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イギリスのオーガニック農家が廃業の危機!Brexitが招く、UKオーガニック市場への打撃

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イギリスのオーガニック農家が廃業の危機!Brexitが招く、UKオーガニック市場への打撃


2016年6月、国民投票により、イギリスのEUからの離脱が決定しました。
そして来年2019年3月29日をもって、正式に離脱します。

離脱交渉が難航していることは、日本のニュースでも報じられていますが、
中身はまだあいまいな部分が多く残っており、
離脱までの時間が迫るイギリス国内では、毎日のように進捗が報じられています。

イギリスとしては、かなり自国の有利な条件で離脱準備を進めるはずでしたが、
それは、一度出て行くといった相手。

EU側が都合のいい条件を呑むはずもなく、
「じゃあどうする?」となったものの、
未だに具体的な折衷案を提示することができないまま、
時間だけが過ぎて行ってしまっています。

Brexitによる影響を被る日本企業もたくさんありますが、
それでも、日本国内においてはあまり大々的には報じられていないのが現状です。

そんな中、オーガニック農家にもその波は押し寄せており、
残り少ない時間の中で、大急ぎで対策が講じられているのです。


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イギリスのEU離脱により大ダメージを被ることが懸念されている、
イギリスのオーガニック農家。

そこには、日本より進んだオーガニックマーケットならではの問題も見えてきます。

まだまだ行く先不透明な離脱交渉ですが、
対岸の火事とせず、日本が今後通るかもしれない道のロールモデルのひとつとして
有機農業の直面する危機や打開策を考えてみましょう。


オーガニック農家廃業へのカウントダウンはもう始まっている。


農業だけにとどまらず、イギリスを拠点とするたくさんの産業が、
これまで様々な形でEU加盟国としての恩恵を受けてきました。

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離脱決定により今後その恩恵を受けられなくなるため、
ビジネスが成り立たなくなる!」と国内外の多くの企業に驚きと困惑の渦が巻き起こりました。

それは農業も同じです。

そして、有機農家においては、オーガニックならではの、新たな悩みの種も湧いてきているのです。

収穫断念も。オーガニック農家が抱える労働者不足。


イギリスでは、毎年収穫期になると、たくさんの移民たちが収穫作業を行う光景が見られます。

イギリス農業における移民労働者は年間8万人と言われており、そのうちの約8割がEU加盟国から出稼ぎにやってきた移民たちです。

これまでイギリスは労働賃金も高く、格好の出稼ぎ先として人気が高い国でしたが、
離脱が決定した2016年以降、移民の流出が止まらず、農家は働き手の不足に頭を悩めています。

それもそのはず、これまではフリーパスで行き来できたイギリスも、
離脱後は入国ビザが必要となってしまいます。
就労許可等々、移民にとっては不都合な手続きが増えるため、
もはや出稼ぎ先として適当な国ではなくなってしまったのです。

収穫作業の働き手が不足して困るのは農家です。

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人手が足りず、収穫期から遅れた野菜などの作物は、
安価で買い取ってもらうか、加工品に回すなどでしか売ることができず、当然、農家の収入は激減します。

National Farmers Union(NFU/イギリス農業生産者組合)の調査によると、2017年9月時点で農業における労働者不足は約30%にまで達しています。

イギリス国内の失業率は依然高いながらも、空いた穴をイギリス人で補うことは難しいそうです。
というのも、長らくイギリスでは農作業などは移民が行っていたため、
イギリス人にとっては農業は敬遠されがちな職業のひとつなのです。

このまま、労働者不足が続けば、もちろん廃業を余儀なくされる農家は増え続けることとなるでしょう。

関税発生により、オーガニック野菜が売れない。EU製品にマーケットを占領される可能性も。


離脱交渉において、大きな論点とされているものの一つが、関税です。

EU或内でのモノの動きに対しては、関税はかかりません。
しかし、離脱後はEU外の国となるわけですから、モノの輸出入には関税が発生しますので、
当然商品価格が上がります。

こうなると、EU側としては、
わざわざ関税を払ってまでイギリス産のものを買わなくても良い
という空気が生まれてしまいます。

大お得意様のEUという輸出先を失ったイギリス国内では、
野菜や果物などの農作物が余ります。


しかし、EUからしてみたら、イギリスはほとんどの農産物をEUから輸入しているため、今後もどんどん輸入してきます。

そうなると起こるのは、EU製品の市場占領です。

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オーガニック製品の品質や価格はEU加盟国内で、同等のものとなるように管理されているため、
イギリスにもある程度、価格据え置きくらいの安定したものが輸入されてきます。
しかし、EUという大きな輸出先を失った国内農家は、これまでの収入を保つためには価格を上げたい。
でも、上げれば、消費者はイギリス産ではなく、EU産を買う。
国内農家の収入は減る。
という負のスパイラルが出来上がってしますのです。

販売量の激減で、オーガニック栽培を断念する農家。


国内外での農産物販売量が減少すると、国内消費を増やすための対策が講じられます。

イギリス最大の有機認証団体である、The Soil Association(以下SA)が懸念する最大のポイントがここにあるのです。

消費を促すためには、EU産農作物と戦える商品が必要になります。
そうなると、価格は安くしなければならない。
効率的に高品質の野菜や果物を安定供給することが求められ、
農薬や化学薬品などに頼る生産方法を選ばざるを得なくなってしまう。

それにより、これまで有機農家が大切に守ってきた、
サステイナブルな農業システムまで破壊されてしまうことへとつながるのです。

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EU離脱による有機農家へのダメージの最悪のシナリオは以下の通りです。

・地産地消ビジネスの崩壊
・生物多様性や動物福祉への配慮の欠如
・人体への健康被害の増加
・農業経済の衰退


オーガニックなものを含め、農作物全体においての品質管理も、EUは担ってきました。
イギリスが独自に新たな規定を定めるには時間が足りなさすぎます。

報道で頻繁に目にする「合意なきシナリオ」の陰には、
有機農家や市場のみならず、地球環境や人体にまで影響が及ぶかもしれない大きな問題が隠れているのです。

出典:
The Soil Association 『Faming After Brexit』



廃業を回避せよ!オーガニック農家を守るSAの取り組み。



これまで通りの流通を継続し、オーガニック農家を守る道。


今、イギリス政府はSAの協力の下、猛スピードで打開策を練っています。

一番にEU側に合意を求めるのは、
これまでと同等なレベルでモノの動きを保つこと
です。
これにはもちろん、関税撤廃やEUオーガニック認証付与の継続も含まれています。

これまで通り、イギリス-EU間で自由にモノの行き来ができる状態を維持するため、
EU側へのロビー活動は激しさを増しています。

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EUだけが取引先じゃない!新たなオーガニック市場参入のため、農家の作物輸出を支援。


EUとこれまで通り、または同等の自由な貿易スタイルを継続させたいイギリスですが、
その裏側で、SAは新たな市場開拓に乗り出しています。

有機野菜などの農産物について回る、認証制度。
これまでイギリスはEUの有機認証を受けることができていましたから、
ほとんどの国へ難なくオーガニック商品を輸出することができていました。

しかし、離脱しEU外の国となれば、各国への輸出において、
自国の有機認証を認可してもらう必要があります。

SAはイギリス国内では最も有名な有機認証でありながら、
他国での認知度はまだまだ低いのが現状です。

そのため、SAは新しい市場展開が望める国へと次々アプローチしています。

■アメリカ■

世界最大のオーガニックマーケットとなったアメリカ。
イギリスのオーガニック野菜をもっと売ろう!とばかりに、
SAがコンタクトをとったのは、カナダの有機認証機関である、
Canadian Organic Regime Accreditation (以下COR).
COR同等の認証機関としてSAが認可されれば、アメリカへの輸入の道が格段に速くなります。
現在はまだ調整中のようですが、離脱となる2019年3月29日までには、アメリカへの道は整う予定です。

また、SAはアメリカ農務省によるUSDA認証制度、National Organic Program(NOP)へもエコサートを通じて認証申請ができるようにしました。

■日本■

SAは同じくエコサートを通じて
JAS認証における登録機関としての審査を受けている途中
のようです。
しかし、SAにとって日本を含む、遠く離れた
アジアマーケットは不慣れな場所
のようで、HPを見る限り、アジア進出は手探り状態で行っていくのでしょう。

出典: The Soil Association『Export Certification Support』
https://www.soilassociation.org/certification/food-drink/business-support/exportsupport/export-certification-support/

イギリスオーガニック農家を守れるのは消費者だけ!


今回、国民投票で決定した、イギリスのEU離脱。

この決定は、EU加盟国としての表層的な一部分のみを鵜呑みにして、
離脱後の経済の混乱や衰退までを
しっかりと想定できていなかったこと
が招いた結果だと思います。

その原因のひとつとしては、「官」と「民」との間にある溝です。

国同士の関わり合いという大きな視点からすれば、
確かにイギリスとしても窮屈な面も多々あるでしょうし、
加盟国としての利点もあまり感じられなかったのでしょう。

しかしイギリスは国際企業にとっては、最大のヨーロッパ拠点です。
日本企業だけでも、ヨーロッパ市場の拠点として
イギリスに事業所を置く企業は1000社以上と言われており、
巨大な経済拠点としての役割があるのです。

離脱後の経済的打撃を鑑みず、
たくさんのヒトとモノが動く拠点としての役割を認識
しきれていなかったがために起こったBrexit騒動
は、
離脱ギリギリまで続きそうです。

イギリス国内ではEU離脱を後悔する「Bregret」(Bretain+regret(後悔)の造語)が一段と目立つようになってきています。

今は先行き不透明で不安だらけの有機農家の方々が、
安心して有機栽培を続けられることとなることを祈るばかりです。

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これから日本のオーガニックマーケットの拡大を望む者としては、
ヒト、モノ、お金の動きから生じた問題が、有機農家の高い志を阻害してしまうことを、痛切に学びました。

そして、国内の有機農家をもっと応援しようと、
私たちがその野菜を選ぶことが第一歩なんだと、改めて思ったのです。

国内のオーガニックの農家さんを応援しよう!

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人も野菜も生き物。
人が、炭で空間を浄化し、マイナスイオンで潤いを取り戻せるなら、野菜だって同じ。
健康な野菜を食べるからこそ、体の中から健やかになれる。
また、農家は野菜を作って販売したら終わり。
それでは、良い野菜を作れはしない。
ちゃんと食べる人、卸先の飲食店などへ話を聞きながら、試行錯誤を繰り返す。
農家も、チャレンジ精神を持って、より良いものを作ろうとしている農園から届いたのが、今回の葉物たちです。
 



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