たんぱく質不足が鬱や不妊の原因に。|食のプロが教える「不足しがちなタンパク質を体に吸収させる8つの方法」
タンパク質不足が鬱や不妊の原因?
タンパク質不足が鬱や不妊の原因だという話。最近よく耳にしませんか?そして鬱や不妊に悩む人に、タンパク質をしっかりとることを勧める本も
見かけるようになりましたよね。
ではなぜタンパク質が不足すると精神的に不安定になったり、
子供ができにくくなったりするのでしょうか?
実は心を落ち着かせるセロトニンや喜びを感じさせるドーパミンやなどの
神経伝達物質の原料はタンパク質なのです。
だからタンパク質が不足すると心の健康に大きな影響を与えてしまうんですね。
また、タンパク質は体の構成成分の他、血液や代謝酵素、消化酵素、ホルモンの原料にもなっています。
母体に、もしこのタンパク質が不足していたら、自分の生命を維持するのに手一杯。
子孫を残す余力がありません。
これが妊活中の女性に高タンパク質が勧められている訳なのです。
タンパク質をいったい毎日どのくらいの食べたらよいのでしょう?
では、その大事なタンパク質。
いったい毎日どのくらいの食べたらよいのでしょう?
成人女性のタンパク質推奨量は1日に体重1kgあたり1g。
つまり50kgなら50g摂取することが望ましいとされています。
出展:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)より
1日50gのお肉なら簡単に食べられると思いますよね。
しかし残念ながら動物性タンパク質でも含まれているタンパク質は、
重量のおおよそ20%。
50gのタンパク質を摂るためには
お肉なら約250gを食べる必要があるのです!
もちろん大豆や穀物などの植物性タンパク質もありますが、
タンパク質含有量がさらに少なく、また吸収率も劣るため
より大量に摂取しなければなりません。
タンパク質10gを摂取するための必要量
ご参考までにタンパク質10gを摂取するための
必要量は以下の通り
牛肉 65g
豚肉 85g
鶏肉 55g
チーズ 50g
いわし 63g
サケ 58g
卵 79g
味噌 160g
豆腐 330g
米飯 650g
食パン 280g
出展:『うつけしご飯』藤川徳美精神科医
タンパク質、とにかく頑張ってたくさん食べてみたら
実は私も不妊に悩み、5〜6年マクロビオティック中心の食生活を送っていましたが、
やはり動物性タンパク質も摂るようにしたところ妊娠できたという過去があります。
未だにその影響か血液検査の数値を見ると明らかにタンパク質が不足しています。
そこで「タンパク質を不足させない」ために、
日々「タンパク質をとにかく頑張ってたくさん食べる。足りない日はプロテインで補う。」という食生活を試してみました。
すると、、、
お腹が張る。
ポコポコする。
うんちが臭う。
便秘になる。
肩がこる。
タンパク質が充足して気力体力が整うはずが、
逆に腸内環境が悪化して調子が悪くなってしまいました。
鍵を握っているのは胃酸
タンパク質は大きな分子なので、消化にとても時間がかかるんです。
お肉がもたれやすいのはこんな理由があったんですね。
(ちなみに消化が楽なのは「糖質」。だから消化が苦手な人は糖質好きだったりするんですよ♪)
さて、つまり。
高タンパク質の食事は胃腸に大きな負担をかけるので、
ただ肉を食べればいいという単純な話ではないのです。
実際日本人は、欧米人と比べ胃酸が少ない民族です。
歴史的に動物性タンパク質を多く取ってきませんでしたもんね。
この胃酸がタンパク質をしっかり消化吸収できる鍵を握っているのです。
タンパク質はまず胃酸の塩酸でドロドロに溶かされて、
ペプシンという消化酵素でさらに小さい分子に分解されるのが理想です。
しかし、悲しいかな胃酸の少ない日本人。。。
せっかく食べたタンパク質はしっかりとは分解されず、
未消化の状態で腸にたどり着いてしまいます。
これが格好の悪玉菌のエサになるのです。
なんと、頑張って胃もたれしながら、タンパク質を食べたのに、
全然吸収できないその上に、
腸内環境が悪化するという悪循環!!
ちなみに、タンパク質を消化する消化酵素もタンパク質でできています。
つまり、
タンパク質不足がさらにタンパク質不足を招くというW悪循環!
タンパク質吸収するための8つのアプローチ
さあ、これをどう断ち切りましょう!
まずは食べ方に工夫をしていきますよ。
1 よく噛む
胃酸がちゃんと出ない=胃の中で食べ物をドロドロにできない。ならば、その前段階でしっかりと咀嚼すること。胃酸の働きをカバーできます。
最低30回は噛みましょう。
2 食べる前、食事中に酸っぱいものを摂る
酢・梅干し・レモンなどのクエン酸は胃酸の分泌を助けます。
食べる前に摂ることで胃酸が出ているところに食べ物が入ってくる状態になりますよ。
もちろん食事しながらレモン水を飲んだり、酢の物などをとりいれることも有効です。
食前に胃の消化酵素のサプリメントを摂ることもおすすめです。
3 消化にいいお肉を食べる
塊のお肉をよく噛むよりも、ミンチをよく噛んだ方がより消化しやすくなりますよね。また脂が多いと消化に時間がかかるので、最初は鶏ササミ肉、ヒレ肉、白身の魚、鮭などがオススメです。
4 ボーンブロススープを活用する
ボーンブロススープとは鶏や豚、牛の骨つき肉をよく煮込んだスープです。スープなので胃腸に負担をかけずに、速やかにしっかりと消化吸収できます。
グルタミン酸も多く腸の改善につながったり、免疫力を高める効果も抜群。
私も日々取り入れるようになり、肌がしっとりふわふわ。何より胃痛が激減しました。
腸の粘膜のみならず胃の粘膜が再生されてきたのではないかと思います。
作り方はこちらを参考に
https://macrobiotic-daisuki.jp/rikigato-66650.html
材料をもっと増やしても減らしても大丈夫ですよ。
神経質にならずにトライしてみてください。
5 毎食こまめにタンパク質を摂る
タンパク質は大切ですが一度にたくさん食べても、消化に負担になるばかりか、アンモニアなどの毒素を発生して腎臓や肝臓に負担をかけてしまいます。
1度の食事で効率よく吸収できるタンパク質の量は20〜30gと言われています。
毎食こまめに食べることが大切です。
6 色々なタンパク質を摂る
動物性と植物性の両方のタンパク質を一緒に摂ることで、トータルアミノ酸スコア(体に必要な必須アミノ酸の含有量)が上がります。
またタンパク質を偏りなく摂ることで様々な栄養素も豊富に摂取できますよ。
例えば1日50gのタンパク質を色々な食品からとると、
納豆1P(7.4g)
卵1個(6.2g)
鶏ささみ100g(23g)
サケ 1切れ(18g)
これで合計54.6g摂ることができます。
この他に、穀物や野菜、調味料のタンパク質もあるので、
あれ?お肉だけで考えると難しかったものが、
組み合わせることで意外と食事からとれそうですよね!
7 早寝早起きで自律神経を整える
交感神経優位だと胃の働きが悪くなります。胃はリラックスした副交感神経優位の時にしっかり働き、胃酸の分泌上がります。
自律神経を整えるのに一番有効なのは、早寝早起き。
しっかり寝るだけでタンパク質が体にしみこみやすくなります。
8 腸内環境を整える
善玉菌優位の腸内環境であれば、栄養がちゃんと吸収できて酵素も増やせる。さらに消化力が上がる。
という好循環に入れます。
まずは1〜7を意識しながら、
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な「まごわやさしい」の食材や
発酵食品もしっかり摂るようにしてみましょう。
食事だけでなくしっかり動いて血流をよくすることもとても大切です。
ま・・豆類(納豆、豆腐、みそ、大豆など)
ご・・種子類(ごま、ナッツなど)
わ・・海藻類(わかめ、昆布、のりなど)
や・・野菜類
さ・・魚(大型魚は避ける)
し・・きのこ類
い・・イモ類
8つのアプローチを試してみての私の嬉しい変化
この8つの方法を試してからの私の一番の嬉しい変化は、胃痛が激減したこと。
そしてちゃんとお腹が空くようになったことです。
まずはクエン酸で胃酸の分泌を助けつつ、しっかり噛んで胃に食べ物を送理ました。
朝、昼、晩と動物性・植物性タンパク質を一緒に摂るように意識し、
1日1回はボーンブロススープをとっています(継続中)。
以前に比べて、だいぶタンパク質の摂取量が増えていますが、
お腹にガスが溜まることもほとんどありません。乾燥しがちだった肌も
しっとり潤うようになりました。
タンパク質不足を解消するために、一番大切なのはプロテインを摂ることよりも、
まずは消化できる胃腸になることだと実感しています。
特に以前は食べる量が少なかった動物性タンパク質ですが、
鉄分、亜鉛、などの必須ミネラルやビタミンも豊富に含まれていますよね。
お肉にがっちり付いていたミネラルやビタミンは、
胃酸がしっかり出てバラバラにできると、同時にとりこめるようになります。
消化酵素(=タンパク質)も徐々に増えたら
さらに様々なよい変化が起こってくるようなので
これからもの変化も楽しみです。
まずは胃酸の分泌を意識することが一番大切な対策なんですね。
さあ、早速レモンを買いに行きましょう。
そしてしっかりよく噛んで!
ボーンブロススープもお試しください。3週間で効果が出ると言われています。
どんな良い変化が起こるのか、ぜひ体験してみてくださいね。
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