江戸時代の知られざるスゴイ知恵「長寿十訓」から学ぶ日本人のための健康法とは。貝塚益軒の養生訓は現代人にも応用できる!
長生きの秘訣について書かれた長寿十訓をご存知ですか。
江戸時代に平均寿命約50歳の時代に、84歳で健康そのもので虫歯も抜けた歯もなく老衰で亡くなった本草学者・儒学者の貝原益軒がおりました。出典:TBS
貝原益軒は、生涯数百余冊の書籍を書き上げ、日本の医学・薬学を支えるような書籍を多数執筆しました。
そんな彼も、子供時代には病気がちで長生きは出来ないと言われていました。
そのため、外で遊ぶことができない代わりに「どうすれば、病気知らずの体になれるのか」を
その当時の医学書・薬学書などを読みふけり、養生に励んだ結果、体が丈夫になり長生きすることができました。
今回は、貝原益軒が生涯最後に執筆した「養生訓」に記されている内容について
「長寿十訓」を用いて、江戸時代の養生法から現代に活かせる情報をご紹介します。
少肉多菜
穀物菜食が基本。
日本人は、胃腸がそこまで強くないことから、たくさん食べてしまうと消化不良になると記されています。
この当時の肉類・卵黄類は、病で気が不足しているときに食べると良い「食薬」のような位置づけでした。
日本人は、穀物菜食をいただく食生活が人種として合っていることを伝えています。
肉料理は、1日1種類を少しだけ食べること、多く食べてはいけないとも書かれています
私たちの今の食事は、欧米よりの食事がほとんどになってしまっています。
コンビニ弁当を見ても肉食がずらりと並んでいます。
ファーストフード店も肉類や油物が多くなっています。
例え自炊をしていたとしても、おかずで肉料理を出さない家庭は少ないと思います。
私たち日本人が、そもそも肉食をあまり常食としていなかった歴史があるため、胃腸が弱い人種であることを知りましょう。
また、私たちの多くの死因となっているがんでも、特に消化器系の胃がん、食道がん、大腸がんになることが多い傾向になります。
これも、人種による胃腸の違いが反映されているのかもしれません。少塩多酢
こちらも濃い味付けのものが増えてきたことで、現代では塩分過多になっています。
その結果、高血圧になり、心臓血管疾患・脳血管疾患で亡くなる方も多く増えています。
減塩というよりも適塩を進めていき、毎日の自宅での食事は健康状態に関係なくあっさりしたものを心がけるようにしましょう。
ファーストフード店の外食による食事を減らす、間食に塩気の多いスナック菓子を口にしないようにする方が大切です。
また、酢の効果は、現代でも注目されております。
酢の種類によっても効能効果に差があります。
酢がどんなに良くても、とりすぎは胃腸に負担をかけると貝原益軒も伝えております。
調味料として、水などで薄めたりして少しずつ取り入れていきましょう。
少糖多果
体を冷やす果物は熱を加えて。
お菓子を食べ過ぎることは、胃腸を弱くするのでよくないと記されています。
また、体を冷やすような果物に関しては、蒸したり・煮たりするような形で熱を加える方法でいただくと良いと記されています。
この当時も、甘いものを多くいただくことがよくないと認識がされていたようです。
少食多噛
「禍は口より出て、病は口より入る」貝原益軒は、飲食については、2巻に分けて記すぐらい重要に考えております。
・飲食をしない日はないからこそ、常に欲求まかせのまま食べてはいけない。
・飲食は、空腹感を満たし、喉の渇きを潤すためにある。
・「飲食の欲」を抑制できない人は、義理を忘れるような意志薄弱なところがある。
・腹八分目か九分目でやめる。満腹までいくと「のちの禍」のもとになる。
・五味をバランスよく取り、同じようなものを続けざまに食べない。
・十分に食べたと思った時には食べすぎ。
また、食事の構成についても
・飲食のうち「ご飯」は、たっぷり食べないと、空腹感が満たされない。
・「吸い物」は、ご飯に味を付け加えるためのものだ。
・「肉」はいっぱい食べなくても、それで事足りる。
・「野菜」は、穀物、肉では足りない滋養を補い、消化しやすくする。
ご飯をたくさんいただき、おかずやお吸い物はあくまでもご飯の引き立て役、
またはご飯で得られない栄養を補うもので、ご飯の量以上に食べてはいけないと記されています。
私たちの食卓は、ご飯よりもおかずが多い家庭が一般的かもしれません。
この時代からすでに、この食生活が病気を起こす引き金になているというのを伝えています。
また「食事中は理屈っぽい話をしない」「床に就いたら無駄口を叩かない」とも書かれています。
これは、しっかりと食の恵みに感謝して味わうことを伝えています。
よく噛んで食べることの大切さにもつながることです。
少煩多眠
波風立てず気を和ませる
23時から0時の間に眠る
悩みを少なくし、心穏やかに言葉少なくすることで、波風立てず、気を和ませて静かに過ごすことができると記されています。
睡眠についても、11時から0時までの間で寝るのがよく、朝日が出る早朝に目覚めることが良いとされています。
それ以降の深夜になると精神が高ぶって休まらないとされています。
現代でも伝わる「早寝早起き」がここにありました。
少怒多笑
怒らずに前向きに生きる。
他人に足りない部分を怒ったり、咎め立てるようなことは心の病気になります。
毎日、適度に楽しむように生活をすることは、心を楽しくして元気にしてくれます。
現代でも、笑う、楽しく、前向きに生きることの体と心の影響を反映しているかのようです。
少言多行
無用なことを口にしない
「口は災いの元」と言われるように、この時代から言葉遣いに注意して無用なことを口にしないことは、自分のエネルギーを無駄に使わなくなります。
口にすることによる疲労感が養生するときに良くないことを伝えています。
口数を減らし養生するときに、しっかりと自分を律することを大切にするように書かれています。
少欲多施
昔の人は養生をするうえで「三欲を忍ぶ」と言ったそうです。「飲食欲」「色欲」「睡眠欲」の3つです。
現代で言うと「食欲」「性欲」「睡眠欲」になります。
飲食は腹八分目、特に若いうちは性欲を慎む、睡眠時間は夜が更けて寝るのは良いがそれ以上に明るい時間に寝たり、寝たりないと言って2度寝をすることは、くせいになって逆に体が悪くなって病気になると書かれています。
少衣多陽
厚着をしすぎない
厚着をして温かいところにいたり、熱い湯に浸かったり、熱いものを食べて体を温めすぎると、体が冷えることが記されています。
それよりも陽の光を浴びて、そこからの温かみを得ることをしてみましょう。
少車多歩
適度にあるく
体にきつくない程度の運動をすると良いことや、食後は300歩歩くと良いと記されています。
この時代の養生に、運動をすることの効果がすでに記されていたのです。
まとめ
江戸時代の恐るべし健康法は現代人にもじゅうぶん応用できる内容だった
現代でも頻繁に言われている内容が、江戸時代からすでに言われていたことには驚きがありました。
欲望のままの生活をすることは自殺行為に等しいと記されております。
健康で長生きすることは、どれだけ自分の中の欲望に対して律することができるのかにかかっています。
また、この「養生訓」の巻第七が薬の話が書かれています。
「どんな薬も、気を偏らせるので、決して乱用してはならない」あまり理解をしていない状態で薬を服用することは逆に毒になると記しています。
今回ご紹介した長寿十訓を自分なりに振り返ってみて、生活に取り入れられるといいですね。
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