旬のオクラ驚きの「ねばねばパワー」。オクラを使い尽くすための使い回し活用レシピと、保存方法
1 夏のからだに夏の野菜
こんにちは。「いつもがわくわく・こどもてらこや」主宰の柳原です。こどものみなさんとのちいさな畑は、夏の太陽と夕立ちを受け、野菜も雑草も繁茂の時期です。夏のからだに添う、いま旬を迎える野菜。今回は、その中の「オクラ」に注目してみたいと思います。
2 オクラの原産地・種類・栄養価
[原産地]東北アフリカ。ナイル川流域でオクラの野生種と考えられる植物が発見され、エチオピアが有力候補だそう。2000年前のエジプトで栽培された跡が残っている、歴史ある野菜で、熱帯・亜熱帯地域を中心に栽培され、現在インドが生産量・消費量とも世界一。熱帯では多年草ですが、10℃以下になる日本では越冬できず一年草。
[種類]
アオイ科トロロアオイ属。朝の畑で、美しいレモンイエローの大きな花を見ることができます。観賞用の立葵(タチアオイ)、木槿(ムクゲ)、芙蓉(フヨウ)、ハイビスカスや、繊維として利用される綿やケナフも同じ仲間。美しいはずです。
日本で一般的に出回っているのは、断面が星形の「五角種」ですが、西洋で一般的な「七角形・八角形オクラ」、やわらかい「丸オクラ」、彩り美しい「赤オクラ」、アクの少なく生食にむく「白オクラ」などがあり、固定種の種も手に入ります。
[栄養素]
たんぱく質、糖質、食物繊維、ビタミン、カルシウム、カロテン、カリウム、ビオチン、葉酸、ポリフェノール、ムチン、コンドロイチン
など、とても栄養価高い緑黄色野菜です。[効果]「
ねばねば成分には「ペクチン」が含まれています。「ペクチン」は複合多糖類で、水溶性食物繊維の一種。
次のような効果があると言われています。
〇胃や腸などの粘膜を潤し、消化を助ける
〇目やのどなどの粘膜を保護し、ドライアイやウイルスから守る
〇糖やコレステロールの吸収を抑える
〇血管・肝臓・腸・関節の老化を対策する
おいしくてこんなにもすごい。世界で長く食されているはずですね。
3 オクラの保存方法
夏野菜はどんどん実ってくれるので、ありがたくいただいて、食べきれない分はお福分けしたり、保存食にしたり。以下のような保存方法があります。
①常温
新聞紙に包んで袋に入れ、ヘタを下にして、冷暗所で保存。~2日くらい。②冷蔵庫
新聞紙に包んで袋に入れ、ヘタを下にして、野菜室で保存。~3日くらい。③冷凍
どうしても食べきれない分は冷凍も可能。さっと固めにゆで、使う大きさに切ってから、密封袋に入れて、空気を抜いて冷凍。薄く平らにしておくと、あとで使いやすい。~1か月。そのまま調理可能。
④天日干し
半分に切り、ざるに並べて軽く塩を振り、天気のよい2~3日干す。そのまま調理可能。ビタミンなどの栄養素を活かすため、いずれの方法でもできるだけ早めにいただきたいですね。
4 食べる以外の活用法「こどもたちの工作に~紙漉き~」
アオイ科の「トロロアオイ」は、
伝統的な紙すき
の工程で使われてきました。つぶした根を水につけることで「ネリ」と呼ばれるとろみを作り、和紙のパルプ液に加えます。
和紙の繊維がねりに包まれることで、パルプ液の中で均一に広がるため、薄く丈夫な和紙ができるのだそうです。
同じ科のオクラで代用できるとのことなので、固くなってしまった畑のオクラで体験した方法を、簡単にご紹介します。
①オクラ5本をみじん切りしてさらしに入れ、500mlの水に2~3時間つけ「オクラのネリ」を作ります。
②洗って開き、ひと晩水に漬けておいた紙パック飲料から、ビニールをはがし取ります。パルプの部分を細かくちぎり、ミキサーでどろどろにします。
③おけに、どろどろのパルプ、水、オクラのネリを入れて、混ぜます。
④ざる、ふるいなどですくい、天日で一日乾かし、そっとはがしたらできあがり。
紙漉き用の枠をお借りできたので、はがきと懐紙を作りました。はがきは書の体験に、懐紙はお茶会に使う予定です。
5 簡単オクラのレシピ
オクラをひと晩水につけて作る「オクラ水」が流行っているようです。うちでは試したことがないので、その効能について言及できませんが、それほど栄養価が注目されているということでしょう。オクラに限らず、季節のからだに添うエネルギーは、その季節の間の普段の食事の中でいただくと、無理ないように思います。
サラダ、和え物、炒め物、煮物、煮びたし、揚げびたし、スープ、天ぷら、カレー、ラタトゥイユ、グリル
など応用のきく食材です。先のとんがった部分を曲げるとポキンと折れるものは、新鮮で生食可能。
塩を少量かけ、まな板の上でごろごろ転がす「板ずり」をすると、産毛がとれて口辺りがよくなります。
新鮮なものは、さっと10~20秒熱湯にくぐらせるだけでとてもやわらかく、甘く、
ヘタも食べられます
収穫から少し時間が経っているものは、鉛筆を削るように、薄く削るだけでOK。水溶性の栄養が流れ出ないように、ゆでる際は切らずに、また60℃以上になるとムチンの働きが弱くなるので短時間で調理。
細かく刻み、細胞壁を壊すことで、またさらに、よく混ぜることで、ねばねばパワーがアップ
します。【おかかオクラ】
定番中の定番。しょうゆはほんの少しにするとオクラの甘みが引き立ちます。[材料] ・有機オクラ 5本
・天然かつお節 ひと握り
・有機しょうゆ 小1/2~
[作り方] ①オクラを熱湯でさっとゆでます。
②みじん切りにして、ボウルでよく混ぜます。
③かつお節、しょうゆで味を調えたらできあがり。
【ごまたっぷり和え・梅肉和え・みそマヨ(ぽんマヨ)和え・海苔和え】
どれもおいしい。しょうゆ、みその量は少し少なめに入れて、味見をしてから加えると、味が濃くなりすぎません。[材料] ・有機オクラ 5本
(ごまたっぷり和え) ・すりごま 1/2カップ ・有機しょうゆ 小1/2~
(梅肉和え) ・有機梅 1個 ・かつお節 適量
(みそマヨ和え) ・無農薬味噌(ぽん酢) 大1/2 ・有機豆乳マヨ 大1~
(ぽんマヨ和え) ・有機ぽん酢 大1/2 ・有機豆乳マヨ 大1~
[作り方] ①オクラを熱湯でさっとゆでます。
②ひと口大に、斜めにそぎ切りします。
③それぞれの材料と和えたらできあがり。
【オクラ納豆】
こちらも定番。もずく、めかぶなど「海のとろとろ」を加えるのもよしですね。[材料] ・有機オクラ 1本
・有機納豆 1パック
・有機しょうゆ 適量
・お好みで焼き海苔、ねぎなど
[作り方] ①オクラを熱湯でさっとゆでます。
②細かくみじん切りします。
③納豆に加えてよく混ぜ、しょうゆで味を調えたらできあがり。
【ねばねば丼】
ぐるぐる混ぜるほどおいしい。お好みでワサビを入れると大人味、ごま油やキムチを乗せると韓国風に。[材料] ・有機オクラ 3本
・有機山芋 5cmくらい
・有機納豆 1パック
・無農薬の玄米ごはん 1杯分
・焼き海苔 適量
・有機しょうゆ 適量
・お好みで青シソ、ちりめんじゃこ、モロヘイヤ、つるむらさき、めかぶなどを足してもOK
[作り方] ①オクラを熱湯でさっとゆでます。
②オクラを千切りにし、山芋はすりおろします。 *半分を千切りを加えるとしゃきしゃき食感の変化が楽しい
③ほかほかごはんに、オクラ、山芋、納豆、焼き海苔を乗せ、しょうゆをかけたらできあがり。
【オクラとじゃがいものサブジ】
暑い国のスパイスはさすがです。じゃがいもの他になす、かぼちゃなども合い、こどもたちにも大人気です。[材料] ・有機オクラ 3本
・有機じゃがいも 1個
・無添加カレー粉 小1/2~
・塩 ひとつまみ
[作り方] ①オクラと、ひとくち大に切ったじゃがいもに塩をふり、蒸し煮します。
②オクラはすぐに取り出し、斜めにひとくち大に切っておきます。
③オクラ、じゃがいも、カレー粉を混ぜたらできあがり。
*レシピは目安の分量です。その時の体調に合わせられたり、その時に手元にある野菜を加えられるなどどうぞ臨機応変にお楽しみください。
6 さいごに
野菜でもなんでも、それぞれによい部分があります。無理なく手に入れられるものを、自然なペースでいただききたいですね。
旬の野菜とともに、どうぞ夏を乗り切ってください。
(参考:農林水産省HP/NHK趣味の園芸/野口種苗研究所)
☆動画コンテンツIN YOU Tube『知られざる農薬が与える健康への影響と問題とは?ドクターに訊いた!』
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU MarketIN YOU Marketおすすめのオーガニック野菜
こちらのレシピを読んだ方におすすめの記レシピ
【疲労回復レシピ】暑さと湿気で消耗した体にうれしい、 夏野菜の王様“モロヘイヤ”のシンプル炒めと、アレンジレシピ2選夏の体にこもっている熱や水分を調整する食材を取り入れるレシピ|オーガニック夏野菜を使った「黒酢揚げ浸し」と「味噌サラダ」の作り方
【ヴィーガンレシピ】余った夏野菜の消費に。見た目もおしゃれなトルコの定番料理・ドルマの作り方。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう