2021/05/04

【薬膳レシピ】今がチャンス！簡単・安心イチゴジャムの作り方と意外な３つの使い回し術

祖母の在宅看護に奮闘する医療従事者。幼いころからの料理好きが高じてフードコーディネーターの資格を取得。介護生活の中、療養や健康のための食事作りを試行錯誤しているうちに、薬膳の考えにたどり着きました。栄養学的な知識に加え、「薬食同源」をモットーに、身体に寄り添うレシピをご提案できるよう頑張ります。

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旬真っ只中の美味しいイチゴ。

イチゴにはさまざまな栄養素が含まれており、薬膳的にも、とても嬉しい効果がたくさんあります。

今回はそんなイチゴの薬膳的な効能や、旬を閉じ込めて毎日使える美味しい手作りの無添加イチゴジャムのレシピをご紹介致します。

じっくり鍋と向き合ってできた赤くきらめくジャムは、自然と愛着がわいて、それだけでパワーがもらえるようです。

また、イチゴジャムの活用方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご一読ください。

薬膳から見るイチゴのパワーとは

イチゴといえば、甘酸っぱくてビタミンCがたくさん含まれており、美容に良いというイメージを持つ方が多いと思います。

実は、イチゴに秘められたパワーはまだまだたくさんあります。

薬膳の観点から、イチゴのパワーについてお伝えします。

薬膳から見たイチゴのパワー１：余分な熱を冷ます「涼」

薬膳では、食材にはそれぞれ五つの「性」があるといわれています。

「性」とは、身体を冷やしたり温めたする機能のことで、「寒」「涼」「平」「温」「熱」に分けられます。

読んで字のごとく、「寒・涼」は余分な熱を除いて身体を冷やす機能、「温・熱」は冷えを取り除き身体を温める機能です。

また「寒・涼」には便通を整えたり、解毒作用もあると言われ、「温・熱」は血や気の巡りを改善したり、疼痛を緩和する働きがあると言われています。

「平」は滋養強壮作用があり、熱や寒に属さないもので、キャベツや米などがそれに当たります。

イチゴの性は「涼」なので、身体を冷やしたり、便通を良くする効果があります。

また、栄養学的にも、食物繊維が豊富で快便を促します。

薬膳から見たイチゴのパワー２：血液を浄化する「酸」と体力を補う「甘」

薬膳において「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」の五つある五味のなかで、イチゴは「酸」と「甘」に属しています。

甘酸っぱい味わいからも想像がしやすいと思います。

「酸」には解毒作用や、血管や皮膚を引き締めて寝汗や下痢を防止する効果があります。

しかし、摂取のしすぎは胃腸の不調に繋がってしまいます。

一方、「甘」には滋養強壮の効果があり、体力を補ってくれます。

実はこの「酸」にとって「甘」は、「相克」の関係といって、「酸」の働きを抑制する関係性となっています。

イチゴを生で食べた場合よりも、糖類の「甘」を加えたジャムにしてイチゴを摂取することで、「酸」の働きすぎを抑制する効果が高まり、胃腸の不調をより防止してくれるのです。

イチゴとジャムには嬉しい関係性があったのですね。

添加物なしで安心！毎日使えるイチゴジャムレシピ

市販のジャムには添加物が使用されているものもありますが、手作りではもちろん添加物を使用しないので、毎日安心して使うことができます。

また、自分の好みの甘さに調節できたり、さらさらしたものが良いか、とろとろした濃い目のものが良いかなど、煮詰め具合で調節できたりと、ご自分だけのお好みのジャムを作ることができるのが最大のポイントです！

イチゴの大きさや切り方によっては、果肉感や食感もさまざまに調節できるので、ぜひ何度も作ってご自分の好みのジャムを発掘しましょう。

今回は、黒糖とはちみつを使用し、より深みのあるジャムに仕上がっています。

簡単・安心イチゴジャムの作り方

いちご1パック分

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材料

・無農薬イチゴ：100g(へたを取り除いた可食部の概ね1パック分です)

・黒砂糖(粉末)：50g

・はちみつ：30g

・レモン汁：小さじ1程度

作り方

１、イチゴはへたを取り除きお好みの大きさにカットする

２、イチゴに黒砂糖をまぶして混ぜ合わせる

３、イチゴからたっぷり水分が出てくるまで約30分程置いておく

４，３にはちみつとレモン汁を加える

５、４を火にかける。沸騰するまで強めの中火、沸騰したら弱火で20分程煮詰める
（→アクが出るので取り除き、焦げ付かないようへらでかき混ぜながら煮る）

６、へらでかき混ぜたときに鍋底が見えるようになったら煮詰まったサイン

７、清潔な保存容器に入れる

・イチゴの大きさはお好みで調節しましょう。

・よりイチゴの食感を残したい場合は、手順５でアクが出なくなってきたらイチゴの果肉を取り出して、シロップだけを煮詰めていきます。シロップが煮詰まったらイチゴを戻し入れ、再沸騰したら完成です。

・黒砂糖とはちみつの割合は目安です。はちみつを多めにし、煮詰める時間を短くすれば、シロップの部分をたくさん作ることができます。

・加熱はしていますが、風味をより味わうためにも、清潔な乾燥した容器に入れ冷蔵庫に入れて早めに食べきることをおすすめします。

イチゴジャムの活用方法

ご自分のお好みのジャムを作ったら、ぜひ色々な方法で活用してみましょう。

パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたりするのはもちろんですが、今回はスタンダードな活用方法から、一風変わった活用方法まで幅広くお伝え致します。

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１、甘酸っぱくてさわやか！イチゴサイダー

イチゴの赤い色がとても鮮やかで、飲み口もすっきりしたサイダーを作ることができます。じつはこのサイダー、ジャムを作る際に出てくる「アク」を利用しています！

アクを活用できるなんて、とても得をした気分ですね。作り方も簡単で、アクを炭酸で割って、氷を注いで出来上がりです。甘みもしっかりついていてイチゴの風味もダイレクトに感じることができます。好みの濃さに調節してぜひお試しください。

２、鍋に残ったイチゴジャムで、イチゴ豆乳

こちらもとても簡単に作ることができます。ジャム作りは楽しいものの、鍋の洗い物が大変という難点があります。

そこで、鍋に残ったジャムを落とすように豆乳を注いで、沸騰直前まで温めれば、美味しいイチゴ豆乳が出来上がり、洗い物も楽になり一石二鳥です。

また、豆乳は薬膳では「肺」や「大腸」を養うため、イチゴジャムと合わせることで、より快便やのどの渇きなどに効果が得られます。

３、イチゴジャムをクッキーに混ぜて色合いも楽しむ

普段のクッキー生地に大さじ1程度のイチゴジャムを混ぜるだけで、ピンク色のかわいらしいクッキーになります。

春は桜型に抜いても可愛いです。

シロップだけを混ぜれば色合いのみがピンクになりますし、果肉を入れれば食感がアクセントになって楽しいです。

（読者の皆さんはお菓子作りに全粒粉を用いることが多いと思いますが、その場合はややこんがりとした色合いになります）

手作りイチゴジャムで体力を補い、快適なお通じを目指しましょう！

今回は、毎日の食卓に気軽に使うことができる無添加イチゴジャムについてお伝えしました。

ジャムに加工することで、より長く旬の味わいを楽しむことができます。

手作りの良いところは、なんといっても余計な添加物が入っていないところと、自分好みのジャムに調節ができるところでしょう。

濃度や果肉感などを調節して、自分だけのイチゴジャムをぜひ作ってみてください。

イチゴの酸と甘で、体力不足を補いながら、快便を目指しましょう。