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自分の体は自分で守る。健康長寿・低医療費「長野」から学ぶ、50年前から築き上げた予防医学の秘訣。

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これから生きていく私たちは、100年時代とも言われています。
IN YOU読者世代にの多いアラサーの世代の100歳を超す方が人口の半分とも言われており、

今年生まれた乳児はほぼ100歳を超すとされています。
そんなときに、私たちは今後、年金受給も危うい状況であり生涯現役と言われています。

つまり、健康でいることが仕事ができ、お金を算出できる流れを無視することはできなくなってしまいます。

早い段階で病気になることは、その先の長い人生で生活できないことにもつながるのです。

西洋医学主体の医学から予防医学が一般化する時代がすぐそこまで来ているのです。

そんな未来を50年前から既にさきがけしていた県があります。


その県が長野県なのです。
長野県の歩んできた道のりを見てみましょう。

長野県は脳卒中死亡率第1位だった

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実は長野県は、昔から長寿で有名な県ではありませんでした。

1965年の調査では、男性の平均寿命は約68歳で全国9位、女性は約73歳で全国26位の県で長寿とは縁のない県でした

その当時、長野県民を苦しめていた病は「脳卒中」で死亡率が全国1位でした。

その理由の1つが、長野県は四方を山に囲まれており、さらに真冬には雪が多いことから、
昔から漬物など保存食が重宝されてきたという経緯があり、
塩分摂取が多くなってしまう県民性が原因でした。

そして、この年から長野県は県民に減塩の意識を高めるさまざまな取り組みを行うのです。

減塩運動により長寿県へ

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そして県内の市町村のほとんどを巻き込んだ脳卒中予防のための減塩運動により、
1990年に男性の平均寿命1位、女性の平均寿命4位となりました。

その後、2010年には、長寿で有名であった沖縄県を抜いて男女共に長野県が第1位の長寿県となりました。

2007年には、当時の首相であった小泉純一郎総理から「元気で長生きできる方法は、
まず長野県に見習うべきだ」
とまで言われるくらいに長野県全土を巻き込んだ予防医療の取り組みが注目をされました。

そこから医療費の抑制のために「低医療費で長寿」の「長野モデル」と言われるようになりました。

そんな長野県は、減塩だけでなくさまざまな予防医療を進めていくうちに
がん罹患率が増え始める30代から75歳までを含む全がん75歳未満年齢調整死亡率(男女計)で公開されている範囲で1995年から2014年まで1位を独占しています。


減塩運動を含め、長野県はどんな予防医療を県全土で行ったのでしょうか。


50年間続いている長野県の予防医療の秘密

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1家に1人の保健補導員

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保健補導員の始まりは、1945年に、旧高甫村(現在の須坂市)の主婦たちが保健師の手伝いをすることから始まりました。

その当時は、結核や赤痢などの伝染病が発生し多くの乳幼児が命を落とした状況を改善するために、
保健師の活動を地域の主婦たちが手伝うという自主的組織として須坂市の保健補導員会が誕生しました。

その後、1960年代に脳卒中を減らす活動として「血圧の自己測定による血圧管理」や「味噌汁の塩分測定と減塩運動」などに力を入れました。

現在でも「1家に1人の保健補導員」を増やす活動が続けられており、
「自分の健康は自分でつくる」という1987年の「健康づくり推進都市宣言」の重要な担い手として活躍しています。

保健補導員は、長野県在住の一般家庭の30代~50代のお母さんたちが区の役員として区長から推薦されることでなることができます。

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保健師を補佐し健康活動を推進するボランティアという立場で、
任期は2年間で全ての保健補導員が交代することになっています。

交代を繰り返すことで保険補導員の経験者を増やして、家庭の健康づくりに役立てる狙いがあるようです。
減塩を推奨している「食改善推進員」は、家庭を訪問して味噌汁の塩分濃度を測定して指導を行う徹底ぶりをボランティアで行っているのです。
「1家に1人のホームドクター」育成を50年以上前から県全土で進めているのです。

保健師の数日本一

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保健師をあまり耳にしたことがない方もいらっしゃるかもしれませんね。
保健師になるには、保健師の国家試験に合格しなくてはいけません。

しかし、保健師の国家試験を受けるためには、まず「看護師」の資格を取得することが必須となっています。
つまり、看護師にならないと国家試験を受けられない、保健師になれないのです。

保健師は、生活習慣病、児童虐待、高齢者や障がい者の孤立、自殺対策を含むあらゆる年代のメンタルヘルス、新型インフルエンザ等の新興感染症、自然災害、健康格差などの問題を解決する仕事をしています。

そのため、個人や家族を支援すると同時に、問題の原因や広がり
深刻さを見極めながら、地域社会全体に働きかけて支援
しています。

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平成24年度衛生行政報告例によれば、長野県は保健師が人口10万人あたりで約70人おり、
都内では約30人と2倍以上在職しております。

保健師が、地域住民自らが主体的に行動し、
地域住民自身や地域全体の健康状態を改善できるように支援
することで、県民自らが予防の意識を持って行動できるように促しています。

また、長野県では保健補導員が、保健師の仕事をバックアップすることで予防医療をより、
県民の間で積極的に行えるようになったと考えられます。

公民館の数日本一

nagano_nanase_01 七瀬公民館

長野県には人口10万人あたりの公民館の数が約84館存在し、
都内が最下位で約1館で全国平均約13館と圧倒的な数存在します。

この公民館の多さが有効活用され、
そこで県民向けの食事指導や運動指導、健康管理の知識をつける勉強会を積極的に開催しています。

また、高齢者のコミュニケーションの場としても公民館は重要な役目を果たしているのです。

栄養価の高い野菜を多く食べる県

コンビニやファーストフード店の需要が少ない


野菜
もともと野菜の摂取量が全国1位の長野県では、家庭で食事をする方が多いようです。
そのため、コンビニやファーストフード店の需要が少ない県なのです。

また、標高の高い気候で育った野菜たちが力強く育つため、

栄養価が高くなり、抗酸化作用や免疫力を高める栄養素・フィトケミカルをより多く含んでいます。

常に新鮮な野菜をいただける環境と、添加物・高脂肪食の多いなどの食事をいただくことがあまりないのです。

標高の高い地形で心肺機能強化

長野
長野県では生活区域が他の都道府県より高い標高にあり、酸素が薄いという特徴があります。
これにより、生活しているだけで心肺機能が鍛えられていきます。

気圧の低いところでは、肺の中の酸素量が少なくなり、エネルギーを作るミトコンドリアは、
少ない酸素で効率的にエネルギーを生成しようと、活発化することで体のミトコンドリアの数が増えていくことになります。

65歳以上の高齢者の就業率が高い

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長野県は、65歳以上の高齢者の就業率が高いことで有名で、
このおかげもあり高齢者の寝たきりも少なく、老人医療費も低い値を常に記録しております。

また、高齢者が仕事を積極的に行うことが、
人のコミュニケーションの機会を作ることや生きがいになっていることも長野県を長寿県にしている理由かもしれません。

まとめ

自分の体を自分で守るという当たり前の考え方が普及した長野

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長野県の皆さんは、医療に頼りすぎずに自然と共存して生きてきたので
「自分の体は自分で守る」という考えが定着しているようです。

50年以上も前から、ホリスティックの個人を全体として見る考えを県全体で持って、
予防医療を進めてきた日本で唯一の県です。


これから、さらに高齢化が進み、定年がなくなり高齢者になっても働かないといけない世の中が来ることは避けられません。

そのときに、今のうちに長野県民のように健康管理の知識を積極的に情報収集をして「ホームドクター」になることは自分だけでなく家族の健康維持にも大切な役割を果たします。

そんな、方々が1人でも多くなることを願っております。

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宮本知明
薬剤師/GAJ認定ジェモセラピスト(植物療法士)/漢方ソムリエ。 病院薬剤師を経て“薬と共存しない生活”の念いからホリスティックな健康観と出逢う。新婚女性、新米ママさんを西洋医学・東洋医学・自然療法の良さを合わせた統合医療の知識をもった“ホリスティックな健康観を持つ女性”に育成する「ホリスティック医療家」として執筆業・講師業で活動中。 公式ブログ /公式HP
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