「発がん性リスクが高い」というエビデンスがすでに認められた食品と、その対策方法。日本人が今見直すべきこととは
世界一の長寿国とも言われる日本
2016年に世界保健機関(WHO)が発表した世界保健統計2016において、世界一の長寿国は前年同様に日本。
男女平均83.7歳でした(※1)。
これは、日本の生活習慣が健康に良い影響を与えている。
日本の医療及び医療制度が世界的にも優れている。
といった見方もできるのではないでしょうか。
一方、注目される「がん」罹患率の増加。
日本人の死因第1位は「がん」です(※2)。
最近では様々な予防説及び治療法があり、
東洋医学を取り入れた治療なども増加傾向にありますね。
今回は、「発がん性のリスクが高い」また「発がん性のリスクがある」と言われながらも、
私たちが口にしやすいものを多面的に見直していきましょう。
加工肉
・ハム
・ベーコン
・ソーセージ
WHO の外部組織である国際がん研究機関(International Agency for Research on. Cancer:以下、IARC)の資料でも
加工肉の発がん性リスクは最も高いクラス1に分類されています(※3)。
ただし、欧米人に比べると日本人は肉の摂取量そのものが低いとされ、日本人における明らかなリスクは
「加工肉を過剰に摂取した場合である」とする研究結果もあります(※4)。
(改善案)
食さないに越したことはないでしょう。もし加工肉を食べるのであれば、作り手のはっきりしている手づくりのものでかつ、
「発色剤無添加」や「保存料無添加」などの記載があるもの、遺伝子組み換え餌の与えられていないオーガニックのものを選ぶと良いでしょう。
アルコール類
「酒は百薬の長」とも言われる程
適量のお酒を飲むことは、血行を良くする、ストレスを緩和する、食欲増進が期待できるなど、健康に良いと評価されている面も多くあります。
しかし、発がん性リスクが高であるアルコール
しかし、IARCによるとアスベストやホルムアルデヒド、タバコ同様にアルコール飲料の発がん性リスクは高く、加工肉と同じクラス1に分類されています(※3)。
肝臓に負担がかる飲酒ですが、
毎日飲酒している人が食道がんになるリスクは、
飲まない人と比較して2倍以上高いといったデータもあります(※5)。
(改善案)
定期的な飲酒習慣は確実に身体に負担がかかります。適量を心がけましょう。
良質のミネラル、アミノ酸を豊富に含んでいるしじみ、あさりは、昔から肝臓によい食材として知られています。
牛乳・乳製品
・牛乳
・バター
・チーズ
・生クリーム
スウェーデンの論文でイギリスの医学誌「British Medical Journal」が紹介した記事によると、
動物実験の結果、チーズ、ヨーグルトなどの発酵乳製品に多く含まれる物質「ガラクトース」が、
老化を促進し寿命を縮めることがわかりました(※6)。
また、からすま和田クリニック院長 和田洋巳氏は「牛乳や乳製品ががんと関係する」と指摘する専門家の一人です(※7)。
(改善案)
牛乳の代用品として、豆乳を使うレシピ等が多く出回っています。豆から作られたヨーグルト、その他、アーモンドミルクやライスミルクも注目されています。
IN YOU一押し VEGAN ヨーグルト
乳製品不使用。材料3つですぐできる。ヴィーガン生クリームと「ヴィーガンウインナーコーヒー」の作り方。
免疫力を高める!【乳製品不使用】体ぽかぽか味噌と酒粕でほっこり玄米リゾットの作り方
塩蔵食品
・いくら
・たらこ
・目ざし
・塩鮭
・塩辛
・練りうに
お漬け物やお味噌など、比較的塩分を多く摂取しやすい食生活をしている日本人。
実は、特に気を付けたいのは塩分や塩蔵食品です。
減塩しすぎるのも考えものですが、過度な摂取は胃がんのリスクについてはほぼ確実とされていて、
その他高血圧や脳卒中、心筋梗塞のリスクも高くすることが指摘されています(※8)。
(改善案)
外食ばかりではなく手作りの料理も食べること。また、薄味に慣れるように食事を見直して行く、
お出汁や食材の旨味を感じる料理を心がけると良いでしょう。
調理法や加工法によって危険度が変わる食べ物
・こげ(バーベキューや焼き肉などで、真っ黒に焦げたお肉)
・かび(ピーナッツなどのナッツ類やトウモロコシ、コーヒー豆)
・熱いもの(スープ、紅茶、コーヒー)
海外の気になる健康事情!
【アメリカ】
デザイナーフーズ・プログラムは
今でも多くの人が注目!
1990年にスタートしたアメリカの国立がん研究所で進められた
「デザイナーフーズ計画(designer foods project)」。
この計画では、ガン予防に効果のある食品約40種類を選定し、
その頂点を1群、その下を2群、その下を3群としてその役割の大きさを示しています(※9)。
中でも、最も効果があるとされたのは「にんにく」でした。
1群
・にんにく
・キャベツ
・大豆
・しょうが
・にんじん
・セロリ
・甘草
2群
・ブロッコリー
・トマト
・タマネギ
・ウコン(ターメリック)、
・カリフラワー
・ナス
・ピーマン
・柑橘類
・茶
・玄米など
3群
・大麦
・エン麦
・ジャガイモ
・キュウリ
・アサツキ
・バジル
・オレガノ
・タイム
・ローズマリーなど
【ロシア】
日本で蔓延する遺伝子組み換え食品。
しかしEUの一部など海外では「NO!」の声も!
政府、「遺伝子組み換え食品禁止法案」を承認
-国民の大多数の支持を背景に-(ロシア)
ロシア政府は、ロシア国内における遺伝子組み換え作物および動物の、栽培と繁殖を禁止する法案を承認した(2015年1月20日)。
同年5月に実施された世論調査では、国民の82%が遺伝子組み換え食品は有害であると回答するなど、
政府のみならず消費者である国民の大多数も遺伝子組み換え食品禁止を支持している。
引用:日本貿易振興機構 JETRO(ジェトロ)海外農林水産・食品ニュース 2015年06月08日
【シンガポール】
欧米だけじゃない!
「NO MSG」の認知度はシンガポールでも高い!
多民族国家であるシンガポールでは国民の食文化も様々。
豚肉を食さないムスリムや牛肉を食さないインド人など、その人の思想を反映している食事スタイルが広く受け入れられています。
ベジタリアン用メニューも豊富ですし、化学調味料についても「NO MSG」に対応できるホーカーセンターのお店や「NO MSG」を看板で掲げているレストランもあります。
NO MSG FOOD http://search.insing.com/s/no+msg+food
【香港】
医食同源!漢方ドリンクスタンド
漢方への馴染みが深いため、漢方のお茶やスープなどを気軽に飲めるスタンドが充実しています。
香港の人は、風邪や多少の体調不良では病院には行かず、漢方で体調管理するとも言われます。
世界一の寿命を誇る日本。
その現状に満足して危機感が迫ってこないからなのか、まだ海外と比べると健康に対する意識が低いのでは?と感じることもあるのではないでしょうか。
日本人は海外のものをまねしたがる傾向にありますし、本来和のものでも、
マクロビオティックのように海外からきた「逆輸入もの」が流行しやすい風土です。
しかしその一方で、欧米では「発酵食品」や「ゴマ」「玄米」など日本ならではの食生活が次々にブームになるなど
いまだに注目されており、長寿の秘訣である東洋の食事にあこがれを抱く外国人がいることも確かです。
2015年には「国際ヨガの日」が創設されるなど、
東洋的な思想や伝統は、世界的にもその価値が見直されており多くの注目が集まってきています。
長年、東洋医学の一種である漢方医学を保険診療としても取り扱ってきた日本は、
西洋医学と漢方医学を融合させて治療実績を上げてきた面が評価されていることも事実。
もちろん今の日本には添加物や農薬、遺伝子組み換えの普及などのマイナス面の問題も山積みですが、
日本の悪い面ばかりでなく、これまで築き上げてきた長寿の秘訣である良い面によりフォーカスし、欧米の真似ではなく日本独自の本当の意味での健康食を今こそ見直し、取り戻すときではないでしょうか。
東洋的な考え方で重要とされるバランス感覚「中庸」。
食生活においても、自分の体質を知り、偏りすぎることなくバランスをとる。それがこれからの日本で生きるための知恵、健康法の1つではないかと思うのです。
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自分の体は自分で守る。健康長寿・低医療費「長野」から学ぶ、50年前から築き上げた予防医学の秘訣。
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【参考文献】
(※1)World Health Statistics 2016: Monitoring health for the SDGs
http://www.who.int/gho/publications/world_health_statistics/2016/en/
(※2)平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況
死因順位(1~5位)別死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)別
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai15/dl/h7.pdf
(※3)IARC LIST OF CLASSIFICATIONS, VOLUMES 1–117
http://monographs.iarc.fr/ENG/Classification/latest_classif.php
(※4)国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果 -http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2869.html
(※5)がん情報サービス 食生活とがん
http://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause/dietarylife.html
(※6)The BMJ (formerly the British Medical Journal)
Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015
(※7)からすま和田クリニック院長 和田洋巳 氏
「第3回−がん細胞〜牛乳の功罪−」http://d.hatena.ne.jp/wadahiromi/20130702
(※8)国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
食塩・塩蔵食品摂取と胃がんとの関連について
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果 -http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2869.html
(※9) The Huffington Post Japanガンを予防する野菜”デザイナーフーズ”って何?
2015年11月19日
http://www.huffingtonpost.jp/office-de-yasai-news/cancer_b_8552544.html
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