肉食から菜食、菜食から昆虫食へ?!「完全菜食国家となること」を国策に掲げたスウェーデン政府の新しい試みとは。
スウェーデン政府は食肉消費が環境に大きな負荷を与えているとして、
特定の曜日のみ菜食をする「菜食曜日」を設け、月曜日のみ菜食を心がける活動を推進しました。
これにより2011年頃よりスウェーデン各地の学校や自治体、大学が「菜食曜日」を導入し始めました。
このような小さな取り組みから、国民を完全な菜食主義へ導くとともにスウェーデンは新たな、そして奇妙な取り組みを計画しています。
食肉に変わる動物性タンパク質を含んだ食材とは?
環境へのさらなる負荷を与えずに十分に持続可能な食料生産を目指すにあたって政府は昆虫に目をつけました。菜食からいきなり昆虫食ってハードル高すぎじゃないの?なんて思ってしまいましたが、スウェーデン政府が昆虫に目をつけるのは昆虫には食肉生産にはないある利点があるからでした。
生産効率の低い肉食から生産効率性の高い昆虫食へ
昆虫からのタンパク質生産は肉の生産よりはるかに効率的。例えば、1kgの牛肉を生産するには約10kgの飼料が必要ですが、昆虫の場合は同量の飼料で9kgの昆虫を生産することができます。
飼料の問題だけでなく家畜を育てるにあたって牛や羊などの反芻動物から排出されるメタンガス、
排泄物、食肉解体場の廃棄物から発生する有害物質が川や土壌を汚染しています。
また、2050年には地球上の人口は90億人にまで増加すると予測されており、
アジアやアフリカなどの発展途上国の今後の経済発展・収入の増加を見込んで考えると、
このまま生産効率の悪い食肉産業を続ければ食肉の生産が追いつかなくなる事は容易に想像できます。
そこで生産効率の高い昆虫に目をつけたという訳です。
2018年にストックホルム市の人口は約94万人になると推定されており、
市民の健康を保持する為の食用昆虫を生産するとなれば50万平方メートルの広大な土地が必要になります。
ストックホルムでの昆虫食を計画するINSECTCITYとBUZZBUILDINGは、
ストックホルム全体で9つの昆虫養殖場を作る事により、市民に必要なタンパク質の自給自足を目指しています。
(参考:belatchew.com)
スウェーデンの食品産業に対する挑戦
スウェーデンでは、上記で述べたタンパク質自給自足計画の他、ダイズとクリケット(コオロギ)から作られた肉の開発など肉の代用品となる食品の開発に莫大な資産を投じて研究を進めています。
その目的は「生産効率の高い原料を使った食品」でスウェーデンの食品産業の競争力を高めること。
この計画が順調に進めば、私達の身の回りの食料品店に高タンパクな昆虫入りの商品が並ぶ日も近いかもしれません。
海外では昆虫を利用した商品は既に販売されている
現在、世界の人口の約20億人は既に昆虫を食べています。アメリカでは実際にコオロギなどの昆虫を利用したプロテインバーが生産・販売されています。
2015年より日本に販売サイトがオープンし、本国でも購入できるようになりました。
(出典:exo)
乳製品・グルテンフリー。
ブルーベリーバニラ味やバナナブレッド味などバラエティ豊かです。
これはちょっと食べてみたいかも。
他にも、アリを使ったエナジーバーや
(出典:foodingredientsfirst)
コオロギを使ったクッキーなど。
(出典:BUG VIVANT)
日本ではイナゴの佃煮や甘露煮がポピュラーですよね。
(出典:株式会社原田商店)
虫食を目指す国家から学ぶ食に対する考え方
じゃあ今日から食卓に昆虫を取り入れよう!という話ではありませんのでご安心下さい。日本はその昔、ベジタリアンに近い生活を送っていました。
海に囲まれた島なので魚は食べていたと思われます。
今でいうペスコベジタリアンですね。
18世紀に入り、オランダ人が「健康の為に肉を食べよう」という概念を日本へ持ち込んだのが食肉大国になったきっかけだと考えられています。
18世紀以降、次第に人々は菜食よりも肉食がスタンダードなものとなり現在ではファーストフード店でジャンクフードが簡単に手に入り、スーパーやインターネットでも簡単にお肉を購入できる時代になりました。
そして将来的に世界全体で食肉の生産が追いつかなくなるという問題を抱えるまでに発展してしまいました。
まずできる事から始めよう。
とはいえ、いきなりベジタリアンやビーガン(完全菜食主義)になるのは大変です。そこでスウェーデンが提案した「菜食曜日」に注目してみて下さい。
ある曜日だけまずは野菜中心の生活をしてみましょう。
そして、慣れてきたら完全菜食日を設けてみましょう。
普段、肉の多い食事をとっていた人やコンビニ食に頼ってしまっていた人はこれだけでも身体の調子が変わるはずです。
調味料を良いものに変えてみて
ベジタリアンと言うと「肉のない料理なんて味気ないんじゃないの?」と言われる事がありますが、舌が慣れてくると薄味でも野菜の甘みや素朴な味が好きになり、外食時に食べる肉料理が塩辛く感じることがあります。調味料にこだわる事は野菜を美味しく味わう事への第一歩。
まずはできるだけ素材に拘ったオーガニックな調味料を選んでみて下さい。
最初から食べるもの全てオーガニックで揃えようとすると手間がかかり大変かもしれません。
「さしすせそ」の基本調味料から良いものに変えていく事をおすすめします。
これらの調味料は一度買ってしまえばすぐ無くなるものではないので、最初の段階として取り入れやすいのではないでしょうか。
どんなものを選んだらいいの?
「さしすせそ」砂糖、塩、酢、醤油、味噌。これらの調味料は私達が食事をとるにあたって毎回必ず摂取しているものです。
これから新しいものに買い換える際は自然で品質の良いものを選んでみましょう。
原材料をじっくり見て
・うま味調味料(アミノ酸、酸味料等、たんぱく加水分解物等)が含まれていないか
・有機JASマークがついているか
・醸造アルコールが含まれていないか(酢)
・原材料は国産か
・遺伝子組み換え原料が使われていないか
・長期熟成であるか(味噌、醤油)
・パラオキシ安息香酸が含まれていないか(醤油)
・漂白、精製されていないか(砂糖、塩)
・カラメル色素は含まれていないか(砂糖)
いつもの調味料を良いものに変えるだけでも、味の変化を感じられるはずです。
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