その症状、被曝の影響では?他国に比べて医療被曝量も多い日本だからこそ考えたい、日常使いの放射線量
福島原発の事故から早や8年。
当時の被曝の影響で、病を発症される方が増えている事を、ご存知でしょうか?
私たちが被曝するのは、原発事故だけではありません。
普段の生活でも、被曝する機会が潜んでいるのです。
今回はそんな放射能について、
具体的にどんな影響があるのか、どう避けたら良いのかを、分かり易くご解説します。
放射能とは
放射線とは放射線を出す能力(放射能)をもつ物質からでる光のようなものです。
放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線(エックス線ともいいます)及び中性子線の4種類があります。
順にご説明しましょう。
アルファ線
皮膚を透過する能力は低いが、体に悪さをする力が一番強い。ベータ線
皮膚を透過する能力は低く、体に悪さをする力はアルファ線よりも低い。ガンマ線
透過する能力が高く、深部の臓器・組織にまで到達する。中性子線
透過する能力も高く、体に悪さをする能力はアルファ線と同じか強いが、水にぶつかると体に悪さをする力がなくなる。
放射能を表わす時に使う「シーベルト」って?
放射能をいちいちアルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線がどれぐらい含まれているかを検討するのは大変ですよね。そこで、どれぐらい身体に影響があるかを表わす為に出来た目安がシーベルトです。
これは放射能をだす能力を換算して求める単位です。
私達はどれぐらいのシーベルを浴びたらどうなるかを知っていたら十分です。
新聞記事やネットの記事でシーベル以外の単位で放射能の影響を話している記事は信用しない方がいいでしょう。
被曝とは
放射線をあびることを被曝と言います。先ほど出た単位シーベルは被曝量の単位と言い換えてもいいかもかもしれませんね。
その貧血、放射能の影響では?〜人工被曝と自然被曝〜
環境省が公開している(http://www.kangenkon.org/houshasen/health02.html)放射線被曝の図を示します。人工被曝の場合、原爆は別として「医療用の被曝は少なく安全である」と、
福島原発事故が起こった直後に色々な人が言っていました。
図を見ると分かるように、がん治療に行われる放射線療法は自然放射線よりも高くなっています。
「なるべく癌にだけ放射線が当たるように工夫がされているので、実際にはシーベルトは低い」と言われているのです。
しかし本当でしょうか。
以前に比べると、癌に集中的に当てることができるようになったので、頻度は減っていますが、
放射線治療の直後に「放射線酔い」とよばれる疲労感、だるさ、倦怠感が出ることがあります。
人によっては全く発生しない場合もありますが、数週間も続く場合もあります。
具体的な被曝との因果関係は明らかにされていませんが、症状が出る事があるという事を知っておきましょう。
私の父の経験では放射線治療を外来で行って、
帰宅時には疲労感が強くてしばらく動けなくなったと言っていました。
こんな症状があったら要注意!知らないないでは済まされない放射能の人体への影響
透過性が低いといっても「特定の皮膚症状」がでることが分かっていますし、
他には以下の症状も、比率は高くはありませんが発症することがあります。
・病気への感染(白血球の減少)
・貧血(赤血球の減少)
・出血しやすくなる(血小板減少)
ただし、血液検査を行わないと上記症状は分かりません。
順に説明していきましょう。
白血球の減少(白血球の減少)
実際に症状が出ないからと放置していって、血液検査をした時には肺炎に感染していて白血球が減少していることがわかり、
肺炎が重症化して死んでしまった例があります。
貧血(赤血球の減少)
貧血は先ほどの「放射線酔い」の原因かもしれません。出血しやすくなる(血小板減少)
出血しやすくなるというのは日常生活では歯みがきをすると歯茎から血がでる、ものにぶつかった時にあざができやすくなった程度なのあまり気にすることはないかもしれません。
ただ、出血の恐れがある場合には、血液をサラサラにする薬を止めてくださいと
言われた経験がある人もいらっしゃると思います。
これを言われた場合には放射線療法を受けたことをきちんと伝えることが必要です。
医療にかかわる被曝の問題性
2019年1月17日の愛65回社会保障審議会医療部会で「医療被ばく線量の患者への提供」と、
「医療機関での線量管理と線量記録」の実施が義務づける予定であることが決まりました。
法案の成立にもよりますが、2020年から実施される予定です。
日本人は他国に比べて医療による被曝量の占める割合が多いことが分かっていますので、
法律ができるのが遅いくらいです。
これをお薬手帳のように管理しておけば自分の被曝量が分かります。
短い時間の被曝であっても、多数回被曝している場合には被曝がどのようなことを起こすかに関して、
今までのデータでは分からないのです。
心臓カテーテル問題
心臓カテーテルとはひじとか太ももからカテーテルという管を心臓まで押し込んで心臓の検査をします。これにはX線を当てて写真を撮り続けますので、普段の胸部X線よりも被曝量は増えます。
具体的には胸部X線は1分で終わりますが、心臓カテーテルの場合には2時間前後かかります。
心臓カテーテルの場合には、造影剤を使うことが多いので、そちらの副作用が注目されています。
蕁麻疹は造影剤のアレルギー反応と言われていますが、時間を考えると被曝の可能性は0ではありません、
自然被曝は安全?
福島原発事故でアメリカは在日アメリカ人に福島原発の周囲100km以上に避難することを勧告しています。関東で言えば茨城あたりでしょうか。
それぐらい離れれば福島原発事故の影響は全くなくなるという判断です。
日本政府による発表では30km避難すればいいことになっています。
(原子力発電所の設立あるいは再稼働の場合は30km以内にある最も近い都道府県の許可をえれば条件を満たします。)
※実際には全く自然被ばくがないところは地球上に存在しないことから、
比較することがないので自然被曝は安全であるかどうかは科学的には究明できていません。
環境庁が示した図では100ミリシーベルト(0.1シーベルト)以下では癌の死亡率が線量と比例しないことから、
環境因子や他の有害因子の影響と被曝による影響を区別できません。
日本では平均0.021シーベルトが年間の自然被曝量です。
このデータは2011年12月の新版 生活環境放射線(冊子 生活環境放射線編集委員会 6,810円)に基づいています。その前は1992年です。
福島第一原発事故は2011年の3月ですが、その影響に関しては入っていません。
福島第一原発事故が自然被曝に与える影響
現在考えられているのは大きく3つあります。・事故の時に飛散した放射性物質が地面や木、川の水、海の水に残っている。
・事故の時に飛散した放射性物質が食物連鎖によって、上位生物に集中する
・除染により取り除かれた放射線物質がついている木や土が他の場所に移される
残っている放射線物質は除染作業が進むにつれ減っていきます。
食物連鎖とは動物や植物が他の動物に食べられることです。
海の中ではプランクトンから小魚、小魚を食べる大型のマグロなど、
体が大きくなっていくほど危険という事は、知られていますね。
除染作業で放射線物質を含んだ土や木が他にところに放り出されて、
自然被曝量を上げていることがニュースになっているので読者の方も耳にしていると思います。
災害廃棄物処理特措法では最終的な処理を焼却してドラム缶に詰めて保管することになっています。
保管方法の安全性は立証できていない
福島原発事故が起きる前から放射線物質の処理は研究されていました。国産ウラン鉱床が発見された人形峠です(1955年)。
その地に今の「人形峠環境技術センター」(当時は原子燃料公社)が設立され、
最初はウランを取り出し、濃縮することが検討課題でした。
2001年からその検討課題が終了。2005年には在庫が全てなくなり、
施設の解体と汚染土の処理が始まり2011年年にはその処理が終わりました。
2013年には原子力規制庁から放射能濃度が他の地域と変わらないことの確認証を交付されています。
2014年からはドラム缶に保管された除染排液の排気処置の研究を行っています。
人形峠ではウラン残土は加熱の上、レンガにして利用しています。
エマルジョンフロー法で除染排液からウラン除去に成功しています。
ただこの方法ではウラン以外のセシウムが除去できないことから専門家との会議で問題になっています。
そのため、ドラム缶を絶対確実な深度(深さ)よりも浅いところに埋めることが検討されていますが、
2018年の会議ではまだ安全性確認に100年かかるとの報告に専門家があきれている議事録が残されています。
(https://www.jaea.go.jp/04/zningyo/20180416-1.pdf より引用)
目を瞑って居られない原発事故後の影響
今のところは、状況証拠が整いつつあるが犯人としては捕まえることができないという感じになっています。東北ネットワークによる甲状腺異常の全数検査です。
過去のデータよりも異常の発現率は高くなっています。
しかし、WHO(世界保健機構)は全員検査の場合には、過去に見逃されていた異常が含まれる可能性があるので、
現状のデータでは影響があるとは言いきれないとの声明を出しています。
これは安全であるとの声明ではありませんまだ証拠不足であると言うことです。
心臓手術の必要な新生児の割合が原発事故のあった2011年から増加しているという文献発表です。
(http://www.nagoya-cu.ac.jp/about/press/press/release/files/20190314/310314.pdfより
胎児は被曝の影響を受けやすいのでやはりと思われる方も多いですが、
残念ながらこれからもう少しデータを集める必要があると、
査読者(文献に載せるときに結論は文献内のデータで十分か等を検討する人)から言われている可能性があります。
ニュースリリースでは福島原発事故以降心臓奇形が増えているとありますが、
本文は奇形増えた原因は不明で福島原発の影響をこれから考える必要があるとなっているのです。
他にも色々理由が考えられることからこの事実だけで発表すると、反論する人がいます。
乳児だけに限り、妊婦の年齢、原発事故発生時一ヶ月以内の住所、
手術の場所なども原因として分析する必要がありなす。
子供の停留精巣が福島原発事故で増えているという文献があります。
分布が全国で増えていることから文句をつける人がいるかもしれませんが、
この文献も他の原因を考慮してからもう一度検討すべきかもしれません。
特に発症率は3%程度だと言われていますが、未熟児の場合には20%にみられると言われています。
少し気になるのは一番増加率が高いのが福井県であるということです。
福井県は全国で原子力発電所の多い県の1つです。
現状の放射能対策
)「洞窟のカナリア」という言葉があります。
洞窟では酸素が減って窒息する事故があります。
今は酸素が減らないように工夫がされていますが、
その工夫がうまく働かない場合があるので毎年何件か洞窟で窒息事故が起こるんpです。
そのためかつてはカナリアを持って洞窟に入り、カナリアが異常を訴えたらすぐに引き返す事になっていました。
東北ネットワークや乳児の心臓奇形や停留精嚢は事実としては存在しますが、
対照群がない、他の原因が検討されていないなど、因果関係を証明するには困難を極めます。
農薬に対するミツバチのようなものが見つけて、
因果関係を早急にはっきりさせることが必要です。
テロ対策ができていない原発の再稼働は認められませんでした。
可能性は少なくとも準備をしなかったら大変なことになるという、
福島原発事故の教訓を真摯に受け止めた結果だと思います。
食生活での「選択」が侮れない
レントゲンや放射能汚染など、外部からの被曝に関しては、
対策が「可能」/「不可能」と、意見が分かれることも事実です。
しかし、放射能に汚染された食材を食べる事による被爆「内部被曝」に関しては、
日頃からなるべく安全なものを選ぶことや、重金属を出すことも心がければ
ある程度軽減できます。
内部被曝への対策や対策グッズは、IN YOUでも多く取り扱っていますので、
是非チェックしてみてくださいね。
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