いちご狩りに行く前に知っておこう! 安全で美味しい、いちごの選び方や食べ方とは?
いちご狩りに行く前に知っておこう! 安全で美味しい、いちごの選び方や食べ方とは?
今年も“いちご狩り”の季節がやってきましたね。
実は、生食でのいちごの消費量は日本が世界一といわれており、
国産のいちごの品種も約300種とバラエティ豊かです(※1)。
そこで今回は、いちごを食べる前に知っておきたい、
いちごの基礎知識や、栽培に使われる農薬のお話、上手な選び方や食べ方
についてお伝えすることにしましょう。
いちごには、どんな栄養素が含まれているの?
皆さんもご存知の通り、日本人の心を鷲づかみにしてやまない真っ赤ないちごは、
健康や美容にはうれしい栄養素をたっぷり含んでいます。
そこでまずは、知っておくと役に立つ、いちごの栄養素についてご紹介しましょう。
いちごの「ビタミンC」には、
アルコール由来の毒素を分解する働きがある
いちごは子どもの手の平にも十分収まるくらい小さな果物ですが、
実はその中にビタミンCがとても豊富に含まれています。
『2020年版 日本人の食事摂取基準(厚生労働省)』は、
12歳以上の男女のビタミンCの推奨量を、1日あたり100mgと設定しています(※2)。
ちなみに通常サイズのいちごの重さはだいたい22gくらいですので、
たった8粒のいちごで1日に必要なビタミンCを補えてしまう計算になります。
ところで、ビタミンCが豊富ないちごは、
お酒を飲む方におすすめのフルーツでもあることをご存知でしょうか。
年度末が近づくにつれ、お酒を飲む機会が増える方もいらっしゃることでしょう。
実はお酒に含まれるアルコールは、分解される途中で
「アセトアルデヒド」という発がん性が心懸念される物質に変わります。
「えっ!そうなの?」と、お酒を飲むのが怖くなった方、ご安心ください。
アセトアルデヒドは、人体で最大のデトックス臓器といわれる肝臓で
水と二酸化炭素に分解されて、体の外へ排出されます。
私がお酒を飲む時にビタミンCの摂取をおすすめする理由は、
ビタミンCにアセトアルデヒドの分解酵素を助ける働きがあるからです。
もしアセトアルデヒドが体の中に残ったままだと、
・胸やけや吐き気
・頭痛
・倦怠感
などといった二日酔いの原因につながるので、体に配慮しながらお酒を楽しみたい方は
同時にビタミンCを摂取すると良いと思います。
とはいえ、お酒の飲みすぎは体に負担がかかりますので、ほどほどに楽しんでくださいね。
いちごの「食物繊維」には、腸内環境を整える働きがある
意外かもしれませんが、
いちごは食物繊維も豊富な果物のひとつです。
便秘の方によくすすめられる果物としてはりんごが有名ですが、
『日本食品成分表 2019(文部科学省)』によると、
皮を剥いたりんご100gといちご100gに含まれる食物繊維の量はなんと同量なんです!!
そしていちごには、
■便のかさを増やしてくれる「不溶性食物繊維」
■便を柔らかくしてくれる「水溶性食物繊維」
の両方が含まれているため、便秘が気になる方には特におすすめです。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の理想のバランスを「ファイバーバランス」と呼びますが、
それによれば、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1が望ましいとされています。
そしてこのバランスが崩れて、不溶性食物繊維を摂り過ぎると便が固くなってしまって便秘になることがあり、
逆に不溶性食物繊維を摂りすぎても便が緩くなって下痢になってしまうのです。
そして、いちごに含まれる食物繊維のファイバーバランスは、まさに理想の2:1。
そのため、便秘の方にとってのいちごとは、りんごと同じくらいおすすめの果物なのです。
いちごを食べる前に知っておきたい農薬のお話
IN YOUの読者の方には、野菜や果物の残留農薬を気にされる方も多いと思います。
ここからは、いちごが大好きな方や、今年いちご狩りに行きたいと思っている皆さんに
ぜひ読んでいただきたい内容です。
いちごは、栽培に最も農薬を必要とする果物
実はいちごは、果物の中で収穫までに散布する農薬の回数が最も多いフルーツです。
その農薬散布の回数は50~60回にものぼり、
農薬なしでは栽培が難しいと言われているりんごの37回を軽く飛び超えてしまいます。
また、いちごは病害虫にとても弱い果物なので、
・うどん粉病
・灰色かび病
・炭疽病
・ケムシ
・ハダニ
などの被害からいちごを守るには、農薬が必須といわれています。
実際、我が家でもベランダでいちごのプランター栽培をしていたのですが、
ハダニや冬の寒さにやられてしまい、枯らしてしまった経験があります。
また、ちなみに、いちごの本来の旬はいつかをご存知でしょうか?
実はいちごの本来の旬は4~6月初旬ごろ。
意外と遅いと思われた方はいませんか?
いちご狩りは2月の半ば頃から始まるため、
「3~4月が旬」というイメージが強いかもしれません。
2月のいちご狩りや12月のクリスマスシーズンという寒い時期にいちごを出荷するために、
いちご栽培では「ハウス栽培」が活用されます。
屋外での露地栽培に比べて温度や湿度が高いハウス内では病害中のリスクが高まります。
そこで農薬を多用することで、十分な収穫量を確保しているのです。
いちごは洗い方で、残留農薬のリスクの度合いが変わる
昔の人の知恵として、
「いちごを洗う時には水に塩をひとつまみ入れるといい」と言われてきました。
塩を入れるのは汚れが落ちやすいという理由ですが、現代では塩を入れる洗い方はおすすめできません(※3)。
なぜなら、塩がいちごの表面についた農薬やダイオキシンを果肉の中にまで浸透させてしまうからです。
いちごに使用される農薬の中には、胎児への悪影響や神経毒性が心配される成分もあります。
汚れが落ちても、果肉に有害な物質が浸み込んでしまうのであれば、健康に優しい洗い方とはいえません。
さらにいうと、塩ではなく洗剤を使っていちごを洗うのも避けましょう。
洗剤の成分が、農薬やダイオキシンと一緒に果肉の中に入り込んでしまう心配があります。
そのため、いちごを安心して食べたい場合は、真水で洗うことをおすすめします。
いちごと農薬の関係についてさらに知りたい方は、以下の記事もおすすめですよ。
☆残留農薬 第1位の果実「苺」。甘い味に隠された恐ろしい農薬の実態について
美味しいいちごを安心して食べるための
3つのポイントとは?
その場でいちごを収穫して食べられる「いちご狩り」は、春のお出かけ先として人気です。
同時に、洗わずにいちごを食べることもあって、残留農薬のリスクが気になりますね。
そこで、安心・安全にいちごを楽しむためのポイントを3つ、ご紹介しましょう。
ポイント①:無農薬栽培や有機栽培のいちごを選びましょう
残留農薬のリスクを軽減できるだけでなく、化学肥料、有機肥料を問わず、
肥料を与えすぎたいちごは窒素成分が多くなって苦味が強くなってしまいます。
例えるならば、過保護な子育てをするのではなく基本は見守るだけに留め、
必要な時のみ手助けをする子育てのほうが、
のびのびと子どもが育つことにも似ています。
とはいえ、子育ても農業も見守ることと、サポートをすることのバランスを取るのが
なかなか難しいのですが(笑)。
だからこそ、
・肥料をあげない自然栽培
・有機肥料を状況に応じて最低限与える
など、肥料のやり方にもこだわりを持って栽培されているいちごは貴重です。
体に侵入する有害物質を減らすためにも、ぜひ安心して食べられるいちごを選びましょう。
ポイント②:真水でふり洗いをしましょう
無農薬栽培や有機栽培のいちごが手に入らない時は、農薬をなるべく落とせるように洗い方を工夫しましょう。
いちごは表面がボコボコしているため、農薬などの有害物質がくっつきやすくなっています。
ところがそこで、ゴシゴシと強く洗ってしまうと、柔らかな果肉が傷んでしまいます。
そこで、おすすめしたい洗い方は、
1.流水に5分つける
2.ザルに入れたまま5回くらいふり洗いする
というやり方です。
ポイントは、ヘタを付けたまま洗うこと。
なぜなら、ヘタを取ってから洗うと、水に溶けだした農薬やダイオキシンが
その断面からいちごの中に入ってしまうから。
洗い方を工夫するだけで農薬のリスクを減らせるので、大人はもちろん、
小さい子どもがいるご家庭では特に、この洗い方がおすすめです。
ポイント③:完熟いちごの見分け方と
美味しい食べ方を知っておきましょう
最後に甘く完熟したいちごの見分け方とおすすめの食べ方をお伝えします。
見分け方のポイントはたった4つで、
■ヘタの緑色が濃く、乾いていないもの
■ヘタが反り返っているもの
■果肉の色がヘタの近くまで赤色のもの
■種のつぶつぶがくっきりとしているもの
また尖った先端部分の方が甘いので、先の方から食べると甘味をより楽しめます。
ぜひ、いちご狩りやスーパーでいちごを買うときの参考にしてみてくださいね。
体に優しい無農薬栽培や有機栽培のいちごを選ぼう!
いちごに限らず、食べものを買う時は見た目がキレイなものを買ってしまいがちです。
ですが、
■いちごは、農薬の使用回数が一番多い果物
■いちご狩りでは、いちごを洗わずにその場で食べる
ことを踏まえると、
そのいちごがどんな方法で栽培されたのか気にすることは大切です。
2020年の春は、より安心、安全にいちごを楽しんでみませんか?
<参考>
・※1:農林水産省
・※2:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
・※3:[最新版]家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法 食材の選び方から下ごしらえ、食べ方の工夫まで
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