンタルお母さん」というサービス。
優しいお母さんと過ごしたいという依頼に応えるユニークなサービスで、
イタリアでまず、このアイデアは出てこないでしょう。

改まったカウンセリング形式ではないことから試しやすく、
「こうしてほしい」「こんな風に言ってほしかった」という
自身の声に耳を澄ますきっかけとしても有効だと思います。

参照:
毒親って!? 親子関係どうすれば・・・(NHK)

全ての家族と子供たちの幸せの実現に向けて


家族の在り方に関して保守的なイタリアでも、社会の多様化が進んだこともあり、
近年は映画のテーマも家庭の崩壊などシリアスな面が多く見られるようになりました。

私の身近にも、クリスマスや復活祭という家族親戚が集って食卓を囲む大イベントですら
親と会わない、という人が複数います。

多くの専門家は「必ずしも毒親を許さなくてもよい」と言います。
許しが安らぎをもたらすとは限りません。

一方で、イタリア人の臨床心理士のシルビア・ミケリーニ氏は
自分が存在すること、つまり親がいるから自分がいるという点に関してのみ、
いつか親に感謝することができれば自分自身をより受け入れやすくなるだろうと述べています。

なにより家族とのつながりが強いイタリアで、
毒親と血のつながっている自分を肯定的にとらえるための対処法です。

とはいえ、イタリアでも日本でも「毒親」はまだ新しい概念です。

家族内の問題には行政を含めて他者がなかなか介入しにくい上、
問題に対する社会的な理解も、サポートの体制も決して十分とはいえません。

一個人の感情としては、全ての子どもがアモーレに包まれて育って欲しいと心から思います。
「機能不全家族」や「毒親」を社会全体のものとしてとらえる問題意識が、
たとえわずかづつでも高まっていくことを願ってやみません。

参照:
Dott.ssa Silvia Michelini
Vittime di narcisismo
Dysfunctional Families: Recognizing and Overcoming Their Effects(Kansas State University)
Dysfunctional Family Relationships(Brown University)

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