認知症の原因と農薬には驚きの関係性があった!?認知症予防をして健康寿命を延ばす方法。
そろそろ、両親に認知症予防をしてもらわないといけない、
心理学や福祉を勉強した身としては、いかに準備が重要かを感じています。
現実に母方の祖父が認知機能の問題で、
車の運転に支障をきたした経験もありますので、皆様も対策を練っておくと良いですよ。
認知症の患者は2025年までに、65歳以上の人口の5人に1人になると言われています。
早期発見も大切ですが、
食事内の農薬などの化学物質を回避することも大事だということが分かってきているのです。
早いうちから、化学物質を排除できる分は排除しておきたいですね。
ネオニコチノイドという農薬が認知症リスクを増大させる?
ネオニコチノイドとはどういう農薬か
ネオニコチノイドは「新しいニコチンによく似た物質」
という意味を持つ名前からわかるように、煙草に含まれるニコチンとよく似た働きを持ちます。
・神経毒性を持つ
・浸透性が高く、洗っても落ちない
・長く効果が続く
こういった特徴を持っています。
希釈前の原液は毒劇物とされますが、濃度が薄くなると、
人への影響はあまりないと実験室の研究ではデーターが出ています。
ただ、数十年それを含んだものを食べたり、
その人が出産したときの影響はまだ検証不十分なのです。
「農薬なら、あまり使わないから大量暴露はない」と思っている人もいるでしょうが、
実は身近なゴキブリや白アリの駆除用に使われています。
さらにペットを飼っている方に注意していただきたいのは、
ノミ取り用品に含まれているという落とし穴です。
確かに「虫を殺す薬」ならノミも死にますね。
ペットを飼ったことがない人はピンとこないでしょうが、ノミは寄生虫を運ぶ厄介な存在です。
当家にいる猫は、完全室内飼育なのでノミ取り薬は使っていませんが、
外に出る犬などは、使わないわけにはいきません。
ネオニコチノイド系農薬にはどういう種類がある?
・イミダクロプリド
・クロチアニジン
・チアメトキサム
・ジノテフラン
・ニテンピラム
・アセタミプリド
・チアクロプリド
この7種が日本では認可され、一般的に用いられています。
ネオニコチノイドではないのですが、
同じようにニコチン性アセチルコリン受容体に働きかけるフルピラジフロンなどが開発され、
今後市場に出回ってくる可能性があります。
・ミツバチの大量死
・神経伝達物質の受容体への影響
・河川への影響
実験動物で見られた影響
・神経毒性
・神経発達毒性
・肥満・糖尿病などの代謝毒性
・生殖毒性(精子減少等)
・免疫の問題
・発がん性
ミツバチに関しては、ネオニコチノイド系農薬の一つ、
チアメトキサムに低用量暴露した場合、巣に帰る能力が無くなって、
途中で死ぬ可能性が上がる、
ネオニコチノイド系イミダクロプリドで女王バチが減るという問題が起きます。
すぐさま、認知症の人が農薬、ネオニコチノイドに暴露しているという結論づけることはできませんが、
脳の高次機能に関わる部位への影響が示唆されています。
・知覚
・判断
・思考
・記憶
・学習
これが高次脳機能です。
ヒトへの毒性が明らかとなっているニコチンでは、
興奮性作用がないごく低用量でも、
受容体の脱感作を起こして生理的影響を及ぼすことが確認されている。
実際にネオニコチノイドが ACh の有無に関わらず、
低濃度でヒトや哺乳類 nAChRに結合して作用することには、実験的証拠が出てきている。
さらに生体内で nAChR には内因性モジュレーター(LynX,, SLURP など)
が見つかっており、これらのタンパクによって構造変化を起こし
リガンドへの反応性に変化を起こすことが分かってきた20)。
これらのことから、単純で人工的な結合実験のみの比較では
ネオニコチノイドがヒトや哺乳類 nAChR には反応性が低いと言われているが、
生体内では高い反応性を示す可能性が考えられる。
「新農薬ネオニコチノイド系農薬のヒト・哺乳類への影響 木村-黒田純子 小牟田 縁 川 野 仁」
少し、分かりにくいですね。
このnAChRというのは、ニコチン性アセチルコリン受容体というもので、
神経の末節にあり、
体を動かす信号である神経伝達物質を受け取って筋肉を動かす等の働きを持つ重要なものです。
アセチルコリンとアルツハイマー型認知症のかかわりは深いものです。
ネオニコチノイド系農薬の人体への影響の研究はまだあまり進んでいません。
ミツバチへの影響同定は、進んできていますが、
メジャーな陸生昆虫でもまだ研究が進んでいないのが現状です。
農薬で認知症だけではなく行動や発達の障害が起きることも
認知症よりも深刻なのが、自閉症、発達障害、小児期からの行動障害等小児の問題です。
皆さん、生物の授業で細胞が分裂して、
人体の各部位を作っていく様子を学びませんでしたか?
脳も、細胞分裂で成長していきますが、
この過程でネオニコチノイドやニコチンにさらされると、悪影響が出やすいのです。
また天然物ではあるがニコチンでも,本稿(下)に詳しく述べる
アセチルコリン系を標的にした有機リン系,
ネオニコチノイド系農薬の発達障害との関係を予測できる。
妊娠中の喫煙は,生まれた子どもに ADHD や高機能自閉症になるリスクを高めることが
疫学研究から明らかとなっているが,
その原因はタバコの主成分であるニコチンであることが,動物実験より強く支持されている。
「自閉症・ADHD など発達障害増加の原因としての 環境化学物質 ――有機リン系,ネオニコチノイド系農薬の危険性(上) 黒田洋一郎 くろだ よういちろう 環境脳神経科学情報センター 木村―黒田純子 きむら―くろだ じゅんこ 東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野 こどもの脳プロジェクト」
2012年にアメリカで、子供の発達障害や脳腫瘍のリスク要因に
ネオニコチノイド農薬やPCBなどの農薬がなりうるという警告がなされているのです。
ネオニコチノイド農薬で中毒例も。心に及ぶ大きな問題
飲む、吸うなどしてネオニコチノイド系の農薬で中毒を起こした場合、次のような症状が出ることがあります。
・頻脈、徐脈
・血液の上昇若しくは低下
・不整脈、心停止
・眠気、意識障害、めまい、けいれん、興奮
・呼吸困難、呼吸停止
・発汗、汗が出なくなる
・口渇、よだれが出る
・散瞳、縮瞳
・体温以上
等
かつては国産の果物や、茶飲料で中毒症状が出た事件もありました。
症状が多いうえに、相反する症状(これがネオニコチノイド中毒の特徴)が記載されています。
抜粋で症状を見るよりは、全体像をご覧になる方が分かりやすいです。
今回参考にした資料は、「ネオニコチノイドのヒトへの影響」および「ネオニコチノイド系殺虫剤のヒトへの影響 ― その1:物質としての特徴、ヒトにおける知見 ―」です。
前者は、素人でも目を通しやすく纏められていますので、ご覧になるとよいでしょう。
少し気になるのが、他害傾向が出ることがあるケースが指摘されていることです。
「興奮」に該当しますが「アセタミプリドの食品健康影響評価に関する審議結果についての御意見・情報の募集結果について」内である患者の事例がアセタミプリドの中毒症状ではという疑問が呈されています。このケースでは、確たる実証がないとされましたが、医療関係者の危機感が強いですね。
国会でも話題になった農薬「ネオニコチノイド」
国会答弁で農薬が話題になる背景
平成31年に衆議院で野党議員が
ネオニコチノイド系農薬の規制やモニタリングに関して質問をしたというくだりがありました。
少し堅い文言なので読みにくいのですが、
時間があるときに、全文(回答も見ることが可能)に目を通すことをおすすめします。
環境省で毎年公開している日本人における化学物質の暴露のモニタリング調査が、
二〇一六年で一旦休止となった。このモニタリング事業は、
有機塩素系農薬など残留性有機汚染物質、内分泌かく乱化学物質、毒性のある重金属類、
農薬類など幅広い化学物質の汚染状況を示す価値ある調査であった。
日本では、平均寿命は延びたが、子どもの発達障碍やアレルギーが急増し、
成人ではがん、高血圧、心疾患、アルツハイマー病など精神疾患も急増して、
その原因として農薬など有害な環境化学物質暴露が疑われており、モニタリング調査は重要である。
実際に、日本人は多種類の化学物質に複合暴露しており、
長期的な調査は必須であると考えるが、政府は、どのように考えているのか、見解を求める。
また、今後、どのように日本人における化学物質の暴露を把握するつもりなのか、
政府の対応や今後の方針を具体的に明らかにされたい。
「ネオニコチノイド系農薬等に関する質問主意書」
現在の問題点としては
・ドローンによる農薬散布が行われているという事実
・諸外国に比べて日本の農薬規制が緩い
・化学物質のモニタリング調査の中止があった(政府側は続行していることを主張)
・農薬が諸外国への食品輸出の妨げになる
こういったことが指摘されています。
各国のネオニコチノイド農薬の規制状況
ネオニコチノイドの規制にヨーロッパは非常に熱心です。
欧州委員会は、クロチアニジン,チアメトキサム及びイミダクロプリにミツバチへの害があるとして、
2013年5月に一部使用禁止とすることを決定しました。
フィプロニルに関しても、2013年7月にリストに加えたという経緯があります。
特に熱心なのはフランスで、
2018年段階でネオニコチノイド系農薬の完全使用禁止を目指す方針を立てたのです。
農業大国が多いヨーロッパでは花粉を運ぶ蜂に死なれたら、一大事ですからね。
アメリカ、中国、韓国などでも規制がされています。
そのため、規制が緩い日本の農作物は輸出競争で競り負けやすいのです。
果物を好む台湾などからは日本の果物が高い評価を受けていますし、
日本のお米は美味しいと人気なのですが、農薬規制緩和が邪魔をする可能性があります。
日本でのネオニコチノイドの農薬としての使用基準と安全性評価
ネオニコチノイドに関しては、今まで提示してきたように、
医療関係者らが人間の健康面への問題を指摘し続け、
さらには日本弁護士連合会が意見書を出して使用禁止を求めています。
それにもかかわらず、日本の使用基準は諸外国に比べてかなり緩いのが現状です。
ネオニコチノイド系ではないものの、
ニコチン性アセチルコリン受容体に働きかけるタイプの農薬フルピラジフロンを新規承認し、
クロチアニジンとアセタミプリド、チアメトキサムの残留基準が緩和されています。
農薬を新規承認するときには安全評価を行います。
〜フルピラジフロンの農薬審査報告書はこちら〜
「農林水産省」
ただ、一般市民が目を通して理解できる形かどうかは個人差があるとしか言えない情報ですね。
後で問題が発表されるケースも少なくないので安易な規制緩和に環境保護団体が反発しています。
丁度、この間知人(元輸入食品メーカー勤務)と食の安全性を話したのですが、
以前のように「輸入食品は危険」「国産品は安全」という図式は成立しなくなっています。
ドローンによる農薬散布のルート上に学校や、
幼稚園などがあった場合、子供たちの低用量暴露が心配されます。
ネオニコチノイドは残りやすい農薬なので、直接浴びなくとも、吸入してしまう可能性はあるのです。
ネオニコチノイド系農薬は何故いまだに承認されている?
ネオニコチノイド系農薬の害がこれだけ叫ばれて、
弁護士が「人権侵害」とまで言う状態になっても、新規承認をしたり、規制を緩める背景の一つとして
「消費者が見た目の良い農作物を欲しがる」というものがあります。
例えば、未成熟の稲穂をカメムシ(斑点米カメムシ)が吸った後は、
着色が起こりますが、これは安全上問題ないものです。
でも、商品価値は現在の基準ではぐっと落ちるので農家は嫌がって農薬を使います。
ネオニコチノイド系は長く効果が続くし、
表面だけではなく奥まで浸透するので使い勝手がよく、汎用性が高いのです。
農薬から認知機能や脳を守って健康寿命を延ばすために出来ること
無農薬の畑を作って認知症のリハビリをする
認知症介護の現場でもオーガニック職を出すことを売りにした介護施設が登場してきています。
そればかりではなく、
リハビリテーションとして無農薬の畑仕事をすることが推奨されているのです。
・土や植物に触れて過去の記憶を再現し、脳を活性化させる
・植物の世話をすることで「自分は必要とされている」という張り合い、生きがいが出る
定年退職をすると、どうしても家ですることがなく、ぼんやりとする旦那さんが多いです。
思い切って、貸農園を借りて野菜を作ったり、出来た野菜で料理をしたりということを促してあげてもいいです。
人との交流が無くなってしまうと、脳への刺激が無くなりますから、認知症やうつの危険性が高まります。
同じ趣味の人がいると、競争心や共感も出てきますので、生活に張りが出ます。
後、畑仕事は適度に体を動かし、日光も浴びますので、
自律神経系が整って、中高年にありがちな不眠を和らげる切っ掛けにもなります。
認知症介護時に農薬を避けるコツは?
介護をしていると、どうしても出来合いのものを使ってしまいがちです。
特に誤嚥防止のミキサー食は日持ちがしないので、介護者の負担になります。
自宅介護の場合は、野菜をつぶした状態で冷凍して出汁で伸ばすということをすると、少し楽になります。
介護者が、ご自分の食事をオーガニックにしている場合、
玄米など消化に悪いものを除去してミキサー、刻みという形にすれば問題ありません。
ヘルパーさんに相談すれば対応してくれますよ。
農薬を洗浄できる洗剤を使って野菜を洗う
ネオニコチノイドは、果肉にまで浸透します。
近年では、農薬なども洗い流せる食品洗浄用パウダーも出ています。
どうしても食卓に出る食材を有機野菜に出来ない場合は、こういったものを使用するとよいでしょう。
野菜洗い!
客観的指標の農薬の安全性評価の情報を得て、食材を選ぶ
「これは危ない、これは安全」ということを素人判断で行って、
特定の作物を食べない、こうすると、栄養が偏ってしまい、本末転倒になります。
オーガニックの作物は、農薬、化学肥料の何を使っていないか表示されていることも多いです。
他にチェックすべきことは次のようなものです。
・有機肥料に農薬を使っていないか
・過去にその土地で農薬を散布してから何年たつか(三年以上がベター)
脳の細胞は、ある程度は大人になってからも増えます。
ただ、再生が難しい部分があり、細胞分裂が激しい小児期に、
ネオニコチノイド系農薬の影響を受けてしまうと、将来的なリスクが上昇します。
加工食品、特に緑茶飲料等にも気を配って、食材を選んでいきたいものですね。
ネオニコチノイドだけではなく、農薬の体や環境への影響を知ることが生活の質を高める
ペット用品に、農薬が入っている、機能からいうと納得がいくけれど、
知らなかったら、気が付かない、そんなことが日常生活にはあります。
やたらと不安がったり、病気の原因を自己判断するのは危険ですが、
何も知らないでいるのはもっと危険です。
少し難しい文書もあるのですが、今回提示した参考文書や
農薬の他のお話を興味があるものだけでいいので目を通していただきたいです。
認知症だけではなく、結構怖いお話や知らないところで規制が緩んでいる事実が分かりますよ。
そのうえで、自分は何を食べるのか、使うのか判断することは有意義なことです。
無農薬食材を選んでみない?
体に優しい、環境にやさしい、持続可能な農業を未来の日本のスタンダードに。 本当の安心が保証された、本当に美味しい、有機JAS認証野菜セット
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参考
「「ネオニコチノイド系殺虫剤」って何ですか?」
「新農薬ネオニコチノイド系農薬のヒト・哺乳類への影響 木村-黒田純子 小牟田 縁 川 野 仁」
「自閉症・ADHD など発達障害増加の原因としての 環境化学物質 ――有機リン系,ネオニコチノイド系農薬の危険性(上) 黒田洋一郎 くろだ よういちろう 環境脳神経科学情報センター 木村―黒田純子 きむら―くろだ じゅんこ 東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野 こどもの脳プロジェクト」
「審査報告書
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「ネオニコチノイド系農薬等に関する質問主意書」
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「ネオニコチノイドのヒトへの影響」
「ネオニコチノイド系殺虫剤のヒトへの影響 ― その1:物質としての特徴、ヒトにおける知見 ―」
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