調味料や日本酒に入ってる「アルコール」って何?知られざる醸造用アルコールの実態とは。
日本には素晴らしい醸造の文化があります。
和食に欠かせないしょうゆや味噌、みりん・・・
現在では大手企業による大量生産が主流ですが、
全国には今なお素晴らしい蔵元もたくさんあり、伝統的な調味料が受け継がれています。
海外にも日本の調味料があるにはあるんですが、
とてもじゃないけど木桶で三年醸造といったものはなく、
簡易的に生産された商品しかありません。
おまけに高い。
なので調味料はできるだけ帰省した時に買いだめするようにしています。
(この間は井上古式しょうゆを買ってしまいました!)
良質な調味料がすぐに手に入る日本のみなさまがうらやましい・・・!
しょうゆや味噌を選ぶポイントは?
さて、みなさんはしょうゆや味噌などの調味料を買う際、何に注目していますか?値段は安いか?
有機かどうか?
遺伝子組み換え原材料を使っていないか?
多くの人はこのあたりをチェックしていることと思います。
原材料表示に書かれている「アルコール」って何?
それでは原材料の中に「アルコール」「酒精」と書いてあるのを見たことはありますか?
これは醸造用アルコール(醸造アルコール)と呼ばれ、甲類焼酎やホワイトリカーと同じもの。
酢、しょうゆ、味噌、料理酒、清酒(日本酒)、みりんなどに使用されます。
アルコールというと原材料の一種だと思われがちですが、実は食品添加物に分類されるものなのです。
醸造用アルコールを添加する目的
・香りを引き出す・味のキレを良くしたり辛みをプラスする
・開封後に空気中のカビが混入した場合の増殖防止
・清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖防止
・製品の品質(色、香り、風味)を一定に保つ
・アルコール度数の調整
・味噌の場合、充填後に酵母が活動して包装が破裂するのを防ぐ
→醸造用アルコール不使用の味噌のパッケージ上部には破裂防止のための穴が開いていることも。
・製品の増量(米などの原材料の使用量を抑え、コストを削減する)
出典:http://hashimotoyasaketen.com/jouzoual.html
http://www.mamma.coop/syouhin/qa044.htm
醸造用アルコールって安全なものなの?
醸造用アルコールはエタノールなので、エタノールならお酒と一緒だから安全と思いがちですが実際はどうなのでしょうか。醸造用アルコールの原料は遺伝子組み換えの可能性あり!
醸造用アルコールの主な原料はさとうきび、てんさい、米、とうもろこし、さつまいも。このうちてんさいととうもろこしは遺伝子組み換え作物が存在しますが、
コスト面からほぼ遺伝子組み換えのものを使用していると考えてよいでしょう。
醸造用アルコールは体に悪い?
醸造用アルコールが入ったお酒、いわゆるアル添酒を飲むと悪酔いするとか頭痛を引き起こすという声もあります。しかし明確な研究結果などはなく、アル添酒はすっきりしていて飲みやすいから飲み過ぎた結果調子が悪くなるという見方もあります。
いずれにせよ、遺伝子組み換え作物から作られている可能性を考えるとできる限り摂取しないことが望ましいです。
醸造用アルコールが入っているかどうか見分けるポイント
醸造用アルコールは製造・流通の利便性を向上させるための食品添加物であり、伝統的な製法では用いられないもの。醸造用アルコールの入っていないものの方がより自然で安心です。
ここでは醸造用アルコールが入っているかどうか原材料表示ラベルを見なくてもわかるポイントをまとめました。
食酢
「純○○酢」(純米酢、純りんご酢など)と表示してあるものには醸造用アルコールは入っていません。出典:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/kijun_43_110831.pdf
http://www.shokusu.org/association2/indication.html
清酒
清酒は使用原料などの条件により8種類に分類されています。
★醸造用アルコールを添加してもよい清酒
→吟醸酒・大吟醸酒・本醸造酒・特別本醸造酒※ただし、醸造用アルコールの添加量は白米の重量の10%以下でなければなりません。
★醸造用アルコールを添加してはいけない清酒
→純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒・特別純米酒「純米」と名の付くものには醸造用アルコールを使用できないので、原材料表示を見なくても名称で判断することができます。
出典:https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm
みりん
みりんに関しては商品名に「純米」と入っていても醸造用アルコールが含まれていることが多いので要注意!
必ず原材料表示を確認しましょう。
有機(オーガニック)認定マークの付いた製品
日本の有機認定の基準では醸造用アルコールの使用が認められていないため、有機(オーガニック)と表示してある製品を選べば醸造用アルコールを避けることができます。まとめ:これらの製品は醸造用アルコール不使用。
・純○○酢
・純米○○酒
・有機(オーガニック)認定マークの付いた製品
・純米○○酒
・有機(オーガニック)認定マークの付いた製品
醸造用アルコールを使用していない本物の調味料を選ぼう。
醸造用アルコールは生産コストを抑えたり、流通時や開封後の品質を安定させるために添加されるもの。あくまで大量生産のためのツールであり、
消費者の健康よりも企業側の都合が優先され安価な遺伝子組み換え作物が原料となっています。
日本では食品添加物は遺伝子組み換え作物から作られていても表示しなくても良いことになっているため、
醸造用アルコールが添加されている商品でも「遺伝子組み換え」という表示はありません。
しかし海外では日本よりも遺伝子組み換え表示のルールが厳しいため、
同じメーカーの同じ商品でも海外向け製品には
「alcohol produced from genetically modified maize(遺伝子組み換えとうもろこしから作られたアルコール)」
と明記してあります。
遺伝子組み換えであると書いていなければ大丈夫・・・と思いがちですが、残念ながらこれが現実です。
添加物でごまかした調味料は本物ではない。
また、原材料である米などの使用量を減らし、その分醸造用アルコールを足した製品は深い味わいも期待できません。
いくら安くても味が落ちてしまっては意味がないですよね。
私が食材を買う時に重視しているのは、家庭で入れない原材料が入っていない本物の食品を選ぶこと。
みなさんがおうちで味噌を仕込む時、醸造用アルコールは入れませんよね?
日本のスーパーフードとも言うべき味噌やしょうゆ。
せっかく生産するのに劣悪な原材料を使うなんてもったいない。
全国には良質な無添加の調味料を作ってくれている生産者さんがたくさんいます。
私たちが本物の調味料を選ぶことで、彼らを応援することができるのです。
安心・安全な伝統の調味料でおいしい和食を。
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