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理由もないのに落ちこむ?秋に不安定になりがちな季節性うつの原因と10の解消法。

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理由もないのに落ちこむ?秋に不安定になりがちな季節性うつの原因と10の解消法。


1.さまざまなイメージの「秋」

 こんにちは。『いつもがわくわく☆こどもてらこや』主宰の柳原里実です。
 暦の上では「秋分」を迎え、動静いずれの活動にも打ち込みやすい、落ち着いた気候になってまいりました。

「スポーツの秋」「芸術の秋」

たるゆえんですね。

 また、稲をはじめとする穀類、地中の芋類、柿や栗などの果樹が実り、収穫できる季節。夏バテも落ち着き、冬を迎える前に本能的に養分を蓄えたいのか、むくむくと湧く「食欲の秋」でもあります。

2.メランコリーな「秋」

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 快適で豊かなイメージの秋ですが、中には「もの哀しさ」を感じる方も少なくないそう。
何かものうげな、メランコリックなイメージは、シャンソンのスタンダード

『枯葉-Les Feuilles mortes-』

(ジョゼフ・コズマ作)のメロディを思い出させます。歌詞も、かつての恋人を想い出す内容ではありますが、最盛期を夏、終盤に向かう頃を秋と、人生全体を季節で表現したものとも捉えられます。

 また、有名な短編

『最後の一葉-The Last Leaf-』

(オー・ヘンリー作)も、落葉の季節が舞台です。病床から見えるツタの最後の一枚が落ちる時、自分の寿命が終わると信じる若い女の子と、老画家の、なんともいえない結末が印象的です。

 試しにインターネットで「秋」「気持ち」とどちらにでもとれる中庸な単語を入力して検索すると、上位2つが「不安定な秋」の記事、3番目に「秋の行楽」の記事があがりました。
 秋にもの哀しさを感じる原因は何なのでしょうか?

3.秋に不安定になりやすいこころ☆原因は?

 そもそも感覚の問題ですので、原因はひとそれぞれで、複合的なものですが、一般的には下記の理由が考えられるそうです。

(1)日照時間の減少

 私たちの身体は、常に、大圧、気温、湿度、紫外線など「気象」の影響を受けています。
 「ひざが痛むからじきに雨がふる」「台風の頃ぜんそくが出る」など、昔から、天気が原因で起きる体調不良が日常会話でも聴かれてきました。2006年一般生活者と慢性疾患患者対象に行われたアンケートでは、その約7割が「天候や季節の変化は体調へ影響があると感じる」と回答したそう。頭痛、めまい、耳鳴り、関節痛、神経痛、うつなどあわせて「気象病」と呼ばれているそうです。

 夏(6~8月)  日照時間 (440.8時間)
 秋(9~11月)  日照時間 (399.7時間)

 
 *国土交通省気象庁 東京都1981~2010年平均値

 日照時間は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の分泌に強く関係があります。「セロトニン」は、主に生体リズム、神経内分泌、睡眠、体温調節に関わり、ストレスや不眠を解消するという働きをしますが、「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」という言葉もあるように、秋の日照時間の短縮が、「セロトニン」の分泌を減少させてしまうのです。

(2)気温の低下

 地軸が23.4度傾いたまま、太陽の周りをまわる地球。北半球では、太陽が真東から上り真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる秋分以降、太陽光が地上に射す角度は低くなっていきます。それによって、気温も低くなります。
 再び、国土交通省気象庁発表の気温平均値を見てみましょう。

夏(6~8月) 平均気温 24.3℃
 秋(9~11月) 平均気温 17.5℃

  *国土交通省気象庁 東京都1981~2010年平均値

 気温の低下は、生物的に「本能」として、「生命維持の不安」を感じさせるそうです。寒くなることで、気温低下そのものにより生命活動に強い影響を受けるだけではなく、いのちの元となる食料、動植物を捕獲できなくなるからでしょう。

(3)気圧の変化

 私たちは常に、大気の圧力を受けています。標準気圧(1気圧)は1013.25hPa(ヘクトパスカル)、富士山の山頂では気圧が630hPaくらいです。
 目に見えないので普段は意識することがありませんが、「私たちはいま空気の海の底にいる」と想像すると、分かりやすいかもしれません。自分の頭の上にある空気の重さが、身体にかかるイメージです。
 
 身近な例に、お菓子の袋が、山頂や飛行機の中でぱんぱんにふくらむ現象があります。お菓子の袋は、空気の海の底での強い気圧でちょうどいい状態。高所の空気の薄い気圧では、外から押す力が弱く、結果ふくらんでしまうのですね。
 天気や季節の気圧の変化も、このように、目には見えないけれど、わたしたちの身体、特に頭痛や気分の上下に影響を与えているのだそうです。

(4)「終わり」のアイコン

 「照りつける太陽」「繁茂する樹々の濃い緑」「沸き立つ入道雲」「蝉の声」…それらが、見えなくなったり、聴こえなくなることは、「終わり」を体感することになります。

 時には、憂愁に浸ってみるのもおつかもしれませんが、せっかくの快適な季節です。
気持ちを切り替えるための、おうちで簡単にできる方法をみてまいりましょう。

4.自分でできる「不安定」解消アイディア

 「悩み」「マイナス思考」は特に、「つい」「ふと」そのことを想い、気づいたらそればかり考えてしまう「堂々めぐり」。「過去」「未来」ではなく、「いま」にこころを向けようと思っても難しいものです。
 それは、「思考のクセ」があるから。いいも悪いもなく、その方が無意識のうちに長年育ててきたもの。急に変わるものではありません。
 

おすすめは、意識的に動かすことができ、それを目で確認できる「行動」から始めること。


 朝から順を追って見ていきましょう。

(1)朝日を浴びる

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 朝起きたら、まず朝日を浴びてみましょう。お住いの地域やお部屋の条件が可能であれば、雨戸や遮光カーテンなしで、朝日が射しこむ窓があればいいですね。なくても、雨戸やカーテンを開ける時に浴びられます。
陽の光を浴びると、体内時計がきちんと動くようになるそう。朝に目覚めて活動することは、夜に眠たくなることにつながります。自然のリズムに沿った新しい一日を始めてみませんか?

(2)深く呼吸する

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 落ち込んでいる時に、呼吸に意識を向けてみます。すると、「息をひそめている」かのように、とても浅い胸呼吸であることに気づきます。
 内臓の動きは、意志で調節できませんが、呼吸は可能です。可能であれば、朝日を浴びる時に窓を開け、新鮮な空気を取り込んでみましょう。

 瞑想やグラウンディングもいいですね。太陽の見える位置なら、お日さまに向かって、息をふーっと吹きかけて、息を吸うのもおすすめです。身体の中にたまっていた古いものは、すべて吐き出されて光に還り、吸う息とともに、新しく明るいエネルギーが身体の細胞のすみずみにまで満ちていく…。そんなイメージもおすすめです。

(3)祈ってみる

 「祈る」と言っても、「神頼み」や「仏にすがる」という意味ではありません。
 「朝目覚めた」ということは、少なくともあと一日生きられる可能性があるということ。「昨日」を過ごせたことへの感謝と、「今日」をどのように過ごすつもりかを「想う」ということです。
 寝坊してドタバタ始まる日も話のネタにいいですが、「気持ち」を整えることで満ちる朝は格別ですよ。

(4)軽くからだを動かす

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 気持ちがふさぎこんでいると出かける気分にもならないものです。
そこをあえて、一度「スポーツの秋」に乗っかってしまうのもひとつです。いわゆる「スポーツ」でなくても、ヨガ、チベット体操、お散歩…など興味のあるものを。好きな音楽を聴きながら行ったり、白地図をプリントアウトして通った道を塗っていくなど工夫も無限大です。

(5)掃除をする

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 片付けたり、掃いたりすることで、からだを動かすことになり、目に見えてきれいになるからとても分かりやすいのがいいですね。狭い範囲でも、毎朝一か所続けると、住んでいる場所がいい氣の場「イヤシロチ」になります。

 こころを込めてつくるお料理で、たくさんの方を救ってこられた「森のイスキア」主宰の故・佐藤初女さんは、座ってする祈りを「静の祈り」、生活を丁寧に営むことを「動の祈り」と呼んでおられます。つらいことややりきれないことがある時には、掃除を続けることで心を整えておられたそうです。

(6)秋のファッションを取り入れる

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 シンプルな服一枚では、肌寒くなってくる頃。重ね着や帽子など、いつもとは違うファッションを取り入れられるのはいかがでしょう。憧れの人のマネをしたり、形から入るのもいいですね。
 「出かけてみたい気分」が盛り上がれば、それだけで御の字です。

(7)秋を五感で感じる

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 落ち込んでいる時には、五感も鈍いものです。赤や黄の暖色がまぶしいほどの「紅葉狩り」。ぶどう、栗、柿、梨、りんごなど「くだもの狩り」。季節を五感で感じるようなおでかけはいかがでしょう。
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(8)質のよいものを食べる

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 身体や五感を働かせると、きちんとおなかがすきます。「なんとなく」「時間が来たから」ではなく、空腹を体験してからいただきましょう。
 セロトニンの分泌には、たんぱく質に含まれる「トリプトファン」という必須アミノ酸と、「ビタミンB6」が必要です。両方を多く含むのは「大豆」です。安全な大豆を、特に、お味噌や納豆など「発酵食品」の形で摂取するのがおすすめです。

(9)腸を整える

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 食物を取り入れる」ことばかり注目されがちですが、「出すこと」が大切です。
満腹ではなく、食物繊維を多く含む、質の良い食物を、適量食べる。そして、空腹をしっかり体験させることで、お通じは規則的になり、いつもすっきりいられます。
 セロトニンの9割が存在しているという「腸内」の環境を整えるのは大切です。

(10)眠る


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 身体を元気に活動させるセロトニンと、夜にぐっすり眠らせてくれる物質メラトニンのバランスが大切です。
昼夜逆転や、不規則な生活は、分泌バランスを崩し、不眠やイライラなどの原因になります。
 日中に身体や五感を使うと、自然に眠くなるものです。
 ここでようやく、目には見えないことに取り組み、秋の今日の一日の楽しかったことやよかったことを思い出してから寝ると、いい気持ちのまま眠りに入り、質の良い睡眠を取ることができるのです。

5.さいごに

 お気持ちに沿うものはありましたか?
もし何かを始められて、それが続かない時もご自分を責めないでくださいね。どんな方法でも、あなたご自身がほっとされているのが一番です。
 

もともと どんな事象にも 意味はない。
意味づけをしているのは 「自分」。
だからそれを変えられるのは 「自分」しかない。


 もし、いま、ありたいようにあることができない時も、あせらずゆっくりいきたいですね。なにが心地よいかは人それぞれ。十分に満ちれば、自然の姿になるものです。
 どうぞこころもからだもさわやかな秋を味わわれますように。

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【参考:厚生労働省HP・国土交通省気象庁HP・『天候変化と気分障害』(名古屋大学環境医学研究所 近未来環境シミュレーションセンター)・『気象・季節の感情障害への影響』立正大学地球環境科学部】

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