手作り塩こうじで塩分計算がラクになる!ミネラル塩を使った「塩分10%の塩こうじ」で簡単に「美味しい」と「健康」を手に入れよう。
こんにちは。日本糀協会 えいらくさゆりです。
皆さんは、お家で塩こうじ、作られてますか?
なかなか心理的なハードルが越えられず、
「手作りしてみたいけどなんだか面倒…」と思われていませんか?
いえいえ、すごく簡単なんです!
しかもこの「塩こうじ」を塩分10%にしておくだけで、お料理に使う時に簡単に塩分計算ができちゃいます!
IN YOU では、すでに何度も塩についての記事がかかれていますので、そちらの内容も参考にしていただきながら、これまで日本糀協会でお伝えしてきた
混ぜて振るだけ!お料理に使えば旨味たっぷり「めんどくさがりやさんのための塩こうじの作りかた」をご紹介します!
高血圧は「塩」が原因?
減塩が高血圧を予防する!
減塩して健康に!
と言うようなフレーズは、最近ではもう、誰もが当たり前だと思っていますよね。
高血圧とは、簡単に言うと「血管に大きな負荷がかかる状態」で、その原因は、血管にコレステロールが付着したり、血管の傷を修復するためにできた塊のために血管が細くなっていたり、老化によって血管の柔軟性が落ちることによると考えられます。
また、全体的な血液量の増加や、抹消血管の収縮などでも血圧は上がります。
生活習慣上での原因としてあげられるのは
・塩分の取りすぎ
・肥満
・ストレス、睡眠不足
・喫煙
など。
たとえば、塩分が多すぎると
血液を薄めようとして、血管に水分が増える
↓
血液量が増える
↓
血圧が上がる
といった具合です。
こうしてみると、減塩することが血圧を下げることに有効のように思えます。
しかし、実際は、高血圧の患者さんの約90%は、
明らかな原因が特定できない「本態性高血圧」と呼ばれるもので、塩分だけが悪者とは言えません。
また、最近はインシュリン抵抗性の高血圧についても研究がされており、糖質が悪さをしている可能性もあるようです。
塩の摂取量とともに気をつけたいのはミネラルバランス
昔の人も自然とやっていた!ミネラルバランス調整
減塩をしても血圧が一向に下がらない方がいるかと思えば、たくさんの塩分を取っていても、血圧が上がらない方もいらっしゃいます。体質?といってしまえばそれまでですが、
塩分摂取量だけではなく、気をつけたいのは、
ミネラルバランス。
塩はナトリウムと塩素がくっついたもので、
ナトリウムとのバランスが大切なのはカリウムです。
健康な成人では、このバランスが取れていれば、
余分な塩分は排出できるとされています。
カリウムは夏野菜や果物に多く、ナトリウムの排泄を助けます。
夏にカリウムの多いものを食べすぎた時、発汗なども伴っていつもよりナトリウムが排泄されすぎる場合も考えられます。
そんなとき、ちょっと塩味もほしい…
「スイカ(カリウムと水分が多い)にちょっと塩をふりかける」と言うような食べ方は、
理にかなった食べ方なんですね。
マクロビオティックでは「塩」は体を温める成分
実は西洋医学の分野では、体を温める食材、冷やす食材、などの区別はありません。しかし、中医学やアーユルヴェーダ、マクロビオティックでは、体を温める食材、冷やす食材というものが存在します。
今のところ科学的な根拠はありませんが、季節やその人に合わせた食べ方を観察して出来上がったデータとも言えます。
マクロビオティックではナトリウムは温める、カリウムは冷やす、という考え方です。
熱い地方や夏にできる、果物や野菜はカリウムを含むものが多く体を冷やすために食べられていると考えられます。
一方ナトリウムは、自然食品の中では、貝類、甲殻類、海藻などの海のものに比較的多く含まれていますが、
穀類や野菜に含まれているナトリウムはわずかなもので、味付けをせずに食材から取るナトリウムが健康の問題になることはありません。
しかし、日本には古来から味噌や醤油、梅干しなどの塩漬けの発酵食文化がありますし、東北地方では塩味を好み、塩分摂取量もかなり高くなります。
結局「塩」は悪者なのか
1950〜60年代の研究で
「高血圧は塩分の取り過ぎが原因」と結論付けられたことで、
塩=高血圧
の常識は瞬く間に広がりました。IN YOUで過去に書かれた「塩と高血圧」の記事はこちら
「塩をとると高血圧になる」のウソ。徹底的な減塩指導でも高血圧は治らなかった!間違った減塩健康法に終止符を。
実際、塩分を控えることで高血圧が改善される方もいるでしょう。
しかし、塩分の取り過ぎだけが高血圧の原因でないことは、原因の特定ができない「本態性高血圧」が約90%であるということをみても明らかです。
反対に、「低血圧」や「起立性低血圧」などの症状が重い方は、塩分摂取量を増やすと症状が改善することも知られています。
マクロビオティックの考え方では塩は体を温めますから、寒い地方では体温を維持するために塩を取っていたと言えますし、生きて行くために、長い間食料を保存するためには塩は欠かせません。
そして何より昔ながらの海水塩は、マグネシウムやカルシウム、カリウムもふくみ、ミネラルバランスを保つのに役立っていました。
現在は、加工食品や外食産業、家庭での「精製塩」の普及により、ナトリウムが過剰な状態にあります。
また、農薬や化学調味料など、血管を傷つける可能性のあるものも多く摂取されています。
加工食品やジャンクフードの摂取を控え、使う塩は精製度の低いミネラル塩を。また、無農薬の野菜や果物を意識的に食べてカリウムを補給する。
このような習慣を身に付けることで、血管の劣化を防ぎ、ミネラルバランスを保ち、塩の良い働きを引き出していくことができます。
IN YOUで過去に書かれた「精製塩とミネラルバランス」についての記事はこちら
一時間半で全ての魚が死亡したミネラルが欠如した「塩」の正体はスーパーに並ぶ塩と同じだった。
1日の塩分摂取量を簡単に計算できる!「塩分10%の塩こうじ」でシンプルおうちご飯
自分が毎日どのくらいの塩分を取っているか知っていますか?
実際、病院で「塩分を控えるように」と言われるまでは、なかなか自分の1日の塩分摂取量を把握できている人は少ないと思います。そこで、この「塩分10%の塩こうじ」は大活躍。
自然食材とこの塩こうじを使ってお家で調理すれば、
1日の塩分摂取量と自分の塩分濃度の好みを簡単に把握することができます。
塩分10%の塩こうじの作り方
【材料】
生こうじ 100g
水 100g
ミネラル塩 22g
【作り方】
①しっかり蓋の閉まる瓶(瓶は煮沸かアルコール消毒を)を用意する。
②綺麗に洗った手で生こうじを一粒一粒パラパラになるまでやさしくこすりあわせ、生こうじと塩を容器に入れ、上下ひっくり返しながら優しく振って、塩とこうじを混ぜ合わせる。
③ 塩が行き渡ったら、容器に水をいれる。
④再び上下ひっくり返しながら容器を振って室温に置く。
⑤毎日一回、瓶の蓋を開けて酸素を補給し、④をくりかえす。
夏場で5〜7日、冬場で7日〜14日程度常温で発酵させます。
様子を見ながら、味に塩角が取れてまろみが出てくれば出来上がり!
夏場は早く発酵が進むので、アルコール臭がしていないかしっかりチェックしましょう。
使うのはこのような瓶。ジャム瓶でオッケーです。
ビニール製品が気にならない方は
ジップ付きの保存袋でつくるのも、直接こうじをさわらず、発酵中も手でモミモミできるのでオススメです。
塩分10%にするために覚えておくこと
乾燥こうじをつかうときは、裏面などに書かれた分量で水で戻しますが、直接「塩こうじの作り方」などが書いてある場合、どう調整したら良いかわからないことも。
でも大丈夫!これさえ覚えておけば、塩分は10%にできます!
(こうじ(g)+水(g) )÷9=塩(g)
お水とこうじの重さを9で割った重さの塩を使ってください!
これで、どんなこうじを使っても、塩分10%の塩こうじが作れます。
塩分10%の塩こうじを使いこなすコツは重さを測ること
それでは、10%の塩こうじをどのようにお料理につかっていけば良いのでしょうか?漬け込む場合
まずは、食材の重さを測ってみましょう。100gのお肉を漬け込むなら、その10%。10gの塩こうじで漬け込んだあと、調理します。
和える場合
これも食材の重さの10%の塩こうじを使います。そして具材と和えるだけ!
煮込みやスープにする場合
使う水の量と具材すべての重さをはかり、その重さの10%の塩こうじを使います。これで、お料理の塩分濃度は0.9%に。
これは、人間の身体のミネラル濃度と近く、食べて美味しいと感じる塩分濃度と言われています。
塩こうじが引き出す食材自身の旨味もプラスされるので満足感のある味に仕上がりますし、
調理の前に重さを図って10%塩こうじを使うだけなので、レシピがなくても簡単に美味しいを手に入れることができます。
また、盛り付けた時にお料理の重さを測ると、塩分は料理の重さ×0.9% 。
調理した100gのお肉を70g食べたら、摂取した塩分は
70gの0.9% 0.63gになります。
※煮込みや加熱する場合は水分の蒸発により塩分濃度が上がりますので、調理の火加減は超弱火がオススメ!
長時間の調理は水分の蒸発量を考慮して、少なめに塩こうじを使うようにしてください。
お家ご飯を一回塩分2gに!調理も簡単塩こうじクッキング
2015年4月1日、厚生労働省は日本人のナトリウム(食塩相当量)の目標量を男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満に引き下げました。
10%の塩こうじを使ってシンプル料理を実践すると、食べる量を測るだけで、一食の塩分摂取量を計算することができるうえ、自分の味の好みも把握でき、今後の食生活の目安にすることができます。
たとえば、主菜100g副菜50g×2のご飯だと、塩分は1.8gとなります。
これなら3食で7g以下。たまに汁物をつけたり、主食をパンにしても大丈夫そう!
ぜひ、漬け込む、和える、汁に溶かす調理で10%塩こうじを使いこなしてください。
目安のために、我が家のある日の「塩こうじおうちごはん」をご紹介します!
①青魚の塩こうじ焼 92g
②ブロッコリーのごま油塩こうじ和え 50g
③トマトときゅうりの塩こうじレモン和え 50g
④木綿豆腐の塩こうじ卵とじスープ 100g(おつゆ50g)
塩分量は
①0.76g
②0.25g
③0.4g
④0.4g
・魚とスープはいつものように具材の10%の塩こうじ,
・副菜はいつもの半分(具材の5%の塩こうじ)に、
一つはレモンで酸味付
一つはごま油で風味付。
(どちらも胡椒を使いました。)
・スープはお汁のみの重さに塩こうじ1/10を使用。
これで一食2g以下!
お家ご飯を一食、塩分2g以下に抑えることで、
外食を楽しんだり、たまには味の濃いものを楽しむことも可能になります。
また、「一汁一菜スタイル」などにすると、もう少し濃い味を楽しむこともできます。
塩分量を把握しておくと、取りすぎた時にカリウムの多い食材を補給できたり、食べる量についても考えることにつながるので、ダイエットにも役立つという嬉しい効果も!
「塩 」が常に悪者ではないことは書きましたが、塩分の取りすぎや、精製塩のせいで健康を損ねている方がいることもまた事実。
ミネラル塩を使った「塩分10%の塩こうじ」でつくる、「簡単おうちごはん」は
・塩分摂取量を把握する
・ミネラルバランスを整える
ことを目的として、制限しすぎずに始めてください。
また、
・最後に直接塩を使う
・最後に少しだけ汁物に塩を入れる
のは、味をはっきりさせるのに有効なので、
塩自体をしっかり測るためには、0.0gの単位で量れる「量り」を用意しておくと良いでしょう。
「塩はダメ!」の苦しい食制限でご飯が美味しくなくなってしまう前に、自分基準をはっきりさせて、ご飯の時間のストレスをなくしましょう。
美味しく幸せに食べる時間は、あなたとあなたの大切な人の健康にとって何者にも変えがたい宝物です。
IN YOUMarketでオススメの天然塩を買ってみよう!
ギリシャのメソロンギ湖で採取された天日塩。太陽と風が作り上げた粒状の塩は、一切加熱処理をせず、自然のままの結晶です。
ギリシャ神話に出てくる河の神アケロオスで知られる、雄大なアケロオス川、その河口に位置するのがメソロンギ湖。
一見すると広大な湖ですが、ほとんどが水深1mにも満たない湖です。
このメソロンギ湖は川上は国定公園で、メソロンギ湖も湿地の保存に関する国際条約であるラムサール条約に登録されています。
また、この地方は寒さもありますが比較的天候が穏やかで燦々と太陽が降り注ぎます。
天日塩の塩田としてはふさわしい干潟です。
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