意外と使い方が分からなかった「おから」の使い回しリメイク方法。実は様々な「困った」を解決する救世主だった!おからの効能や多様な使い方を知ればもう手放せない。
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意外と使い方が分からなかった「おから」の使い回しリメイク方法。実は様々な「困った」を解決する救世主だった!おからの効能や多様な使い方を知ればもう手放せない。
皆さんは、おからをよく食べますか?
おからの使い方がよく分からなかった私
豆腐や豆乳あたりはよく使うけど、おからはそこまで…
という方も多いのではないでしょうか。
戦後日本が物理的に豊かになってくるとおからを煮る人も減ってきたようですが、
近年は糖質制限やカロリー制限などでおからを使う例は増えてきたようです。
スイーツに混ぜる、肉などのおかずに混ぜる、そういったあたりが最も多いと、思われます。
私もそういう使い方がおからを食べる習慣になる入口になったのですが、
多くのレシピを試すうちに「いくらスイーツにおから使っても、砂糖やバター使っててはだめだなぁ」と感じるようになりました。
また、肉に混ぜるレシピも肉の比率の方が高い場合がとても多いのです。
このことも含め、結局今の日本ではおからを使い切れていないと感じるのです。
おからって何?
「おから」は、お茶殻の「がら」、丁寧に「御」をつけた、大豆から豆乳を作る際に使われた絞りかすです。中国や韓国でも料理に使われます。
おからは江戸時代から使用されており、安価であり、スーパーやお豆腐屋さんで買えたり、
場合によっては無料で分けてくれたりもします。
しかし今となっては食品としての消費は減る一方。食卓に並ぶことも少なくなり、おから自体が日持ちがしないため、
残ってしまうおからは、脱水して保存性を高めて販売される以外、家畜の飼料として一部を活用するか、
ほとんどが廃棄されているのです。
今のおからはほとんど食用になっていない事実。でも栄養・効能は優れているんです!
1999年の「おから裁判」をご存知の方も多いと思いますが、
これはある業者が無許可でおからの処理を引受けて飼料と肥料を製造したということで、
これが「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に反すると起訴され、業者は罰金刑に処されたというものです。
産業廃棄物を処理するときは役所の許可が必要なのですが、おからが産廃かどうかが焦点でした。
(当然業者は「おからは食品であって、産廃ではない」という主張でした。)当時の裁判所の見解はこのようなものでした。
「おからは確かに食用にもなるが、実際に食用になっている比率があまりに低く社会的な利用価値が低い。
今後食用として社会的価値が激増することがあれば産廃ではなくなるだろう。」
その後、おからが産廃として処理されるケースは少なくなったのですが、
日本豆腐協会によれば2011年時点で年間約66万トンのおからが発生しており、
65%は飼料に、25%は肥料に、その他10%の内訳は5~9割が産廃となっていて、実は食用は1%以下だというのです。
豆腐や豆乳の形では消費しても、おからはあまり使われない実態がおわかりいただけると思います。
おからの栄養を、他の大豆製品と比較してみましょう。
(GU企画出版部 「おから百珍 こんなに豊か!おからを使った郷土食」より)「絞った後のカス」どころか、多くの栄養価が他の大豆製品と比べても同等かそれ以上です。
【おからに豊富に含まれる栄養と効能】
■タンパク質…大豆自体がアミノ酸バランスのすぐれた良質なタンパク質を多く含みます。動脈硬化予防や体脂肪の燃焼を抑える効果があります。
■不飽和脂肪酸…善玉コレステロールを増やすリノール酸やリノレン酸が多く、動脈硬化を予防します。
■ビタミンB1…炭水化物(糖質)がエネルギーに変わる時のサポートをします。疲労がたまるのを防ぎます。
■ビタミンE…血行促進や、抗酸化作用による細胞の老化抑制などの効果があります。
■食物繊維…腸内環境改善につながります。
また、コレステロール値や中性脂肪を下げ、生活習慣病予防効果のあるサポニン、
骨粗鬆症予防や更年期症状の緩和、ガンや生活習慣病の予防や改善に効果のあるイソフラボンも含まれ、
豆乳を絞った残りであるとはいえ、まだまだ私たちに必要な栄養は豊富に含まれるんです。
昔は必ず食卓にのぼったおから。日本人の心とも言える食材でした。
おからの代表的な料理と言えば、卯の花の煮物ですね。
それ以外にも、おからを使った日本の郷土料理を調べていくと、
当時は身近で安価だったアジやイワシ、アサリなどの魚介類とおからを一緒に炊いたもの、
米の代わりにおからを酢などで味付けして魚を乗せて握り寿司風にしたもの、
米とおからと山の幸の煮物を混ぜて酢で味付けして混ぜ寿司風にしたものなど、全国各地に数多く存在することがわかりました。
おからと塩を混ぜた漬け床に、タケノコやきゅうりなど大量に採れた季節の野菜を漬けて冬まで保存する方法もあります。
豆腐の副産物とはいえ、日本人にとっておからは産業廃棄物どころか非常に大切な食料であり、
様々に調理して大事に食べられてきたという事、その食文化が連綿と受け継がれて人々の暮らしに根付き、
多くの人の健康を支えてきた事を思うと、いとも簡単に飼料や肥料となってしまうのは悲しいことです。
おからを食べる文化は、風前の灯火とも言えます。
あまりに低い大豆の自給率。オーガニックとなればさらに低下!遺伝子組換え大豆の脅威も。
「おから文化」だけでなく、大豆そのものが危機的状況になっています。
平成25年の日本の大豆の自給率は全体として6%ほど、日本では大豆のほとんどが油に使われているため、食用に関しては22%程度となっています。
また、国産大豆の総生産量23万6000トンのうち有機JAS認定を受けたものは1300トンにすぎません。
遺伝子組換えの問題が叫ばれるようになって久しいですが大豆はその最たるものであり、安全性が完全に確認されたわけではありません。
意外と知られていない問題かもしれませんが、特定の害虫に強い、除草剤に対する耐性がある、収量が増えるなどといった遺伝子組換え作物のメリットは、根本的に人間が作物を育てる力をなくし、気候などの危機的な状況に対処できなくなって、特定・少数の作物に依存してしまうことにつながります。
それはどのくらい危険なことか、想像がつきますでしょうか。
現在、除草剤や毒素に対する耐性を持つ虫の存在が明らかになっています。
人間が害だと思っているものは、どんなに技術が進歩しようとも、必ず追いついてくるのです。
遺伝子組換え作物は何の対策もなければ他の種と交雑をして勢力を広げ、
そのまま拡大し続けると、野生の土地と植物がどんどん減少し、種の多様性が失われていきます。
これまで、気候変動や害虫、病気があっても、近縁種同士が交雑することで植物は進化していました。
しかし、さらなる地球温暖化が確実となっている状況で種の多様性が失われれば、人類は破滅します。
大豆を始め、固定種の作物は最もその土地に適した性質を持っていますので、
いかに自分たちの住む土地で、自分たちの風土に適したものを栽培することが重要であるかを今一度強く認識する必要があります。
その作物が、農薬や化学肥料を使わずに栽培されることの重要性についても、言うまでもありません。
私たちが何を選択するかは、現在に限らず、未来に関わることでもあります。
おからの最も有効な使い道は、やっぱり私たちが食べること。
多様な使い方を知って、食卓におからをどんどん登場させよう!
発生したおからのうち約4割が乾燥処理され、大部分が飼料となり、一部はきのこの培地として使われます。20%が飼料用に発酵処理されるそうです。
乾燥処理にはエネルギー消費が伴いますので、やはり一番いいのは私たちが食べるということに尽きるのではないでしょうか。
近年では糖質制限やダイエットの目的で食べられることが多いおからですが、実はさまざまな困ったシーンで役に立ちます。
以下、私がこれまでのおからとの付き合いの中で「これはおすすめ!」と思った使い方の一部をご紹介します。
※生おからは、使う前にフライパンで炒ってフワフワ・さらさらの状態にしておくと、食感がよくなります。
食べ過ぎ防止の例。シュガーフリー・おからのチョコ風。
どうしても甘いものが食べたくなる時、チョコレートがドカ食いしたくなる時にとても重宝しているおやつです。
もともとメープルシロップやてんさい糖を入れていたのですが、ドライフルーツと甘酒だけで十分甘く、しつこくない甘さで男性ウケもよいです。
【材料】
・有機生おから…60g~(好みで調整。ふわふわに炒る)
・ココアパウダー…大さじ2
・農薬不使用の甘酒…100g
・デーツやレーズンなどのドライフルーツ…60g
・粉寒天…小さじ1
・ココナッツやくるみなどのナッツ類…ひとつかみ程度
・お好みの油(ココナッツオイルなど)…大さじ1
・自然塩…ひとつまみ
・無調整有機豆乳(必要に応じて)…適量
【作り方】
1、鍋の中におからとココア、細かく刻んだドライフルーツ、粉寒天、塩、刻んだココナツ等を混ぜます。
2、1に甘酒と油を入れて、火にかけてよく混ぜていきます。水分が少なくて混ぜにくいようなら豆乳を適宜足してください。寒天が溶け、水分が飛んでもったりしてきたら火からおろし、粗熱をとります。
3、金属バットに3を入れて平らにし、濡れ布巾などをかぶせて冷蔵庫で冷やします。
おやつに、小腹がすいた時に、切り分けて食べます。
おから入りなので小さなかけらを1つ2つ食べればすぐに満足できますよ!
ズボラが生んだ、汚れ物を洗う手間を省く例。残りカレーでおからコロッケ。
カレーを作って食べた後に、中途半端に残って悩んだり、鍋が汚れていて洗うのが嫌になったことはありませんか?
そういう時は、おから適量を入れてコロッケにしましょう!
カレーがこびりついた鍋肌も、おからをこすりつけるようにして混ぜていけば、コロッケ作りと同時に鍋のお掃除もできてしまいます。カレーで味のついたおからを取り出せば、鍋を洗うのがとても楽になります。
おからを入れすぎた時は適宜水(あるいはダシ)を足し、カレー粉や塩、しょうゆなどで味を整えればよし。
カレーが多すぎた時は水分を飛ばせばよし。
我が家では、カレーの次の日はいつもおからコロッケです(笑)
財布がピンチの時に使える例。おからの小判焼き
これは、以前我が家が究極的な節約に迫られた時、いつもハンバーグにおからを混ぜていたのを「どうせなら肉ゼロにしてしまえ!」と実験的に作ったのが始まりのレシピです。
当時は品質はなんでもござれという切羽詰まった状況だったので直接節約につながりましたが、有機国産大豆のおからは少々値がはります。しかし、余裕のある時に乾燥のものをまとめ買いしておけば(あるいは生を冷凍する)いざという時にとても役立ちますので、結果的にやりくりは楽になります。
【材料】 4人で2食分
・有機生おから…300g(ふわふわに炒る)
・にんじん…1本
・長ネギ…1/2本
・葛粉あるいは有機片栗粉…大さじ3~4
・梅酢の紅しょうがみじんぎり…大さじ2(おろしにんにくなどでもOK!)
・塩、有機しょうゆ…ともに小さじ1~
・水…適量
【作り方】
1、にんじんとネギのみじん切りをよく炒めたものと、おから、葛粉、みじん切り紅しょうがをボウルに入れて混ぜます。
2、混ぜにくければ水を適量入れて調整し、塩としょうゆで味を整えます。最初に小さじ1ずつ入れてみて味見をし、最終的な味を整えてください。
写真のように、手で軽く握ってみてまとまるくらいの固さになるとよいです。
3、丸めてフライパンで両面焼きます。
【これにひと手間かけるとちょっと特別なおかずに!】
これは5ミリ厚さに切ったレンコンに片栗粉をつけて、上記のおからを挟んで焼いたものです。
家族の人気メニューの1つであり、私は塩をふってシンプルに食べるのが好きですが、自家製ゆずポン酢や有機ソースで食べるのも人気があります。
ベジタリアンとは縁遠い私の父に黙って出したことがあったのですが、何も気づかず普通においしいと食べていました。
ノンベジの持ち寄りパーティなどにもおすすめです。
レンコンに限らず、ピーマン詰めやしいたけ詰めにしてもおいしいです!
時間がない時に。忙しいママにおすすめ『おからで味噌を作る』
これは、味噌を手作りしたいけど時間がないという忙しいママに超おすすめします!
あちこちのサイトで作り方が紹介されていますが、拡散のためにここでもご紹介します。
あまりに簡単なので、今年はすべて子どもにやってもらいました。
小学生にもなれば、1から自分たちでできますよ!
【材料】
・有機生おから…500g(炒らず、そのまま使用)
・農薬不使用の米麹…1kg
・無調整有機豆乳…300g(水分と、おからの旨みを補うため)
・塩…180g
【作り方】
1、おからと豆乳をよく混ぜ、お団子ができるくらいの固さにします。
2、米麹と塩をよく混ぜます。
3、1と2を合わせてよく混ぜます。
4、空気が入らないようにギュギュッと押しながら容器に詰めていきます。
詰め終わった表面は、清潔な和紙や布でぴったりと空気に触れないように覆い、焼酎でしめらせておきます。
3ヶ月くらいしたら食べられるそうですが、うちでは大豆味噌と同じくらい寝かせます。
はじめは白かったのに、茶色になってきます。
味も普通に味噌です。
小さな赤ちゃんや、バタバタしていたずらもひどい1~3歳あたりの子どもがいると、なかなか落ち着いて味噌作りなんてできません!
何と言っても大豆を浸水させて煮るプロセスをすっ飛ばせるのですから、おそろしいほどの時短です!
昔の自分に会えるなら、大豆ゆでなくてもおからで簡単にできるんだよ!と教えてあげたいくらい。おすすめです☆
番外編:ちょこっと余ったおからは、味噌汁に入れておから汁に。
入れる量はお好みです。我が家ではダシの量800mlに対して、生おから50gくらいでしょうか。
冬に作ると暖まります!
栄養も豊富でこんなに使える食材、使わない手はありません。
おからには、伝統的な食べ方以外にも、あるいは肉やスイーツの材料の一部に使うという以外にも、まだまだたくさんの使いみちがあり、こんなに役に立つ食材はないというくらい重宝します。
おからを大切に思い、良質なものを選んでさまざまに料理し、たくさん食べる消費者がどんどん増えていけば、
その分良質な大豆を栽培してくれる農家さんや加工業者さんも増えてくるのではないでしょうか。
ぜひ皆さんの食卓にもどんどんおからを登場させてくださいね!
おからと一緒に食べてみよう!
記事中で紹介されたアイテム一覧
・農薬不使用の甘酒
・塩
・有機しょうゆ
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