「体にいいものしか食べられない」 新型の摂食障害「オルトレキシア」から知る健康食の在り方と、そんな人に知ってほしい「固定食・快楽食・栄養食」という食べ方。
こんにちは。オーガニックビューティセラピスト・自然療法士
そして、オーガニック料理ソムリエの坂田まことです。
「オーガニックフード」が日本にも浸透しつつある、ここ最近。
オーガニックカフェやレストランも軒並み都心を中心に増えてきました。
私が住んでいる鎌倉にも、有機野菜や自然食品を提供するお店が多くなったように感じます。
しかし、本当に変化していく必要があるのは「家庭の食事」「個人の意識」です。
家庭で日々食べるものが変わらなけらば、食事が変わったとは言い難いのです。
私は「自宅のキッチンがオーガニック化」していくことが
現代は何よりも大切だと感じています。
そして、それを「楽しく」「継続していくこと」。
実は、セラピストとして働いていると「摂食障害」に悩む女性を多く見かけます。
その悩みを抱える8割以上の女性が「体にいいものしか食べられない」ことで不自由な食事を強いられていたのです。
危険な物、不健康なものが食べられない
新型の摂食障害「Orthorexia (オルトレキシア)」という言葉を知っていますか?
オルトレキシア Orthorexia・不健康食拒食症とは?
不健康なものが食べられない新型の摂食障害「Orthorexia (オルトレキシア)」という言葉を知っていますか?
実はアメリカで多い症状なのですが、日本でも近年のオーガニックブームで増え続けている「摂食障害」のひとつです。
これは、健康的な食品しか食べることができず、いわゆる「不健康な食品」を極端に避け、自分自身に厳しい食事制限を課してしまう状態です。現時点では、公式な病気として扱われていませんが、メンタルヘルスの領域ではよく知られている症状です。
あなたはいくつ当てはまる? オルトレキシア(不健康食拒食症)診断。
「不健康食拒食症」の人が避けがちだと言われているものに、
動物性の食品、乳製品、砂糖、トランス脂肪酸、農薬を使ったもの、遺伝子組み換えをしたもの、添加物が入っているもの、ホルモン剤を使ったものなどがあります。
① 1日に3時間以上、ダイエット関連のことを考えますか?
② 何日も前から食事のメニューを考えることがありますか?
③ おいしい食事を味わう楽しみより、食品に含まれる栄養価が気になりますか?
④ 以前より、自分自身に対して厳格になっていませんか?
⑤ あなたの自尊心は、健康的な食事を摂ることによって保たれていますか?
⑥ ダイエットしたことにより、人生がより良くなったと感じますか?
⑦ ダイエットを始めたことで、友人や家族と外食する機会が減りましたか?
⑧ ダイエットをやめようかと考えた時に、罪悪感に苛まれますか?
⑨ 健康的な食事を摂ることで、安心感を得られますか?
⑩ “正常な”食べ物を摂るために、食事を楽しむことを忘れていませんか?
以上、10個の質問の中に4つまたは5つ以上「Yes」がある場合は、もしかするとオルトレキシアの可能性があるかもしれません。
この「オルトレキシア」に悩む女性のほとんどが「意識の高いヘルシーな人」。
つまり「体の健康」を想うあまり
「心の健康」を後回しにしてしまうのです。
その固定観念を振り払うためにも
「楽しむことが食の全て」という意識を身につけ
そして、健康的な食事を「楽に継続する方法」を知ることが最も大切だと私は信じています。
固定食・理想食・栄養食という3つの考え方
「固定食」「理想食」「栄養食」に分けて食べていく
例えば、私は子供がいるので、毎日三食 栄養満点!なんて理想は現実難しい。
これは毎日は出来ません。
三食キッチンで真面目に作るのは無理ですし、もはや苦行に近くなります。
するなら、早く起きることができた朝の時間だけ。
この時間に昼も晩のご飯も常備菜も仕込むのです。
昼夜は家族もいるし、仕事中の為いろんな食材を調理して食べることは、継続不可能なんですね。
あれは身体に悪そう。何を今日はたべようかな。
この中のメニューでどれが一番栄養満点でカロリーが低いのかな・・・
そんな風に「脳で食べる癖」がついてしまうと、本来「舌で楽しむ癖」を失ってしまいます。
男性や子供は本能的に食べるから、女性よりも摂食の悩みが少ないのです。
悩むことなく毎日同じものを食べる「固定食」について
固定食とは・・・
悩むことなく「毎日同じものを食べる」食事のこと。
毎日同じものを食べるのは、あまり良くないのでは?と言う諸説もあるけれど
私は毎日「あれ食べなきゃ、あれ食べちゃだめ」と考えながら食を続けるのは、とても辛いと思っています。
ですから、例えば「毎朝きちんとご飯を食べる」などの「固定した食習慣」を持つことが一番良いと信じています。
もちろん朝は「排泄の時間」とも言いますから
食べることが苦手な人や食べたくない人は、メインを昼にすれば良いでしょう。
それは人それぞれでいいと思います。
あくまでも私流ですが、朝は「時間の余裕」のある時だからこそ、しっかり栄養のある朝ごはんを食べておけば1日の栄養バランスがある程度採れるようにしておきたいのです。
朝の日本食として、玄米ごはん、納豆、卵、野菜たっぷり味噌汁に余ったおかずなど、しっかりいただきます。いわゆる「シンプルな和食」です。
食べることが辛い朝は休んだりしますが、悩むくらいなら和食を用意します。
だから、毎日頭を悩ませたりはしなくてもいいのです。
決まって「シンプルな和食」を食べていますから、悩む必要はありません。
和食は「世界が認める長寿食」です。
マクガバンレポートでも賞賛されている、日本が誇れる無形文化財だからです。
自分で作り置きするときは、有機の発酵調味料を使い、白砂糖を甜菜糖やきび等に変えて、有機野菜は購入できた時だけ。
そんな緩めのルールでも、朝からコーヒー!よりは良いでしょう。
(もちろんコーヒーも質によりますが、飲むならマテ茶がお勧めです)
「固定食」は、自分が毎日楽に食べられる、ある程度健康的な食事であればなんでも構いません。
「悩まず毎日食べられるもの」にしてくださいね。
私は、朝きちんと玄米、味噌汁、青菜を食べるから
他の2食が例え疎かになっても最低限必要な栄養を採れるように
継続可能な「固定食=毎日食べる食」を作っています。
毎朝、固定的に栄養のあるものを食べれば、それ以外は少しさぼってもいいよね・・・・
そんな気持ちの余裕も大切です。
それは、毎日「継続」するために欠かせない気持ちの在り方です。
時には好きなものを食べ、心に栄養を与える食事:快楽食。
快楽食とは・・・
時には好きなものを食べ、心に栄養を与える食事のこと。
食事には「余裕」が必要です。
時には、好きな人と、好きな時間に、好きなもを食べるといいでしょう。
特に女性は「視覚」で食を楽しむ癖があるからこそ
そこが満足する「快楽食」があるといいですね。
この食事は「体に与える影響」は考えすぎす「心に与える栄養素」を意識して選んでくださいね。
「気持ち」を満足させることが何よりも大切な食事です。
もちろん外食であってもいいでしょう。
できるだけ一人ではなく、誰かと食べることで、会話を楽しみます。
鬱っぽい時、辛いことがあった時こそ、幸せホルモン「セロトニン」が出すことが必要です。
* 人と会う
* 出かける
* 様々な文化に触れる
そんな習慣から多く分泌されます。
多くの人と触れ合えば、話をしたり、反対に色々な話を聞いて刺激を受ける事で感情が動かされる機会が増えます。
また映画や小説、アートなどに触れ合うことは感情を動かすのにとても役立ちます。
反対に、毎日刺激のない単調な生活を送ってしまうと、セロトニン神経は活性化されにくくなります。
「トリプトファン」はセロトニンの原材料ですが、このトリプトファンは主にタンパク質を多く含む食べ物に含まれます。
具体的には肉類や魚類などの動物性タンパク質に多く含まれており、偏った菜食により減少することもあります。
快楽食は「心の栄養」にも「体の栄養」にもなることを、忘れないでください。
必要な微量栄養素を取れる食事を「常備」する「栄養食」
栄養食とは・・・
必要な微量栄養素を取れる食事を「常備」することです。
ここだけはしっかりと「オーガニック野菜」や「自然食材」を使って、保存食や常備菜を作っておくことです。
これは日々の忙しい中でも、簡単に一つで「心と体の栄養素」補う食事法。
ついつい快楽食が多くなってしまう人には、必ず必要な方法です。
1、作り置きおかず(青菜のおひたし・動物性の煮物・漬物やぬか漬け)
2、酵素ドリンク(新鮮なフルーツや生姜の酵素液)
3、最強の玄米おにぎりご飯
これが、私が家に常備している保存食・常備食。
いわゆる「栄養食」です。
ここには少し時間を使い、少し努力する必要があります。
でもこの努力が、快楽食とのバランスをとってくれるのです。
できれば毎日作るよりは、作り置きすることの方が継続しやすいでしょう。
私もかつては苦しんだ「オルトレキシア」の体験。
これは、とても良い経験になった私の苦い過去ですが
かつて私も「オルトレキシア」に悩んだ一人です。
オーガニックの仕事に就いた当初の私は「健康への美意識」が非常に高く、動物性の食品、乳製品、砂糖、トランス脂肪酸、農薬を使ったもの、遺伝子組み換えをしたもの、添加物が入っているもの、ホルモン剤を使ったものを食べるなんて・・・と、それは他人には強制しないものの、自己に厳しい制限をかけていました。
当時はなんの違和感も感じることはなく
むしろ「すばらしいこと」と捉えて過ごしていました。
しかし、それが「不自然な思考」と思い始めたのは、家族との食事を「別」にし始めた頃です。
家族と一緒に晩御飯が食べられない。
食後のアイスなんてもっての外。
外食はチェーン店に行きたくない。
スーパーは自然食品店にしか行かない・・・など。
挙げ句の果てには、友人の前でも、家族の前でも「体に悪いものを食べることが恥ずかしい」とすら、感じるようになっていきました。
何よりも「健康な食事」を毎日3食作ることが大変で
外食やコンビニは信用できませんから、家で作らないと不安になるのです。
でも、仕事と子育てにおわれて、結局家で継続できず
「無いなら食べない」という偏った生活を始めるようになります。
その頃、私は「食事をすることは窮屈」と感じ始めていて
せっかく体にいいものを食べる習慣を始めたにもかかわらず「心の栄養」が著しく不足していたのです。
誰もが悩み苦しむ「健康食」の在り方
不健康な食材の実態を知ってしまった以上、「健康なものを食べたい」それは当たり前の欲求であるはずです。
また、人間関係も含めた「食事」に関する問題。
これは現代人なら8割以上の人が悩むことだと思っています。
克服したきっかけになった
「固定食」「快楽食」「栄養食」という食べ方は
「楽しても続けられる」
「自分で作ったから安心」
「家に帰ればすぐに満足いく食事がすぐに食べられる」
「たまには好きなものを食べてもいいんだ」
など私に様々な心境の変化をもたらしてくれました。
食事に悩む人の多くの問題は、
「こだわりすぎて、楽しめないこと」にあると思っています。
食は燃料でありませんし、悪でも善でもありません。
正しいも間違いもないのに、人は食に「正解」を求めようとします。
何を食べてもいいのです、どう生きてもいいのです。
でも忘れてはいけないのは
自分の心と体の健康を守ってくれるのは「自分」だけということ。
自分の体は、親が与えてくれた世界で一つだけの代わりのない存在であるということです。
目の前にある食事は、あなたの全てを作っているわけではありません。
環境、人、食事、全てが一つに繋がっています。
そして、「食べること」に依存してしまうと、大切なものを見失うことがあります。
それは、大切な友人や家族との食事を「楽しむ」という気持ちです。
「体と心の健康」はあらゆるものが複雑に絡み合って、一つの幸せの形を成していることに気づいてください。
食事を楽しもう。
一生、一瞬を生き抜くために。
Not everything that is faced
can be changed,
but nothing can be changed
until it is faced.
直面することは全ては変えれないけど、向かい合わなきゃ何も変わらない。
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