参議院選挙の争点から外された日米TAGの交渉がいよいよ山場へ!アメリカにTPP11を超える市場開放を迫られた首相の答えは!?
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
先月行われた参議院選挙で争点から外された
私たちの食卓に影響する重要政策とは!?
お盆も終わりましたが、まだ毎日暑い日が続きますね。
盆休みを地方で過ごされた方は、
ご実家の畑で収穫された野菜や直売所で売られている果物を堪能されましたか?
この日本で栽培されている貴重な農産物を守るために、
IN YOUではこれまでも農業政策に関する情勢を詳しく皆さんにお伝えしてきました。
これまでお伝えしてきた話題のなかで最も今後の日本にとって重要な農業政策が、
日米物品貿易協定(Trade Agreement on goods )です。
日米物品貿易協定は、通称TAGと呼ばれ、
トランプ政権がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱後に、
日本との自由貿易を目的として始めた協定です。
昨年行われた日米首脳会談で交渉開始が公表され、
今年4月より交渉がスタートしたTAGで日本は、農産物市場で大幅な関税撤廃を行ったTPP11※以上の譲歩を、
アメリカに迫られる恐れがあります。
※ 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
TAGは、今後の日本の食の安全やオーガニック市場に大きな影響を与える非常に重要な貿易協定ですが、
先に月行われた参議院選挙で、大きな争点となることはありませんでした。
中国との貿易摩擦により苦境に喘ぐ農家から
支持を引き出したいトランプ政権の思惑とは!?
しかし、現在アメリカの農家は、トランプ政権が引き起こした中国との貿易摩擦により、
輸入大豆などの関税が大幅に引き上げにあげられ、苦境にあえいでいます。
2019年1月から4月までの中国への農産物輸入量は、大豆が7割、豚肉が9割減少しているのです。
材料は北海道産丸大豆と小麦、長崎の塩のみ。遺伝子組換えの心配もありません。
トランプ政権の中国に対する強硬政策に対してアメリカの農業団体は、
具体的な解決案を示すことを望む声明を出しています。
来年行われる大統領選を見据えて、トランプ大統領は支持基盤農業生産者団体からの支持を得るために、
TAG交渉において日本に大幅な譲歩を迫ってくる可能性があります。
参照:2019年07月30日
日本農業新聞 対中摩擦 苦しい米国農家 日本市場開放に照準 特別編集委員 山田優
そして参議院選挙から1ヶが経過する今月末、
日米TAGの交渉はいよいよ山場を迎えようとしています。
日本とアメリカは、8月中に両国の官僚よる交渉を行い、
来月下旬に開催される首脳会談で合意を交わす予定です。
これまでの記事でもお伝えしていますが、
今回の交渉でアメリカは日本に対してTPP11以上の関税撤廃を日本に求めてくる可能性があります。
今回は、この日米物品貿易協定合意が日本にもたらす影響について詳しくお伝えします。
日米TAG発効後に待ち受ける日本の未来は?安全性が確立していないゲノム編集食品が日本で増加!?
CRISPER9などの新技術を用いたゲノム編集は、
狙った遺伝子を組み替えることができる新技術として注目されていることは、
情報感度が高いIN YOU読者の皆さんは、既にご存知かと思います。
ゲノム編集は、野菜に特定の栄養価を追加したり、
効率的に栽培できる特性を持たせるなどのメリットが強調されていますが、
一方で人体に影響を与えるリスクも指摘されています。
ゲノム編集は、農産物の遺伝子を改変する際に、
遺伝子以外にも傷をつけるオフターゲットという現象を引き起こします。
ゲノム編集により開発された農産物や食品が、
100%人体に無害であるとことを示す根拠は提示されておらず、
消費者の懸念は払拭されていません。
日米TAGにより私たちの食の安全を守るためのルールが脅かされる!?
アメリカではこのゲノム編集技術を用いて大豆や小麦など、
日本で主食や調味料の原料として使用されている農産物を生産し、市場に流通させています。
ゲノム編集技術は、食品や農産物に改良を加えてもその痕跡がわからないため、
日本では届出のみで一般食品と同様に販売する方針が示されていることは以前、
こちらの記事でもお伝えしましたよね。
とうとう「ゲノム編集食品」が、品種改良と同じ扱いになり審査なしで流通できるように!
私たちが今できることとは?
日米物品貿易協定の締結によりTPP11以上の関税撤廃が行われれば、
安全性が未確立のゲノム編集食品がこれまで以上に市場に流通することは避けられません。
更に日米TAGでは、関税撤廃だけでなく、
アメリカが日本の農産物流通や食品表示に関わるルールに
権限を強化することに繋がる可能性があります。
2012年の衆議院選挙で公約を覆した自民党政権。
日米TAG交渉でもアメリカの言いなりになる恐れが・・・。
日本政府は日米TAGの交渉において
「TPP11」以上の譲歩は行わない方針を示していますが、実際はどうなるのでしょうか?
現に自民党は2012年の衆議院選挙で、
「関税撤廃を前提としたTPP交渉反対」を公約に掲げて当選したにも関わらず、
政権をとった翌2013年にはTPP交渉への参加を表明しました。
参照:2014年12月8日 朝日新聞主権者が「物申す」絶好の機会
そしてアメリカがTPPから離脱して以降も、自民党は積極的にTPP交渉を進めてきました。
もし安倍政権が本気で日米物品協定においてTPP11以上の関税撤廃や引き下げを行わないつもりであれば、
7月の参議院選で堂々と争点にして議論を行っていたはずです。
選挙を通じてTAGに関する政策の是非を日本の農家や消費者に問わなかった自民党政権は、
選挙後も国民の声を無視してアメリカとの交渉に臨む可能性が高いのです。
では、今後食の安全が厳しさを増す中で、私たちができることはなんでしょうか。
来月にも合意される見込みの日米TAG。
ストップするためには?
日米首脳会談が行われる9月までが勝負!
日本がTPP11以上の譲歩を引きだれないようにするには、
私たち国民が与党・野党を含めた政治家の動向をチェックし、
積極的に意見していくことが大切です。
日米TRAGもTPP11同様合意が行われれば、その協定を覆すのは簡単ではありません。
1人1人が限られた時間でアクションを起こすことが、
今後の日本の運命を良い方向に向かわせるカギとなります。
まずは地元の国会議員に電話や手紙で、あなたの意思を伝えましょう。
ゲノム編集を規制対象としたEU。その教育には、
私たちが食の主権を取り戻すためのヒントがあります!
この夏の参議院選挙では前回より投票率が下がり50%以下となりました。
日本で次々と食の安全が奪われるような政策が行われていることと、
私たちの政治への関心の低さは無関係ではありません。
これ以上、アメリカの農業団体や多国籍企業に日本の食の主権を奪われないためには、
私たちが主体性を持つことが非常に重要です。
オーガニック先進国として有名なEUでは、
ゲノム編集に関しても規制をかける方針を打ち出し、
アメリカとの外交においても対等な立場で自国の権利を主張しています。
EUでは子供のころから政治に関心を持つ為の主権者教育が行われています。
特にデンマークにある社会人向けの教育機関フォルケホイスコーレは、
農民が教養を身につける目的で作られたのが始まりで、
EU諸国の民主主義を支える要な柱となっています。
民主主義が充分に機能してこそ、安全な食と農が守られることになるのです。
そしてオーガニック後進国の日本でも安全な農業を志し、
政治を自分たちの手に取り戻す取り組みが行われています。
2019年、20年はフランスと日本の農業政策の一環として、
熊本の農業高校で有機農業の共同研究などが行われる予定です。
また7月の参議院選挙では、
30歳以下の若者による投票を呼びかけるアクションが行われました。
参照:2019年8月18日 日本農業新聞 GAPや加工で日仏農高生・活動プラン始動。
https://www.agrinews.co.jp/p48478.html
私たち30代、40代以降の大人も日本の若者が安全な農業に触れたり、
政治を身近に感じられる取り組みをサポートすることが、今の日本に最も必要なことだとは思いませんか。
SNSやツイッターを通じてこうした取り組みを広げていくだけでも、日本は変化していきます。
私たちが生き残るために大切なのは、
農政に意見することが当たり前の社会を作ること!
一番身近で生きるために重要な農業と政治から私たち日本人が遠ざけられている現状は、
戦後の民主主義教育の遅れによるものです。
「政治は小難しくてわからない。難しい。」
「安全な農業は、手間がかかって大変。」
そんな意識が私たち大人の中にも強く根付いていますよね。
でも本来は農業は国の根幹を維持するために最も重要な産業です。
農業者はもちろん、
私たち消費者も安全な農業や生産者の生活を支えることを積極的に意見していくことが、
日本が生き残る道ではないでしょうか?
日本の安全な野菜を日常使いに!
こちらもおすすめです
アメリカで厳しく使用制限されている危険な農薬「スルホキサフロル」が国内で使用許可されることが決まりました。もはや、全員知らなきゃマズイ「農薬」の話。日本ではじめて自然栽培の給食を取り入れた学校「羽咋市」。農薬に頼らず、自然栽培を選ぶことは、戦争に反対する意思表明でもある。
小麦が体に悪い本当の理由|今日食べた小麦の漂白剤大丈夫ですか?臭素酸カリウム・過酸化ベンゾイル..EUで使用禁止の小麦漂白剤の実態
この記事が気に入ったら
いいね!しよう