その立ちくらみの原因、高い死亡率も認められる「起立性頻脈症候群」かもしれません。食事からできるPOTS(起立性頻脈症候群)の改善方法とは。
こんにちは。
マインド・ボディ・メディシン講座を主催する
ソフィアウッズ・インスティテュート代表公認統合食養(ホリスティック)ヘルスコーチの森智世です。
こんな経験はありませんか?
立ちくらみ・疲れ・冷え性・低血圧
- 朝ベッドから起き上がると、または急に立ち上がると、目の前が一瞬暗くなって、立ちくらみがすること。
- なんとなくいつも疲れていて、冷え症がある。
- 血圧を測ると100/60とか、80/50くらいで、低血圧気味。
- でも、医者からは「特に問題はない」と言われる。
- そして、濃い塩味が好き。
多くの人は、医者も含め、心臓発作や脳卒中の原因となる高血圧を警戒しますが、低血圧を心配することは、めったにありません。
集中治療室や緊急救命室では、患者さんの下の血圧が、50を下回るとアラームが鳴るようになっています。
十分な血流が確保されていないことを意味するからです。
でも、健康診断では、慢性的に血圧が、90/50くらいでも、誰も気に留めません。
余ほど、実際に気絶したり、めまいが続くような症状がない限り、
大抵の場合、医者は「特に問題はありません」と言うでしょう。
10代の頃は立ちくらみで座り込むことも多かった私
実は、私は10代の頃、まさしくこういう状態でした。
朝起きて、部屋から出て、階段までの廊下に差し掛かった頃ちょうど、
目の前が真っ暗になって、まっすぐ歩けなくなり、左右の壁に2-3回バウンスしてから座り込んでいました。
視界が回復するのを待ってから立ち上がり、何事もなかったかのように1階のキッチンへ降りていくというのが日課でした。
でも、単に低血圧(98/53くらい)だからだろうくらいに思っていたので、親にも医者にも話したことはありません。
今では立ちくらみすることもなくなってしまったので、すっかり忘れていましたが、
ヘルスコーチの勉強をする中で、低血圧または起立性低血圧が、高血圧と同じくらい様々な病気と関係している危険な症状だということを知り、
当時を振り返って、ぞっとしたくらいです。
低血圧または起立性低血圧と関係している病気
ではこのような症状と関係している病気は何でしょうか?
- 貧血症
- 電解質失調症
- 心疾患
- 副腎不全
- アジソン病(慢性副腎不全)
- 慢性ライム病
- 脳神経機能障害
- 自律神経失調症
- 自己免疫疾患
- POTS(起立性頻脈症候群)
などが、低血圧または起立性低血圧と関係している病気です。
また、利尿剤やACE阻害薬や降圧剤などの副作用でも低血圧または起立性低血圧が起こることがあります。
起立性頻脈症候群 POTS は意外とバカにできない
「高い死亡率を示している」危険な症候群です。
中でも、見過ごされがちな危険な病気が、POTS(起立性頻脈症候群)です。
POTS(起立性頻脈症候群)とは
POTSは、
脳萎縮、
うっ血性心不全、
骨折、
麻酔耐性(麻酔が効かない体質)と高い相関関係が報告されている病気です。
また、2014年の専門誌『Heat(心臓)』に掲載された
論文によれば、起立性貧血症の患者は、様々な原因と共に、
高い死亡率を示しているとのことです。
POTS(起立性頻脈症候群)は、立ち上がった時の血圧と脈拍の劇的な減少(頻脈)によって起こります。
でも、この病気、高血圧や低血圧が原因で起こるわけではないんです。
立ち上がった時に起こる体内変化に体が瞬時に反応できないことよる現象で、起立性調節障害(自律神経の調節の不具合)の一種と考えられています。
塩分を欲する行動がサインとなります。
塩分を摂り過ぎると、高血圧になるというのは、良く知られていることですよね。
でも、塩分を摂り過ぎているのに、低血圧の状態、しかも起立性低血圧が起こるのが特徴です。
体内の細胞がナトリウムをちゃんと維持できていない可能性があるのです。
高校生の時の私は、まさしくこれでした。しょっぱいもの大好きでしたが超低血圧でした。
POTS(起立性頻脈症候群)患者の細胞で起きていること
1.コリン欠乏
POTS(起立性頻脈症候群)患者から採取した繊維芽細胞(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を造る細胞)には、コリンが欠乏しています。コリンは、循環器系(心臓・血管系)や脳機能、細胞膜の形成と修復に不可欠な水溶性の栄養素で、記憶と関係の深い神経伝達物質アセチルコリンの成分でもあり、脳神経同士がコミュニケーションをとる上で不可欠な成分です。
2.ベタイン欠乏
コリンが欠乏しているので、主にコリンが代謝されて造られるアミノ酸の一種のベタインも欠乏しています。ベタインは、メチオニンがホモシステインからシステインへ変換される過程に関わっていて、肝機能や胃を健康に保つ仕組みに関与しています。
ホモシステインは近年、アルツハイマー病との関連性についても指摘されている毒性のあるアミノ酸です。
3.コリン運搬タンパク質(トランスポーター)欠乏
健康な人と比べて、POTS(起立性頻脈症候群)患者の繊維芽細胞は、コリン運搬タンパク質(トランスポーター、コリンを細胞へ運んでくれるタンパク質)が半分から3分の1しかなく、コリン作動率が約60%も減少しているとのことです。4.メチレーションの不全
メチレーション(メチル化)とは、DNAを構成する4つの塩基のひとつ、シトシンにメチル基という化学構造がつく体内の変化を指します。メチレーションによって造られるものには、メラトニン、Lカルニチン、アセチルコリン、グルタチオンなどがあります。
メラトニン・・・睡眠、免疫、美白に関連
Lカルニチン・・・脂質代謝、ミトコンドリア機能に関連
アセチルコリン・・・元気さ、やる気、抗疲労に関連
グルタチオン・・・解毒に関連
メチレーションによって、神経の鞘となる神経鞘が造られるので、正常な神経機能に必要な作用です。
神経鞘の生成を阻害するのが水銀を代表とする有害金属です。
コリン欠乏の影響
コリンが欠乏すると次の障害が体内で起きます。1.細胞膜の破壊 ⇒ 認知症、神経疾患など
コリン欠乏に陥っている細胞の細胞膜は、全て破損しているそうです。つまり、細胞間コミュニケーションが、正しく行われなくなります。
つまり、認知症や、様々な神経疾患の原因となります。
2.ミトコンドリア損傷 ⇒ 糖尿病、肥満症、心疾患など
コリン欠乏は、ミトコンドリアを傷つけ、酸素の功利を低下させます。つまり、細胞が酸欠になり、エネルギーを造ることができなくなり、細胞間でコミュニケーションをとることもできなくなるんです。
更に、細胞内の血糖値のコントロールができなくなり、ミトコンドリアが電気活性不全に陥ります。
つまり、糖尿病や肥満症、不整脈や心疾患などの原因となるだけでなく、慢性的な筋肉痛や疲労感となります。
POTS(起立性頻脈症候群)の改善方法
まず、必ず、低血圧または起立性低血圧の原因がPOTS(起立性頻脈症候群)であることを病院で正しく診断してもらうようにしてくださいね。1.コリンの補給
コリンが充填されると、細胞の健全な機能が回復され、POTSの症状が改善することが判っています。私達は、コリンを肝臓で造ることができますので、肝臓を健康に保つことが重要です。
もちろん食品から摂ることもできます。
コリンが豊富な食品
- 卵の黄身
- 牛肉のレバー
- 牛乳
植物性食品で、コリンを含んでいる食品: 大豆とエンドウ豆(さつまいもにも多少含まれています。)
2.投薬
アセチルコリンの分解を阻害する薬(コリンエステラーゼ阻害剤): アセチルコリンを加水分解するコリンエステラーゼの作用を阻害することで、コリン作動性神経の機能を増強する。フルドロコルチゾン(商品名Florinef、フロリネフ): 体の塩分を調節する。慢性副腎不全(アジソン病)などに用います。
今となっては10代の頃の私の立ちくらみが、POTS(起立性頻脈症候群)だったかどうかは、もはや判りませんが、
確かにその頃の私は、異常な偏食で、卵の黄身も牛肉のレバーも牛乳も大嫌いでした。(今でも好きではありませんが、出されたら食べます)
ゆで卵は、白味しか食べず黄身は母に見つからないようにこっそり妹に食べさせていましたし(もちろん、後で見つかり叱られましたが、笑)、
牛肉はレバーに限らず嫌いでしたから、焼肉には必ず豚を用意してもらっていましたし(鶏がベスト)、
牛乳も学校給食で出されるものは全部、男子にあげていました。
大豆やエンドウ豆は好きでしたが、毎日、大量に食べることはありませんしねぇ。
そんな10代の私が、コリン欠乏だったとしても不思議はありません。
まぁ、すごい偏食だったので、欠乏していたのは、コリンだけではなかったと思いますが・・・(笑)
でもその偏食は、海外で暮らすようになって、特に、学生寮に入って偏食していられない状況になってからは、治ってしまいました。
そして、起立性低血圧も無くなってしまいました。
でも、POTS(起立性頻脈症候群)の危険性を知るにつけ、あの頃に偏食がなくなっていなかったら、
命が危なかったかもしれないと思うと、大きな力への感謝の気持ちが溢れてきます。
皆さんも、ただの低血圧だから、いつもの立ちくらみだからと無視せずに、
一度しっかりとご自分の体に向き合って確認してみるのもいいかもしれませんよ。
特に、偏食気味の人やヴィーガンの人、
中高年の人は、これから起こるかもしれない認知症や心疾患や脳梗塞を阻止できるかもしれません。
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参考文献:
- “POTS: How Salt Affects Your Blood Pressure”, Suzy Cohen
- “Orthostatic hypotension and mortality risk: a meta-analysis of cohort studies”, Xin W, Lin Z, Mi S., Heart. 2014 Mar;100(5):406-13. doi: 10.1136/heartjnl-2013-304121. Epub 2013 Jul 22.
- “Dizziness and POTS may respond to Choline”, Suzy Cohen, September 24, 2015
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