プラシーボ効果は侮れない!思い込みが病気を治すことはすでに証明されている。プラシーボ効果の実例紹介。
プラシーボ効果って実際どうなの?
プラシーボ効果という言葉はかなり一般的にになってきたと思います。
あなたもプラシーボ効果かな?と思ったことはないでしょうか。
薬じゃなくても薬だと思い込んで飲んだら効くって本当?
買っただけで効いたみたいな感覚になるのもプラシーボ効果になる?
こちらでは、心身の関わりとプラシーボ効果の実際について書いています。
思い描くと実現する!?思い込みの効果がプラシーボ
侮れない「思い込み効果」。
プラシーボ効果は実は、特別なことではなく、医学的にも証明されています。
実際には水をかけられても、お湯をかけられたと思い込んだら火傷の反応が出るというのは有名な話です。
風邪薬の多くは、栄養成分であり、中には偽薬に分類されるものもあります。
ですが、多くの人は症状が改善に向かうことが多いです。
さらに、下記の文献からもわかるように偽薬であるにもかかわらず、医師から説明された副作用まで発生します。
プラセボ投与に対する明確な反応が患者の脳で観察されたため、プラセボ効果が治療上有用である可能性があることを示している。
生理的および精神状態の両方がプラセボの影響を受け、脳受容体の役割が示唆された。
脳が決める効果:プラセボ効果の要因解析からわかること
井澤 美苗、信野 明美、他三人
思い込みとはいえ、脳に明確な変化が現れるので身体は実際に体験した時と同じ反応をするのです。
例えば、普段からビールを飲んでいる人は、炭酸を飲んだだけでも少し酔ったような感覚にもなります。
これは脳がビールだと勘違いし、ビールを飲んだ時の状況(記憶を呼び起こす)を脳が作り出し酔っぱらいます。
これは、パブロフの犬の実験とも同じで、人間は体験した時の記憶を一定の条件が整うことで再現します。
スポーツの世界では今や当たり前のプラシーボ効果
アスリートがよく使う方法の一つにイメージトレーニングがあります。
格下の選手が格上の選手に勝った秘訣を聞くと、「勝った時のイメージを何度も繰り返していた」と言います。
逆に実力では勝っている選手が、医師からは問題ないと診断されていても、自分の不調ばかりが気になりだすと実力が出せなくなり、負けてしまうという話もよく聞きます。
自分が上手く身体を動かしていることをイメージすることで、
実際の動きよりもパフォーマンスが上昇するのは運動をしている人であれば、経験したことがあるのではないでしょうか。
病気の思い込みについて
ひどいくしゃみや鼻水で花粉症だと思って病院に行ったのに、医師に風邪ですと診断されたとたんに症状が軽くなったという話もあります。
病気だったとは知らなかった時は意外と元気だったのに、
医者から病名を宣告されたことで、「自分は病気なんだ」と考えるストレスで早死にするというのもこの作用が関係しているケースがあります。
このようにプラシーボ効果はメリットだけでなく、活用の仕方・言われようによっては、
マイナスに作用するデメリットなども確認されているので、自己判断や他人から言われたことを鵜呑みにするなどの、思い込みは怖いのです。
プラシーボ効果には偽薬すらいらない
病は気からは本当だった
プラシーボ効果の面白いところは、偽薬すらなくても人間の身体には変化が現れるところです。
それこそ、気の持ちよう一つで身体の回復力には差が出てくるのです。
実際にこんな面白い実験結果が確認されています。
1960年代、ハーバード大学のエグバート博士のチームは、患部に大手術を受けることになっている97人の患者を選び、二つのグループに分けた。
最初のグループの患者は、通常どおり、手術前に麻酔医によって簡単な病歴のチェックと医学的な診察を受けた。
もう一つのグループの患者は、通常の手続きに加えて、麻酔医から手術後の痛みについてかなり時間をかけて詳しく説明を受けた。
麻酔医はこんな風な説明を行った。「ご存じだと思いますが、手術の後は痛みがあります。
ぜひ言っておきたいのですが、痛みがあるのは正常なことで、あなたが受ける手術なら当然予想されることです。
痛みを軽くするためには、できることがいくつかあります」と言って、可能な対処法のリストを手渡し、「鎮痛剤が必要だと思ったら、遠慮なく言ってください。
ここの看護師たちはいつもあなたに気を配っていますし、痛みがひどいから何とかしてほしいと言えば、すぐに対応します」と付け加えた。
結果は驚くべきもので、懇切丁寧な説明と対処の可能性を示された後者のグループに処方された鎮痛剤はもう一方のグループの半分であり、彼らが退院したのは平均で二日も早かった。
チームの医師たちは「プラセボなしのプラセボ効果」を起こしたと主張した。
~プラセボ効果は心身因果関係の理解を変えるか~より
石田 安実
これは精神状態が身体に大きな影響を与えることを示した実験です。
まったく同じ処置を受けたとしても、身体の回復力には差が出たのです。
ポイントは何かあっても大丈夫だと安心していることで、患者の身体は回復に専念できたと考えられます。この点を考えれば、先生や専門家を選ぶ際にはむやみやたらに病気のリスクや恐ればかりではなく、きちんと、前向きな観点も踏まえてしっかり説明してくれる人を選ぶことが大切だということです。
脳をだますことが最高の治療になることも
だれでにも今すぐできるトレーニングとは。
脳をだますことで健康になる最たる例は笑うことです。
笑うことが身体に良いのは聞いたことがあると思いますが、悲しいときでも笑うことで元気になることが出来ます。
これもプラシーボ効果の一例です。
実際に笑うことで脳を刺激して脳からの快楽物質であるエンドルフィンの放出が増えて、気分の高揚・幸福感が得られるのは有名な実験です。
実際に笑うことで心拍数・血圧が上昇し、それが下がった時にストレス反応を緩和させ、リラックス状態になるときの副交感神経が活発になります。
このプラシーボ効果に着目したノーマン・カズンズという人がいました。
彼は、自身が50歳の時にかかった強直性脊椎炎という難病に笑いのプラシーボ効果を使って立ち向かいました。
彼の著書の中で、
「きちんとした治療法が確立されていない、この難病に対して、
10分間、腹の底から笑うということを実践した。この笑い療法によって、病気による痛みがおさまり、眠りにつくことができるようになった。」
と述べています。
この難病の治療で使ったのは主に
- 笑い療法
- ビタミンC
の二つだけだったそうです。
もちろん、全ての病気が治るというものではありませんが、笑って脳をだますだけでも鎮痛効果があり、難病治療の一助になったのは間違いありません。
笑うという行動は、
- 鎮痛効果
- 免疫力の向上
- 副交感神経の活性化
- 脳内快楽物質の放出
子供の笑顔を見るだけでも幸せな気持ちになるのは、笑うことの効能のおすそ分けです。
思うように身体の不調が改善されないときは、まずは笑ってみることがおすすめです。
東洋医学でも精神と体については密接に関連していると考える。感情を動かして身体を休める
実は、東洋医学では精神と身体の関係に昔から気がついていました。特に、
- 叫ぶ
- 笑う
- 歌う
- 泣く
- 刺激を入れる
例えば、普段からストレスを溜めてイライラすることが多い人は、代謝系の弱りで、大声を出して叫ぶことでストレスが発散されます。
また、クヨクヨと悩みやすい人は消化器系が疲れていて歌う事で心が軽くなります。
後ろ向きで後悔しやすい人は泣いてみましょう。
後ろ向きな人は呼吸器系が疲れています。泣くと小さな事は気にならなくなり、前向きになります。
毎日がつまらなく退屈に感じる人には、恐怖刺激が効果的です。
生殖器系の弱りです。
ホラー映画や絶叫マシーンなどがおすすめです。
ちなみに笑うことは気分の浮き沈みを整えて安定させると考えていました。
これは循環器系の弱りです。
東洋医学では心身一如という言葉どおりに、心と身体には密接な関係があり、
体調不良の多くは心のありようでもあると考えていました。
まとめ
治療の効果を左右するのは気の持ちようです。気持ちだけが全てではありませんが、同じ処置を受けたとしても回復には差が出ます。
人間の想像力は極めて強く、脳がイメージしたことは実現するようにできています。
病気の症状を重くするのも自分の思い込みから来ることもあるので、心配な時は一人で悪い事ばかり考えずにきちんとした診断をもらうのも重要です。
そして、普段から自分の身体が良い状態を維持できるようにイメージしておくことがおすすめです。
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