「人生100年時代」に向けて私たちにできる身近なことは｜平均寿命・平均余命の関係と、余命宣言で大切な５つのこと

「人生100年時代」という言葉は、CMでも耳にするようになりました。
知らない方はいないのではないでしょうか？

色々なところでいわれていましたが、
平成29年9月11日に開かれた人生100年時代構想会議が安倍内閣総理大臣を議長として開かれ、
公にも認められるものとなりました。

今回の記事では、平均寿命と平均余命、余命宣告の観点から
人生１００年時代について考えていこうと思います。

平均寿命と平均余命の関係

平均寿命とは「その年に生まれた赤ちゃんが何歳まで生きるか」を推定によって出した年齢です。
それぞれの年齢の平均余命が示されており、
年齢が上がるにつれ実年齢+平均余命が増えていきます。

生命表に関しては生命関数を用いて計算していますが、
似たような指標寿命中位数というものがあります。
これは出生者の存在が半分になる数値で日本では平均寿命よりは高くなっています。

平均寿命が指標として用いられる理由

生命曲線を用いていることから、色々と分析できるからです。



日本人の平均寿命は世界で一番といって問題ないでしょう。
死因を色々分析してこの病気を克服すればどれぐらい平均余命がのびるかを示したのが下の図です。





各々の疾患の死亡数も下に示しました。



75歳まではがんを克服すると2年弱の余命の延長を得ることができます。
心疾患もほぼ1年の余命がえられます。
平均寿命を伸ばすには青年期の自殺を減らすことも重要視されています。

がんの治療はまだまだ完成にはほど遠い

ノーベル賞受賞と賞品の発売にあまり差が無かったPD-1抗体（オプジーボ）があります。
他の薬剤が効かないなどの条件の患者さん（ステージIV）に対して
プラセボ2重盲検試験で患者さんの生存を延ばしたことで肺がんにも効果がある事が分かりましした。

しかし、2年生存したのが1例もなかったことから、
治療中に耐性できやすいのではないかとの疑問があるました。

第2番目になキイトルーダは、
ＰＤ－１があらわれている患者さんを対象にすることにより数パーセントですが2年サバイバーを得ています

2番手のキルトイーダは、
欧州では今まで標準治療とされた薬剤との比較試験生存の中央値が標準治療を上回りました。
第1選択薬としてのポジションを得ています。
オプジーボは同様の試験ではほぼ変わりませんでした。
これはＰＤ－１が発言している患者を対象にしたキルトイーだと、それを無視したオプジーボの差と考えられています。

平均余命はどこまでのびるのか

病気を全てなくしても3年ぐらいしかのびないので、100歳が限界かもしれません。
古代の権力者は「不老不死」を求めていました。
現在の技術では不老＝アンチエイジングと考えるならば、
アンチエイジングを目的とした化粧品や整形手術が市場に出回っていますので、手に入りつつあります。

実際には、白人種に比べて黄色人種が幼く見えるのは
シワとシミが少ないことを原点に若く「見える」ということに重点を置いている用にも見えます。

寿命を延ばすために私たちにできること

ねたきり、介護の必要な人になってしまっては寿命が長くとも、
生きがいが減ってしまいます。
自分のやりたいことができるまでを健康寿命としてその健康寿命を延ばすことが大切になります。

個人として具体的にできることは、
オーガニックな食事、適度な運動（パーティーなどで食べすぎても2，3日で元に戻るような自分に合った運動）、
日々の生活に目標を持つことだと思います。

＜日々の生活の目標＞

今日は何時から好きなドラマがあるから、それまでに用事を済ませてしまおうレベルの目標で十分です。
一日をだらだらと過ごさないことがストレスフリー、睡眠障害をはねのけることになります。

コミュニケーション障害がある私は、1か月先の目標を日々の目標に落とし込むことで、
最低朝6時から夜10時までの仕事に5年間は耐えることができました。
介護で仕事を辞めたので、
この目標立案、実行が介護ではできないことから、かなりストレスのたまった状況です。
しかし、これは字を書く（パソコンですが）ことで解消しています。

余命宣告を受けたらどうする？

最近テレビでこのままの生活をしていると、あなたの余命は5年ですと宣告する番組を見ました。
生活が不規則で、体重指数が30オーバー、内臓脂肪が20オーバーな
マスコミ関連の比較的若い人を連れてきて、生活毅然を求める内容です。


余命宣告は普通、病気でこの治療をしなければ後6か月ですとか、
治療方法がないので後6か月ですと医師が宣言して残りをどうするかを患者と患者の家族が受けとるものです。

私の父が受けた余命宣告

私の父の病気はいまのところ有効性を示した薬剤もなく、
手術も年齢的に難しいと言われて6か月の余命宣告を受けました。

私が医薬開発に係わっており、
薬、手術あるいは放射線を受けてもがんよりも本人に苦痛を与えるだけと言うことを理解していたので、
痛みの緩和や精神的な落ち込み、ストレスをのぞいて下さいとだけお願いしました。

実際にはモルヒネを打つことさえ躊躇する病院でしたので、ペインクリニックと提携している施設に移しました。
1年ほどでなくなりましたが、母親がそれと同時にうつになってしまい、認知能力も急低下しました。
読者の皆さんも自分の両親や祖父母の余命宣告に立ちあうことがあるかもしれません。

余命宣告をうける際に重要なこと

最新の薬は使わないこと

新聞には死亡例や重い副作用がでないと新しい薬が夢の新薬であるかの報道しかありません。
多くとも1,500人程度の使用経験がしかない薬は、
10,000人に一人の副作用があるかないかは分かりません。

ですから、厚生労働省は新薬に対して
半年は全例副作用の監視のために製薬会社に頻繁に病院に回ることを義務づけています。

本人の性格を考慮すること

ストレスに弱いタイプの人はうつ状態になる可能性があるので、
それに対応できる施設であるかを確認しておくことが大切です。

余命宣告後に重要なこと

麻薬を上手に使える施設で療養する（できればがん専門のペインクリニックがおすすめです）
食事は好きなように。
やり残したことがあるならそちらを優先。

人生100年時代構想に向けて

第一回の会議が平成29年9月11日に開催されて、平成30年6月の第9回までの議事録が公開され荒れています（https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai9/siryou.html）
平成29年12月には中間報告がお行われています。そこで検討された項目は以下の通りです。

・幼児教育の無償化
・高等教育の無償化
・私立高等学校の授業料の無償化（世帯収入によって変動する。）
・介護人材の処置改善
・施策を実現するための安定財源は消費税
・財政健全化

今後の検討事項

・リカレント教育
・諸外国の取り組み調査
・大学改革や大学教員の質の向上
・全盛代型社会保障の更なる実現


人生１００年の時代。
どれだけ健康に生き生きと元気に過ごすか、
健康寿命を伸ばしていくか、ということが大切なのではないでしょうか。

そのためにも、日々の生活の過ごし方に気をつけていきたいですね。

参考資料
・人生100年時代構想会議
・平成29年簡易生命表の概況

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