【初心者の方向け】おすすめ簡単レシピ付き「ヴィーガン&マクロビオティック入門講座」 vol.2/マクロビは菜食?
こんにちは。
マクロビオティックインストラクターの天野朋子です。
マクロビオティックときくと、どんなキーワードが思い浮かびますか?
おそらく、まずは、「白米ではなく玄米を食べる食事法」「肉や魚を食べない」
・・・といったような言葉が出てくると思います。
確かにマクロビオティックを実践している人の多くは玄米を食べており、
肉や魚を全く食べない人という人もいますが、
実は、「必ず玄米を食べる」「肉や魚は決して食べない」のがマクロビオティック
・・・というわけではないのです。
マクロビオティックでいちばん大切なのは、「自然の摂理に沿った生き方をする」ということです。
・人間(という動物)として、どんなものを主に食べるのが自然なのか?
・今の季節に、自分の住んでいる場所では、どんな食べ物や調理法を選択するのがいいのか?
・自分の今の体調にとって、どんな食べ物や調理法を選択するのがベストか?
それらを考えて、日々、フレキシブルに、
食材や調理方法を選択していくのがマクロビオティックです。
なので、たとえば、玄米を食べるとどうしてもお腹の調子が悪くなる人が
無理して玄米を食べ続けるのは、決して「マクロビオティック的なこと」ではないのです。
マクロビオティック=ベジタリアン?
「マクロビオティックはベジタリアン? ヴィーガンなんでしょう?」と
よく聞かれます。「違いがわかからない」、と言われることも。。。
確かに、マクロビオティックの食事を取り入れている人には
ベジタリアンが多く、ヴィーガンの人もいます。
☆ベジタリアン、ヴィーガンの定義については、
先日アップした、「ヴィーガン&マクロビオティック入門講座」 vol.1をご覧ください。
でも繰り返しますが、マクロビオティック=動物性食品を一切食べないという訳ではないのです。
いま、この季節にこの場所で、自分の体調やライフスタイルに合っているかどうか を考えて
自分にふさわしい食べ物を選ぶのがマクロビオティックですので、
それを前提として、動物性のものを食生活に取り入れている人も少なくありません。
実際、私が学んだアメリカのマクロビオティックの学校(合宿式)では、
週に一度、白身魚のお料理が出され、食べるかどうかは、個人に任されていました。
(魚を食べたくない人にはお豆腐料理のチョイス有り)
北極圏に暮らす人々にとっての
マクロビオティック的な食のあり方とは?
さて、ここでちょっと極端な(でも知っておきたい)例をあげてみましょう。
カナダやグリーンランドなどの北極圏に住むイヌイットの人たち。
彼らの食生活は、アザラシやトナカイ、魚や鳥といった動物性食品で構成されています。
動物性食品が「主食」というわけです。
平均気温がマイナス30〜40℃という極寒の地では、植物は育たず、
また、体温を保つためには動物性食品がどうしても必要になってきます。
ビタミンは、アザラシの内臓(生)や、キビヤックという伝統的な発酵食品
(海鳥とアザラシから作られる)で摂っているそうです。
ですので、彼らにとっては、動物性食品を摂ることが、自然の摂理に沿い、
環境と調和した「マクロビオティック」な食生活、というわけです。
これはまあ、極端な例ではありますが、重要なポイントは
動物性食品を食べるか食べないか、ではなく、
環境・体調・ライフスタイルが必要としているものを食べるのが
マクロビオティック、ということです。
とはいえ、玄米を問題なく消化でき、北極圏のような極寒の地ではなく温帯に住んでいるならば、
やはり、(できれば)玄米を食べ、動物性のものは「控えめに」することを私はおすすめしています。
それはなぜなのか。
その理由を、マクロビオティックの「四原則」からご説明しましょう。
マクロビオティックの四原則とは?
マクロビオティックには、
「一物全体」
「身土不二」
「陰陽調和」
「穀物菜食」
という四つの原則があります。
「一物全体」は、まるごと食べる、という意味。
マクロビオティックの考え方は、カロリーやビタミンという分析的な視点ではなく、
食べ物のもつエネルギー全体を観るというものです。
穀物であれば糠や胚芽のついた、「発芽する力」を持つ生きた状態でいただく。
野菜はできるだけ皮も根っこも食べる。
そうすることによって、穀物や野菜のもつ生命力を目一杯とりいれることができるのです。
白米ではなく、水につければ芽が出る玄米を私がおすすめする理由はそこにあります。
ただ、前述のように、玄米が体質に合わない場合もありますので、
その場合は胚芽米、分づき米などを食べるなどフレキシブルに考えましょう。
「身土不二」は、自分の身体と自分が住む土地とは切り離して考えられないという意味で、
なるべく自分の住んでいるところに近いところで採れるものを食べるという考え方です。
それはたとえば、熱帯で採れる果物や野菜は身体を冷やすものが多いので、
温帯に住む私達が食べすぎると身体を冷やしてしまうおそれがある、ということですね。
食べすぎず、ほどほどにしておきましょう(冷え性や、皮膚のトラブルがあるかたなどは特に)。
「陰陽調和」・・・、これはたいへん壮大なテーマで、とてもここには書ききれませんが、
ひとことでいうと、この宇宙に在るありとあらゆるものは、
陰(外にひろがる、ゆるめる、冷やす)と陽(内に向かう、締まる、温める)という
相反するエネルギーで成り立っており、その調和をとることが大切、という意味になります。
食べ物(と飲み物)に限っていえば、陰性の性質と陽性の性質を、
飲食物を通じてバランス良くとりいれること、
極端な陰性・陽性のエネルギーを持つ食材を食べすぎないことをすすめています。
「穀物菜食」は、前述のように、完全な菜食を意味するわけではありませんが、
歯の形や数、消化器官の成り立ちなどから見て人間は何でも食べることができるけれども、
穀物を中心とした植物性のものを主に食べることが自然である、という考え方です。
ですので、マクロビオティックを実践している人の中には
先に書いたように、体調に応じて動物性食品をときどき摂取する人もいますが、
摂り過ぎは身体に負担をかけるということを意識することは、やはり必要ですね。
マクロビオティックとヴィーガンのことをもう少し話しますと、
マクロビオティックは「陰陽のバランスを取る」ことを大切にしているので、
マクロビオティックの知識のあるヴィーガンの人は、
野菜の陰陽を考えて下記の3つのグループが偏らないように食べています。
・葉野菜や実野菜(小松菜、水菜、きゅうりなど)= 野菜の中では陰性寄り
・根野菜(人参、大根、ごぼうなど) = 野菜の中では陽性寄り
・地表近くの丸い野菜(かぼちゃ、たまねぎ、キャベツなど)= その中間
一方で、バランスを取ることを意識せずに、・根野菜(人参、大根、ごぼうなど) = 野菜の中では陽性寄り
・地表近くの丸い野菜(かぼちゃ、たまねぎ、キャベツなど)= その中間
葉野菜や生野菜だけを食べて冷えてしまっているヴィーガンの方もよく見かけます。
昨年、アメリカのマクロビオティックキャンプで講師をしたときに、
ヴィーガンの人たち向けのマクロビオティックの講義の中で、
陰陽バランス良く野菜を食べることの大切さをお話したら
「目からウロコ!」と大変喜ばれました。
ヴィーガンの人たちに陰陽バランスについて伝えていくということは、
これからも私たちの大切な役目になっていくと思います。
マクロビオティックの基本の基本その1
〜玄米ご飯の美味しい炊き方
玄米の炊き方は、どの方法が正しい?
玄米の焚き方についてはいろいろな方法があり、迷われる方も多いと思います。圧力鍋で炊く、土鍋で炊く、炊飯器で炊く。
炊く前に浸水する、浸水しない。
浸水した水を捨てる、浸水した水ごと炊く。
拝み洗いをする、そっとやさしく洗う。
・・・
いったいどれが正しいのか?
16年前に初めてマクロビオティックについて伝える仕事についたとき、
私はかなり頑なに、自分が教わったやりかたが「ベスト」だと思い、それに固執していました。
でも、今は、「なんでもいい」と思っています。
いちばん大切なことは、ご飯(できれば玄米、でも分づき米でも胚芽米でもいい)とお味噌汁を、
毎日、心から美味しいと思いながら、続けやすい方法で作り、食べること。
それができるならどんな方法でもいいと思っています。
というわけで、今日は、私が、いちばん美味しく、かつ簡単だと思って
毎日続けている2通りのやり方を今日はご紹介しますが、
でも、ほかの方法でやってみて、そちらがいいと思ったら、
ぜひご自分にとってベストの方法で炊いてくださいね!
「圧力鍋」を使った玄米ご飯の炊き方
材料
・有機玄米 2合・水 約480cc
・天然塩 ひとつまみ
作り方
1.玄米をボウルに入れ、水を静かにそそいでそっと手でかき混ぜながら洗う。水を捨て、新しい水を入れて、もう一度そっとかき混ぜながら洗う。
汚れが気になるようならさらにもう一度洗う。
ざるに上げてしっかりと水を切る。
2. しっかりと水を切った玄米を圧力鍋に入れ、玄米2合に対して約480ccの水を加えて
真夏なら2時間、真冬なら8時間程度、浸水させる。
3. そのまま水は捨てずに圧力鍋のふたをして火にかけ、圧が上がったら
弱火にして約30分炊く。時間がきたら火からおろして圧が自然に下がるまで待つ。
4. 圧が下がったらすぐに濡らしたしゃもじで全体をざっくりと混ぜる(天地返し)。
鍋を使った玄米ご飯の炊き方
材料
・有機玄米 2合・水 約650cc
・天然塩 ひとつまみ
作り方
1.玄米をボウルに入れ、水を静かにそそいでそっと手でかき混ぜながら洗う。水を捨て、新しい水を入れて、もう一度そっとかき混ぜながら洗う。
汚れが気になるようならさらにもう一度洗う。
ざるに上げてしっかりと水を切る。
2. しっかりと水を切った玄米を鍋に入れ、玄米2合に対して約650ccの水を加えて
真夏なら2時間、真冬なら8時間程度、浸水させる。
3. そのまま水は捨てずに鍋のふたをして火にかけ、十分に沸騰したら
ごく弱火にして約45分炊く。時間がきたら火からおろして約10分蒸らす。
4. 蒸らしが終わったらすぐに濡らしたしゃもじで全体をざっくりと混ぜる(天地返し)。
マクロビオティックの基本の基本その2
〜昆布椎茸だしのお味噌汁
昆布、椎茸、わかめ、切り干し大根など、植物性の素材でもとても美味しい「だし」がとれます。
繊細な味わいのだしなので、素材の味をじゃましません。
今日ご紹介するのは、お味噌汁にもスープにも、ドレッシングにも
何にでも使える万能「昆布椎茸だし」です。
もしかすると、カツオやイリコなどの動物性だしに慣れている方は、
植物性のだしだと「コクがない」と物足りなさを感じるかもしれません。
それを解消するコツは・・・「具沢山にすること」「たまねぎを入れること」です。
さまざまな野菜から出る味が合わさってコクがでますし、
たまねぎからもとてもいいだしがでます。
美味しい野菜をたくさんいれたお味噌汁は、だしが全くいらないくらい!
野菜料理の一品を兼ねることもできる「具沢山のお味噌汁」、ぜひお試しください。
昆布椎茸だしのとり方
昆布椎茸だしは、水に昆布と干し椎茸を入れて冷蔵庫に入れておくだけ。1時間ほどでだしは出ますが、できれば一晩いれておくと美味しくなります。
冷蔵庫で夏場は2日ほど、それ以外の季節は3〜4日間保存できます。
作り過ぎたら冷凍も出来ます。
材料
・昆布 約3センチ角 1枚・有機干し椎茸 1個
・水 2カップ(400cc)
作り方
1. 昆布と干し椎茸を水に入れ、冷蔵庫に入れる。水は少なめにしてあとから薄めてもよい。2. 2〜8時間経ったら使える。だし(液体)だけ使い、
もう一度水を足して二番だしをとることもできる。
急いで使いたいときは弱火で煮出してもよいがじっくり冷蔵庫で水出ししたほうが美味しい。
基本のお味噌汁の作り方
具(野菜)を小さめ・薄めに切った場合は、だしを沸騰させてから鍋に入れます。大きめにゴロゴロと切った場合には、だしと野菜を一緒に鍋に入れて火にかけます。
味噌は、ひと手間かかりますが、すりばちですってから入れると本当に美味しい。
時間があるときにはぜひ、そのやり方を試してみてください。
材料
・昆布椎茸だし 2カップ(400cc)・有機たまねぎ 1/4個
・季節の有機野菜 約100g(量は好みに応じて増やしてください)
・有機味噌 大さじ2弱(味噌の塩辛さによって加減してください)
作り方
1. 昆布椎茸だしを鍋に入れて沸騰させる2. たまねぎと、その他の野菜は食べやすい大きさに切り、1に加える。
3. 蓋をして中火にし、沸騰したら弱火にして野菜に火が通るまで煮る。
4. 味噌をすりばちに入れ、鍋から煮汁をおたま1杯程度とって、すりこぎでなめらかになるまですり混ぜる。
3. の鍋に加えてひと呼吸置き、やさしく全体を混ぜてから味をみて、必要であれば味噌を足す。
ご飯とお味噌汁は最強の組み合わせ
何がなくとも、ご飯とお味噌汁。この組み合わせは最強の食事です。
お米の消費量も、お味噌の消費量も減ってきている今、
食卓にご飯とお味噌汁を取り戻したい。
いまこそ、そのことがとても大切な時期だと思います。
「マクロビオティック的にどうするのが正しいのか・・・」などと難しく考えずに、
まずは玄米ごはんを炊いてみましょう。
昆布椎茸だしをとって、お味噌汁を作ってみましょう。
きっとそこから、新しい世界が少しずつ広がってくると思います。
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