捨てるところのない柚子が植物性ゼラチンになることを知っていますか?ゆずの丸ごと活用法。
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柚子は昔から捨てるところのない果実として私たち日本人の暮らしに役立ってきました。
古くは平安時代の書物「続日本記」、江戸時代には「本朝食艦」や「和漢三才図会」に薬効作用や調理法などの記述があり、「柚珍秘密箱」などの柚子料理専門の本もあり、庶民の暮らしに役立ってきました。
冬至に柚子風呂に入る、というのは現代でも良く知られた行事であり、今でも行っているご家庭は多いのではないでしょうか?
しかし言い伝えや行事というだけで、柚子のもつ具体的な効能を知る方は意外に少ないのかもしれません。
今回は、実はもちろん、皮、種まで活用できる捨てるところのない柚子の食用から薬効、そのほかの暮らしに役立つアイデアをお伝えします。
柚子の旬
ゆずは冬の食べ物
柚子というと冬をイメージされる方が圧倒的だと思いますが、実は柚子は9月から市場に出回ります。
最盛期は12月で、年があけて1月の終わり位まで出回ります。
青柚子と呼ばれる、おなじみの黄色い柚子が熟す前の柚子も少数ながら10月の初旬位まで出回ります。
青柚子は香りと酸味が黄柚子よりも強く、搾り汁を焼き魚などにかけたり、柚子胡椒作りに使用されます。
青柚子に良く似た【かぼす】や【すだち】、【シークヮーサー】は柚子の仲間で「香酸柑橘類」と呼ばれ、酢のように香りと酸味を楽しむことで利用されます。
柚子の産地
柚子の産地は主に四国、九州が多く、中でも高知県が全国的にダントツとなっています。
高知県の馬道村など、村まるごと柚子によるまちおこしに力をそそいでいる柚子の生産地もあります。
最近では、家庭菜園のひとつとして庭先であまり手をかけずに栽培できることから人気が高まっています。
柚子は枝にトゲがありますが、家庭用にトゲのないタイプの苗も園芸店などで販売されているのを見かけます。
柚子の薬効
栄養成分
柚子は果物として果肉を楽しむことはあまりありません。そのまま食べるには酸味が強く不向きですので、調味料や加工品として使用される事がほとんどです。
柚子にはとにかくビタミンCが豊富に含まれています。
抗酸化作用が高く、女性に嬉しいお肌への効果はもちろん、免疫力を高めて風邪などの予防効果もあります。
季節の疲れを和らげるクエン酸
柚子にはビタミンC同様、クエン酸が豊富に含まれています。梅干しの成分などで知られているクエン酸には疲労回復効果のほか、胃腸の分泌を促して胃痛を解消させたり、カルシウムや鉄分の吸収を助けます。
ガン予防効果をもつ強い抗酸化作用
皮にふくまれるすごいビタミン
近年ではその精油にガン予防効果があることがわかり、詳しい研究がすすめられています。また、コレステロール値を正常に保つ効果などもわかっており、特に果皮には果汁に比べ4倍のビタミンCが含まれていますので皮を有効に利用することがおすすめです。
香り成分
柚子の皮に含まれる香り成分である精油には、血管を広げて血流をよくする効果があります。柑橘類に共通であるリモネンを筆頭に、代表的な成分は、γ-テルピネン、β-フェランドレンなど60種類以上の成分が複雑に作用し、
主に抗感染、抗炎症、去痰、発汗、瘢痕形成、強心作用等が上げられています。
冬至の日には柚子湯を楽しむ、という行事がありますが、一年で最も日が短いこの日に柚子湯で体を温め、血行を良くし、同時に皮に含まれる精油成分や香りで、風邪などの感染症や冷えの予防に役立てる効果があるのです。
柚子の皮の活用術を教えます。
冷凍する
柚子は冷凍することができます。空気にふれていくことで酸化が進み、皮の水分が減り香り成分も同時に減っていきます。
★ そぎ切りにして
皮をそぎ切りにして無添加のラップで包み、さらに空気が入りにくいようにジッパー付きの密封袋に入れ冷凍庫に保管します。
1カ月ほど保存することができ、使うときは凍ったまま生の時と同様に使用します。
また、果汁なども冷凍保存することができます。
丸ごと包んで冷凍することも可能ですが、自然解凍した際に水分が出てしまうため、皮と果汁はわけた方が使いやすいです。
★ すりおろして
皮の色のついた部分をすりおろしたものを少量ラップに包み冷凍しておくと、ドレッシングやたれなどの液状のものに使用するときに使いやすく香りも立ちやすいのでおすすめ。
手をかけられるときは是非こちらも試してみてください。
乾燥させる
果汁を搾った後の柚子の皮、なんとしかして使いたいなと思ったことはありませんか?まとめてネットなどに入れてお風呂に浮かべる位しか利用法が思いつかないですね。
そこで、【一度乾燥させて保存する】という方法をおススメしたいと思います。
乾燥させておくことで日持ちし、香を失いにくくなります。色が変化してしまうのが玉にキズですが、思い立ったときにいろんな形で再利用することが可能なんですよ。
果汁をしぼった後の柚子の皮を白い部分ぎりぎりのところまで剥き、一週間程陰干しをします。
皮だけでなく、浴用などには、干した葉も利用するといいですよ。
★ ポットに入れて熱湯を注ぎ、蜂蜜、煮切りみりんなどを加えて柚子ティーに。
風邪の予防や食欲のないときに効果があります。紅茶に入れたり、他のハーブティーにひとつまみ入れてもいいですね。
★ 入浴用に。
ガーゼやネットにつつんでポプリとして楽しめます。
下着やハンカチ入れなどや下駄箱などに入れると香りがほんのりと移って気分も爽やかに。
お風呂に浮かべると、旬意外の時期にも柚子湯が楽しめ、薬効効果も得られます。
★ お料理に
水でもどした後、水気をとり料理に使用することもできます。
茶碗蒸しやなます、おそばなどの香りづけの添え物やあえ物などに使えます。
種の利用方法
柚子のペクチンを天然ゼラチンとして
柚子の種にはペクチンにつつまれた状態で、ジャム作りやゼリーなどに使用できます。
皮のワタの部分と種を一緒に200ミリリットルの水と一緒に煮詰めます。
ゼリーにする場合は、これに蜂蜜や煮切りみりんを加え、固めます。
↓以前お伝えした煮切りみりんの記事はこちら↓
知ってる?本みりんは超低GI 調味料!砂糖の代わりになる最強の調味料【煮切りみりん】柚子の種の化粧水
種を洗わずに、日本酒や焼酎に漬けておきます。
量は種が十分に隠れる位であれば、目分量でOK!
2-3週間ほどでペクチンが溶けだしとろみを帯びてきます。
これをお好みのテクスチャーになるように蒸留水で割り、小分けのスプレー瓶などに入れて保存します。
できれば遮光瓶のスプレーが望ましいです。
種は生のものでも乾燥のもの、どちらでも同じように使えます。
乾燥タイプはネット通販などで売られていますが、生の種をすぐ使わない場合はザルなどに入れて自分で乾燥させておくといいですね。
これも洗わずにそのまま乾燥させます。
この化粧水はキッチンや洗面所などに小さいアトマイザーなどにいくつか小分けにおいておけば気がついた時に使うことができます。
水仕事の後、お風呂上がり、寝室に、オフィスに、乾燥を感じた時などに、バッグに入れて持ち歩きをすればいつでも使えますね。
筆者は水仕事の後や、パソコンを使用しているときなどによく使います。
ハンドクリームでは重いな、というときには本当に便利です。
いきなり顔に使用するのに抵抗がある方は手やかかと、膝や肘などから使ってみてください。
もともとが安価なので気にすることなく気軽に使えます。
気に入ったら体、髪、顔の順に使用するといいでしょう。
「アルコールが気になる」という方は日本酒を使用することをおすすめします。
醸造アルコールを使用しないタイプの日本酒です。高価なものである必要はありません。または蒸留水にそのまま漬けても使えます。
ただし、アルコールを使用しないので、保存期間が短いです。
アルコールを使用しないものは冷蔵庫で保管し、1個分の種でとろみが出てから2週間ほどで使い切るようにしましょう。
炒り柚子種茶
柚子の種のペクチンを洗い落し、フライパンで茶褐色になるまでゆっくり炒めます。冷ました後に乾燥させたものをつぶし、お茶として飲用すると腹痛や胃痛に効果があるといわれています。
これは古くから農家の方が利用している薬にたよならない生活の知恵なのです。
まとめ
柚子のレシピは沢山あります。これからは黄色に熟した柚子の季節がやってきます。
もうすこし、市場に出回った頃に再度柚子のレシピをいくつかご紹介したいと思います。
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