オーガニック先進国ドイツと日本の消費者の意識の違い|なぜ今「オーガニック」を選ぶべきなのか?
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
そもそもなぜ今、オーガニックを選ぶべきなのか。
”オーガニック”の意味を考える
オーガニックの野菜を積極的に購入する友人たちに聞くと、
「オーガニックってそうでないものより体にいいんでしょ?だから、
家族には有機栽培で無農薬・低農薬のものをなるべく食べさせたい」
このように、
家族の健康を考えて有機農業で収穫された野菜を手にする人は私を含め多いでしょう。
「オーガニック」をただただ翻訳すると、
「有機の」という意味が出ますが、現在のオーガニックという言葉には、
もっとたくさんの意味合いがあります。
あなたは、オーガニックの食品をどんな思いで手にしていますか?
あなたの健康のためですか?
それとも、あなたの次の、またその次の世代の人たちが幸せに生きられるためですか?
オーガニックの認定基準って?
日本ではオーガニック(有機)の基準が農林水産省で定められています。農林水産省のHPでは、ざっくりと、
有機農業とは
有機農産物とは
まだ一部の使用が認められている成分の規制に各国のばらつきはありますが、
大筋としてはこの通りです。
あなたは、すべて知っていましたか?
参考:「有機農産物の日本農林規格」http://www.maff.go.jp/j/council/sizai/tokutei_noyaku/02/pdf/refdata1.pdf
参考:「有機農業関連情報」http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/
オーガニックだと何がどういいの?
近年よく耳にする、農薬残留量や成長ホルモン、抗生剤など、
食品に関わる不安を抱かせるキーワドは後を絶ちません。
また、先進国では食品廃棄が増え続けるというのに、食糧不足は収まることを知りません。
食料が不足している地域は不足し続けているにもかかわらず、
先進国へ輸出するための農地開拓が行われ、
化学薬品や肥料を使い、植物を早く綺麗に大量に生産しています。
このことが原因で土が痛み、砂漠化し、新たに森林を伐採し農地にし、また砂漠化。
この負のスパイラルをが進んでいるというのは、多くの論文で発表されています。
過耕作・過放牧という問題もありますが、オーガニックの観点からすると、有機農法というのは、
そもそも自然の力を利用して作物を育てることです。
土壌の力を無視して薬品でどうにかしようとする農法自体に問題があると言えます。
生産量の調整の問題は別にあるとして、まずは、有機栽培された野菜の需要が高まることで、
有機農法を行う農家が増え、土が本来の力を取り戻すことで、
「体に良いオーガニック」は「環境にまで良い」影響を及ぼすのです。
世界中で今オーガニックが注目され、消費者たちが選んでいく理由の一つに、
美しい地球の未来のための選択肢という意味合いがあることは間違いありません。
私自身、ここまで考えるようになったのは、ほんの3年前くらいから。
それまでは、オーガニックだからという目線では商品を選んでいませんでした。
どちらかというと、今生きる、自分や自分の家族の身体を思ってというのが正直なところです。
オーガニック先進国ドイツと日本の市場と消費者意識
現状の消費者意識
日本でオーガニックといえば、有機JAS認定、JONA(日本オーガニックアンドナチュラルフーズ協会)、
OCC(オーガニック認証センター)があります。
世界的に見るともっと多くの機関や団体が独自の認定基準を設けオーガニック認定をしています。
日本の基準は世界的に見ても低い者ではないと思いますが、
現在のオーガニック基準の最高峰はドイツのdemeterと言われています。
筆者自身、8年弱のドイツでの生活ののち、現在2年弱の日本での生活をする中で、
まずは肌で感じる2国間のオーガニックの違いとしては、以下のものがあります。
もちろん全でのもの、人がということではありませんが、
傾向として「やはりドイツでは環境意識が高いな」と実感させられるものばかりです。
ドイツ
(オーガニック思考の人には、基本的にプラスチックを嫌うため、
紙での包装が多い(環境への意識が高いため)
日本
これらの違いから痛感したのが、私たち日本の消費者が重視しているのは、
有機農産物という「成果物」であり、有機農業という「プロセス」ではないということでした。
オーガニック市場の成長
日本の現在オーガニック市場は、2017年度で1,785億円。前年比は102.3%。
それまでも成長率としては、1〜2%の域を出ていません。
また、有機農業を行う農地の割合は、先進国の中では最下位レベル。
一方、ドイツはというと、
2014年から2018年の4年間のオーガニック市場成長率はなんと40%。
この伸び率の違いの原因は、消費者だけでなく、
政府の関わり方や、民間団体、生産者、様々なファクターがあるのは間違いありません。
しかし、普及活動の長さというのは、間違いなく1つの理由になっていると考えています。
先出のドイツdemeterの発足は遡ること1924年。
すでにこの頃から有機栽培の普及を訴え続けてきました。
この歴史の長さと、オーガニック普及を行ってきた人々の努力があったからこその事。
また、有機栽培と言っても、ヨーロッパと日本ではかなり気候差もあり、
オーガニック先進国のやり方をそのまま真似しても、日本でうまくいくことばかりではありません。
これからの伸びしろに期待したいところです。
参考:「ジェトロ ドイツのオーガニック市場データ」
参考:「矢野経済研究所 オーガニック食品市場に関する調査を実施(2018年)」
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オーガニックのその先へ。
食の安全から環境保全へ、エコロジーからマクロビオティックへ
ドイツに限ったことではありませんが、現在世界は空前のマクロビブーム。
日本では数年前に盛り上がりましたが、
その理由はいずれも健康のためという意味合いが強かったように思います。
オーガニックに必要な「自然の力」を取り戻すための努力
ドイツでのマクロビブームには、もともと、エコロジー先進国でもあるドイツだからでこその地盤も関係しているでしょう。
オーガニックとエコロジーは一心同体という関係性を強く感じます。
特にここ数年では、動物性食品離れを感じずにはいられません。
その理由として、
「動物性食品を食べるまでのプロセスが、植物性の食品に比べ、
環境への負荷が比べ物にならないから」。
これは今世界的に注目されているトピックの一つですが、
ドイツでは、さらに動物愛護の風潮も重なって、ビーガンになる人が続出しています。
マクロビは簡単に言えば、オーガニックとビーガンの融合体。
動物性食品を食べない、または控えることで環境負担を軽減につながり、
さらに、マクロビは思想や食材、調理方が体系的にまとめられており、
薬ではなく、食べることで健康を目指すという考え方が広い年代の人々に受け入れられているのです。
カラダと環境のために、今日から実践できること
先ほど、ドイツではビーガンになる方が増えているとお伝えしましたが、
その中の多くの人が常にビーガンでいるわけではありません。
日本人からすると、それってただのダイエットじゃない?
と思うかもしれませんが、
1年、1ヶ月、1週間だけを繰り返しマクロビ食にするといった、期間限定ということも多いのです。
すごく限定的で中途半端な感じもしますが、何事も完璧にする必要はありません。
完璧を求めすぎるから長続きしないことを、欧米の人たちは我々日本人より理解していると言えるでしょう。
ですので、あまり気負いせずに、
今日から自分ができることを少しずつ実践してみるのはどうでしょうか。
例えば、
まずは身近な人たちへ伝えていく
など。
きっとあなたにもすぐに始められることがあるはずです。
毎日の選択が、私たちの未来の選択。
オーガニック=有機のという言葉に、環境問題への意識がしっかりと組み込まれ始めたのは、ここ数年のことですが、
その考えはゆっくりではあるものの、少しずつ浸透してきています。
おそらく、すべてをオーガニックにすることだけが善ということではなく、
その意味をしっかりとここ消費者が考え、環境問題や健康問題を解決して、美しい地球を守るために、
今からできることを実行することが一番大切のことです。
・過耕作・過剰生産を見直す
・環境に負担のかからない食品を選ぶ
・リサイクル可能な日用品を選び、しっかりと再利用する
・食べ残しをしないように買い物する
本当に何から始めても良いのです。
小さな積み重ねで、
私たちの健康も環境もより良いものにしていくことができると信じでいます。
これまで発展を第一にがむしゃらに走り続けた人類の生き方に、
自然のペースに合わせた生き方に戻ってもいいのでは?と、
多くの人が気づき始めたことが現在のオーガニックブームの意義なのではないかと私は思います。
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