若さを邪魔するゾンビ細胞をご存知ですか?その除去に役立つ食品を紹介します。
こんにちは。
マインド・ボディ・メディシン講座を主催するソフィアウッズ・インスティテュート代表
公認統合食養(ホリスティック)ヘルスコーチの森智世です。
2017年末にサイエンス誌『ネイチャー』に掲載された記事を元にまとめました。
(裏付けとなっているそれぞれの研究は、最後の参考文献のリンク内をご確認ください)
死んでいないけれども再生して生まれ変わることもないゾンビ細胞
ゾンビ細胞って知っていますか?正常な細胞は、老化や変異やダメージなどが起こると、再生することを止めます。
変異や傷を次の細胞に引き継がせないためです。
その後、自殺する(アポトーシス)のが普通です。
この時、自殺せず、変異した状態のまま、あるいは傷ついた状態のまま、
分裂再生を永遠に繰り返すのが、
がん細胞です。
ゾンビ細胞とは、私達の体内にある普通の細胞が、
ある日突然、再生を止め、
でも、死ぬこともせずに、
体内で生き続けている細胞のことです。
死んでいないけれども再生して生まれ変わることもない、
まさしく、ゾンビ状態の細胞なのです。
2011年の研究では、このゾンビ細胞を除去することで、
加齢に伴う様々な症状を阻止することができることがつきとめられました。
2011年に発見された後の7年の間に、多くの研究がなされ、
- 老化した臓器には、ゾンビ細胞が蓄積していること
- 除去することによって加齢に伴う特定の病気を緩和したり、予防すること
2017年にも、ネズミの体内からゾンビ細胞を除去することで、
- 引き締まった体を取り戻し
- 体毛が増え
- 腎機能が改善
- 肺疾患が改善し
- 軟骨組織の損傷が修復され
- 寿命が延びた
米国メリーランド州バルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学の、
バイオメディカル・エンジニアであるジェニファー・エリッセフ博士は、
ゾンビ細胞を取り除くことで、新しい細胞の産生が刺激され、
通常の細胞の自然な修復機能をジャンプスタートさせるのではないか
と説明しています。
でもなぜ細胞はゾンビ化するのでしょうか?
ここまで読むと、細胞がゾンビ化することそのものを阻止できれば、老化せずに済むのではないか、ゾンビ細胞を殺すのではなく、
そもそもゾンビにさせないのが一番なんじゃないかと思えてきますよね?
でも、事は、そう簡単ではないようです。
細胞のゾンビ化には、重要な役割があることが発見されています。
まず全ての体細胞(生殖細胞以外の細胞)は、ゾンビ化する可能性をもっています。
そして、ゾンビ細胞は、再生機能を自ら放棄しているということ以外、
代謝機能も正常で、実は、基本的な細胞の役割はちゃんと果たしているんです。
ゾンビ細胞は、細胞の腫瘍化を抑止している
2000年代半ばに、傷ついた細胞は、
腫瘍にならないために自らゾンビ化してことが発見されました。
ゾンビ細胞は胎児の健康的な成長を見守っている
また、ゾンビ細胞は、胎盤や胎児からも発見されています。
胎児の成長過程で発生したDNAのコピーミスが、
他の正常細胞の発達を邪魔しないように、
ミスコピーの細胞は自らゾンビ化しているようです。
つまり、
ゾンビ細胞は、他の細胞が健康に正常にいつづけるために、
必要な、必要悪的な存在
なのです。
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ダークサイド
一方で、ゾンビ細胞が、サイトカイン(炎症物質)や、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を吐き出していることも発見されています。
通常の細胞であれば、これらの物質の分泌は、
再生プロセスの一環で、問題行動ではありません。
通常の細胞は傷つくと、そうした物質を放出し、隣接する細胞を刺激して、
修復を促したり、免疫システムに自分を除去するよう
(自分を殺してくれるよう)にシグナルを送っているのです。
しかし、ゾンビ化した細胞は、なぜか除去されず生き続けますから、
炎症物質が分泌され続け、隣接細胞に局所的な炎症を起こすことになるのです。
その結果、骨粗鬆症や関節の慢性炎症、
アテローム動脈硬化症や、
動脈硬化の発症との関連性が認められています。
今の処、誰にも「なぜ」、
そして「いつ」それが始まるのか判っていません。
免疫機能の低下が原因?
ただ、長い年月を経て、免疫システムが、こうした細胞からのシグナルに反応しなくなるからではないかと考えている学者もいます。
ってことは、ゾンビ細胞が善いことよりも、迷惑なことを多く始めるきっかけは、
ゾンビ細胞の意思というよりも、
免疫機能の低下ってことかもしれないのですよね?
ゾンビ細胞を一網打尽にするのは難しい
面白いことに、ゾンビ細胞が吐き出す物質は、ゾンビ細胞ごとに微妙に異なることも判ってきています。
- ゾンビ細胞のみに共通のタンパク質というものも発見されていません
- ゾンビ化する共通のプロセスも見つかっていません。(何をしたらゾンビ化してしまうのかが不明)
ゾンビ細胞は、不死の状態を維持するために
それぞれ別々のシグナル経路によって保護され、
別々の病気に関与しています。
論理的には、これらの全てのシグナル経路を阻害する物質を発見すれば、
ゾンビ細胞を一網打尽にすることができるわけです。
現在までに、シグナル経路を阻害する物質が14種類、
1経路につき1種類ずつ発見されています。
これら14種の物質は、それぞれ別々シグナル経路しか阻害しないので、
別々のゾンビ細胞を殺すことはできても、
全てのゾンビ細胞を一度に死滅させることはできません。
でもゾンビ細胞は定期的な適度な除去で充分
ゾンビ細胞は、定期的に除去されれば、病気予防(がん化予防)になると考えられています。
がん細胞は、少しでも取り残すと、新しいがんに成長してしまいますが、
ゾンビ化した通常細胞は、
全て除去する必要がありません。
ネズミの実験ですが、ある程度除去できれば、かなりの効果が得られるとのことです。
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ゾンビ細胞を殺す薬(セノリティクス)として期待されているもの
1. 抗がん剤
,br>2015年前半の研究では、FDA(米国食品医薬品局)から既に
抗がん剤として承認されている
「ダサチニブ(dasatinib:慢性骨髄性白血病と急性リンパ芽球性白血病の治療に用いられる薬物)」が、
ゾンビ化したヒトの脂肪細胞の発生源を除去し、
セノリティクスとして働くことが確認されています。
やはり抗がん剤であるナヴィトクラックス(navitoclax)が、
アポトーシス(細胞死)を制御するタンパク質の1群であるBCL-2 属のうち、
ゾンビ細胞の不死を助けている2つのタンパク質を阻害することが発見されました。
上記した薬は、ゾンビ細胞を除去してはくれますが、
細胞がゾンビ化することを阻止したり予防したりするものではないそうです。
そのため、ゾンビ細胞には、
今まで通り、傷ついた細胞が癌化することを阻止するよう働きつづけてもらえます。
言っても抗がん剤ですよね?
いくら、セノリティックスっていう別の言葉を使ったところで、もともとは抗がん剤なんですから、
がんでもないのに、ゾンビ細胞の除去のためにと、
健康な状態で、抗がん剤を飲むことには、大きな抵抗があります。
がんの人が飲んでも副作用があるのに、健康体が飲んで本当に大丈夫なの??
若返りのために飲むには、現状では、かなり勇気のいることのように思われます。
私なら、抗がん剤のことは聞かなかったことにして、
ケルセチンを多く含む食品を定期的に集中的にたくさん食べる
ことにしたいと思います(笑)
2. ケルセチン
植物性の栄養成分、ケルセチンが、
ゾンビ化したヒトの血管内皮細胞を標的とすることが発見されました。
ケルセチンの多い食品
ケルセチンは、野菜や果物に含まれているフラボノイドの一種で、
黄色い色素です。
昔は、天然の染料として使われていたようです。
ケルセチンの抗酸化作用は、皆さんもご存知のことと思います。
これらの食品の特に皮に多く含まれます。
また、ケルセチンは、カカオポリフェノールに多く含まれています。
ケルセチンは水溶性のため水に溶け出てしまうので、ご注意を。
火を通したい時は、
ゆでるよりもスープにしてそのまま飲んでしまえるようなお料理にすると良いと思います。
タマネギの皮は、とっておいて、
ベジブロス(野菜で摂る出汁)を作る際に一緒にいれるとコクが出て美味しいですよ。
ただ、スープの色はしっかり茶色になります(笑)
また、ケルセチンは油と一緒に摂ると吸収力が高まるといわれています。
- レタスやブロッコリーは、オリーブ油でサラダにしたり、
- 柑橘類はお肉類やお魚と一緒に食べるようにすると良いかもしれませんね。
- リンゴのスライスをココナッツオイルで焼くのも美味しいですよね。
ぜひ参考にされてみてください。
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参考文献:
- “To stay young, kill zombie cells“, Megan Scudellari, Nature, 24 October 2017
- 「ポリフェノール含有食品の商品テスト結果」, 2000年5月8日公表, 独立行政法人 国民生活センター
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